概要・あらすじ
コロニー国家連合は、弾圧を続ける地球兼統一連合にむけ、反抗作戦オペレーション・メテオを発動。ヒイロ・ユイを始めとした5人のガンダムパイロットを地球に派遣する。目標は地球で最大の軍事力を持つ私設部隊OZの基地施設。しかし、OZ総帥のトレーズ・クシュリナーダは、逆にこの襲撃を好機として、地球兼統一連合に対するクーデターと、コロニーに対抗するための次なる一手を狙っていた。
登場人物・キャラクター
ヒイロ・ユイ
ウイングガンダムのパイロットを務める寡黙な少年。オペレーション・メテオを遂行するためにL1コロニー郡から地球へ派遣された。超人的な身体能力を持つが、頑なな面や、精神的に不安定な部分が目立つ。しかし、他のガンダムパイロットやリリーナ、ゼクスとの接触により、自分の戦う意味を見出すようになっていく。 なお、ヒイロ・ユイという名前はコードネームであり、本名は不明。
デュオ・マックスウェル
ガンダムデスサイズのパイロット。死神を自称するが、その名に似合わない明朗快活な少年。ヒイロの無茶な行動に巻き込まれ、しばしば貧乏くじを引くことがあるが、内心では深く信頼しあっている。自分のガンダムには格別の愛着を抱いており、OZに鹵獲された上に破壊される様を目の当たりにしたときは怒りを露わにした。
トロワ・バートン
ガンダムヘビーアームズのパイロット。トロワという名前はカトルに名前を聞かれた際に、即興で名乗ったものにすぎず、本名は不明。寡黙かつ冷静な性格で、命の危機に瀕しても取り乱すどころか眉一つ動かさないほどだが、友人となったカトルが豹変した時は、感情を露わにし、自らの身を顧みずに説得して正気を取り戻させた。 その影響でしばらくの間、記憶喪失になってしまうが、後に復帰した。
カトル・ラバーバ・ウィナー
ガンダムサンドロックのパイロットを務める。大富豪であるウィナー家の嫡子。優しく思慮深い性格で、その人柄はマグアナック隊やトロワら、多くの人を引き付けている。しかし、その優しさで自身を追い詰める傾向があり、家族を奪われた時は首謀者であるOZに対する怒りのあまり正気を失い、封印された設計図を頼りにウイングガンダムゼロを世に生み出してしまう。
張・五飛 (ちゃんうーふぇい)
シェンロンガンダムのパイロット。自らの信じる正義に従って行動する直情的な少年。弱い者と女を殺さないポリシーを持つ反面、卑怯な手段を用いる敵に対しては苛烈な闘争心を見せる。自らの正義に拘るあまり意固地になる一面もあるが、猪突猛進というわけではない。OZ壊滅のため、トレーズに対して暗殺を仕掛けるものの、返り討ちに遭ったうえに情けをかけられてしまう。
リリーナ・ドーリアン
ドーリアン外務次官の娘。任務中に負傷したヒイロと偶然居合わせ、機密保持のために命を狙われるが、逆に彼の素性に興味を持ち、その足跡を辿ることになる。OZの計略により致命傷を負った父から、自分はサンクキングダムの王女リリーナ・ピースクラフトであることを明かされる。 それを知ってからは、サンクキングダムがかつて提唱した完全平和主義を実現させるために奔走することになる。
ゼクス・マーキス
OZに所属するモビルスーツのパイロット。騎士道精神を体現したような高潔さからライトニング・バロンと綽名されており、トレーズとは立場を超えた固い友情で結ばれている。その素性はサンクキングダムの王子であり、真の名前はミリアルド・ピースクラフト。リリーナの実の兄である。 素性を明かしてからはOZを脱退。コロニーと地球の平和のため、独自の戦いを始める。
トレーズ・クシュリナーダ
OZ総帥。作戦の立案やモビルスーツの操縦など、何においても常人をはるかに上回る腕前を見せる。その技量とカリスマ性で、多くの人物を引き付ける。しかし本人は現状に閉塞感を抱いており、自分の信念のままに戦うガンダムのパイロットを羨ましく思っている。中でも自らの暗殺を目論んだ五飛とはライバル関係となり、後にモビルスーツによる一騎打ちを繰り広げた。
集団・組織
OZ (おず)
『新機動戦記ガンダムW』の登場組織。地球有数の財閥であるロームフェラ財団が率いる私設部隊。トレーズを総帥として、ゼクスのような優秀なパイロットを抱えている。その組織力をガンダムのパイロットに危険視され、オペレーション・メテオにおける最初の作戦目標となった。後に地球圏統一連合に対しクーデターを敢行。 事実上、地球の支配権を手に入れ、さらにコロニーに対して懐柔を図った。
その他キーワード
ウイングガンダムゼロ
『新機動戦記ガンダムW』の登場メカ。コロニー国家連合に所属する5人の科学者によって設計された、全てのガンダムの原型となったモビルスーツ。要塞すら破壊する威力を持つツインバスターライフルと、未来を予測しパイロットに行動を促すゼロシステムを搭載している。家族を殺害したOZへの復讐のため、カトルによって組み上げられ、彼によって運用される。 その後、トラント・クラークやゼクス・マーキスなどが搭乗するが、最終的にはヒイロ・ユイがパイロットとなった。
ウイングガンダム
『新機動戦記ガンダムW』の登場メカ。L1コロニー郡の科学者であるドクターJによって開発されたガンダム。複数のモビルスーツを一撃で破壊するバスターライフルを持ち、バードモードと呼ばれる飛行形態に変形することも可能。ヒイロによって運用されていたが、サンクキングダムにおける戦いで大破。廃棄されていたところをレディ・アンにより復元され、トレーズを守るために運用された。
ガンダムデスサイズ
『新機動戦記ガンダムW』の登場メカ。L2コロニー郡の科学者であるプロフェッサーGの手によって組み上げられ、パイロットにはデュオが選ばれた。黒を基調としたカラーリング、ならびに主武装となっているビームサイズと、名前の通りに死神らしい外見をしている。高度なステルスやジャマーを備えており、それを活かした隠密行動を得意とする。 後にガンダムデスサイズヘルに改装された。
ガンダムヘビーアームズ
『新機動戦記ガンダムW』の登場メカ。L3コロニー郡の科学者であるドクトルSが開発した重武装タイプのガンダム。二門のビームガトリングガンを始めとして、身体の各部に火器が仕込まれており、過剰なまでの火力と制圧力を発揮する。反面、格闘用の武器はアーミーナイフしか備えていないのだが、パイロットであるトロワの卓越した技量により、ナイフ一本でOZの部隊と互角に渡り合うこともできる。
ガンダムサンドロック
『新機動戦記ガンダムW』の登場メカ。L4コロニー郡の科学者であるH教授が開発したガンダム。砂嵐などの悪天候をものともしないため、砂漠や荒野において真価を発揮する。主武装である二本のヒートショーテルは、敵のモビルスーツを容易く両断する威力を持つ。カトルによって長らく運用され、マグアナック隊との連携などにより、OZとの激戦を勝ち抜いていった。
シェンロンガンダム
『新機動戦記ガンダムW』の登場メカ。L4コロニー郡の科学者である老子Oによって開発されたガンダム。パイロットである五飛には「ナタク」と呼ばれている。薙刀状の格闘武器であるビームグレイブと、爪が供えられた手甲を伸ばすドラゴンハングや火炎放射器など、近・中距離戦で真価を発揮する武装をしている。宇宙でOZに鹵獲されたが、後にアルトロンガンダムに改装されて戻ってくる。
オペレーション・メテオ
『新機動戦記ガンダムW』の用語。コロニー国家連合が主導する、地球圏統一連合に対する反抗作戦。隕石に偽装した5機のガンダムによって電撃戦を仕掛け、武装された基地やモビルスーツを破壊し、軍事的にダメージを与えることを第一目標としている。しかし、目的自体は各コロニー群によって微妙に異なっており、そのために作戦発動当初は、ガンダムのパイロット同士がにらみ合うこともあった。