機械じかけのマリー

機械じかけのマリー

あきもと明希の代表作の一つ。後継者争いによって人間嫌いになった財閥の御曹司であるアーサー・ルイスゼテスは、ロボットのマリー・エバンスをメイドにするが、実はマリーはロボットのフリをした人間だった。その正体を隠しながら主従関係を続けるマリーとアーサーが、いつしか惹かれ合うようになる姿を描いたメイドラブコメディ。白泉社「LaLa」2020年5月号に読み切りを掲載後、同誌にて2020年8月号から2023年8月号にかけて連載の作品。2024年8月にアニメ化が発表された。

正式名称
機械じかけのマリー
ふりがな
きかいじかけのまりー
作者
ジャンル
ロボット
 
ラブコメ
レーベル
花とゆめコミックス(白泉社)
巻数
既刊6巻
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人気嫌いの御曹司のメイドはロボット

アーサー・ルイスゼテスはゼデス財閥の次期当主でありながら、愛人の子であるため、親類縁者から憎まれており、幼い頃から命を狙われる日々を過ごしてきた。近づいてくる人間は金で雇われた暗殺者がほとんどであるため、満足に友人や恋人もつくることもできずにいる。過去のトラウマから、アーサーは感情のない無機物しか信用しなくなり、ロボットのメイドを調達するように部下に命じる。そして、彼のもとに一体のメイドロボットがやって来る。

ロボットメイドの正体は天才格闘家の少女

人間不信のアーサーのもとにやって来たメイドロボットのマリーの正体は、正真正銘の人間だった。人間嫌いのアーサーからメイドロボットの調達を命じられた部下は、その無理難題に頭を抱えるが、無表情でロボットっぽい少女にロボットのフリをさせることを思いつく。そしてその白羽の矢が立ったのがマリーで、彼女は極貧生活で苦しんでいたこともあり、メイドロボット役を快諾する。本作はアーサーのもとでロボットと偽って働くマリーが、極度の人間嫌いであるアーサーに溺愛されるものの、人間だとバレると殺されるため、人間だとバレないように奮闘しつつ、メイドとしてアーサーを支えるラブコメディとなっている。

暴君の素顔は少年のような心の持ち主

アーサーは裏切られる日々を過ごしてきたため、誰一人信用しておらず、部下たちにも傲慢な態度で接してきたため、「暴君」と陰口を叩かれていた。しかし、絶対に裏切る心配のないロボットのマリーにだけは、少年のような素顔を見せるようになる。一方のマリーは、そんなアーサーの公私のギャップに驚きつつも、彼にウソをついていることに罪悪感を感じていた。二人の奇妙なすれ違いが笑いを誘うパターンとなっており、アーサーはマリーとの日々に凍り付いた心を癒され、彼女も孤独で純粋なアーサーに嫌われたくない思いから、お互いに惹かれ合っていく。

登場人物・キャラクター

マリー・エバンス

ゼテス財閥の次期当主のアーサー・ルイスゼテスに仕えるメイド。桃色の髪をシニヨン風にまとめ、整った顔立ちをした少女。いつも鉄面皮で無機物のような雰囲気を漂わせている。年齢は16歳。絶望的に表情筋が硬いため、無表情だが無感情ではなく、人並みに喜怒哀楽は豊か。格闘技に関しては天賦の才を持ち、幼少期はメディアに取り上げられたこともある。その頃からどんな技を食らってもつねに無表情であったため、「ロボット」や「人形」のようだと揶揄されていた。現在は親の借金返済のため、学校にも通えずアルバイト三昧の日々を送っており、その恵まれた身体能力を生かして土方のアルバイトもしている。そんな中、両親の借金返済の肩代わりと学校に通うことを条件に、「ロボットのフリをしてメイドをする」という仕事を依頼される。軽い気持ちで引き受けたものの、アーサーが極度の人間嫌いで、特にウソをつく人間が大嫌いであると知り、人間であることを言い出せなくなってしまう。アーサーの公私のギャップに驚きつつも、彼との日々に楽しさを見いだすようになる。好物はココア味のプロテインだが、アーサーに好物は「単三電池」と言ったため、よく単三電池をもらっている。戦闘能力が非常に高く、本職の殺し屋をなんなく返り討ちにしているため、実質アーサーのボディーガードも兼任している。

アーサー・ルイスゼテス

ゼテス財閥の次期当主である青年。金髪碧眼で長身瘦軀の美丈夫。愛人の子でありながら次期当主になったため、親類縁者から憎まれている。幼い頃より毒殺、暗殺、誘拐、監禁を幾度となく経験して極度の人間不信となり、人格も歪んでしまった。特にウソをつく人間を嫌悪している。部下や周囲の人間にも厳しく接することから、「暴君」扱いされている。人間不信のため最終的に無機物しか信じなくなり、ロボットのメイドを欲するようになる。部下の用意した、メイドロボットに扮したマリー・エバンスを本当のロボットと思っており、彼女の前でだけは素顔の自分をさらけ出すが、その際にはいつもの傲慢さは鳴りを潜め、子供っぽい一面を見せる。アニメやラノベが大好きで、一人のときはオタク趣味を思う存分堪能している。根は純粋で甘えん坊ながら、次期当主として優秀な自分を演じているため、孤独な日々を過ごすことに疲れ切っている。マリーが時折見せる感情の変化に心のトキメキを感じるようになり、自分のことを「機械に恋する変態」だと危機感を抱き始める。

書誌情報

機械じかけのマリー 6巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉

第1巻

(2020-12-04発行、 978-4592220817)

第2巻

(2021-06-04発行、 978-4592220824)

第3巻

(2021-12-03発行、 978-4592220831)

第4巻

(2022-07-05発行、 978-4592220848)

第5巻

(2023-02-03発行、 978-4592220855)

第6巻

(2023-09-05発行、 978-4592221548)

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