機動戦士ガンダム サンダーボルト 外伝

宇宙世紀0079。地球から最も遠いスペースコロニーサイド3は「ジオン公国」を名乗り、地球連邦政府に対して独立戦争を挑んできた。のちに「一年戦争」と呼ばれるこの戦争では、地球連邦軍・ジオン公国軍ともに、さまざまな人間模様が交錯することとなる。生粋の軍人だった者、否応なしに戦場に駆り出される者、彼らに共通するものは「死にたくない」という強い意思。この物語は、そんな一年戦争を戦った数多の戦士たちの記録である。

サンダーボルト放送局

一年戦争末期、かつてスペースコロニーのあったサンダーボルト宙域で地球連邦軍のモビルスーツ・GMパイロットのリチャード・シムズは、激闘の末にジオン公国軍のモビルスーツ・ザクを撃破する。しかし、リチャードの乗るGMにはほとんど酸素残量が残されていなかった。救援信号を送るリチャードだったが、それに応える友軍機は付近にはいない。そんなリチャードの耳に、海賊ラジオ放送・サンダーボルト放送局からの音楽が聞こえてきた。

ラストダンスは君と

地球連邦軍の宇宙拠点・ルナツー守備隊のトーマスは、サンダーボルト放送局から流れる音楽を聴きながら、恋人のマーガレットを想って任務にあたっていた。そんなある日、ルナツーから地球連邦軍の戦艦・マゼランが出撃、その影響でサンダーボルト放送局からの放送にノイズが入ってしまう。トーマスは受信状況を改善するために、自身の持ち場を離れてしまう。

Rescue me

ジオン公国軍所属のブレーメン号は、一年戦争の戦時協定に基づいて両軍の生存者をレスキューする救助船。救助活動中に船長のロバート・ヨウは、接近して来る地球連邦軍のモビルスーツ・ジムキャノンを確認する。戦闘の一時中断の連絡を無視し、なおも接近して来るジムキャノンは、救助船ばかりを狙う落ち武者狩りだった。その事実を確信したロバートは、救助した地球連邦軍士官たちと協力して落ち武者狩りに立ち向かう。

レナードの帰還

地球連邦軍の攻撃を受け、一般兵のレナード・カミンガムは宇宙空間に放り出されてしまった。彼は母親のもとを離れ、兵役に参加していた青年だった。宇宙を漂う彼の脳裏に浮かぶのは、懐かしい母親との思い出と、そんな母親に手ほどきを受けたスケートだった。生きて帰ると母親に約束したことを思い出したレナードは、彼と同じく漂流していたモビルスーツの武器を利用し、生還を目指す。

盾

地球連邦軍の空母・ビーハイブに集められた学生パイロットたち。彼らの任務は、現在ジオン公国軍の支配下にあるサンダーボルト宙域の奪還を目指して出撃するフルアーマーガンダムの護衛にあった。フルアーマーガンダム、そしてそのパイロットであるイオ・フレミングを守るための「盾」として、彼らはイオとともにサンダーボルト宙域に臨む。

サバイバー

ジオン公国軍の戦艦・ムサイは、物資を廃棄して戦線からの撤退を図る。デッキ作業員のダリル・ローレンツは、廃棄作業のさなか地球連邦軍の追撃部隊に遭遇する。味方の砲撃射線上に放り出されてしまったため援護も受けられない状態のまま、ダリルは廃棄物資の中にあった武器を利用して、追撃のモビルスーツ部隊を迎え撃つ。