概要・あらすじ
少し優柔不断だけど気は優しい、ごく普通の女の子である河合優子は小学6年生。子供と大人の狭間にある微妙なお年頃の彼女は、変化していく心と身体に戸惑いながらも成長し、やがて中学生になる。大人に一歩近づいた優子は、部活動における先輩との確執や、友人間の軋轢、さらには恋にまつわる問題など、これまでにない様々な壁にぶつかっていく。
だが、持ち前の明るさと周囲の良き友人たちに支えられ、ひとつずつ乗り越えながら、さらに成長していくのだった。
登場人物・キャラクター
河合 優子 (かわい ゆうこ)
12歳になったばかりの小学6年生の女の子。少し心配性だが、友達思いで明るく人当たりの良い性格。また、人に合わせるのが上手いため友達を作るのが得意な一方、幼なじみの長沼博士からは優柔不断であると指摘されている。そして、その優柔不断さが友達を傷つけることも少なくない。小学校卒業後は博士と同じ中学に進学し、ブラスバンド部に入部する。 また、中学になってから博士を意識し始め、彼から告白されたことで付き合うようになった。
長沼 博士 (ながぬま ひろし)
河合優子のクラスメイトで幼なじみの男の子。家もお隣同士で、家族同然の付き合いが続いている。元気で明るいスポーツ少年、そのうえ秀才という有望株。私立中学の受験に失敗したため、優子と同じ公立中学に入学する。中学からはメガネを外し、サッカー部に入ったことから、女子の間でも人気が高まった。 小学生の頃から優子が好きで、林間学校の日に互いの気持ちを確かめる。
高幡 多可子 (たかはた たかこ)
他人の噂を話題にするのが好きな少し嫌味な性格。小学校時代は河合優子とそりが合わなかったが、中学になると友達になる。意地っ張りで気の強いタカビーな少女だが、本当は誰よりもデリケート。また、一途に恋する素直な女の子としての一面も持つ。なお、その恋の相手は長沼博士であり、彼への恋心をめぐって優子と本音でぶつかったことで、本当の友情を築き上げた。 その後、想いを寄せてくれた同級生の柴崎と付き合うように。柴崎はのちに神戸に転校してしまうが、遠距離恋愛として関係は続く。
北野 深雪 (きたの みゆき)
河合優子と同じ学習塾に通っている同級生の女の子。ガリ勉タイプの優等生で人付き合いは苦手だが、いつも気兼ねなく話しかけてくる優子と友達になった。その影響で高幡多可子とも一緒に行動しがちになるが、お互いに気が強く頑固なため意見が対立することも多い。ただし何かと気はあう様子。 同じ学習塾に通う山田に惹かれ、勇気を振り絞って告白したことで両想いとなった。なお、実家が不動産業を営んでいるものの経営不振なため、少しでも両親の助けになればと、将来は税理士か弁護士を目指している。
柴崎 (しばさき)
河合優子たちと同じ中学に通う男子生徒で、高幡多可子に思いを寄せている。陽気で軽い性格で、いきなり多可子を遊園地デートに誘うなど、その精神力と行動力はたくましい。のちに見事、多可子と恋人同士になった。だが、東京から神戸への転校が決まっており、多可子とは離れ離れになってしまうが、手紙を通してふたりの交流は続く。
久我山 (くがやま)
河合優子が中学2年に進級した際、入学してきた後輩の女の子。サッカー部のマネージャーを務める美少女で、長沼博士と親しくしていたことから、優子に嫉妬される。また、博士が中学を卒業する際には、彼にせがんで制服の第一ボタンをもらった。それを優子は博士が第二ボタンを譲ったと勘違い。 博士への不信感を募らせる結果に繋がった。
山田 (やまだ)
河合優子が学習塾の夏期講習で出会った他校の中学生。軽いノリのひょうきんな男の子で、初対面から優子たちをナンパしてきた。さらに優子のことが好きだと公言し、彼女をデートに誘う。何にでも軽々しく「好き」と言ってしまうタイプで、優子から「好き」という言葉が持つ本当の重さについて教えられる。 そして、後に同じ学習塾に通う北野深雪に、本当の「好き」を伝えて両想いとなった。
八王子 (はちおうじ)
河合優子が通う学習塾の生徒。落ち着きがあって成績も良く、深雪と同じ特進コースで、桜ヶ丘高校を志望校にしている。北野深雪にとっての憧れの男子だったが、深雪は八王子の成績しか見ていなかった。後に八王子が冷たい人間だと判明し、深雪は幻滅してしまう。
宮内 (みやうち)
河合優子と同じ中学に通う男子生徒で、優子が長沼博士と付き合っている頃から彼女を想い続けていた。そして、彼女を追って同じ高校に進学する。そして高校二年の夏、別々の高校となり疎遠になった優子と博士が破局したことを知り、彼女に交際を申し込んだ。一時的に優子と付き合うが、彼女の心が博士に向いていることを知り、別れを決意。