世界観
舞台となるクヌギガオカ魔法学校は、勇者になるための勉強を教える学校で、生徒達は勇者の素質を持ち、さまざまな魔法を普通に使う事ができる。また、設定の元ネタはファンタジーRPGで、人間以外に魔王やモンスターといった概念もある。そのため、現実世界を舞台とした『暗殺教室』とは、世界観が大きく異なるほか、独自の設定が多く盛り込まれている。
あらすじ
第1巻
勇者を育成する名門校クヌギガオカ魔法学校において、E組は普通ではありえない現象であるバグを持つ、落ちこぼれが集まるクラスだった。そんなE組に、魔王である殺せんせーが新担任としてやって来る。そして殺せんせーは、E組の生徒達を、自分を殺せるレベルまで鍛え上げると宣言。こうして、魔王と落ちこぼれ勇者候補生達の、奇妙な学校生活が始まるのだった。
第2巻
E組に律という転校生がやって来る事になった。転校生が女の子と知った男子達は大いに期待するが、実際に教室に来た律は石版に顔が映し出された女の子だった。実は律は、賢者達が魔王を殺すためにすべての魔法を書き残した「賢者の石版」に、思考能力を持たせたものだったのである。さらに、合理性を追求するあまり人間味に乏しい律は、E組の生徒達とのあいだに大きな溝を生じてしまう。
第3巻
みんなは転職の神殿で自分の長所を活かした冒険職を見つけていく中、潮田渚は一向に自分の長所を見出せず、適職を見つけられない事に落ち込んでいた。そんな中、殺せんせーはE組の生徒達に勇者の剣の見学を勧める。そして、勇者にしか引き抜く事ができないという伝説のその剣は、渚が手にした瞬間、強い反応を示すのだった。
メディアミックス
TVアニメ
2016年12月から、FOD、dTV、UULAで本作『殺せんせーQ!』のTVアニメ版が放送された。監督は岸誠二、キャラクターデザイン・総作画監督は山形孝二、音楽は佐藤直紀が担当している。主なキャストは殺せんせー役を福山潤、潮田渚役を渕上舞がそれぞれ演じている。
登場人物・キャラクター
殺せんせー (ころせんせー)
世界の魔王にして、E組に突然やって来て担任教師を務める事になった謎の生物。所持しているバグは「すばやさ異常」で、数値化すると99999となる、ずば抜けたすばやさが特徴。普通の攻撃がまったく当たらないどころか、戦闘の最中に目にも止まらない速さで相手の武器を鍛え直し、強化してあげるほどの余裕を見せる。そのすばやさを活かして、移動呪文を使った勇者と速さを競争したり、ダンジョンの宝を最速ですべて回収したのちに、そのまま元に戻すといった暇つぶしを楽しんでいる。 圧倒的な能力ゆえに孤独に苛まれており、E組の生徒を自分を殺せるレベルの勇者に育て上げる事を目標に、教師となった。物腰は非常に柔らかく、生徒に対しても敬語を使ってしゃべる。自分の生徒は絶対に守るという優しさを持ち、その指導力にも定評があり、生徒達からの人望も厚い。 一方で、巨乳好きのスケベでよくエロ本を生徒の前で堂々と読んでいる。趣味は盾テニスで、正体を隠して盾テニスプレーヤーとしても活躍しており、人気も非常に高い。
赤羽 業 (あかばね かるま)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。所持しているバグは「うんのよさ異常」。誰かを見下しバカにした瞬間に、うんのよさがマイナスされるというもの。そのため、運悪く頭上からタライが落ちて来たり、壁が倒れて来て頭を直撃したりと、たびたびアクシデントに見舞われている。基本的に自然と人を見下す態度を取るが、見下す力を自分で加減をする事で自在にタライや茶碗を頭上に降らせる事もできる。 魔法使いと剣士を極めたものしかなる事のできない、上級職である魔法剣士についており、その実力は高い。さらに、すべての能力が人並み以上という天才児で「赤い悪魔」の異名を持つ。モンスターの笑顔キノコに化けて、殺せんせーが油断したところを切りつけて初めてダメージを与えた人物でもある。 将来は勇者を目指している。
磯貝 悠馬 (いそがい ゆうま)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。所持しているバグは「貧乏」。リーダーシップを身につけており剣の筋もよく、一見すると立派な正当派勇者に見える。しかし、バグのせいで防具を前半分しか買えないという状況に悩んでいる。また、バグとは別に家庭が貧乏なため、スーパーの特売日に詳しい。それでもE組の中では常識人のポジションにあり、性格もいいため同級生からの人望は厚い。 しかし、貧乏の故に、モンスターである笑顔キノコを連れて帰ってソテーにしようとするなど、周囲を驚かせる行動を取る事もある。
岡島 大河 (おかじま たいが)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。E組の生徒の中で最もエロい人物であり、稀代の変態男。ちょっとした事でも興奮し、女子生徒達からは非常に警戒されている。イリーナ・イェラビッチに冷たく接されただけで、それはそれで興奮すると感じて「魅了」にかかったという稀有な存在。
潮田 渚 (しおた なぎさ)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。所持しているバグは「ランダム異常」。強い意志で一歩踏み出した時に、毎回ランダムで何かが起こるというもの。ほとんどが、肉体が強化されて上半身が筋骨隆々になってしまう。しかし普段は、中性的な顔立ちのベビーフェイスで男子ながら女装が非常に似合い、ほかの男子をメロメロにしている。 殺せんせーからは最も勇気がある者と評価されている。勇者しか抜く事のできない勇者の剣も抜けはしなかったが、その勇気が認められてE組の中では最もいい反応を示していた。
杉野 友人 (すぎの ともひと)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。所持しているバグは魔法のスピードが遅くなるというもの。自身にかけた強化魔法の効果も時間差で2日後に現れてしまう。家族が寝静まってから、ありもしない自作のとくぎ「スギ・ストライク」を練習するなど、まだまだ子供らしい一面がある。また、同じクラスの神崎有希子に好意を寄せており、有希子の関係する事に興奮する傾向がある。 有希子がドレスを着た時は、その着こなしに興奮して「裏地になりたい」と発言していた。
竹林 孝太郎 (たけばやし こうたろう)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。オタク気質で、萌えをつねに追求している。村松拓哉の父親の営むラーメン屋・松来軒の新メニュー案では、自分の嗜好を入れ込んだメイドさんがフーフーしてくれるという、萌え萌えラーメンを提案したが却下されていた。
千葉 龍之介 (ちば りゅうのすけ)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。所持しているバグは「しゃてい異常」。武器の射程が長く、あいだに障害物があっても遠くの敵を捕捉でき、狙撃不可能な範囲の敵に攻撃を当てる事ができるという生粋の狙撃手タイプ。しかし、そのバグが発動しているあいだは近くの物が見えなくなったり、攻撃できなくなるという欠点が露呈する。 また、気を抜くと仲間ですら標的に見えてしまう。
寺坂 竜馬 (てらさか りょうま)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。所持しているバグは知能が下がるというものと、色々なところから魔法が汁状で出るというもの。ぶっきらぼうな性格で口調も荒いが、よく殺せんせーからいじられており、そのたびにツッコミを入れている。
前原 陽斗 (まえはら ひろと)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子生徒。非常に運動能力が高く、人当たりもいい。特に女性に対しては、自然に優しく接してしまうチャラ男のような一面を見せる。イリーナ・イェラビッチに水がほしいと言われた時には、岡島大河と共に誰よりも早く水を用意し渡していた。
三村 航輝 (みむら こうき)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。校舎裏でこっそりノリノリでエアギターをしている恥ずかしい姿を殺せんせーに見られており、みんなの前でその事を発表されていた。
村松 拓哉 (むらまつ たくや)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。実家はラーメン屋・松来軒を営んでおり、いつ潰れてもおかしくない状況だったが、殺せんせーとE組の生徒の協力でなんとか窮地を脱する。自分でもラーメンが作れるので、厨房に立つ事もある。
吉田 大成 (よしだ たいせい)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。所持しているバグは、トイレのつまりを治す事をはじめ、トイレ周り関係のものしか装備できないというもの。
堀部 糸成 (ほりべ いとな)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の男子。所持しているバグは、人間には使えないはずのとくぎが使えてしまうというもの。そのため、魔物専用の分裂や脱皮などのとくぎや魔王のとくぎすらも使用する事が可能。エリアボスクラスのポセイドンシャークを一撃で倒すなど、実力は申し分ない。しかし、堀部糸成本人はなによりおもしろさを求めており、ところ構わずボケをかます傾向がある。 しかも、それに対してツッコミがないと何故ツッコまないのかと、聞いてくる面倒くさい性格。
烏間 惟臣 (からすま ただおみ)
優秀な騎士団の宮廷騎士長を務める男性。クヌギガオカ魔法学校のE組においては、殺せんせーのお目付け役兼剣術指導役でもある。他国で最も恐れられている名うての剣士で、斬撃を飛ばして山を斬る事が可能。基本的に笑顔を見せない堅物だが、無類の犬好きという一面を持つ。しかし、犬からは何故か異常なほどに嫌われている。 E組では最も頼れる大人の人間であり、生徒達からの信頼は厚く、特に女子生徒からは怖いけどカッコいいという評価を受けており、人気も高い。過去に騎士になるかラーメン屋になるか悩んだ事があり、ラーメンの知識は豊富。さらに盾テニスもうまい。
イリーナ・イェラビッチ (いりーないぇらびっち)
容姿端麗でナイスバディな魔女。得意魔法は相手を誘惑し自分の奴隷にする「魅了」。その「魅了」を使ってカクリコ町の町人を奴隷にしていた。しかし、魔王である殺せんせーには「魅了」が通じず敗北を喫し、その後はクヌギガオカ魔法学校のE組で魔法教師となった。これは、これまで行って来た悪行への減刑が約束された密約となっている。 生徒達からは「ビッチ先生」と呼ばれている。男性へのコミュニケーション能力が高く、すぐに籠絡して情報を引き出す事ができる。
ピエール
クヌギガオカ魔法学校のE組に特別講師として招かれた男性。伝説の魔物使いであり、モンスターへの愛が非常に強い。そのため、モンスターに指を嚙まれたとしてもまったく動じない。魔王である殺せんせーを初めて見た時は、新種のスライムと勘違いしていた。
レッドアイ
オシャレを極めており、オシャレマスターとしてE組の特別講師に招かれた男性。かっこよさを上げるさまざまな特訓をE組の面々に課し、E組の生徒のかっこよさをベストドレッサーコンテストで賞を総なめにするレベルまで引き上げた。レッドアイ自身のオシャレスコアは35。
岡野 ひなた (おかの ひなた)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。身体能力が高く、特に身のこなしが軽い。転職の神殿にいた武道家を極めた武道家マスターの男性からは、「できる」と高評価を受けていた。
奥田 愛美 (おくだ まなみ)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。所持しているバグは、ありえない薬の調合。そのバグを利用して聖なる力を打ち消す薬を作ったり、食べたら病み付きになるマジックスパイスを作ったりする事ができる。
茅野 カエデ (かやの かえで)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。胸が小さい事を気にしており、巨乳に対するあこがれは誰よりも強く、巨乳になるアイテムには目がない。実家はお金持ちで、非常に広い家に住んでいる。殺せんせーと言う名前の名付け親でもある。
神崎 有希子 (かんざき ゆきこ)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。所持しているバグは「かいふく魔力異常」。回復魔法を使うと相手が回復しすぎて、逆にぐったりさせてしまうというもの。殺せんせーに回復魔法を施した時は、身体をとろけさせていた。スタイルが抜群にいい。
倉橋 陽菜乃 (くらはし ひなの)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。所持しているバグは魔法を使うと虫が寄って来るというもの。倉橋陽菜乃本人は虫が好きなのであまり気にしていないが、魔法をかけられた生徒の方は、虫が次々と寄って来るのでびっくりしていた。イリーナ・イェラビッチがE組に来てからは、接待術を学んでいる。
速水 凛香 (はやみ りんか)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。所持しているバグは「めいちゅう異常」。攻撃がとにかく当たりまくるというもの。しかし、めいちゅうがバグっているあいだは、ゴミをゴミ箱に捨てようとしても敵に向かって飛んでいく。回復魔法をかけても仲間の急所目がけて飛んでいき、逆にダメージを与えてしまうという難点がある。
原 寿美鈴 (はら すみれ)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。所持しているバグは「ちから異常」。すごい力を発揮する代わりに、どんどんHPが減っていくというもの。そのため、なにかをずっと食べ続けなければならない。しかし、その圧倒的なちからはほかの生徒はもちろん、戦士を極めた戦士マスターのマリオからも一目置かれるレベルで、とんでもない逸材と評されている。
不破 優月 (ふわ ゆづき)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。色々な情報を持っている情報通で、特にメタフィクションな発言をする事が多く、時にはやりすぎて周りから止められる事もある。
矢田 桃花 (やだ とうか)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。推定Eカップの巨乳の持ち主。身長161センチ、体重51キロ、8月1日生まれ。好物はパンケーキ。病弱な弟がおり、弟の看病をしてテストをすっぽかし先生に怒られた事がある。性格は明るく社交性も抜群で、友達も多い。イリーナ・イェラビッチがE組に来てからは、接待術を学んでいる。
律 (りつ)
クヌギガオカ魔法学校のE組に所属している中学3年生の女子。所持しているバグは、2つの魔法を組み合わせてこの世に存在しない魔法を使う事ができるというもの。強力な魔法を生み出す事ができるが、その分MPの消費量が激しく、MPを回復するアイテムを多く必要としている。正式名称は「自律思考魔導石版」で、賢者達が魔王を殺すためにすべての魔法を書き残した「賢者の石版」に、思考能力を持たせたものとなっている。 浮遊して自分の意思で動く事も可能。最初はすべてを合理的に判断してしまうが故に、思いやりのない行動が目立っていたが、殺せんせーが裏面にある精神構造を司る部分をいじった結果、とても明るく優しい性格になる。
浅野 学秀 (あさのがくしゅう)
クヌギガオカ魔法学校のA組に所属している中学3年生の男子。聖騎士の中でも優秀な「五英傑」においてリーダーも務めている。浅野学峯の息子。すべてにおいて一番になる事にこだわっており、そのためには多少卑怯な手も辞さない。通称「氷の聖騎士」。氷の魔法を使う事を得意としている魔法剣士で、その実力はかなり高い。何かとE組の面々の前に立ちはだかって争う事が多い。
浅野 学峯 (あさの がくほう)
世界最大の教団「カラナ教」の法王を務めている男性。クヌギガオカ魔法学校の理事長でもあり、浅野学秀の父親。とてつもないオーラの持ち主で、そのオーラは他人から視認できてしまうほど。しかし、そのオーラが強大過ぎるが故に、お風呂に浸かってもお湯をオーラが弾いてしまうので、お風呂に入る事ができない。オーラを使えば空を飛ぶ事や、遠くの人の首を摑んで浮かす事などもできる。
クヌギガオカ魔法学校の校長 (くぬぎがおかまほうがっこうのこうちょう)
クヌギガオカ魔法学校の校長を務める男性。生徒の事は基本的に全員優秀だと思っているが、E組だけは例外としている。そのため、全校集会の際にE組を見下す発言をして嘲笑うよう仕向けたり、全クラス対抗の合同訓練ではE組の装備に剣ではなく鉄の塊を渡すなどの差別を行っている。
大野 健作 (おおの けんさく)
クヌギガオカ魔法学校のD組の担任を務める男性教師。E組の事は見下している。モンスター研究の第一人者を自称しており、モンスター学の教科書も出版している。しかし、殺せんせーにその教科書全300ページ中、586か所の間違いがあると指摘された。
ロボス
ロボスのカジノの支配人を務める男性。超高速スロットや腕利きのディーラーを雇ってのポーカー、果てはダブルアップで絶対に勝てないイカサマなど、さまざまな手法を用いてやって来た客の金を巻き上げている悪党。しかし、殺せんせーによりイカサマを暴かれて連行される。
マリオ
冒険職・戦士を極めた戦士レベル99の男性。特にちからと防御力には自信を持っており、防御力に関してはE組の生徒に殴らせてもビクともしないところを見せた。ただし、バグでちからのステータスが倍増し、マッチョになった潮田渚の攻撃だけは受ける事を嫌がった。E組の中では特に原寿美鈴に戦士の素質があると期待していた。
カカリ
フィッポ城の姫。頭と体が大きく、丸顔でタコのような容姿をしており、殺せんせーと酷似している。ノリが軽く「それな」「エモい」などと言う若者言葉を多用する。年齢は28歳。
デンタツ
フィッポ城の姫カカリの世話役を務める老人。カカリの若者言葉がわからなかった際には、自分で調べて意味を理解しようとするなど、努力家でもある。目が非常に悪く、カカリが誘拐された時は、変装した殺せんせーがその代わりを務めたが、最後までその正体を見抜けなかった。
アスモナル国王 (あすもなるこくおう)
クヌギガオカ魔法学校があるアスモナル大陸の国王を務める男性。長らく前任の魔王の呪いのせいで眠りについたままだったが、新しい魔王である殺せんせーが現れてから暫くして再び目覚めている。その際に新しい魔王である殺せんせーが、どういう魔王なのかを探るために烏間惟臣の案内で、殺せんせーがE組の生徒とかかわる様子を監視していた。 その結果、生徒を思いやる殺せんせーの姿に感銘を受け、熱狂的なファンとなる。
マッハスライム
とてもすばやく、ほとんどの攻撃を避けるスライム。通常のスライムと異なり四肢があり人間のような体型をしている。しかし、殺せんせーのすばやさにはまったく敵わなかった事で、自信を喪失し引退してしまったマッハスライムも少なくはない。
ナオト・インティライム (なおといんてぃらいむ)
スライムのモンスター。もともとは普通のスライムだったが、E組の生徒を狩り続けて自信をつけた結果、サングラスやハット、スカーフなどを着用するようになった。さらに顎鬚まで生やし、調子に乗っている。E組の生徒の事は完全に見下しており、自分と出会った際には、ちゃんとアポを取ったのかと確認してくるほど。さらに、ラストダンジョン付近をうろついたり、ラスボスの部屋にメスのスライムを連れ込んだりと、やりたい放題している。
笑顔キノコ (えがおきのこ)
キノコのモンスター。自分よりレベルの低い冒険者を見ると笑うという特徴があり、E組の面々を見た際には満面の笑みを見せた。相手を眠らせるとくぎ「あまいいき」を使用する。弱点はかさのてっぺん部分。
サーベルガニ
蟹のモンスター。蟹のお腹に人間の顔のようなものが付いており、実際の蟹の目にあたる部分は耳となっている。ハサミが強力で、そのハサミに挟まれたら骨まで砕かれてしまうほど。ほかにもサーベルを武器として使用する。倒した際に取得できる経験値は高め。食べる事が可能で、ポン酢がよく合う。
金撒きデビル (かねまきでびる)
冒険者を見ると金や宝石をばら撒くモンスター。明るい笑顔で金や宝石をばら撒くので、陽気でお金持ちなモンスターに思われがちだが、実際はその真逆で陰気で貧乏。冒険者の前でばら撒く金は消費者金融から借りて来ているので、つねに借金のプレッシャーと戦っている。
ポセイドンシャーク
世界に一つしかないという魔槍「トライデント」を持つ海に生息するモンスター。殺せんせーによればエリアボス級のモンスターだが、堀部糸成の魔王しか使えないというとくぎ「黒い雷」により一撃で葬られた。
集団・組織
E組 (いーぐみ)
クヌギガオカ魔法学校に存在する最もできの悪い生徒が集められたクラス。このクラスの全員がなんらかのバグを抱えている。場所もE組だけは山奥にある古い校舎となっている。生徒のレベルも低く、最弱のモンスターであるスライムにすら逆に狩られてしまうほど。そのため、ほかのクラスに所属する生徒からは見下され差別を受けている。 しかし、殺せんせーが来てからは、E組の生徒達も徐々に力を付けて来ている。
聖騎士 (せいきし)
女神カラナの加護を受けたカラナ教会の騎士団。一言で言えば魔王を討つために結成された正義の味方であるが、相当厳しい事で知られている。そのため、魔王の関係者と疑われただけで処刑されたり、投獄されて一生檻の中に閉じ込められるなどという噂がある。聖騎士の中でも選りすぐりの腕利き集団は「五英傑」と呼ばれている。
場所
クヌギガオカ魔法学校 (くぬぎがおかまほうがっこう)
過去に何人もの勇者が輩出している超名門校。A組からE組までクラス分けがされ、A組に近いほど優秀な生徒が多いというヒエラルキーが形成されている。そのため、E組だけは山の上に隔離されたボロボロの校舎で授業が行なわれ、学内の生徒や教員からも容赦ない差別を受けている。一方で、この仕組みのおかげで各生徒が落ちこぼれないように奮起するため、結果的に合理的なシステムといえる。 定期的に行われる全クラス対抗の合同訓練では、E組に近いクラスほど、支給される装備が低レベルなものになる。
カクリコ町 (かくりこまち)
クヌギガオカ魔法学校から近いところにある町。もともとは普通の町だったがイリーナ・イェラビッチが来た事により、イリーナのかけた魔法「魅了」でメロメロにされた町人達がイリーナの事しか考えられなくなり、町としての機能を失っていた。しかし町長だけは、オネエだったためにイリーナの「魅了」が効かずに済んでいる。
誘惑の塔 (ゆうわくのとう)
イリーナ・イェラビッチが「魅了」でメロメロにしたカクリコ町の町人達を従えていた塔。誘惑の塔は最上階を含めた4階構造となっており、最上階に行くに従ってイリーナに対する想いが強い親衛隊で固められている。同時に、親衛隊の変態度も増している。
裏切りの遺跡 (うらぎりのいせき)
「胃薬草」が眠っているというヤーン遺跡に行こうとした際、E組が間違って足を踏み入れてしまった遺跡。土偶のような守護者が、訪れた者に三つの試練を課す。その三つの試練は仲間の中に偽物を紛れ込ませてそれを見分けさせる「偽物の間」、仲間の秘密をこっそり三つ教える「秘密の間」、二つの部屋に分けられたパーティのどちらが犠牲になるかを決める「自己犠牲の間」となっている。 ちなみに、すべての試練をクリアした際に与えられる報酬は「絆」であり、アイテム等はいっさいなし。
ロボスのカジノ
ロボスが経営しているカジノ。取得したコイン数に応じて交換できるさまざまな景品があり、中にはここでしか手に入らないレアアイテムも存在する。しかし、これまで大勝ちして帰った客がいない事や、貧乏人にはやたらと厳しいため、評判はあまりよくない。
松来軒 (しょうらいけん)
名のある武器屋が多く集まる通りにあるラーメン屋で、村松拓哉の父親が営んでいる。伝説の鍋を使って作るラーメンが売りだが、味は非常に不味い事で有名。化学調味料でごまかした手抜きの鶏ガラスープに、トッピングは中央に置かれたナルトのみで、殺せんせーには「四世代前のラーメン」と評された。いつ潰れてもおかしくない状態だったが、殺せんせーの身体からとれるダシを使ったラーメンを出す事により繁盛店となる。
その他キーワード
魅了 (ちゃーむ)
イリーナ・イェラビッチが使用する魔法。その名の通り異性をメロメロにする魔法で、イリーナはこの魔法をカクリコ町にかけて、町長を除くすべての町人を自分の従順な奴隷としていた。「魅惑」にかかった者は、頭にハート形のかぶり物が付く。ほとんどすべての異性に効く魔法だが、堅物や同性、魔王やオネエには効かない。そのためイリーナは同性にも効く「魅了」の完成を目指し、実験を重ねていた。
光のオーブ (ひかりのおーぶ)
女神カラナが魔王を弱体化するために人間に授けた宝玉。発動したら最後、無数の光がその周りを取り囲み光の粒が一斉に魔王を貫き、魔王のまとう闇のオーラを消し飛ばすとされている。しかし殺せんせーに対しては、その持ち前のすばやさで無数の光をかわされてまったく効かず、役割を終えたあと砕け散ってしまう。
勇者の剣 (ゆうしゃのけん)
転職の神殿に存在する勇者のみが抜けるといわれている伝説の剣で、素質のある者であれば抜けずとも何らかの反応を示す。E組の中では赤羽業や磯貝悠馬、潮田渚によい反応を示した。人間との意思疎通が可能で、自分の言いたい事は壁に文字を映し出す事ができる。特に渚には強い反応を示しており、剣自体もいい線いってると思いますと答えていた。
バグ
この世界において、神の意図しない事が起こってしまう現象。通常では見られないステータス異常が起こったり、使用する魔法の効果が変わったり、特定の装備しか装備できなかったり、普通では買えないものを買えたりする事がバグに相当する。バグを持つ者はクヌギガオカ魔法学校において落ちこぼれとされており、見下されている。しかし、魔王の殺せんせーを倒すためには正攻法では敵わないため、そういったイレギュラーな要素を持つ者が必要とされており、殺せんせーもバグを持つ者は特別な人間と評している。
盾テニス (しーるどてにす)
魔法を弾き返す魔法の盾を装備した選手達が、魔法の火球を相手のコートに跳ね返しあう紳士のスポーツ。紳士のスポーツなため、スポーツマンシップに反する行為をした者には容赦なく退場処分が下る。殺せんせーと烏間惟臣は非常にこの盾テニスがうまい。特に殺せんせーは正体こそ隠しているものの、盾テニス界では非常に人気がある。