機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST

長谷川裕一の「機動戦士クロスボーン・ガンダム」シリーズの第5作目。前作『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』の16年後の世界を舞台に、宇宙戦国時代となった世界をたくましく生きるアッシュ・キングの活躍と、彼が世界に向き合う様を描く。本作から「クロスボーン」のスペルがこれまでの「CROSS BONE」から「CROSS BORN」に変更されており、「BORN(生み出す事)」に焦点を当てた物語が展開される。「ガンダムエース」2016年9月号から連載の作品。

正式名称
機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
ふりがな
きどうせんしくろすぼーん がんだむ だすと
原作者
富野 由悠季
原作者
矢立 肇
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
角川コミックス・エース(KADOKAWA)
関連商品
Amazon 楽天

世界観

世界観は前作『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』のその後となり、TVアニメ『機動戦士Vガンダム』の16年後の時代となっている。ザンスカール帝国の滅亡、地球連邦の衰退によって「力の歯止め」を失った各地は独立。世界は群雄割拠の「宇宙戦国時代」となっており、泥沼のような情勢は世界規模の治安低下、技術後退を招いている。MS(モビルスーツ)関連の技術に関しては、技術衰退によってメンテナンスの難しい最新機体は姿を減らし、メンテナンスが容易な旧式の機体が使われるという逆転現象が、各地で起きている。それら以外にもアンカーのように色々なMSの部品を寄せ集めて作る「ミキシングビルド」と呼ばれるMSも数多く存在する。また製造・メンテナンスの難しいビーム関連の兵器はほとんど姿を消し、戦場では主に実弾系の兵器が使われるようになっている。

あらすじ

第1巻

宇宙世紀0169年、武装輸送団「無敵運送」を営むアッシュ・キングは、27バンチコロニーでならず者集団「黒い狐団(ブラックフォックス)」に襲われていたレオ・テイルを助けた。アッシュは、コロニーが壊れて行くあてのなくなったレオを雇う事にして、彼女にMS(モビルスーツ)の操縦を教えながら新たな仕事に精を出す。そんな中、アッシュは、壊れた27バンチコロニーを修理するよう依頼して来たタガナス・タヤカと出会う。高圧的なタガナスの態度が気に入らないアッシュであったが、襲って来たならず者を前に一致団結。協力してMSを駆る悪漢共を退けるのだった。

第2巻

有名な傭兵であるカグヤ・シラトリは地球連邦軍のキュクロープスが陰で行う人身売買を阻止するため、アッシュ・キングの腕を見込んで仕事を申し込む。アッシュはそれを快諾し、カグヤと共に2000人の女性が運ばれるという現場へ向かう。しかし任務の途中、ひょんな事でアッシュとカグヤは仲違いしてしまう。怒ったカグヤはレオ・テイルを連れて感情のままMSで飛び出すが、カグヤはそこで多数の敵に囲まれて孤立、さらにエンジントラブルでMSまで停止する。カグヤとレオを助けるために飛び出したアッシュは、二人を守りつつ敵の傭兵達を退けるが、そこに新たな敵であるアーノルド・ジルベスターが現れ、アッシュ達は不意打ちを受けてしまう。さらに輸送している女性を人質に取られ、ピンチに陥るアッシュだったが、カグヤの助けと乱入した謎のMSの助けもありアーノルドを倒す事に成功する。しかし次の瞬間、謎のMSからアッシュの恩人であるフォント・ボーが現れ、アーノルドを救出。恩人の謎の行動に戸惑うアッシュを嘲笑うかのように、フォントはアーノルドを連れて去って行く。

第3巻

カグヤ・シラトリの依頼で人身売買にあいそうだった2000人を助けたものの、それらはすべて行くあてのない子供達だった。アッシュ・キングは子供達の今後のためにタガナス・タヤカを頼る事にするが、2000人も養うのは無理だと拒絶される。そこにアーノルド・ジルベスターと手を組んだフォント・ボーが現れ、子供達を連れ去られてしまう。タガナスの娘すら人質に取るフォントに動揺しながらも、アッシュはそこに秘められたメッセージに気づく。これによりアッシュはタガナスと協力して人質を救出し、アッシュの心意気に感謝したタガナスは子供達の受け入れを約束するのだった。カグヤ・シラトリからの仕事を完了しほっと一息つく一行だったが、そこで実はカグヤは一文無しで報酬を払う当てがない事、そしてカグヤが「ムーンムーン」の姫である事が明かされる。一方、子供達の確保に失敗したフォントは、それを口実にして腐敗したキュクロープスの上官を失脚させていた。フォントはアーノルドに世界を平和にするために考えていた「世界三分割計画」を語り、利害が一致するあいだは協力し合う事を約束するのだった。

第4巻

アッシュ・キングは依頼料を踏み倒そうとしたカグヤ・シラトリを捕まえ、「ムーンムーン」に送り届ける事を決定する。ムーンムーンの姫にもかかわらず家出したカグヤには多額の懸賞金がかかっており、彼女を送り届ける事でそれを得ようと考えたのである。嫌がるカグヤを捕らえ、一行はムーンムーンの拠点がある地球を目指すが、途中で数々の妨害に見舞われる。その首謀者は、カグヤの婚約者のニコル・ドゥガチであった。アッシュと対面したニコルは、現在のムーンムーンは「木星帝国」の「タカ派」に牛耳られており、カグヤが木星帝国と通じるエラゾ・カノーの手に渡ればその命はないと語る。ニコルは、カグヤを守るためにアッシュ達を追い払おうとしていたのだ。しかしニコルの奮闘空しく、カグヤはエラゾに連れ去られてしまう。そこでアッシュ達はニコルに協力し、カグヤを助けるべくムーンムーンの海底都市へと向かう。その頃、エラゾは事故死に見せかけて儀式の最中にカグヤを殺そうとするが、したたかなカグヤに出し抜かれ失敗。そこへ、アッシュ達がムーンムーンの民達と協力してカグヤを助けに駆けつける。エラゾは最後の手段でムラサメを起動するが、アッシュと仲間達に敗れ、自らの過ちを認めるのだった。

第5巻

サイド3のコロニーでは、ガルマ・ザビ3世率いる「ザビ・ジオン」が武装蜂起しようとしていた。これを察知したアーノルド・ジルベスターフォント・ボーは、ガルマの捕縛と要人の救出を目的にサイド3に潜入。圧制に苦しむ人々やフォントの言葉に苦悩しつつも、アーノルドは任務を果たす事に成功する。ガルマが死に、要人のカーティス・ロスコを助けたフォントは彼との再会を喜びつつ、事前に打っておいた計画に思いを馳せる。一方、カグヤ・シラトリを助けた事で歓待されたアッシュ・キングは、フォントの頼みでもう一人の要人であるテテニス・ドゥガチの救出を依頼されていた。カーティスとテテニスを同時に助けなければ、残った方は見せしめとして殺されてしまうため、アッシュはフォントの動きに合わせて救出作戦を行おうと考えていたのである。こうしてアッシュはテテニス救出のため、サイド3の正反対の位置にあるサイド7を目指す事となった。サイド7近くの廃棄されたコロニーレーザー跡地で、たむろするお化けMS達を倒したアッシュは、その奥地に眠る海賊船を見つける。

登場人物・キャラクター

アッシュ・キング (あっしゅきんぐ)

武装輸送団「無敵運送」の社長を務めている男性。褐色肌の快活な青年で、MS「アンカー」のパイロットを務める。普段は女性に弱くのんきな性格をしているが、幼い頃、ザンスカール帝国にギロチンで処刑されそうになった経験があるため「首を斬る」などのトラウマを刺激する言葉を聞くと我を忘れて暴走してしまう。処刑されそうになった際にフォント・ボーに助けられたため、彼の事を兄のように慕っている。 そのため敵として彼と再会した際は、ギロチンのトラウマを刺激されたのもあって強く動揺する事となった。「燃え尽きぬ灰」と呼ばれるほどMS乗りとしての技量は高く、多数の敵や巨大なムラサメ相手にも物怖じず大立ち回りを演じるほど度胸が据わっている。また、戦いの中で突発的にMSで大気圏突入する羽目になった際も、機転を利かせて成功させるなど、臨機応変に対応する判断力の持ち主。

レオ・テイル (れおている)

グラマラスな体型をした少女で、年齢は16歳。27バンチコロニーに暮らしていたが、ならず者に襲われていたところをアッシュ・キングに助けられ、ケガを治したあと、彼の経営する武装輸送団「無敵運送」に雇われた。父親がメカニックだったため、機械関係の知識は豊富。またアッシュの「アンカー」にいっしょに乗り込み、彼からMSの操縦を学んでいる。 サイド7の戦いからは同僚のジャンガリからMS「チャッペ」を譲り受け戦場に出ている。安住の地であるコロニーをならず者に襲われて追われた経験から「誰も争わない世界」を作りたいと考えており、その真摯な願いはアッシュにも大きな影響を与えた。同性愛者であるカグヤ・シラトリからは好意を向けられており、たびたびセクハラ紛いのスキンシップを受けている。

ジャンガリ

武装輸送団「無敵運送」に所属する小柄な少年。一人称は「あっし」で語尾に「っす」と付けて話す。無鉄砲で女好きなアッシュ・キングの行動にいつも頭を抱えている苦労人で、レオ・テイルにもアッシュの女癖の悪さに注意するよう忠告した。MSの操縦ができるため、戦場ではカリフと共に「チャッペ」に搭乗してアッシュのサポートをしている。 のちにチャッペをレオに受け渡し、エスカルの操舵を担当するようになる。

カリフ

武装輸送団「無敵運送」に所属する眼鏡をかけた男性。まじめだが気が弱い性格をしており、物事をはっきり言う事を苦手としている。MS乗りで戦場ではジャンガリと共に「チャッペ」に搭乗しアッシュ・キングのサポートをしている。

モヒート

武装輸送団「無敵運送」に所属するモヒカン頭の男性。無敵運送の会計を務めている。奇抜な髪型をしているが、意外に礼儀正しく慎重な性格をしている。会計を担当しているため、後先考えず動くアッシュ・キングの言動にはいつも頭を抱えている。タガナス・タヤカから仕事を引き受けた際にも、アッシュがタガナスに殴りかかろうとしていたのを必死に止めたり、タガナスの黒い噂をアッシュに教え忠告したりしている。

ヴァヴァ

武装輸送団「無敵運送」に所属するサングラスをかけた老婆。無敵運送の中では最年長で、エスカルに乗りオペレーターを務める。愛煙家で年齢の割にかなりファンキーな性格をしており、アッシュ・キングにもガツガツとものを言う。また経験豊富なため鉄火場にも慣れており、周囲が慌てふためく中でエスカルの特性を熟知して敵のビームを防いだりしている。

シュリー

武装輸送団「無敵運送」に所属する女性。MS関連の知識が豊富なメカニックで、「アンカー」や「チャッペ」の整備を担当している。同僚のナオキとは相思相愛の仲で、ヴァヴァからも二人の仲は祝福されている。実はアッシュ・キングにナンパされた際の言葉を真に受けて、彼に惚れて入社した経験を持つ。そのため無自覚に周囲の女性を惚れさせるアッシュの悪癖を身をもって体験しており、似たような境遇のレオ・テイルの事を心配してたびたび相談に乗っている。 アッシュに失恋した経験も、結果的にナオキに出会うきっかけとなった事から、よかったと前向きに考えている。

ナオキ

武装輸送団「無敵運送」に所属する男性。穏やかな風貌をした朴訥とした人物で、シュリーと共に「アンカー」や「チャッペ」などMSの整備を担当している。シュリーとは相思相愛の仲で、ヴァヴァからもその関係を祝福されている。

ニコル・ドゥガチ (にこるどぅがち)

木星帝国出身の少年で、年齢は16歳。カグヤ・シラトリをムーンムーンに連れて行こうとするアッシュ・キングの前に「X-13」に乗って現れ、彼等の妨害を行った。その正体はカーティス・ロスコとテテニス・ドゥガチの息子で木星帝国側の要人。木星帝国タカ派との政争に敗れた両親と引き離されて人質となり、ムーンムーンとの関係強化のために、幼少期にカグヤの政略結婚の相手として送り込まれた。 親の愛を知らずに幼少期を過ごした経験から自他共に認めるマザーコンプレックスで、政略結婚ながらカグヤには母親の面影を見て本当に好意を抱いている。また父親であるカーティスに対しては、似ていない事から、何か事情があるのではないかと悩んでいる。 若いながら聡明な人物で、不明瞭な立場に置かれつつも自らを取り巻く政情を把握し、エラゾ・カノーに協力する振りをしてカグヤを助けようとしていた。ただし焦りの余り詰めの甘い年相応な部分があり、アッシュ達に攻撃を仕掛けたせいで敵と思われ、結果的にエラゾの手助けをしてしまった。ムーンムーンでの戦いが終わったあとはアッシュに両親の救出を依頼し、行動を共にしている。

タガナス・タヤカ (たがなすたやか)

八つのコロニーを支配する大富豪の中年男性。食料の生産・運送で財を成したため「穀物王」の異名を持ち、各勢力に太いパイプを持つ。よそでは営業用のスーツを身にまとったいかにも成金的な姿で回っているが、自分のコロニーにいる際には、麦わら帽子に白シャツといった格好で自らも農業に精を出している。ビジネス的に物を考えるドライな性格をしているが、それはあくまで多くの人を養う立場にある責任感から来るもの。 本来は情が深く面倒見がいい性格で、自分に突っかかって来たアッシュ・キングの事も、何だかんだと言いつつ気に入っている。のちにアッシュに2000人の子供を受け入れてほしいと依頼された際は、面倒ごとを持って来た腹いせからだまし討ち紛いの事を行うも、地球連邦軍の卑劣なやり口を前に和解。 最終的に無理をしつつも2000人の子供達を引き受けた。「鋼鉄の農夫」と呼ばれる凄腕のMS乗りでもあり、この時代では珍しい新型MS「ウォズモ」を駆る。

トレス・タヤカ (とれすたやか)

タガナス・タヤカの妻。肌が小麦色に日焼けしたした若い女性で、一児の母。普段は娘であるフォレスの面倒を見ながら農業の手伝いをしている。実は昔のフォント・ボーの仲間で、本人は忘れていたがアッシュ・キングも幼い頃に会っていた。フォントには特別な感情を抱いていたため、彼がコールドスリープより目覚めた事をアッシュから知らされた際には動揺していた。 その後、再会したフォントの変貌振りに大きく戸惑ってしまう。のちにフォレスを通じてもらったフォントのメッセージを見て根っこの部分は変わっていないと確信するも、その動向を心配している。「リア・シュラク隊」に所属した過去を持ち、今もMSの腕は健在。戦闘では「ビクトリーイージー」に搭乗して戦う。 前作『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』にも登場している。

カグヤ・シラトリ (かぐやしらとり)

「月下の白鶴」の異名を持つMS乗りの傭兵。黒いロングヘアの少女で、一人称は「わらわ」で古風なしゃべり方をする。MS「クレイン」を駆り、一匹狼ながら一度も負けた事がないと言われるほどの凄腕で、好きなように生きる事を目的としている。見た目は美少女だが、実は28歳で年若い少女が好きな同性愛者。少女好きでスレンダーな体型をしている事から当初、アッシュ・キングから男ではないかと疑われたほどである。 ずっと一人で傭兵稼業を続けてきたため、実はクレインのメンテナンスができずかなり不調状態。そのため自らの相棒となるメカニックを探しており、レオ・テイルは容姿を気に入った事もあり、何かと理由をつけては勧誘したり、スキンシップをしたりしている。 その正体は「ムーンムーン」のお姫様で、ニコル・ドゥガチとの政略結婚が嫌で家出中。そのためカグヤの身柄には戦艦を買えるほどの懸賞金がかかっており、のちにカグヤが依頼料を踏み倒そうとした事に怒ったアッシュに捕獲され、連行された。ムーンムーンに戻りエラゾ・カノーと和解したあとは、ムーンムーンの為政者に返り咲いた。

アーノルド・ジルベスター (あーのるどじるべすたー)

キュクロープスに所属する青年。無駄を嫌う合理主義者を自認しており、効率のためなら非人道的な事も行う合理的な考え方の持ち主。2000人の子供達を輸送する任務を受けており、助けようとするアッシュ・キング達と戦った。地球連邦軍の腐敗に葛藤しつつも、自らが出世し「新しい世界」を作るために必要だと黙認している。MS「ボルケーノ」を駆りアッシュ達と戦うが敗北。 カグヤ・シラトリにとどめを刺されかけたが乱入したフォント・ボーに助けられ離脱した。その後は、任務に失敗するもフォントの助言に従って「ファントムV2」を手土産にする事で窮地を乗り切り、彼と手を組んで行動している。フォントとはお互いを利用する関係と割り切っているものの、フォントの別の「効率的」な案を聞き少しずつ影響を受けており、フォントからも立派なリーダーになってほしいと期待されている。

フォント・ボー (ふぉんとぼー)

謎のMS「ファントムV2」に搭乗する青年。前作『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』の主人公で、ザンスカール帝国との戦いのあと15年間、ベルナデット・ドゥガチと共にコールドスリープしていた。16年前はザンスカール帝国と戦っており、その際に処刑寸前だった幼いアッシュ・キングを救っている。コールドスリープ状態で過ごしたため姿は若々しく、アッシュも再会した際には驚いていた。 コールドスリープから目覚めたあと、地球圏の混乱を目にし、それを鎮めるための「世界三分割計画」を立案。「100年戦争をしない国」を作る事を目的とし、アーノルド・ジルベスターを助けて手を組み、「幽霊」のコードネームでキュクロープスに協力している。 アーノルドとはお互い利用し合う関係だが、いずれ本当の仲間になりたいと期待している。「高速思考」という能力を発動する事で驚異的な頭の回転を誇るが、使ったあとは反動で著しく消耗し、眠くなってしまう。

ベルナデット・ドゥガチ (べるなでっとどぅがち)

フォント・ボーと行動を共にする少女。フォントに好意を抱いており、彼の「幽霊」というコードネームに合わせて、自らを「幽霊の花嫁」と名乗る。不思議な能力を持っており、タガナスの娘であるフォレスを大勢の子供達の中から探し当てたり、暗闇の中を暗視ゴーグルもなしに迷わず走ったりする事ができる。その正体はカーティス・ロスコとテテニス・ドゥガチのあいだに生まれた娘で、ニコル・ドゥガチの姉。 前作『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』にも登場している。

ハロロ

フォント・ボーの相棒を務める人工AI。電子世界上では少女の姿を取っており、ベルナデット・ドゥガチに対抗してフォントの「本妻」を自称する。地球連邦軍内で行われている不正書類の回収や横流しを行ってフォントの行動をサポートしている。また簡易コピー版の「ハロロコピー①」がアーノルド・ジルベスターに渡され、彼のサポートをしている。 前作『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』でもフォントの相棒として活躍している。

カーティス・ロスコ (かーてぃすろすこ)

テテニス・ドゥガチの夫で、褐色の肌をした男性。ベルナデット・ドゥガチとニコル・ドゥガチの父親で、テテニスと共に木星帝国のハト派に所属していたが、タカ派との政争に敗れサイド3に囚われていた。フォント・ボーとは知り合いで、フォントはサイド3が地球連邦軍の標的になった時に便乗して彼を救出している。その際にカーティスは娘であるベルナデットとも再会を果たした。 シリーズ第一作『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のほか、前作『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』にも登場している。

テテニス・ドゥガチ (ててにすどぅがち)

木星帝国の女王。地球との共存を望むハト派で有名だが、現在はタカ派との政争に敗れ、サイド7のコロニーレーザー跡地に監禁されている。カーティス・ロスコの妻で、ベルナデット・ドゥガチとニコル・ドゥガチの母親。アッシュ・キングとニコルが助けに訪れた際には、コールドスリープ状態だったため若々しい姿をしていた。 シリーズ第一作『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のほか、前作『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』にも登場している。

ジャック

サイド5の採掘コロニー「ミート・オブ・トゥーン」で暮らす牧師。傷だらけの顔をした長髪の男性で、酒をたしなみ、自らを「ナマグサ」と称している。アッシュ・キングの古い知り合いで、アッシュがケガ人を連れて来る度に、その治療を行っている。前作『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』にも登場しており、フォント・ボーとも知り合い。 フォントがコールドスリープから目覚めたのは知っていたが、彼に頼まれてアッシュやトレス・タヤカには黙っていた。

エラゾ・カノー (えらぞかのー)

ムーンムーンの司祭長を務める妙齢の美女。カグヤ・シラトリとは姉妹同然に育ったため、彼女を「お姉様」と呼ぶ。木星帝国のタカ派と通じ現在のムーンムーンを牛耳っており、カグヤを亡き者にして姫の座を奪おうとしていた。木星帝国で強化人間の手術を受けておりMSを操縦する事もでき、サイコミュ兵器を利用した「神立たせの儀」でカグヤを廃人にしようと目論んでいた。 しかし、カグヤの機転とアッシュ・キングの邪魔で失敗。逆に自分の精神がムラサメに取り込まれて暴走してしまったが、カグヤとレオ・テイルの懸命な救出作業で自らを取り戻し、カグヤとも和解した。戦いのあとは主犯でなかった事と、反省している事を加味されて重罰にはならなかったが、頭を冷やすようにと投獄された。

ガルマ・ザビ三世

サイド3コロニーにあるズム・シティを治める独裁者の男性。ガルマ・ザビの末裔を自称する老爺で、「ザビ・ジオン」と呼ばれる組織の総統をしている。コロニーのリソースを軍備に注ぎ込み、80機のMSを集め各勢力と一触即発の状況を作り上げていた。また軍備に力を入れすぎたせいで、コロニーの住人は満足に食料を得る事もできない状況となっていた。 そのため、その存在をキュクロープスに危険視され、アーノルド・ジルベスターとフォント・ボーに捕らえるための命令が下った。アーノルドに囚われそうになったが、あまりに無様な態度をさらしたため呆れられ、部屋から突き落とされて死亡した。

集団・組織

無敵運送 (むてきうんそう)

サイド5の採掘コロニー「ミート・オブ・トゥーン」を拠点として活動する運送請け負い業者。社長はMS乗りのアッシュ・キングで、社員達の仲はよくアットホームな雰囲気を持つ。「どんな小さな仕事でも引き受ける」を社訓としており、運送業にもかかわらずならず者を相手に大立ち回りを演じながら護送したり、奪還したりする危険な仕事も引き受けている。 運用母艦「エスカル」のほか、MSとしてアンカー、チャッペを揃えている。

キュクロープス

現在の地球連邦軍の中核となっている一派。「ティターンズ」の流れを組む派閥で、宇宙要塞「ティターノ・マキア」を本拠地として活動している。一応、独自に兵器を開発する能力こそ持っているが、ビーム兵器などは不完全で一度使ったら壊れてしまうほど信頼性は低い。また一部高官が企業と癒着して不正を行うなど腐敗も進んでおり、地球連邦軍の威を借る愚連隊扱いする者もいる。

場所

ムーンムーン

コロニー建造を目的として作られた最初期の小型コロニー。古いコロニーであるため住民達は自然回帰思考が強く、地球に戻って生活する事を念願としていた。現在はザンスカール帝国との戦いのドサクサに紛れ地球に帰還するも、長いコロニー生活で住人達は地球の環境に適応できず、海底にあった巨大な研究施設を海底都市「リュグージョ」を作り変えてそこで生活している。 エラゾ・カノーを中心としたムーンムーンの為政者は再び宇宙に戻るべく、木星帝国のタカ派と通じている。一方、住人達の中には地球環境に適応して地球に暮らしたいと思い始めている人間も多く、自然回帰派の人間達はのちにアッシュ・キングに協力している。実は「リュグージョ」のもとになった研究所はニュータイプの研究をしていた「ムラサメ研究所」で、リュグージョの奥に祭られる祭壇にはサイコミュ搭載型の機体「ムラサメ」が秘かに安置されていた。

その他キーワード

アンカー

アッシュ・キングの搭乗する全長18メートルの赤い大型MS。名工と呼ばれるオズ・フランクによって作られた「ミキシングビルド」と呼ばれる色々な機体の寄せ集めで、原型が残らないほど改造されつつも高い性能を誇っている。ベースとなった機体も古いためアッシュですら元の機体の詳細については知らずにいるが、背中のフレーム部分に「F-89」の型式番号が彫られている。 普段は作業用MSとして活躍しているが、過酷な戦闘にも耐えられる頑丈な作りをしており、この時代では珍しいビーム兵器も持っている。ただし、部品の品質低下からビームを使えるのは「12秒間」だけとなっている。のちにカグヤ・シラトリから、踏み倒した依頼料の埋め合わせとしてムーンムーンに保管されていたムラサメ用の大型ビームサーベル「イカリマル」を譲ってもらい、それを使用している。 本来は40m級MS用のイカリマルも強靭なフレームで使いこなしている。

X-13

ニコル・ドゥガチの搭乗する約15メートル級の高性能小型MS。回収された「X-0」のデータをもとに木星帝国の技術で再現された「クロスボーン・ガンダム」のうちの一機で、オリジナルと同じくドクロの飾りがほどこされている。再現された際に型式番号も一新されて10番台の番号が割り振られ、その中の3号機となっている。完全再現された「X-11」、木星帝国との技術折衷が行われた「X-12」に対して、「X-13」はコストダウンを目指した機体であるため、ビームシールドなどオリジナルの機体にあった機能がいくつかオミットされている。 大型のスラスターを装備し、現代では珍しいビーム兵器を持つため、技術衰退が起こっている現代では驚異的な性能となっている。

ファントムV2 (ふぁんとむばーじょんつー)

フォント・ボーの搭乗する小型MS。ミノフスキードライブを搭載した機体で、全身からミノフスキーの光を炎のように噴出する異様な姿をしている。『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』に登場した「ファントムガンダム」で、便宜上、差異を示すため「ファントムV2」と呼ばれている。激戦を経たため出力は本来の75%程度に落ち込んでおり、「フレイム・ソード」は使用不可能状態となっている。 また出力低下したミノフスキードライブの負荷を軽減するため、「ノーズローター」と呼ばれる新装備を左腕に装着している。これはローターを回転させる事でビームカッター、ビームシールドとして使えるほか、Iフィールドを偏光する事でビームをバルカン状に放つ事も可能な万能兵器となっている。 全身にIフィールドを発生させる事ができるため、素手でビーム刃を消すなどビーム兵器に関しては絶対的なアドバンテージを持つ。高速起動できるMA形態「蜃気楼鳥V2(ミラージュ・ワゾーバージョンツー)」への変形機能も持つが、ミノフスキードライブへの負荷から連続使用は15分が限界となっている。

チャッペ

武装輸送団「無敵運送」で使われている小型MS。ザンスカール帝国のMS「ゲドラフ」をベースとした機体で、機動力があり小回りが利く。武装はビーム兵器が取り外され、実体弾を主流に装備している。無敵運送にはジャンガリ用の1号機とカリフ用の2号機の2機が存在する。

エスカル

武装輸送団「無敵運送」の母艦。巨大な丸い船体に、前方部分に艦橋が付いたカタツムリのような形をしている。丸い船体部分は、ザンスカール帝国の通称「バイク戦艦」とも呼ばれるアドラステア級戦艦の車輪を流用されて作られており非常に頑強。Iフィールドを発生する事ができるため、ビーム兵器の直撃を受けてもびくともしないほどである。

ウォズモ

タガナス・タヤカの搭乗する18.5メートルの大型MS。技術衰退していない木星帝国で製造された機体で、この時代では珍しい新造品。地球連邦軍との関係悪化を恐れて建前上は「作業用MS」となっているが、戦闘にも耐えられるほどの高性能な機体で、武装次第では一線でも活躍可能。またあくまで防御用という名目でビームシールドも内臓しており、高い防御能力を併せ持つ。 タガナスはコロニー住人達への示威行為としてウォズモ用の「ガンダムのお面」を用意しており、ここ一番の勝負ではガンダムのお面を付けて戦っている。

ビクトリーイージー

トレス・タヤカの搭乗する小型MS。TVアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場した「Vガンダム」に、「ガンイージー」の手足を継ぎはぎした機体となっている。もともと互換性の高い機体のため性能の低下はほとんどなく、現在でも高性能機となっている。ただしコアファイターへの変形機能は、変形こそ可能なものの手足が別物なのもあり、再合体が不可能など制限がある。 機体の配色は夫であるタガナス・タヤカの搭乗するウォズモに合わせて全身を青く染めている。

クレイン

カグヤ・シラトリの搭乗する白いMS。『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』に登場した「バイラリナ」をベースにミキシングビルドした機体で、オリジナルの機体に比べ全体的に性能が低下しているが、世界的な技術低下を招いている現代では高性能な機体となっている。腕の部分からビームを扇状に展開する事ができ、カグヤはこれを振るって舞いながら倒すのを得意としている。 また高速機動可能なMAへの変形機能を持つが、技術者の理解不足かオリジナルの変形機構とは上下逆になり、稼働率が低下してしまっている。一匹狼のカグヤはクレインの満足なメンテナンスを行えずにいたため、さらに稼働率は低下し、不調を招いている。

ムラサメ

ムーンムーンの海底都市「リュグージョ」で御神体として祭られていた40メートルの大型MA(モビルアーマー)。その正体はTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場した「サイコガンダム」の同型機。いくつかのパーツが失われてしまっているため変形が不可能となっているが、それ以外の性能は往年の強さを誇る。ムーンムーンではムラサメのサイコミュを利用して「神立たせの儀」を行っており、エラゾ・カノーはこれを利用してカグヤ・シラトリを排除しようとするも失敗。 逆に自分の精神がムラサメに取り込まれ暴走してしまった。この時代では珍しいビーム兵器を大量に内蔵しているため、圧倒的な破壊力を見せつけたが、アッシュ・キングとニコル・ドゥガチに撃破された。 また専用武器として大型ビームサーベル「イカリマル」がムーンムーンの倉庫に保管されていたが、これはカグヤがアッシュに渡しアンカーの武器となった。

ボルケーノ

アーノルド・ジルベスターの搭乗する黒いMS。キュクロープスが現在出せる最大火力を目標に作られた実験機で、ビーム兵器を搭載し、さらにそれが使えなくなった際に備えて実弾兵器も多数搭載されている。ただしボルケーノに搭載されたビーム兵器は、一度撃っただけで使えなくなるほど信頼性は低く、机上の空論以上の結果は出なかった。

カングラザム

巨大な埴輪のような形をしたMA(モビルアーマー)。『機動戦士クロスボーン ガンダム』に登場した「カングリジョ」の頭、TVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場した「グラブロ」の胴体と「ビグザム」の下半身という、三種類の大型MAを結合して作られた非常に巨大なミキシングビルド機。三機を結合したのは個々のエンジン出力が低下しているためで、三機のエンジンを連結する事で「ビグザム」の持つ全方位ビームを使用する事が可能。 またいざとなれば分離する事で三位一体の攻撃をする事もできる。サイド7のコロニーレーザー跡地でアッシュ・キングと戦ったが、「イカリマル」を使いこなすアッシュに敗れた。

世界三分割計画 (ゆにばーさるすりーでぃばいでぃんぐぷらん)

フォント・ボーの立案した計画。「百年戦争をしない国」を作るためにあえて地球圏の統一をあきらめ、「地球」「コロニー」「木星」で三すくみの勢力を築き、世界を安定させるのを目的としている。あえて敵を残す事で迂闊に手を出せない状況を作り出す事を目的としているが、フォントは真に世界を安定させるためにはそれだけでは足りず、三つの勢力が協力して世界を安定させる事が必要だと考えている。

ガンダムのお面 (がんだむのおめん)

角のような二本のアンテナに目が二つ付いたMS用のお面。伝説的な強さを持ったMS「ガンダム」にあやかって作られたもので、験を担ぐためにこのお面を自らのMSの顔部分に付けるという行為がコロニー界隈で流行している。そのためコロニー界隈では、ガンダムのお面をかぶった「偽者のガンダム」が数多く存在する。余りに偽者が多すぎるため、「ムラサメ」のような本物のガンダムが偽者扱いされる逆転現象まで起きている。 また「ガンダムのお面」以外にも、伝説的な凄腕パイロットのお面も存在する。

クレジット

原作

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デザイン協力

宮崎 真一

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