死神坊ちゃんと黒メイド

死神坊ちゃんと黒メイド

幼い頃にかけられた呪いにより、触れたものの命を奪ってしまう死神の体質を持つ坊ちゃんと、彼に献身的に寄り添うメイドのアリス・レンドロット。そんな二人が少しずつ距離を縮めながら、呪いに立ち向かう姿を描いたゴシックラブロマンス。「サンデーうぇぶり」で2017年10月3日から配信の作品。2021年7月テレビアニメ化。

正式名称
死神坊ちゃんと黒メイド
ふりがな
しにがみぼっちゃんとくろめいど
作者
ジャンル
ダークファンタジー
 
恋愛
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

坊ちゃんとアリス

とある貴族の長男である坊ちゃんは、5歳の時に謎の魔女に呪いをかけられて以来、触れたものの命を奪う力を持つようになってしまった。坊ちゃんはこの体質により家族にも距離を置かれるようになり、現在は森の奥にある旧邸宅で、メイドのアリス・レンドロットと執事のロブ・ガードナーと共に生活を送っていた。そんなある日、友人のフィリップが訪問するとの報せを受ける。坊ちゃんは人と会うことを億劫(おっくう)に感じつつも、最近疎遠となっているフィリップともう一度交友を深められることを楽しみにしていた。しかしフィリップの目的は、現在の坊ちゃんの様子を、坊ちゃんの母親であるガーベラに伝えることだった。フィリップは坊ちゃんの死神体質を恐れており、親しくする気などさらさらなかったのである。そんなフィリップはアリスにも退職を勧めるが、アリスはこれを拒否。この一件がきっかけとなり、坊ちゃんは自分の境遇を嘆くのはやめ、自分の傍にいてくれるアリスのためにも、呪いと向き合って前向きに生きる決意をする。

坊ちゃんの暮らす屋敷に、妹のヴィオラが遊びにやって来た。ヴィオラは非常に正直な性格で、意地悪な言動で坊ちゃんを困らせることもあるが、唯一家族の中で呪いを受ける前と変わらず彼と接していた。しかし坊ちゃんは、ヴィオラが遊びに来た本当の目的を察していた。ヴィオラは昔から極端に年上の男性が好きで、今は坊ちゃんの執事であるロブ・ガードナーに片思いしていたのである。坊ちゃんはそんなヴィオラの動向を見守るが、ヴィオラは好きな人とうまくコミュニケーションを取れないタイプで、今回もロブとはろくに目も合わすこともできずに帰宅してしまう。その直後、坊ちゃんはアリス・レンドロットから、街へ出かけようと誘われる。あまり気乗りしない坊ちゃんだったが、少しずつでも人に慣れて欲しい、人を好きになって欲しいという。アリスからの思いを受けて応じる。ちょうど街ではお祭りが開催されており、予想以上の人ごみに衝撃を受けた坊ちゃんは弱気になり、その上アリスとはぐれてしまう。しかし迷子の男児を保護し、彼を慰めようとピアノ演奏したことがきっかけで、周囲の人々と楽器演奏を楽しむのだった。一方その頃アリスは、シスターの服を身につけた謎の女性に声をかけられていた。

カフ

冬のある日、アリス・レンドロットが、母親からプレゼントされたピアスを落としてしまう。坊ちゃんは雪の中、一人ピアスを探し続けるが、そこで動物の骨のお面をつけた女性に声をかけられる。彼女の名前はカフといい、幼なじみとはぐれてしまい、食べるものもなく困っているのだという。そんな彼女にピアス探しを手伝ってもらった坊ちゃんは、ひとまず屋敷にカフを招き入れる。その過程で坊ちゃんはカフが魔女であることを知るが、カフは坊ちゃんの呪いを解くことはできず、魔女についても教えることができないのだと語る。それでもカフは可能な範囲で魔女と魔法使いについて教えてくれるが、坊ちゃんから幼なじみとの仲のよさを指摘された途端、恥ずかしがって帰ってしまうのだった。

スケート

ある日、湖で坊ちゃんアリス・レンドロットがスケートをしていると、「ザイン」と名乗る白いカラスが声をかけてくる。坊ちゃんは呪いを受けて以来、魔法の力を宿すようになっており、ザインはこれを感知して近づいてきたのである。そんなザインは幼なじみを探しているらしく、坊ちゃんはすぐにそれがカフであることに気づく。ちょうどその頃、アリスが偶然カフを見つけたことで、無事に二人は合流し、四人はスケートを楽しむのだった。そして帰り際、カフは坊ちゃんに近日魔界で行われる魔女の集会(サバト)に参加しないかと衝撃の提案をする。カフは、自分からは同族である魔女の情報を漏らすことはできないが、坊ちゃんが直接調べるのは問題ないと考えたのだ。坊ちゃんは唐突な誘いに驚きつつも応じるが、なぜかアリスも、いっしょについていきたいと言い出す。アリスは先日お祭りで出会ったシスターの服装の女性から、母親のシャロン・レンドロットが魔女の関係者であることをほのめかされていたため、その真偽を確かめるべく、同行を申し出たのだった。

集会(サバト)

魔女の集会(サバト)当日となり、坊ちゃんアリス・レンドロットは、ザインの弟妹と素性を偽って参加することになった。そこには先日のシスターの服装をした女性がおり、彼女はダレスという魔女であることが判明。しかし予想に反して集会はあっさり終わってしまい、坊ちゃんはザインが提案したゲームに、カフやほかの魔女、魔法使いといっしょに参加することになる。一方その頃アリスは一人ダレスを追い、先日の一件について尋ねていた。しかしダレスは、シャロン・レンドロットと、坊ちゃんに呪いをかけた魔女を知っているだけで、特に協力できることはないという。納得のいかないアリスはダレスにさらに話を聞くが、呪いをかけた魔女はすでに亡くなっており、ほかの魔女では呪いを解くことは困難であることを知る。坊ちゃんとアリスは大きなショックを受けるものの、ひとまずカフとザインと共に帰宅するのだった。

むかしばなし

時は2年前にさかのぼる。実家から追い出されて失意のどん底にいた坊ちゃんは、ロブ・ガードナーと二人で暮らしながら、荒れた生活を送っていた。そんなある日、新しいメイドとしてアリス・レンドロットがやって来る。アリスによれば、二人は幼なじみで子供の頃は親しくしていたらしいのだが、坊ちゃんは思い出せない。坊ちゃんは自分といっしょにいてもアリスが辛い思いをするだけだと、アリスにもっと有意義な仕事をしてもらうために、彼女を追い出すことを画策。わざと冷たい態度を取ったり、大変な仕事を押し付けたりして、アリスを困らせるようになる。しかしアリスはこれにまったく動じない上に、坊ちゃんにより親身に接するようになるのだった。ある日これに業を煮やした坊ちゃんは、家を飛び出してしまうが、歩くうちにどんどん雪が激しくなり、やがて進むのも困難になっていく。死をも覚悟した坊ちゃんだったが、そこでふいに自分には昔仲のよい友人がおり、その子の名前はアリスだったことを思い出す。するとそこへアリスが現れ、ずっと坊ちゃんを慕って生きてきたこと、辛い人生の中で坊ちゃんの存在が支えだったことを告白する。そんな彼女に、いっしょに生きていこうと説得された坊ちゃんは、これまでの行いを反省して屋敷に戻るのだった。

クリスマス

クリスマスイヴの日、坊ちゃんの屋敷では、ヴィオラカフザインを招いてパーティをすることになった。当日、坊ちゃんたちが先に訪れたカフとザインといっしょに飾りつけをしながら過ごしていると、そこに坊ちゃんの弟のウォルターがやって来る。ウォルターは、最近ヴィオラが頻繁に坊ちゃんの屋敷を訪れていることを知っていたため、今日もヴィオラのあとをつければ、坊ちゃんに会えると考えたのだ。坊ちゃんとウォルターは、ここ10数年会っていない関係だったが、ウォルターは坊ちゃんに強いライバル意識を抱いていた。ウォルターは長男である坊ちゃんに代わって家長になることを熱望しており、坊ちゃんのことを、絶対に倒さなければならない相手だと認識していたのだ。そんなウォルターは坊ちゃんに、先に魔女の呪いの真実にたどり着いた方が家長を継ぐのはどうだろうかと提案。坊ちゃんはこれに応じ、より一層呪いを解くための努力を重ねるようになる。

日誌

ヴィオラアリス・レンドロットを訪ねて来た。アリスは、カフも交えて三人で楽しく過ごすが、ヴィオラが今日やって来た目的は、以前使用人たちが書いていた1冊の日誌を渡すことだった。この日誌はアリスの母親であるシャロン・レンドロットも書き記しており、ヴィオラは呪いを解く手掛かりにならないかと渡しに来たのである。その直後、ザインダレスに呼び出され、この日誌を奪ってくるように命じられる。ダレスは日誌の中に、当時屋敷に出入りしていた自分についての記載があるのではないかと考え、処分しようと画策していたのだ。ザインはこの申し出を断ろうとしたものの、カフの存在をネタに脅され、従わざるを得なくなる。こうしてザインは屋敷に潜入し、日誌を持ち出すことに成功するが、日誌を燃やそうとした瞬間、坊ちゃんに見つかってしまう。事情を聞いた坊ちゃんは、カフの安全のためであれば燃やしても構わないとザインをうながすが、ザインはこのままダレスに従ってはいけないと自制する。そこで、今も魔法を使って監視しているだろうダレスの目を欺くために、ザインは日誌を処分したふりをして、しばらく自分が預かることにするのだった。

本邸

冬のある日、坊ちゃんアリス・レンドロットと共に急遽本邸に呼び出される。最近、ヴィオラが頻繁に旧邸宅である坊ちゃんの住む屋敷に出入りしていることが原因らしく、坊ちゃんはヴィオラ、ウォルターと共にガーベラに叱られてしまい、呪いについて現状報告する。坊ちゃんたちの父親は体調が思わしくなく、ガーベラは万が一の時に備えて、次期家長をできるだけ早く決めたいと考えていたのである。そんな中、坊ちゃんとアリスは久しぶりに戻った本邸で、リラックスして過ごす。そして坊ちゃんは、ヴィオラと共に魔女から呪いをかけられた場所へ行ってみるが、呪いをかけられた魔女については何も思い出せなかった。そしてその夜、家族で食事をしていた坊ちゃんは、ガーベラから春までに呪いを解くことができなければ、家長はウォルターに継がせると宣言される。坊ちゃんはこの言葉を受け、必ず呪いを解いてアリスと結婚することを伝えて、帰路につくのだった。

賄賂

ある日カフは、ザインから今後人間と魔女のどちらとして生きていきたいかを尋ねられた。カフは、ザインといっしょに生きていけるならどちらでも構わないと伝えるが、ザインはこのことに悩んでいた。最近二人は、サーカスの一座「ジェミニ座」のパフォーマーとして働いているのだが、ザインは自分たちの正体がみんなに知られる前に一座を離れるべきではないかと考えていたのだ。そんなある日、坊ちゃんのもとに突如ダレスが現れる。ダレスはザインの持つ時間操作魔法の力を欲しているが、ザインが応じないため、坊ちゃんに説得させようとやって来たのだ。坊ちゃんはこれを断るが、ダレスは解呪に詳しい魔女をすでに呼び寄せていた。しかし坊ちゃんは、ダレスに恩を着せられたくないため、その魔女を追い返そうとするが、しばらく経って現れたのは、干からびそうになっているタコの魔女、アメリアだった。彼女が心配になった坊ちゃんは思わず助けてしまい、そのままアメリアの話を聞くことになる。アメリアは確かに解呪が得意なのだが、確実に呪いが解けるかは呪いの種類を見てみないとわからないのだという。そこで坊ちゃんは、ひとまず身体を調べてもらってから、呪いを解いてもらうかを決めることにする。

カフとザイン

アメリアの力をもってしても坊ちゃんの呪いは解くことができなかったが、呪いをかけた魔女がダレスの姉らしいことが判明する。一方その頃ダレスは、魔女のテトケトを伴ってザインに会いに行く計画を立てていた。ダレスは、かつて姉に呪われて以来、ずっと眠り続けている友人のシャロン・レンドロットを助けたいと願っていた。しかし、ザインがなかなか応じないため、無理やりにでもザインを従わせようとしていたのだ。そんな中、坊ちゃんとアリス・レンドロットは、ダレスがザインの魔法を狙っていることを伝えるため、カフたちに会いにジェミニ座を訪れる。しかしザインは、カフに危険が及ぶくらいなら、カフをジェミニ座に置いて自分がいなくなることをすでに決意していた。この時に座長に気に入られた二人は、次の公演にゲストとして3日間だけ参加することになる。そして始まった公演1日目、ザインは現れたダレスたちに、3日目の公演後に迎えに来ると宣言される。ザインは、2日目の公演が終わった時点で逃げるつもりでいたが、2日目の公演中にテトとケトが現れる。

吹雪

ザインが魔法を使ってテトケトを捕縛したことで、負けを認めたダレスは退散する。しかし坊ちゃんアリス・レンドロットは、亡くなったとばかり思っていたシャロン・レンドロットが眠らされたまま生かされているだけでなく、ダレスはシャロンを目覚めさせるために行動していたのを知って、驚く。そんな中、カフとザインは、ジェミニ座の面々に正体を打ち明けた上で、引き続き一座に所属できることになる。しかし、それからしばらく経ったある日、カフとザインは移動中に吹雪に見舞われ、洞窟の中で一晩を過ごすことになってしまう。そこでカフは、先日から気になっていたことをザインに尋ねる。ザインはこれまで時間操作魔法を使うのを非常に嫌がり、この魔法を使えることすらも周囲には隠していた。しかし、今回やむを得ず魔法を使ってしまったため、後悔しているのではないかと、案じていたのだ。だがザインはこの件について前向きにとらえており、これからは人のために魔法を使ってもいいと思うようになっていた。そんなザインは自分のことよりも、今後ダレスの姉と戦う可能性が出てきていることを心配するが、その時は自分がザインを守ると、カフは宣言する。

弟と兄

魔女の集会(サバト)の時期となり、アリス・レンドロットダレスからさらに話を聞くため、集会に潜入しようとしていた。アリスは坊ちゃんと共に魔界にある集会場所に到着すると、そこにはウォルターが潜んでいた。ウォルターは坊ちゃんにかけられた呪いを解くため、少しでも情報を得ようと近くにある教会を目指していたのだ。しかし、ウォルターに驚いた坊ちゃんは大声を出してしまい、しばらく魔女たちの注意を引くために別行動することになる。取り残されたウォルターとアリスは、途中トラブルに遭うものの、ウォルターの目的地である教会に到着。ウォルターはひとまず安全確認のため、一人で先に中へ入ると、素顔のダレスと遭遇。ダレスは姉によって顔を傷だらけにされており、ふだんはお面やベールでこの傷を隠していたのだ。しかしダレスと面識がないウォルターは、顔を見られて落ち込んでいるダレスに親身に接する。これがきっかけで前向きになったダレスは、今後顔を隠すのをやめることを決意し、人間関係にも少しだけ積極的になるのだった。

人魚姫

ダレスウォルターに励まされたことで考えを改め、坊ちゃんアリス・レンドロット、ウォルターの三人をシャロン・レンドロットが眠っている部屋に招いた。そこで三人は、ダレスとシャロンが友人関係であったこと、ダレスが姉のシャーデーの死の真相を探っているものの手がかりが見つからず、シャロンに聞くために目覚めさせようとしていることを知る。そして後日、ダレスはアメリアに会いに行き、先日のお礼として、1日だけ人間になれる魔法をかける。アメリアは10年ほど前に座長と出会い結婚したものの種族が違うため、その後10年間ずっと別々に暮らしていたのである。この魔法によってアメリアと座長は幸せな時間を過ごし、カフたちはこれを優しく見守るが、そこへ突如ダレスがやって来る。ダレスは今後、ザインを無理やり従わせるのではなく、協力することでシャーデーの死について調べる意向を伝える。そこでまずは、先日ザインに処分させようとしていた使用人たちの日誌を確認することを提案。一方その頃アリスは、ロブ・ガードナーにシャロンのことを尋ねていた。

ニコとイチ

少年と老婆の怪しい二人組がジェミニ座を訪ねて来る。二人がザインを探しているらしいことを知った座長は、ひとまずカフとザインにこれを伝え、当面のあいだ坊ちゃんの家に隠れているように指示するが、そこに二人組が現れて四人を襲う。この二人組はニコイチで、生まれつき魔力を持つ「魔術師」と呼ばれる人間だった。二人は10年ほど前に仲間と共にシャーデーと戦い勝利したが、シャーデーがニコにかけた呪いはシャーデーが死んでも解けず、以来、ニコは不老不死となり、少年の姿のまま生きていたのだ。そんな二人が欲しているのは、ザインの時間操作の魔法だった。二人は時間操作魔法で過去に戻り、不老不死の呪いをかけられる前にシャーデーを倒そうと考えていたのである。ザインはこれを決断できずにいると、ニコはザインに信頼してもらうため、ひとまず自分たちの運営している魔術学校に来て欲しいと誘う。この時ほかに希望者がいれば連れてきてもいいと言われた坊ちゃんたちは、アリス・レンドロット、カフ、ザイン、ヴィオラウォルターの六人で魔術学校へ行くことにする。

授業開始

魔術学校に通い始めた坊ちゃんたち六人は、ニコイチフリーの三人の教師の指導のもと、魔法について学んでいた。しかしそこにダレスケトがやって来る。ダレスは初めて出会った日からウォルターに恋しており、彼を心配してついてきた結果、魔術学校にたどり着いたのだ。ニコはシャーデーにそっくりなダレスを見て動揺するが、すぐにダレスが正体を打ち明けたことで、ダレスとケトも入学することになる。さらにこの日、ニコはシャーデーについて知っている情報を共有する。これを聞いたザインは、その夜、坊ちゃんとアリス・レンドロット、ダレスを誘って、過去へ行くことを提案。坊ちゃんが呪いをかけられる前の世界に行き、当時屋敷に出入りしていたシャーデーの顔を見に行くことにする。そこで四人は坊ちゃんの祖父のヴィクトルに出会ったり、シャーデーに見つかって危険な目にも遭ったりするが、無事に目的を果たして帰還。しかし、この時の行動により未来に変化が起き、眠り続けていたはずのシャロン・レンドロットが、魔界にあるダレスの教会で目覚めていた。

ただいま

シャロン・レンドロットが突如目を覚ましたことにより、魔界は大騒ぎになっていた。これに気づいたダレスは、ケトを伴って急遽魔界に戻り、ひとまずシャロンと二人で、ロブ・ガードナーに会いに行き、三人で状況を整理する。これによってダレスは、おそらく先日過去に行ったことで未来が変わり、シャロンが目覚めたのだと推測する。しかし、そうさせたシャーデーの目的はわからず、ダレスはシャロンを監視する必要があると判断するのだった。一方その頃、勉強を続けていた坊ちゃんたちは卒業して自宅に戻ることになる。こうして坊ちゃんたちは、ニコたちがシャーデーと戦う準備が整い次第再会する約束を交わして帰路につくが、そこにはロブと屋敷で暮らすことになったシャロンが待っていた。アリス・レンドロットは驚きつつもこれを喜び、眠っているあいだに母娘というよりも姉妹のような歳の差になってしまったシャロンと、幸せな時間を過ごすのだった。しかし、シャーデーはシャロンを解放したわけではなく、シャロンの身体の中に自分の分身を紛れ込ませていたのだ。

メディアミックス

テレビアニメ

2021年7月より、本作『死神坊ちゃんと黒メイド』のテレビアニメ版『死神坊ちゃんと黒メイド』が、TOKYO MXほかで放送された。監督は山川吉樹、キャラクターデザインは桑波田満が務めている。キャストは、坊ちゃんを花江夏樹、アリス・レンドロットを真野あゆみ、ロブ・ガードナーを大塚芳忠、ヴィオラを水瀬いのりが演じている。

登場人物・キャラクター

坊ちゃん (ぼっちゃん)

とある貴族の長男の青年。周囲からは主に「坊ちゃん」と呼ばれており、本名は不明。天然パーマの黒髪ショートヘアで、ギョロギョロした三白眼の下には、深いクマがある。色白で細身のため一見弱々しく見えるが、辛い境遇にもめげない心の強さと心優しい人柄から、使用人のアリス・レンドロットやロブ・ガードナーをはじめ、周囲の人たちからは非常に慕われている。5歳のある日、突如現れた魔女に呪いをかけられてから、身体に触れたものの命を奪う死神の体質となってしまう。この体質によって実の家族からも遠巻きにされ、現在では家からも追い出され、取り壊し予定だった森の奥にある旧邸宅に、アリスとロブの三人で暮らしている。当初はこのような境遇から自分に自信を持てずに人生に悲観し、絶望的な気分で生活を送っていた。しかし、フィリップの来訪がきっかけでアリスの深い思いを知り、彼女のためにも呪いを解く決意をする。呪いは薄い布越しでも効果を発揮し、服の上から対象と肌が触れたり、手袋ごしに対象に触れたりする程度でも発動する。しかし分厚い金属など、ある程度の厚みがある物ごしであれば、対象に触れても呪いが発動することはない。また、坊ちゃん自身の体液には呪いがかかっておらず、対象に坊ちゃんの汗や唾がかかった場合も、呪いは発動しない。特技はピアノ演奏で、今後実家から勘当されても困らないように、作曲してはその楽譜を売る仕事をしている。天然パーマの髪質にコンプレックスを抱いており、基本的にシルクハットを脱がないようにしている。

アリス・レンドロット

坊ちゃんにメイドとして仕える10代後半の女性。坊ちゃんの実家で働くメイド長を務めるシャロン・レンドロットの一人娘で、坊ちゃんの幼なじみでもある。金髪をストレートロングヘアにした、碧眼のスタイル抜群の美女。表情に乏しいため何を考えているのか理解しづらく、ミステリアスな印象を与えるが、まじめで落ち着いた性格をしている。坊ちゃんのことを誰よりも大切に思い、慕っている。しかし坊ちゃんを愛するあまり、ついからかってしまったり突然ストレートに思いを伝えたり、肌を露出させて彼に「逆セクハラ」する常習犯でもある。幼い頃は南の山のふもとの家でシャロンと二人暮らしだったが、当時は病弱でほとんど寝たきりだった。しかしある日、シャロンが坊ちゃんの祖父のヴィクトルを助けたのがきっかけで、シャロンと共に坊ちゃんの屋敷に招かれ、住み込みで働くようになった。この頃から坊ちゃんに思いを寄せていたが、シャロンが亡くなったことでおばに引き取られ、彼女にいじめられながら暮らす辛い生活を送るようになる。しかし2年前、いっしょに働く人を探していたロブ・ガードナーの誘いで、坊ちゃんの暮らす旧邸宅で働くようになった。しかし坊ちゃんには、呪いを解いて元の家に戻るべきだと考えているものの、坊ちゃんを誰よりも愛しており、今の生活に幸せを感じているために一歩踏み出せずにいる。

ロブ・ガードナー

坊ちゃんに執事として仕える年老いた男性。穏やかで落ち着いた雰囲気を漂わせた紳士で、あごひげを伸ばしている。もともとは坊ちゃんの実家で働いていたが、坊ちゃんが呪いをかけられ、旧邸宅へ引っ越しを余儀なくされたことで、いっしょについてきた。右目は見えずに眼帯をしており、前髪を右目を隠すように長くした刈り上げショートヘアにしている。また、この眼帯が特徴的なことから、ロブ・ガードナーの名前を知らない人たちからは「隻眼の男」の通り名で呼ばれている。心優しく義理堅い性格で、呪いに苦しむ坊ちゃんに寄り添っている。執事としても非常に優秀で、仕事も完璧にこなしている。一時期はケガで休職していたが、完治してからはアリス・レンドロットの仕事をも奪う勢いで働いている。しかし、老眼で物との距離感がつかみにくくなっていたり、耳が遠くて必要な情報を聞きそびれてしまうことから、坊ちゃんには心配されている。シャロン・レンドロットとは非常に親しく、彼女が死亡したのではなく、シャーデーに連れ去られたことも知っていた。しかしアリスには、シャロンは亡くなったと伝えていた。収集癖があり、プレゼントされたものはもちろん、些細なものも捨てられないために自室は物であふれている。

カフ

人間と魔女のハーフの少女。ザインの幼なじみで、暗い赤色のショートボブヘアで、胸の大きな美少女。ザインと放浪生活を送っていたが、のちにサーカスの一座「ジェミニ座」で働くようになる。こうもりに化けることができ、主に炎の魔法を使って男性的な口調で話す。表情に乏しいため一見近寄りがたいが、実際は素直で義理堅い性格をしている。食べることが大好きで、おいしいものを与えられると、すぐに心を開いてしまう単純な一面がある。また、難しいことを考えるとすぐに頭が痛くなることから、自分があまり賢くないことを自覚しており、頭を使う必要がある時はザインに任せるか、相談するようにしている。人間の父親と魔女の母親の三人で、魔女たちの村に暮らしていたが、ある日村が魔女狩りに遭ってしまう。しかし、カフ自身は偶然ザインといっしょに出かけていたために助かった。ハーフであることから人間にも魔女にもなじめずに周囲からは敬遠されがちで、魔女の集会(サバト)にも出席していない。そのため、唯一の友人であるザインを非常に大切に思っている。ある雪の日、ザインとはぐれて困っていた際に、坊ちゃんの屋敷を発見して食べ物を分けてもらうか、強奪することを思いつく。そして屋敷に近づいたところ、探し物をしている坊ちゃんと出会って、いっしょに探すうちに親しくなった。これがきっかけで坊ちゃんの友人となり、坊ちゃんの呪いを解くためにザインと共に協力することになる。

ザイン

魔法使いの男性。カフの幼なじみで、白いカラスの頭に2本の長い角を生やし、スーツを着た長身の獣人。カフと放浪生活を送っていたが、のちにサーカスの一座「ジェミニ座」で働くようになる。完全な白いカラスの姿に化けることができ、主に時間をあやつる魔法を使う。明るく陽気な性格で、女性全般に優しく、美しい女性には特に愛想がいい。幼い頃は両親と魔女たちの村に暮らしていたが、ある日村が魔女狩りに遭ってしまう。しかし、ザイン自身は偶然カフといっしょに出かけていたことで助かり、一度は時間操作の魔法を使って、運命を変えようとした。だが何度繰り返しても失敗し、心に深い傷を負ったことから、現在では基本的に時間操作魔法を使うことも、時間操作の魔法の使い手であることも、周囲には隠している。カフの生きづらい境遇を案じており、何事もカフを優先して行動している。それゆえに過保護気味で、結果的にカフの成長を妨げてしまっていることもある。一方で、カフに対してはなかなか素直になれず、お互い思い合っているにもかかわらず、進展しない状況が続いている。男性だが、便宜上「魔女」と呼ばれることもある。

ヴィオラ

貴族の少女。坊ちゃんの妹。ロングヘアのツインテールの髪型で、ショートパンツにブーツを身につけている。明るく生真面目な性格ながら、歯に衣(きぬ)着せぬ言動で坊ちゃんを困らせている。しかし、坊ちゃんが魔女に呪いをかけられ実家を追い出されても、家族の中で唯一これまでと変わらず彼と接していた。幼い頃から、自分よりも年上の男性が大好きで、ロブ・ガードナーに思いを寄せている。そのため、何かと理由をつけては坊ちゃんの屋敷を訪ねているが、好きな人とはうまくコミュニケーションが取れないタイプのため、ロブとはまともに会話すらできない。年頃の女性らしく、恋愛の話やお菓子が大好きで、特に恋愛事に対しては興味津々。そのため、何かにつけて周囲に「ヴィオラ式恋愛指南術」と称してアドバイスを送っているが、そもそもヴィオラ自身がロブとまったく進展していないため、信憑性はかなり低い。坊ちゃんに対しては意地悪な態度を取ることもあるが、本当は慕っているため、積極的に呪いを解くことに協力するようになる。アリス・レンドロットとは、坊ちゃんの屋敷に通ううちに親しくなり、姉のように慕うようになる。

ウォルター

貴族の次男。坊ちゃんの弟で、さらさらの黒髪ショートヘアの美男子。使用人たちにも優しいために人気がある。しかし自分が次男のため、家長になって家を継ぐのが難しいことや、母親のガーベラに厳しく育てられたことから、卑屈な意地っ張りな一面が見え隠れする時がある。そのため、次男であることを指摘されるだけで怒ったり、「時間」のように「次男」と似た響きの言葉を聞くだけでも動揺してしまう。これを周囲には「次男コンプレックス」と呼ばれており、幼い頃から坊ちゃんのスペア扱いをされたり、正当な評価を受けていないことが起因している。そのため坊ちゃんに対して、過剰なまでの対抗心と嫉妬心を抱き、何かにつけてライバル意識を燃やしている。しかし、坊ちゃんを嫌っているというわけではなく、なんだかんだで仲がいい。ある冬の日、坊ちゃんと、先に坊ちゃんの呪いを解明した方が家長になるという約束を交わし、それからは積極的に情報収集に取り組んでいる。これがきっかけでダレスと親しくなり、少しずつ彼女に惹かれていく。

ガーベラ

貴族の女性。坊ちゃんの母親で、さらさらの黒髪ストレートロングヘアをハーフアップにしている。いつも険しい顔をしており、近寄りがたい印象を与える。病に臥(ふ)せっている夫に変わり、一家を取り仕切っている。非常に厳格で、世間体を気にする見栄っ張りな性格の持ち主。もし夫が亡くなった場合、坊ちゃんとウォルター、どちらを次の家長にすべきかばかりを考えている。また、ヴィオラの個性的な服装についても快く思っておらず、年頃の女性らしくするべきだと正そうとしている。坊ちゃんが死神の呪いをかけられてすぐに、飼っていた小鳥に誤って触れてしまったことに激怒して屋敷から追い出した。そのため坊ちゃんとの関係は良好ではなく、ウォルターに対しても、坊ちゃんの代用品のように扱ってきたために折り合いがよくない。しかし、家族に対してまったく愛情がないわけではなく、坊ちゃんたち三人の子供たちが呪いを解こうと奮闘する中で、少しずつ態度を軟化させていく。シャロン・レンドロットとは24歳の頃に知り合い、唯一の友人として非常に大切に思っている。しかしシャロンが目覚めたあとも、なかなか素直になれずにいる。

ダレス

魔女の女性。シャーデーの妹で、年齢は150歳を超えており、魔界の魔女たちを束ねるボスでもある。腰まで伸ばしたストレートロングヘアで、シスターの服装を着用している。顔のいたるところに、シャーデーにつけられた有刺鉄線のような模様の傷跡がある。この傷跡を非常に気にしており、ふだんは骸骨のお面を付けたり、ベールをして隠している。やや思い込みが激く、内弁慶な一面もあるが、細やかで心優しい性格をしている。シャーデーの死後、性格的に向いていないと感じながらもボスを務めることになり、住みやすい魔界を作ることに尽力している。そのため魔界の住民たちからは好感を持たれているが、顔の傷を気にするあまり、積極的にコミュニケーションを取ることができずにいる。シャーデーを非常に恐れており、彼女が生きていた頃は、絶対服従を誓っていた。シャーデーの死後も恐怖感は消えず、シャーデーが死んだ理由を調べ続けている。そこで、かつてシャーデーと親しく、現在はシャーデーによって眠らされているシャロン・レンドロットを目覚めさせれば手掛かりをつかめるのではないかと考え、時間操作の魔法を使えるザインを従わせようとする。しかし、それが失敗に終わった直後、ウォルターに出会い、彼に容姿を励まされたことで心境の変化が訪れる。恋愛をしていない期間が非常に長かったため、異性に免疫がなく、自分に親身になってくれたウォルターに出会ってすぐに思いを寄せるようになり、ひそかにストーカー行為に及んでいる。

シャーデー

魔女の女性。ダレスの姉で故人。人の思考を読む魔法の使い手で、死亡してダレスが後任を務めるようになるまでは、魔界で魔女たちのボスを務めていた。ダレスと瓜二つの美女で、シスターの服装を着用している。強い魔力と高いカリスマ性を持つが、人を傷つけたり、弄んだりして楽しむ粗暴な性格をしている。また、愛に関して独特の考えを持っており、ダレスの顔に傷をつけて心身共に苦しめる行為も、シャーデーにとっては愛情ゆえのものである。この人柄から、ダレスはもちろん周囲の魔女たちからも恐れられている。また、ニコに不老不死の呪いをかけたり、坊ちゃんに死神の呪いをかけたりと、多くの人々を苦しめてきた。10年ほど前、ニコやイチをはじめとする魔術師たち約30名によって殺害されるが、死してなおニコや坊ちゃんにかけた呪いは解けずにいる。

シャロン・レンドロット

坊ちゃんの実家で働いていたメイド長の若い女性。年齢は25歳。アリス・レンドロットの母親でもあるが、シャーデーによって何年も眠らされていたために目覚めたあとは、アリスとは母娘というよりも姉妹のような年齢差になっている。腰まで伸ばした金色のストレートロングヘアで、唇の左下にほくろが一つある。明るく陽気な性格で、細かいことを気にしないタイプ。男性を見る目がまったくなく、夫はアリスが赤ん坊の頃にほかの恋人を作って出ていってしまった。その後は南の山のふもとで幼いアリスと二人で暮らしていたが、病弱なアリスを置いて働くこともできず、経済的に困窮した生活を送っていた。そんなある日、狩りの途中でケガをしたヴィクトルに出会い、彼を助けたのがきっかけでヴィクトルに住み込みのメイドとして雇われる。それから一生懸命に働き、メイド長にまで上り詰めるが、この頃に出会ったシャーデーからアリスの病気を治す代わりに、自分は眠り続ける呪いをかけるという取引に応じる。それから、シャーデーが亡くなったあとも、魔界にあるダレスの教会でずっと眠り続けていた。しかし、ザインが時間操作の魔法を用いて、取引をする前のシャーデーと接触したことにより、未来が変化。突如、目覚めて成長したアリスや坊ちゃんと暮らし始めるが、取引前後の記憶はあいまいになっている。ガーベラとは、身分を超えて非常に仲がいい。

アメリア

魔女の女性。座長の妻。人間の女性の上半身にタコの足を持つ人魚で、解呪を得意としている。巻き髪ロングヘアで、褐色肌を持ち左目に眼帯をしている。手は人間と同じ形をしているが人間よりも大きく、人間用の指輪ははめられない。一人称は「おれ」で、中性的な口調で話す。明るく気さくな性格をしている。分類としては魔女だが、生まれつき魔力を持っているタコといった方が近く、基本的に海で暮らしている。地上でも短時間であれば過ごせるものの、長時間過ごすためには、下半身を人間に変身させる魔法が必要となる。ある日、ダレスに命じられ、坊ちゃんの呪いが解けるかどうか調査するために坊ちゃんの屋敷を訪れる。座長とは10年ほど前、人間の船に悪さをして返り討ちにされたところを助けられ、逃がしてもらったことがきっかけで指輪を交換して結婚した。しかし種族が違うため、以来10年間会えずにいる。

ケト

魔女の若い女性。テトの恋人。植物をあやつる魔法の使い手で、ふだんは魔界に住んでいる。褐色肌で、肩までのセミロングヘアにしている。明るく開放的なギャルで、露出度の高い水着のような服装を好んで着用している。語尾に「〜っす」を付ける、砕けた口調で話す。陽気な明るい性格で、嫌なことがあってもすぐに忘れ、過去に因縁のある相手ともすぐになかよくなれる。ダレスのことを慕っており、時間操作の魔法を手に入れるため、テトと共にザインを脅す計画に協力する。この計画が失敗したあとは、一度は敵対関係にあった坊ちゃんやアリス・レンドロットとも親しくなった。ダレスがウォルターを追って魔術学校まで行った時にも同行し、いっしょに生徒となって授業を受けた。テトとは非常に仲がいい。

テト

魔女の女性。ケトの恋人。蛇に変身したり、蛇をあやつったりする魔法の使い手で、ふだんは魔界に住んでいる。前髪を左目だけ隠れるようなロングヘアにしている。人間の姿でいる時も、舌は蛇のように長いため、変身していない時も容姿は全体的に爬(は)虫類のような印象を与える。ダレスのことを慕っており、時間操作の魔法を手に入れるため、ケトと共にザインを脅す計画に協力する。ケトとは非常に仲がいい。

ヒューゴ

サーカスの一座「ジェミニ座」で働く少年。短髪にぎょろぎょろとした大きな瞳を持ち、団子鼻のかわいらしい顔立ちをしている。母親は病気で寝たきりのため、幼い弟妹を自分の稼ぎで食べさせなくてはならないという辛い環境にある。そのため、カフに出会うまではスリをしてお金を稼いでいたが、彼女にこれを咎(とが)められて改心。その後座長に拾われ、サーカスの一座「ジェミニ座」に所属するようになった。このような経緯からカフを非常に慕っており、カフに近づいて来る男性には手厳しい。しかし、カフとザインが両思いであることは理解しているため、なかなか一歩踏み出せないザインの背中を押し、二人が交際を始める手助けをした。また何かと苦労が多いからなのか、実年齢よりも大人びており、幼いながらに自分の意見をしっかりと持っている。

座長 (ざちょう)

サーカスの一座「ジェミニ座」の座長を務める若い男性。アメリアの夫。ツートンカラーの短髪で、耳にいくつものピアスをしている。飄々(ひょうひょう)とした派手な容姿から、一見軽薄そうに見えるが、実際は穏やかな性格の持ち主。一座に集まるさまざまな過去を持った人々を、ありのままに受け入れる度量の広さがある。また、今この瞬間を楽しむべきという考え方を持ち、何事にも動じず、変化を恐れない柔軟な思考を持っている。10年ほど前は海賊船に乗っており、この船に悪さをしようとして返り討ちにされたアメリアを助け、こっそりと見逃した。この時にお互い思いを寄せるようになり、その場で指輪を交換して結婚したが、その後一度も会えずにいる。女性に対しては非常に一途で、アメリアと会えないあいだも、ずっと彼女を思い続けている。

ニコ

とある魔術学校で学校長兼教師を務める魔術師の男性。イチの恋人でもある。実年齢は60代だが、かつてシャーデーにかけられた呪いにより不老不死となり、見た目は少年にしか見えない。ショートヘアをいくつものヘアピンでまとめているなど、中性的でかわいらしい容姿をしている。オッドアイの瞳を持つ。もともとは、魔術師だけの小さな集落で暮らしていたが、ある日これに興味を持ったシャーデーにより、面白半分で呪いをかけられる。その後、集落全体でシャーデーを危険視し動向をうかがっていたが、10年ほど前に討伐を決意。しかし討伐には成功したものの、多数の仲間が死亡。そんな中、ニコ自身は不老不死の呪いを受けていたことで助かり、イチと共に生き延びた。だが、その後も呪いは解けず、時間操作の魔法を使って呪いをかけられる前の世界へ行き、そこでシャーデーを殺すことで、呪いから解放されようと考えている。現在はこの計画の準備をしながら、数少ない魔術師たちの指導を行っており、ザインの存在を知って、コンタクトを取る。これによって坊ちゃんたちが魔術学校に入学してからは、魔術の知識だけではなく、一般人でも使える魔法の武器をプレゼントしたり、シャーデーの情報を教えたりしている。肉体的には若々しいが精神的には老人のため、つまらないギャグを言っては、周囲を困惑させている。

イチ

とある魔術学校で副校長兼教師を務める魔術師の老齢な女性。ニコの恋人でもある。主に水の魔法を使う。刈り上げショートヘアにサングラスをかけ、いつもくわえ煙草をしている。面倒見のいい性格で、ニコの呪いを解くことに尽力しており、ある日ザインの存在を知って、コンタクトを取る。これによって坊ちゃんたちが魔術学校に入学してからは、主に実践的な魔法の使い方を教えるようになり、特に精神的に弱いところのあるカフを強い魔女にするため、徹底的に鍛えている。

フリー

とある魔術学校で教師を務める魔法使いの中年男性。バリアを張る魔法の使い手で、ペガサスに変身することができる。一人称は「フリー」。ニコにあこがれており、「兄さん」と呼び慕っている。また小柄であること以外は容姿も体型もニコとはかけ離れているにもかかわらず、いつもニコの髪形やファッションを真似している。このような事情から変人と思われがちだが、生徒からは非常に人気があり、フリーの補習を受けるために、わざと悪い成績を取ろうとする生徒が絶えない。

お釜ちゃん (おかまちゃん)

坊ちゃんの家で暮らしている釜。人間の子供が入ることのできるほどの高さと大きさで、表側に人間の顔のような彫刻が施されている。魔女が作ったアイテムであることから、自力で動くことはできないが、言葉を話すことはできる。ある日、アリス・レンドロットが街で購入したことがきっかけで、坊ちゃんの家で暮らすようになる。性別は不明だが口調が女性的であることから「お釜ちゃん」と呼ばれている。当初は限られた言葉しか話せなかったが、ロブ・ガードナーに引き取られて彼のルームメイトとなり、頻繁に話すようになってからは、完全に言語を習得して表情も豊かになった。このような経緯もあり、ひそかにロブに思いを寄せている。

フィリップ

貴族の若い男性。坊ちゃんの幼なじみ。オールバックにした撫でつけ髪で、釣り目で背が高い。幼い頃はやんちゃで、坊ちゃんにもよくいたずらをしては彼を困らせていた。坊ちゃんが魔女に呪いをかけられあとも比較的変わらない態度で接していたが、坊ちゃんが現在の屋敷に引っ越してからは疎遠になっていた。そんなある日、ガーベラの頼みで坊ちゃんの家を訪問した際に、気さくに接しようと努力するが、坊ちゃんの死神の体質を恐れるがあまり、アリス・レンドロットに坊ちゃんから離れて別の家で働くことを勧める。

マクファーレン

音楽家の男性で、故人。自分の楽曲を深く愛している。白髪のカールヘアのかつらをかぶり、三白眼でえらが張っている。一見近寄りがたい印象を与えるが、実際は女性や恋愛の話が好きだったり、お茶目でかわいらしい性格をしている。生前最後に残した曲は「世界で一番美しい楽譜」と呼ばれており、演奏すると奏者が異常をきたすが、無事に演奏し終えても厄を浄化できるという伝説が囁(ささや)かれている。しかしこの厄というのは、幽霊となったマクファーレン自身で、黒い紙に白い文字で楽譜を書いていたために奏者が読み取りづらく、なかなかいい演奏をしてもらえないために、死後も楽譜に取り憑(つ)いたままでいる。そのため、誰かに完璧な演奏をしてもらうことを望んでおり、ある日偶然楽譜を手に入れた坊ちゃんに声をかける。

SHARE
EC
Amazon
logo