あらすじ
第1巻
A.D.(西暦)2307、人類は枯渇した石油資源の代わりに太陽光発電システムを開発したものの、地球上では3つの大国とそれ以外の第三国に分かれて己の威信と繁栄のためにゼロサムゲームを続けていた。そんな中、大国の一つであるAEUが、アフリカ赤道部のAEU太陽光発電システム地上接続軌道エレベーター付近にある軍事演習場で、新型モビルスーツ「イナクト」の発表会を行う。式典は順調に進んでいたが、イナクトのデモンストレーション中に謎のモビルスーツが襲来し、イナクトを始めAEU軍のモビルスーツを全滅させるのだった。ほぼ同時刻、宇宙では大国の一つ「人類革新連盟(人革連)」の静止衛星軌道ステーションで、各国の要人を招いて電力送信10周年の式典が行われていた。そこへ民族テロを起こそうとゲリラが襲撃するものの、地上とは別の謎のモビルスーツが撃退する。人革連の式典を狙ったテロを防いだ団体はマスコミにビデオ声明を送り、自分たちはモビルスーツ「ガンダム」を有する私設武装組織「ソレスタルビーイング」であり、活動目的は「世界から戦争行為を根絶する」事にあると伝える。そして目的達成のために「すべての戦争行為に武力で介入する」と、全人類に宣言するのだった。
第2巻
ソレスタルビーイングによる武力介入により世界各国が対応を苦慮する中、国際テロネットワークによる同時多発テロが世界主要都市7か所で発生する。テロリストの組織は犯行声明でソレスタルビーイングに「武力介入を中止し武装解除を行わない限り、今後も世界中で今回のように民間人が多数犠牲になる無差別テロを行う」と脅迫する。それに対しソレスタルビーイングは「テロという紛争を起こした組織に武力介入する」事を決定。刹那・F・セイエイらガンダムマイスターは、各国のエージェントの協力、テロの標的となる各国の諜報機関からの情報提供もあって無事にテロリストの鎮圧に成功する。しかし数週間後、中東のアザディスタン王国で宗教指導者のマスード・ラフマディが拉致された事で新たな争いが表面化する。
第3巻
刹那・F・セイエイらソレスタルビーイングが武力介入を続ける中、刹那たちも知らない新しい3機のガンダムが武力介入を開始する。そのやり方に不信感を覚える刹那たちは、新たなガンダムのガンダムマイスター・トリニティ3兄妹からコンタクトを受けて素性や目的などを問いただすが肝心な事は何も答えてもらえなかった。世界各国は7機のガンダムに打つ手なし状態となっていたが、ある日、ソレスタルビーイングの関係者から秘密裏に連絡を受け、ガンダムと同じ性能を持つモビルスーツ・GN-X(ジンクス)を多数受領。さらにソレスタルビーイング壊滅のためAEU、ユニオン、人類革新連盟の3大国家は国連の管理下で軍事同盟を締結する。圧倒的な数の不利に加えて、計画の生命線ともいえる量子演算処理システム「ヴェーダ」からのバックアップも失い、トリニティ3兄妹は壊滅、刹那たちも窮地に追い込まれてしまう。
登場人物・キャラクター
刹那・F・セイエイ (せつなえふせいえい)
ソレスタルビーイングのメンバーの少年。ガンダムエクシアのガンダムマイスター。刹那・F・セイエイはコードネームで、本当の名前は「ソラン・イブラヒム」。4月7日生まれの16歳。身長は162センチ、体重は49キロで、血液型はA型。パーソナルカラーは青。中東クルジス出身で、アリー・アル・サーシェスに洗脳されてゲリラ兵として幼い頃から戦っていた。 モビルスーツに殺されかけたところを「ガンダム」によって救われ、以降はガンダムを神と同等にとらえ、自分も同じような存在になろうとする。無口で自分の事を語らないため誤解を受けやすいが、ガンダムで戦争根絶を目指す気持ちはだれよりも強い。
ロックオン・ストラトス (ろっくおんすとらとす)
ソレスタルビーイングのメンバーの青年。ガンダムデュナメスのガンダムマイスター。ロックオン・ストラトスはコードネームで、本当の名前は「ニール・ディランディ」。3月3日生まれの24歳。身長は185センチ、体重は67キロで、血液型はO型。パーソナルカラーは緑。アイルランド出身。テロで家族を失っており、テロを強く憎んでいる。 刹那・F・セイエイ、アレルヤ・ハプティズム、ティエリア・アーデを加えた四人のガンダムマイスターの中では最年長でまとめ役。面倒見もよく、戦闘だけでなく精神的な面でもサポートしている。
アレルヤ・ハプティズム (あれるやはぷてぃずむ)
ソレスタルビーイングのメンバーの青年。ガンダムキュリオスのガンダムマイスター。アレルヤ・ハプティズムはコードネームだが本名は不明で、出身地も不明。2月27日生まれの19歳。身長は186センチ、体重は65キロで、血液型はB型。パーソナルカラーはオレンジ。穏やかな性格でロックオン・ストラトス同様にメンバー内のいさかいを止める事が多い。 本当は戦いたくないが、任務遂行と戦争根絶という目的達成のために苦悩しながらも戦い続ける。
ティエリア・アーデ (てぃえりああーで)
ソレスタルビーイングのメンバーの少年。ガンダムヴァーチェのガンダムマイスター。ティエリア・アーデはコードネームだが本名は不明で、出身地、誕生日、血液型は不明。身長は177センチ、体重は61キロ。パーソナルカラーは紫。戦争根絶という目的達成のために障害となる可能性があるなら仲間でも躊躇なく排除しようとするなど冷静沈着な性格。 計画の生命線ともいえる量子演算処理システム「ヴェーダ」にアクセスする能力があるが、ヴェーダに依存している部分もあり、アレハンドロ・コーナーの策略でヴェーダと切断させられるとショックのあまり自失してしまう。
イオリア・シュヘンベルグ (いおりあしゅへんべるぐ)
ソレスタルビーイングを作った壮年の男性。人類革新連盟の式典を襲ったテロを撃退後、マスコミにビデオ声明を送り、自分たちの正体と「戦争根絶」という目的を明かす。そして目的達成のために「すべての戦争行為に武力で介入する」と全人類に宣言する。なお、公式的には200年以上前に死亡しているはずの人物。
アレハンドロ・コーナー (あれはんどろこーなー)
国連大使の男性。アザディスタン王国に太陽光発電装置を設置するなど精力的に動いている。ソレスタルビーイングの監視者としての顔もあり、ソレスタルビーイングの活動や世界の変わりようを見守っている。傍観者を気取っているが支配欲の塊で、世界が変わる兆しを見せたところで、自分の計画を発動してソレスタルビーイング排除に動き出す。
グラハム・エーカー (ぐらはむえーかー)
三大国家の一つ「ユニオン」の男性軍人。三大国家の一つ「AEU」がアフリカ赤道部のAEU太陽光発電システム地上接続軌道エレベーター付近の軍事演習場で行った新型モビルスーツの発表会を襲撃した謎のモビルスーツ(ガンダムエクシア)の戦いぶりに心を奪われ、以降はガンダムとの戦いを所望するようになる。モビルスーツのパイロットとして非常に高い腕を持つ。 また自分が搭乗するモビルスーツ・フラッグに強いこだわりがあり、アレハンドロ・コーナーからガンダムと同等の性能があるGN-X(ジンクス)が受領されても、フラッグでガンダムを倒す事にこだわる。
アリー・アル・サーシェス (ありーあるさーしぇす)
戦争をビジネスとして請け負う民間軍事会社「PMCトラスト」のメンバーの男性。野蛮で攻撃的な性格。戦争が大好きで、戦いの火種を消していくソレスタルビーイングを目の敵にする。過去にはクルジスで刹那・F・セイエイをはじめ多くの少年を、誘拐したあとに洗脳してゲリラ兵に育て上げ戦争に送り込んでいた。生身、モビルスーツ共に戦闘能力は非常に高く、心理戦にも長けている。
マリナ・イスマイール (まりないすまいーる)
中東のアザディスタン王国の第一皇女。貧困に苦しむ国民を救うために、各国に太陽光発電装置を設置し、技術支援を行うための交渉役を担う。テロリストに命を狙われたところを刹那・F・セイエイに救われ、刹那と会話した事でソレスタルビーイングとは別の方法で戦争根絶を目指そうとする。
マスード・ラフマディ (ますーどらふまでぃ)
中東のアザディスタン王国で宗教関係者をまとめる男性。周囲からは「ラサー」とも呼ばれている。アザディスタンが太陽光発電装置を受け入れる改革派と今まで通りの保守派に分かれる中、保守派が暴動を起こさないように保守の立場を取る。しかし保守派と改革派の内戦の材料に利用するためアリー・アル・サーシェスによって拉致されてしまう。
トリニティ3兄妹 (とりにてぃさんきょうだい)
長男のヨハン・トリニティ、次男のミハエル・トリニティ、末妹のネーナ・トリニティの兄妹。それぞれガンダムマイスターで、ヨハンはガンダムスローネアイン、ミハエルはガンダムスローネツヴァイ、ネーナはガンダムスローネドライに搭乗する。刹那・F・セイエイたちとは別系統の命令で動いており、任務なら民間施設、民間人すら平気で殲滅する。 冷静なヨハンが戦闘指揮を取る。
集団・組織
ソレスタルビーイング
イオリア・シュヘンベルグが創設した私設武装組織。既存の軍事技術を大きく上回った数々の技術を擁し、所持モビルスーツ「ガンダム」は4機対130機という状態でも圧勝できるほどの性能がある。「世界から戦争行為を根絶すること」を目標にかかげ、あらゆる戦争行為に対して武力介入を行う。
その他キーワード
ガンダムエクシア
型式番号GN-001。頭頂高は18.3メートル、重量は57.2トン。ソレスタルビーイングが所有するモビルスーツで、ガンダムマイスターは刹那・F・セイエイ。高い機動性を持ち接近戦を得意とする。開発コードの「ガンダム・セブンソード」が示すとおり、GNソード、GNロングブレイド、GNショートブレイド、GNビームサーベル、GNビームダガーと多数の近接武器を持つ。 ほかにもGNソードを折りたたんだGNソード・ライフルモードやGNバルカンといった遠距離武器もある。
ガンダムデュナメス
型式番号GN-002。頭頂高は18.2メートル、重量は59.1トン。ソレスタルビーイングが所有するモビルスーツで、ガンダムマイスターはロックオン・ストラトス。射撃能力に秀でた長距離射撃タイプで、地上から衛星軌道上の物体にも攻撃が届く。精密射撃時には頭部のアンテナがスライドしてガンカメラモードに移行する。 長距離用のGNスナイパーライフル、中近距離用のGNビームピストル、接近戦用のGNビームサーベルを持ち、GNフルシールドで防御面も充実している。
ガンダムキュリオス
型式番号GN-003。頭頂高は18.9メートル、重量は54.8トン。ソレスタルビーイングが所有するモビルスーツで、ガンダムマイスターはアレルヤ・ハプティズム。飛行形態に変形できる高機動型で、一撃離脱戦法を得意としている。武装はGNサブマシンガンにテールユニットミサイル、GNシールドは変形してクローとしても使える。
ガンダムヴァーチェ
型式番号GN-004。頭頂高は18.4メートル、重量は66.7トン。ソレスタルビーイングが所有するモビルスーツで、ガンダムマイスターはティエリア・アーデ。巨大なGNバズーカと両肩のGNキャノンという圧倒的な火力で敵を殲滅する重武装タイプ。ほかのガンダムより動きは遅いが、肩や脚部の増幅装置で高密度のGNフィールドを形成し機体全部をまとって敵の砲撃を防ぐ事ができる。 装甲の下には最重要機密のガンダムナドレが隠されており、ガンダムナドレになると量子演算処理システム「ヴェーダ」とリンクしている機体を制御下におく「トライアルシステム」が使えるようになる。
ガンダムマイスター
モビルスーツ「ガンダム」のパイロットの総称。ガンダムマイスターは量子演算処理システム「ヴェーダ」によって選ばれ、それぞれのガンダムには専用のガンダムマイスターの生体情報が登録されていて別の人間では動かす事はできない。
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