正直不動産

祟りで噓がつけなくなってしまった不動産会社社員が、これまでの仕事のやり方を改めて、正直一辺倒、本音だけの営業で奮闘する皮肉喜劇。「ビッグコミック」2017年12号より連載の作品。

正式名称
正直不動産
ふりがな
しょうじきふどうさん
漫画
ジャンル
ブラックコメディ
レーベル
ビッグコミックス(小学館)
関連商品
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概要・あらすじ

登坂不動産・副課長の永瀬財地は営業部のエース。客に都合の悪い情報は伏せて、耳に心地よいことを並べ、作り笑いで案件を成約させて、ずっと成約件数トップの座を守り続けていた。そんな彼のもとに入社3週間の新人社員・月下咲良が付けられる。顧客に誠実に向き合っているかのように見える永瀬の営業スタイルに心酔し、賛辞を述べる月下に、永瀬は、「あんなもの、ほぼ噓で塗り固めた契約」と一笑に付す。

「正直者がバカを見る。噓ついてなんぼのイカレた世界。それが不動産の営業」と彼は信じて疑わない。そんな永瀬だったが、得意先の地鎮祭での行動が、彼の運命を大きく変えてしまう。彼は、その土地に祀ってあった祠と「願わず語らずの碑」を、客のテンションに影響するとして、独断で取り壊した。

その瞬間、永瀬は何かに取り付かれてしまい、それ以来、噓がまったく付けず、本音でしか話せない人間になってしまう。得意の営業トークを封じられたため、営業成績は下降し、私生活にも影響が出始める永瀬。いっそ退社することも考えたが、しばらくすると正直一辺倒での営業に対して、それなりの好反応が現れ、意外な結果が出始める。

仕方なく、「噓なし、昇進なし営業“正直不動産”永瀬財地」をキャッチコピーにして、会社に残ることを選択する。だが、不動産業界の因習を無視するかのような営業を続ける永瀬には、様々な困難が押し寄せる。

登場人物・キャラクター

永瀬 財地 (ながせ さいち)

登坂不動産・副課長の男性。35歳。住まいは、港区の「飯倉ヒルズタワー」34階。営業部のエースで、営業成績トップの座を長く守り続けていた。さわやかな弁舌と笑顔の魅力的な男性だが、それは見せかけだけ。実際は、顧客に都合の悪い情報は伏せ、耳に心地よいことをだけを伝えて結果を出していた。同じ手法で口説くので女性にも人気があった。 しかし、顧客の地鎮祭で「願わず語らずの碑」と祠を壊して以来、祟りにあったのか、まったく噓の付けない人間になってしまう。得意の口八丁手八丁を封じられて営業成績は下降したが、「噓なし、昇進なし営業“正直不動産”永瀬財地」をキャッチコピーにし、正直一辺倒の営業マンとして生き残りをはかろうとする。

月下 咲良 (つきした さくら)

登坂不動産の新入女性社員。23歳。永瀬財地の下で不動産営業のイロハを学ぼうとしている。理想をもって不動産業界に入り、顧客を第一に考える営業になりたい、と本気で考えている。当初は永瀬の口八丁手八丁の営業方法にとまどいを感じていたが、噓がつけなくなってからの彼には、次第に信頼を寄せるようになっていく。

桐山 貴久 (きりやま たかひさ)

登坂不動産に中途入社してきた営業マンの男性。やり手であり、永瀬財地を追い抜くことを目標としている。かつての永瀬を彷彿させる、噓を厭わぬ営業スタイルで成績をグングン伸ばしていく。

大河部長 (おおかわぶちょう)

登坂不動産の営業部長。永瀬財地の上司の男性。豪放磊落を気取っているが、細かいことを根に持つ小心者。噓がつけなくなって営業成績が落ちた永瀬に、冷たく当たる。

石田 努 (いしだ つとむ)

永瀬財地の顧客の男性。老舗和菓子屋の店主。82歳。遊ばせていた仙川のビルを取り壊し、新たなアパートに建て替えてオーナーになろうと考え、永瀬の客となった。永瀬の営業手腕に乗せられて契約を結ぶ。しかし、彼の土地の地鎮祭で、永瀬が石碑を壊したため、永瀬は呪いにかかって噓のつけない人間になってしまう。

石田 光子 (いしだ みつこ)

永瀬財地の顧客の女性。老舗和菓子屋の店主石田努の妻。78歳。契約全般に詳しい、しっかり者。2軒目のアパートの建築を考え始めた夫に、反対の姿勢を見せる。噓が付けなくなった永瀬が、アパート経営のリスクを正直に話したので、彼の不実をなじった夫を冷静にたしなめた。

松崎 (まつざき)

マンション経営者の男性。業界ではそこそこ名の通った悪徳オーナー。家賃を相場より相当安くして入居させる。しかし、その後様々な嫌がらせを駆使して借家人を追い出し、難癖をつけて敷金を返さないことを繰り返して、儲けを出していた。噓がつけなくなった永瀬財地に、その悪行を顧客の前でバラされてしまう。

集団・組織

登坂不動産 (とさかふどうさん)

吉祥寺に本社をかまえる不動産会社。永瀬財地や月下咲良が勤務する。オフィスビルは3階建ての小規模なもので、業界では大手といい難い存在である。

その他キーワード

願わず語らずの碑 (ねがわずかたらずのひ)

仙川の土地に祀られていた碑。この碑を壊して以来、永瀬財地は噓の付けない人間になってしまう。伝承によれば、武蔵の国に現れた災いの神の言葉が現実となり、長雨や干ばつ、疫病などで、人々に様々な厄災をもたらしたという。この災いの神を封じ込めるために、江戸時代の高僧が建てた石碑が、「願わず語らずの碑」である。 この祠と石碑の前で噓をついたり、不遜な態度をとる者は祟られ、噓をつくことができなくなると言い伝えられている。

クレジット

原案

夏原 武

脚本

水野 光博

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