概要・あらすじ
ドサ回りで巡業を行う串の坊団五郎一座は、5年ぶりに東京へやってきた。一座の殺陣師である角民蔵の息子・大介は、南中学校3年A組に編入。殺陣のことをチャンバラごっこと揶揄するクラスメイトに、「殺陣は立派な芝居だ」と言う。しかし大介自身は、殺陣師になるつもりはなく、医者を志していた。授業参観で、大介の志望を知った民蔵は、自分の跡を継いで殺陣師になれ、と怒り狂う。
登場人物・キャラクター
角 大介 (かく だいすけ)
中学3年生。旅役者一座の殺陣師である父と一緒に、全国を回っているため、転校が多い。小学6年生のとき、満足に医者にかかれずに母が死んでしまったことをきっかけに、医者を志す。旅先各地のアルバイトで、コツコツと貯金をしながら勉学に励む。
角 民蔵 (かく たみぞう)
主人公である角大介の父。ドサ回りの旅役者一座の殺陣師。昔は一流大劇場の殺陣をつけたこともある名人。殺陣一筋に生きてきた男で、大介に自分の跡を継がせたいと考えている。
飛車 金次郎 (ひしゃ きんじろう)
映画や演劇界で活躍する超一流の殺陣師。角民蔵の昔の仲間で、民蔵の殺陣に一目置いていた人物。久しぶりに見た民蔵の殺陣を、よくできているが新しい工夫がないと分析する。
角 明子 (かく あきこ)
主人公である大介の母。大介が小学6年生のときに病死。明子が満足に医者にかかれなかったことが、大介の医者志望のきっかけとなる。じつは有名殺陣師の娘で、大介にカタミの木刀を遺していたことが判明する。