魔術と魔女のダークファンタジー
舞台となるのは機械技術が発展した近代の世界ながら、「魔術」と呼ばれる超常の力が存在し、その力を宿した物品が世界中に散逸している。魔術を使う者たちの中でも、その頂点に座すのは「魔女」と呼ばれる者たちで、彼女たちは桁外れの魔術をあやつるため、人類の天敵ともなる存在である。圧倒的な力を持つ魔女は戯れに災害を引き起こしたり、人に仇(あだ)なす悪行を働いているが、人に友好的に接する魔女も存在する。
少女・ギドと野獣・ギド
幼い少女の姿をしたギドは、魔女の呪いによって少女の姿に変えられているが、本来の姿は見上げるほどの巨軀の男で、野獣のような荒々しい雰囲気を漂わせている。またギドは魔女すら圧倒する力を誇り、「魔女の天敵」と呼ばれていたが、ある魔女によって呪いをかけられて今に至る。その魔女の呪いを解くため、魔術師のアシャフを相棒にして魔女狩りを行っている。しかし、ギドに呪いをかけた魔女は正体不明で、行方(ゆくえ)もわからないため、ギドとアシャフは魔女がかかわっているとされる事件を片っ端から追っている。
魔響教団VS聖騎士団
アシャフは「魔術の魔術による魔術のための魔術組織」である「魔響教団」に所属しており、各地で起きた魔術にかかわる事件を解決するため奔走している。魔響教団は謎多き組織で、アシャフをはじめ魔女でその全貌を把握している者はいない。一方の「聖騎士団」は、世界最大の国教組織である「世界聖教会教団」の擁する騎士団で、魔女に対抗しうる巨大戦力を保有している。聖騎士団は魔女を処刑することを目的としているが、お互いの戦力がぶつかり合えば大きな災厄となるため、両者は不干渉を貫くことを暗黙の了解としている。
登場人物・キャラクター
ギド
魔女に呪いをかけられており、見た目は幼い少女の姿をしている。粗野な言動に加えて非常に好戦的で、一人称は「オレ」。かわいらしい容姿ながら、凶暴な性格で目つきが鋭く、近寄りがたい雰囲気を放っている。呪いを解くために魔女を探しているため、魔女に関連するものには手当たり次第に攻撃を仕掛け、それを相棒のアシャフに止められることを繰り返している。その正体は、この世でただ一人の「魔女の天敵」と呼ばれる謎の存在で、本来の姿は筋骨隆々とした大柄の戦士のような風貌をしている。
アシャフ
「魔響教団」に所属する魔術師の青年。つねにタバコをふかしている。髪をオールバックにセットし、上品なスーツを身にまとっている。いつもギドの本体が収納された棺(ひつぎ)をかついで移動しているため、街中では非常に目立つ。ギドの粗野な振る舞いに呆(あき)れつつも、バディを組んで魔響教団の任務をこなしている。冷静沈着な性格で、一時的に共闘関係を築いているが、いつもギドを軽くあしらっているため、ギドからは魔女を探し終えたら必ず殺すと宣言されている。しかしその言葉すらも涼し気に受け流し、ギドと旅を続けている。魔術に関しては一流だが、魔術の頂点に座する「魔女」には及ばず、魔女と正面切って戦うには分が悪い。しかし、一部の能力は魔女より上だと自負しており、その洞察力の鋭さと知識の豊富さで魔女と対峙(たいじ)する。
書誌情報
魔女と野獣 10巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2017-09-20発行、 978-4063829686)
第2巻
(2017-12-20発行、 978-4065103067)
第3巻
(2018-09-20発行、 978-4065127018)
第4巻
(2019-02-20発行、 978-4065145555)
第5巻
(2019-09-19発行、 978-4065169353)
第6巻
(2020-03-18発行、 978-4065190029)
第7巻
(2020-10-20発行、 978-4065210031)
第8巻
(2021-04-20発行、 978-4065229415)
第9巻
(2022-01-20発行、 978-4065264843)
第10巻
(2022-08-19発行、 978-4065290811)