機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE

TVアニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のコミカライズ作品。原作アニメ版のメインキャラクターの1人であったアスラン・ザラを主人公とし、異なる視点からの物語を描く。「月刊ガンダムエース」2005年1月号から2006年9月号にかけて連載された作品。なお、原作アニメ版の主人公であるシン・アスカ、キラ・ヤマトたちのエピソードは、久織ちまきの別作品である、オムニバス形式の外伝『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE Desire』で描かれている。原作は矢立肇、原案は富野由悠季。

正式名称
機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE
原作者
矢立 肇
作者
ジャンル
ロボット
レーベル
カドカワコミックスAエース(KADOKAWA)
巻数
全5巻
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概要・あらすじ

地球連合とプラントの間で勃発した、ヤキン・ドゥーエ戦役と呼ばれる戦争から、2年の月日が経った。戦争を終結へと導いた英雄の1人であるアスラン・ザラは、「アレックス・ディノ」を名乗り、自身の恋人でオーブ連合首長国の首相を務めるカガリ・ユラ・アスハの護衛の任についていた。2人はプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルとの会談のためコロニー・アーモリーワンへと向かうが、そこで極秘裏に開発されていた新型モビルスーツの強奪事件に遭遇。

アスランたちは、奪われたモビルスーツを取り戻すため発進した新造戦艦のミネルバへと乗艦し、追撃任務に同行する。二度と戦争を起こさせまいと奮闘するシン・アスカらミネルバのクルーと出会い、自分がやるべきことは何かを苦悩する中、アスランは父であるパトリック・ザラの思想に心酔し、コロニー・ユニウスセブンを地球へ落とそうと画策するテロリストたちの姿を目の当たりにすることになる。

プラントへと赴いたアスランは、偽のラクス・クラインとしてプラント市民の心を支えるミーア・キャンベルとの交流や、旧友イザーク・ジュールらとの再会を経て、Z.A.F.Tへの復隊を決意。

デュランダルから託されたセイバーガンダムを駆り、再び戦場へと舞い戻る。

登場人物・キャラクター

アスラン・ザラ (アスランザラ)

青い長髪のコーディネイターの青年。主にモビルスーツ、セイバーガンダムに搭乗する。かつてのプラントの国防委員長、パトリック・ザラを父に持ち、自身もZ.A.F.Tに所属するエースパイロットだった。しかし、しだいに戦争の正しさに疑問を抱くようになり、Z.A.F.Tを離反してヤキン・ドゥーエ戦役を終結させるために戦った。 そのため一度はZ.A.F.Tを離反した身でありながら、伝説のエースパイロットとして英雄視されている。戦後はオーブ連合首長国に亡命し、「アレックス・ディノ」を名乗って恋人のカガリ・ユラ・アスハの護衛を務め、新型モビルスーツの強奪事件をきっかけにミネルバへと乗艦する。責任感が強く、実直な性格の好青年だが、真面目で堅物すぎる一面もあり、人間関係は不器用。 中でもアスランに反発しがちなシン・アスカには手を焼くことが多く、意見の違いから何度も衝突することになるが、シンを過去の自分自身と重ねて合わせてもいる。異性からの人気は高く、カガリの他にもルナマリア・ホーク、メイリン・ホーク、ミーア・キャンベルら複数の女性からアプローチを受けている。

シン・アスカ (シンアスカ)

黒い髪に赤い瞳の、Z.A.F.Tに所属するコーディネイターの少年。かつてはオーブ連合首長国に住んでいたが、戦争に巻き込まれて家族を失い、プラントへと移住してきた。戦争で不幸な思いをする人間をこれ以上増やさないため、Z.A.F.Tへと志願。その才能をギルバート・デュランダルに見いだされ、新型モビルスーツ、インパルスガンダムのパイロットに抜擢される。 アスハ家やオーブ連合首長国に対する苛立ちからカガリ・ユラ・アスハに厳しい言葉をぶつけたり、時折作戦を無視して独断専行するなど、頭に血が上りやすくナイーブな性格。そうした言動を諫めることが多いアスラン・ザラに対しては反抗的な態度をとるが、ヤキン・ドゥーエ戦役を戦い抜いた実力は認めており、内心では憧れに近い感情を抱いている。 作戦前にアスランから、「お前がエースだ」と名指しされた際には、まんざらでもない態度を見せたこともある。やがてZ.A.F.Tのスーパーエースと呼ばれる存在へと成長していくが、それは同時にシン自身の増長も生む結果となった。

キラ・ヤマト (キラヤマト)

オーブ連合首長国に身を寄せるコーディネイターの青年。アスラン・ザラとは月の幼年学校からの親友。ヤキン・ドゥーエ戦役を終結させたとされる英雄の1人で、その出生はあらゆる才能に優れた、「スーパーコーディネイター」と呼ばれる存在である。本来は戦いを好まない穏やかな性格だが、卓越したモビルスーツの操縦技術を持っており、戦闘でもコクピットを狙わず、手足や武装のみを破壊するという戦い方に徹している。 戦後は双子のカガリ・ユラ・アスハの庇護のもと、ラクス・クラインらと共に世捨て人のような生活を送っていた。ラクスの暗殺未遂事件をきっかけに、ギルバート・デュランダルへと疑念を抱き、かつての乗艦アークエンジェルの仲間たちと共に独自に行動を開始する。

ギルバート・デュランダル (ギルバートデュランダル)

プラント最高評議会議長を務めるコーディネイターの男性。温厚な性格の持ち主で、敵国であった地球連合に対しても融和策をとり、戦後の混乱するプラントを復興させた。穏健派でありながら戦争裁判ではイザーク・ジュールらZ.A.F.Tとしてヤキン・ドゥーエ戦役を戦った若い兵士達を全面的に擁護し、厳罰を免れさせており、軍人からの信頼も非常に厚い。 迷いを抱くアスラン・ザラをFAITHに任命し、セイバーガンダムを与えてミネルバへと配属させた。遺伝子工学の権威としても知られ、世界から争いを無くすため、遺伝子による管理社会デスティニープランを提唱することになる。タリア・グラディスとはかつての恋人同士。

カガリ・ユラ・アスハ (カガリユラアスハ)

オーブ連合首長国の首相を務める少女。キラ・ヤマトとは双子で、オーブ連合首長国を治める5大氏族の1つであるアスハ家の一人娘。ヤキン・ドゥーエ戦役では父親に反発してオーブ連合首長国を飛び出し、アークエンジェルに乗艦していた。戦後、亡き父の後を継いで政治家となってからは、本来の活発な性格もなりを潜めており、オーブ連合首長国の行く先について思い悩むことが多い。 戦場で心を通わせたアスラン・ザラとは恋人同士だが、再び敵同士の関係となったプラントとオーブ連合首長国の間で翻弄されていくうち、その関係は疎遠になっていく。

ルナマリア・ホーク (ルナマリアホーク)

Z.A.F.Tに所属するコーディネイターの少女。戦艦ミネルバの一員で、主に専用の赤のカラーリングを施したモビルスーツ、ザクウォーリアのパイロットを務める。シン・アスカ、レイ・ザ・バレルとはザフトの兵士養成機関アカデミーの同期で仲が良い。ヤキン・ドゥーエ戦役の伝説のパイロットとされるアスラン・ザラに興味を持っており、妹のメイリン・ホークとの間でアプローチ合戦になることも。 だがアークエンジェルのクルーと密会する現場を目撃してからは、アスランに対して少しずつ疑念を抱くようになっていく。

メイリン・ホーク (メイリンホーク)

Z.A.F.Tに所属するコーディネイターの少女。戦艦ミネルバのオペレーターを務める。オシャレに気を使う今時の少女だが、基地のホストコンピューターに侵入できるほどの天才的なハッキング技術も持ち合わせている。アスラン・ザラに対して好意を持っており、よく姉であるルナマリア・ホークと張り合っている。

レイ・ザ・バレル (レイザバレル)

Z.A.F.Tに所属する少年。戦艦ミネルバの一員で、主に専用の白のカラーリングを施したモビルスーツ、ザクファントムのパイロットを務める。シン・アスカ、ルナマリア・ホークとはZ.A.F.Tの兵士養成機関アカデミーからの同期。常に冷静沈着で感情を表に出さず、暴走しがちなシンを諫める役回りをすることが多い。 自身の親代わり的な存在であるギルバート・デュランダルに対して絶対的な信頼を寄せており、デュランダルが提唱するデスティニープランを実現するために戦う。

タリア・グラディス (タリアグラディス)

Z.A.F.Tに所属するコーディネイターの女性。ミネルバの艦長を務め、冷静沈着な判断を下す聡明な指揮官。クルーやギルバート・デュランダルからの信頼も厚く、FAITHへの任命も受けている。迷いを抱きながら戦うアスラン・ザラを心配して助言をする一方、その真意を図るためにルナマリア・ホークを監視につけるというしたたかな一面も持ち合わせている。 デュランダルとは元恋人同士。

イザーク・ジュール (イザークジュール)

Z.A.F.Tに所属するコーディネイターの青年。アスラン・ザラとはZ.A.F.Tの兵士養成機関アカデミーの同期という間柄で、犬猿の仲でもあった。かつては頭にすぐ血が上る直情的な性格だったが、ヤキン・ドゥーエ戦役を通じ、自身の隊を率いる指揮官として成長する。迷いを抱いたままプラントへと戻ってきたアスランを激励し、彼がZ.A.F.Tに復隊するきっかけを作った。

ハイネ・ヴェステンフルス (ハイネヴェステンフルス)

Z.A.F.Tに所属するコーディネイターの青年。FAITHの1人で、オレンジの専用カラーリングのモビルスーツ、グフイグナイテッドのパイロットを務める。気さくで面倒見のいい性格で、シン・アスカやルナマリア・ホークらミネルバのクルーとも赴任後すぐに打ち解けている。隊長として一目おかれていたアスラン・ザラを呼び捨てで呼ばせるようにするなど、上下の壁をなくしミネルバの空気を変えた。 シンと衝突していたアスランにも的確な助言をし、その関係の改善に一役買っている。

ミーア・キャンベル (ミーアキャンベル)

ラクス・クラインの替え玉を務めるコーディネイターの少女。戦後、混乱するプラントには歌姫であるラクスの力が必要だと判断したギルバード・デュランダルに見いだされ、整形手術を施しラクスへと成り代わる。以前のラクスとの変化に戸惑いを覚える者も少なからずいるが、地球連合との開戦後は慰問コンサートを各地の基地で開いて回っており、兵士からの人気は高い。 ラクスの婚約者であり、瞬時に自分が替え玉だと見抜いたアスラン・ザラに興味を抱く。

ラクス・クライン (ラクスクライン)

かつてプラントの歌姫として知られたコーディネイターの少女。最高評議会の融和派であったシーゲル・クラインの娘で、アスラン・ザラとは元婚約者の間柄。ヤキン・ドゥーエ戦役を終結させた立役者でもある。戦後は表舞台から姿を消し、キラ・ヤマトらと共にオーブ連合首長国へと逃れて平穏な日常を送っていた。そんな中、Z.A.F.Tと思わしき特殊部隊の襲撃を受け、命を狙われることになる。

ステラ・ルーシェ (ステラルーシェ)

地球連合に所属する少女。主にZ.A.F.Tから強奪したモビルスーツ、ガイアガンダムに搭乗する。エクステンデッドと呼ばれる、薬物によって身体能力を大幅に強化された存在で、地球連合の治療施設なしには生きられない。ミネルバとの戦闘で捕虜となるが、ミネルバの施設では延命措置すら難しく、その命を救おうとしたシン・アスカの独断によって地球連合へと帰された。 この命令違反がきっかけで、アスラン・ザラとシンの関係は悪化していくことになる。

ロード・ジブリール (ロードジブリール)

コーディネイター排斥を唱える組織、ブルーコスモスの盟主を務める男性。コーディネイターに対して強い憎しみを抱いており、影から地球連合を操り、プラントへの核攻撃で両国の開戦のきっかけを作った。ギルバート・デュランダルにロゴスのメンバーであることを明かされてからは、世界の敵として追われることになる。

集団・組織

Z.A.F.T (ザフト)

コーディネイターによる国家・プラントに存在する政治結社で、プラント内に大きな影響力を持つ。アスラン・ザラ、シン・アスカら多くの人物が所属し、ギルバート・デュランダルが最高評議会の議長を務めている。隊長や艦長といった、作戦を遂行するうえで必要となる最低限の役職を除き、一般的な階級制度が存在していない。 また士官学校を優秀な成績で卒業した者に贈られる赤や、隊の指揮官クラスを示す白というように、役職や成績によって与えられる制服の色が異なる。

地球連合 (チキュウレンゴウ)

地球に存在する複数の国家による連合国。ステラ・ルーシェらが所属。コーディネイターを排斥しようとするブルーコスモスに牛耳られており、その暴走が「血のバレンタイン事件」から始まるヤキン・ドゥーエ戦役を引き起こすことになった。戦後はZ.A.F.Tと講和条約を結んだが、コーディネイターによるコロニー・ユニウスセブンの落下事件を口実に、プラントへと核攻撃を行う。 その背後ではロゴスが大きな影響力を与えている。

オーブ連合首長国 (オーブレンゴウシュチョウコク)

地球に存在する国家。五大氏族と呼ばれる家系により治められている。地球連合にもZ.A.F.Tにも属さない中立国だったが、ヤキン・ドゥーエ戦役では協力要請をはね除けたことで地球連合からの攻撃を受け、壊滅的な被害を被る。戦後はカガリ・ユラ・アスハが首相の座を継ぎ復興を遂げるも、現在はアスハ家と同じ五大氏族のセイラン家が権力を握っている。 再び地球連合を敵に回すことを恐れたセイラン家の方針により、中立の理念を捨てて地球連合と同盟を結び、Z.A.F.Tと敵対することになる。

ロゴス (ロゴス)

地球連合に対して大きな影響力を持ち、歴史の裏で戦争を操ってきた秘密結社。構成員はブルーコスモスの前盟主であるムルタ・アズラエルや、現盟主であるロード・ジブリールなど。ギルバート・デュランダルによって「倒すべき悪」としてその存在と所業が明らかにされ、叛乱した地球連合の一部とZ.A.F.Tの両軍から攻撃を受けることになる。

FAITH

プラント最高評議会直属の特務部隊。Z.A.F.Tの中でも他の兵士とは指揮系統が異なり、独自の判断で行動を決める権利を有する、Z.A.F.Tにおけるトップエリートともいえる存在。アスラン・ザラはヤキン・ドゥーエ戦役時にも任命を受けており、ギルバード・デュランダルによって再びFAITHへと復帰した。 その他にも、ハイネ・ヴェステンフルス、タリア・グラディス、シン・アスカ、レイ・ザ・バレルといった面々が任命されている。

その他キーワード

ミネルバ (ミネルバ)

タリア・グラディスが艦長を務めるZ.A.F.Tの新造戦艦。インパルスガンダムを始めとした新型モビルスーツの運用を前提とした艦でもあり、専用の出撃カタパルトや、艦外のモビルスーツのエネルギーを即座に補給できる「デュートリオンビーム送電システム」といった試験的な兵器の運用も行えるようになっている。コロニー・アーモリーワンにて進宙式を行う予定であったが、新型モビルスーツの奪還のため、ギルバート・デュランダルやカガリ・ユラ・アスハといった要人を乗せたまま出航を余儀なくされた。 その後の地球連合との戦いでは、タリアの指揮するミネルバ隊の旗艦として、各地を転戦することになる。

アークエンジェル (アークエンジェル)

マリュー・ラミアスが艦長を務める戦艦。キラ・ヤマト、カガリ・ユラ・アスハらが乗艦した。元々は地球連合で作られた艦だが、アラスカ本部基地での戦いで捨て駒にされたことから地球連合を離脱。最終的には第三勢力としてヤキン・ドゥーエ戦役を戦い抜き、多大な戦果を上げた。戦後はクルー共々オーブ連合首長国に身を寄せて改修を受けていた。 ラクス・クラインの暗殺未遂を契機に、オーブ連合首長国からも距離を置き独自の行動を開始する。

ヤキン・ドゥーエ戦役 (ヤキンドゥーエセンエキ)

農業用コロニー「ユニウスセブン」が核攻撃を受けた「血のバレンタイン事件」を発端に勃発した、地球連合とプラント間の戦争。最終的にはオーブ連合首長国も巻き込んでの泥沼の戦争状態となるも、キラ・ヤマトやラクス・クラインといった面々の活躍もあり終結する。最後の戦いの場になったプラントの宇宙要塞であるヤキン・ドゥーエでの戦闘で、アスラン・ザラの父で、プラント側の指導者でもあったパトリック・ザラは命を落とした。 シン・アスカもこの戦争に巻き込まれ、家族を失っている。

コーディネイター (コーディネイター)

遺伝子調整によって身体能力や頭脳を強化した人類の総称。多くはコーディネイターによる国家であるプラントや、中立のオーブ連合首長国に住んでいる。優れた技術者が多く、ヤキン・ドゥーエ戦役の影響で大勢のコーディネイターがプラントへと移住し、オーブ連合首長国の技術が流出したといわれる。アスラン・ザラを初め、シン・アスカ、ルナマリア・ホーク、ギルバート・デュランダルなど、多くの人物がコーディネイターに該当する。 一方で遺伝子調整を行っていない人類は「ナチュラル」と呼ばれ、中にはコーディネイターを排斥しようとするブルーコスモスといった団体も存在している。

デスティニープラン (デスティニープラン)

ギルバート・デュランダルが提唱した、新しい社会システム。すべての人類は遺伝子によって管理され、自身の才能に適した職業が与えられることになる。それにより不平不満の生まれない平等な社会が実現し、戦争などの争いも起こらなくなるといわれている。一方で、人間個人の自由意思が淘汰されることになるという危険性も孕んでいる。

クレジット

書誌情報

機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE 全5巻 〈カドカワコミックスAエース〉 完結

第1巻

(2005年4月26日発行、 978-4047137226)

第2巻

(2005年8月26日発行、 978-4047137486)

第3巻

(2005年12月22日発行、 978-4047137745)

第4巻

(2006年6月23日発行、 978-4047138308)

第5巻

(2006年10月24日発行、 978-4047138681)

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