あらすじ
第1巻
高校2年生の武藤カズキは、ある夜巨大な怪物に襲われ死んでしまう。しかし津村斗貴子によって、「核鉄」という本能に呼応する錬金術の合金が心臓に埋め込まれ、彼は息を吹き返す。この夜の事を夢だと思っていたカズキだったが、教師から罰当番として命じられた草むしりを終えた時に再び巨大な怪物に襲われる。訳がわからないまま逃げ回るが、カズキを探しに来た妹の武藤まひろが怪物に飲み込まれ、カズキも大ケガを負ってしまう。意識が朦朧とする中、カズキは斗貴子が夢の中で言っていた事を思い出し、核鉄の力を使った武具「武装錬金」を解放して反撃を開始する。さらに怪物が動き出した事を察知して、現場に急行した斗貴子によって怪物は退治されるのだった。その後、怪物の正体が錬金術で作られた人造生体、ホムンクルスであり、斗貴子の目的がホムンクルスを倒す事だと知ったカズキは、斗貴子に協力を申し出る。
第2巻
津村斗貴子に寄生したホムンクルス本体により、斗貴子がホムンクルス化するまであと2日。これまでの聞き込みと斗貴子の調査により探していたホムンクルスの創造主が蝶野攻爵と判明する。斗貴子と別行動で聞き込みを続けていた武藤カズキも、その時偶然にも攻爵と会話していた。斗貴子から連絡を受けたカズキは、攻爵を確保して斗貴子といっしょに攻爵を尋問していたが、攻爵の護衛ホムンクルスの鷲尾に襲撃されて斗貴子と遠くまで運ばれてしまう。大苦戦の末に鷲尾を倒した二人は、カズキが寝泊りする寄宿舎になんとかたどり着き、カズキはホムンクルス本体の侵食により下半身が動かなくなった斗貴子を妹の武藤まひろに託す。そしてカズキは、一人で攻爵が隠れていると思われる蝶野家へ向かうのだった。
第3巻
武藤カズキはホムンクルス化した蝶野攻爵を倒して解毒剤を手に入れ、津村斗貴子を救う事に成功する。しかし、攻爵が最後に言った「偽善者」という言葉に思い悩んでいた。さらに斗貴子が所属する錬金戦団の戦士長、防人衛から「戦い続ける気があるなら錬金の戦士にスカウトする」と言われたうえに、首謀者である蝶野爆爵と超常選民同盟の事を聞かされて、自分は力不足のまま戦い続けるべきか、元の生活に戻るべきか迷う。そんな中、カズキに死んだはずの攻爵から電話が掛かって来る。攻爵と直接会って話したカズキは、超常選民同盟を放っておけないと感じて錬金の戦士になって戦い続ける決意をする。
第4巻
武藤カズキが次の任務に向けて特訓するあいだ、超常選民同盟の蝶野爆爵は誰が錬金の戦士達なのかを特定するために、カズキと同じ高校に通う早坂桜花と早坂秋水に調査させていた。そんな中、組織で一番格下の桜花と秋水が核鉄をもらえた事に不満な人間型ホムンクルスの太と細は、桜花と秋水を殺して核鉄を奪い、自分達が任務をこなそうと高校に乗り込んで来る。そしてこの騒動によりカズキ、津村斗貴子、桜花、秋水の正体が互いにバレてしまう。倒すべき相手が判明した四人は、人気のない夜の学校で戦闘を開始。屋上での斗貴子対桜花の戦いは斗貴子が優勢に進めるが、校庭でのカズキ対秋水の戦いはカズキが一方的にやられていた。致命傷を受けても立ち上がるカズキにトドメを刺そうとする秋水に対して、カズキは奇策により反撃の一撃を当てる事に成功するのだった。
第5巻
早坂桜花と早坂秋水から超常選民同盟の活動拠点の情報を知った武藤カズキ、津村斗貴子、防人衛は攻め込むが、拠点にいたのは超常選民同盟のメンバーのムーンフェイスのみだった。ムーンフェイスから蝶野爆爵がヴィクター=パワードを復活させるために高校に通う生徒を餌にしようとしている事を聞かされ、防人はカズキと貴子を学校に向かわせる。二人が学校にたどり着くと、周囲は幻惑を見せる爆爵の武装錬金により霧に覆われ、大量のホムンクルス調整体が集まっていた。さらに蝶野攻爵まで現れて、生徒を守るためにホムンクルス調整体と戦う二人をよそに爆爵に反旗を翻す。その直後にヴィクターが目覚めて生徒達の生命力を吸収し始めるのだった。
第6巻
活動を開始したヴィクター=パワードとの戦闘で核鉄が壊れ、武藤カズキは死亡するが、核鉄が黒い状態に変化し、それに呼応するようにカズキもヴィクターと同じ赤銅の肌に螢火の髪となって復活する。闘志むき出しで互角の戦いを繰り広げるカズキに対して、ヴィクターは早々に撤退を決めて遠くに飛び去る。カズキは追いかけようとするが、津村斗貴子の説得により元の状態に戻り、防人衛もムーンフェイスを生け捕りに成功。こうして超常選民同盟を壊滅させる任務は完了となった。カズキと斗貴子は、防人がヴィクターと黒い核鉄について錬金戦団で聞き出して戻って来るまで休息となり、夏休みになると友達や妹の武藤まひろなどと1泊2日の海水浴に出かける。海で防人と再会したカズキは、防人から夜の海岸に呼び出され、そこで錬金戦団の事、黒い核鉄の事、自分が元の人間には戻れない事、そして防人の次の任務が「ヴィクターと同じ存在となったカズキの再殺」だと伝えられる。
第7巻
防人衛との戦闘後、武藤カズキと津村斗貴子は普通の核鉄に偽装されていた黒い核鉄を入手したニュートンアップル女学院に向かう。一方、防人といっしょに任務を受けていた中村剛太は、一人でいたところを火渡赤馬に捕獲される。剛太の態度で斗貴子がカズキといっしょにいる事を察した火渡は、二人を始末するために剛太を再殺部隊に入れて案内させようとしたが、剛太に拒否される。剛太は斗貴子を守るために火渡をはじめとした再殺部隊と戦ったが、1対6の状態では勝ち目はなく、再殺部隊の車を壊して機動力を奪いスキを見つけて海に逃亡する。そして陸に上がったところで偶然にもカズキや斗貴子と合流でき、三人で目的地へ向かう事となった。
第8巻
再殺部隊との戦いで身体が小さくなったうえに武藤カズキ、中村剛太とはぐれてしまった津村斗貴子は、偶然出会った蝶野攻爵、早坂桜花の武装錬金の自動人形(オートマトン)、御前様と行動を共にする。カズキは攻爵を通じて斗貴子と連絡を取り、横浜にある外国人墓地で合流してそのままニュートンアップル女学院を目指す。全員無事に合流できたものの、その場で再殺部隊の円山円と根来忍、そして防人衛も現れる。倒さないと先に進めないと判断したカズキ達は、カズキが防人、斗貴子が円山、剛太が根来と戦う。苦戦の末にそれぞれの相手を倒した斗貴子と剛太は、戦いながら場所を移動したカズキと防人を追いかける。
第9巻
錬金戦団がヴィクター=パワードを捕捉した事で、錬金戦団のメンバーはヴィクターとの決戦の準備に入る。そのため、火渡赤馬達の武藤カズキの再殺任務も一時中止となり、津村斗貴子と中村剛太は大戦士長である坂口照星からカズキの監視役を命じられる。ひとまず命を狙われずにすんだカズキ達は、当初の目的であるニュートンアップル女学院に着くが、潜入調査していた楯山千歳は音信不通で、さらに斥候に出た斗貴子とも連絡がつかなくなってしまう。焦るカズキと剛太は校門で再会した蝶野攻爵と共に学園に入り、礼拝堂で斗貴子と黒い核鉄に関係する仮面の人物が戦っているのを見かけて加勢に入る。戦闘中にカズキの覚悟を確認した仮面の人物は戦いを止めて、学園の深部に案内してヴィクターとカズキを元の人間に戻す事ができる白い核鉄を託す。しかし白い核鉄は一つしかなく、人間に戻れるのはヴィクターとカズキのどちらかだけ。決断はカズキに委ねられるのだった。
第10巻
武藤カズキがみんなを守るためにヴィクター=パワードを連れて月まで飛び去ってから1か月。錬金戦団は坂口照星が主導して、ホムンクルスの完全制圧と錬金戦団の段階的活動凍結を進めていた。それとは別に津村斗貴子は中村剛太、早坂桜花、早坂秋水といっしょに蝶野攻爵の潜伏場所へ行き、カズキの代わりに決着をつけようとする。攻爵が戦う気を見せずにいると、攻爵の後ろにある機械がカウントダウンを開始。斗貴子はその機械で世界を焼き尽くすようなものを作っていると判断し、攻爵に襲いかかるが、カウントダウンが終了した機械からは精製が完了した白い核鉄が出て来た。それとほぼ同じタイミングで、カズキの[サンライト ハート]の光が月から発光される。
登場人物・キャラクター
武藤 カズキ (むとう かずき)
私立銀成学園高校に通う少年。親元を離れて寄宿舎で生活している。年齢は16歳の高校2年生。身長は170センチ、体重は59キロ。12月1日生まれで、星座は射手座、血液型はO型。好きなものはカレーライス、青汁、山吹色、年上。嫌いなものはしいたけと数学。趣味は漫画を読む事。友達とふざけたりボケて場を和ませるムードメーカー的存在。ポジティブ思考で正義感あふれる性格をしており、偶然見かけた津村斗貴子を巨大な怪物から守ろうとして心臓を貫かれて死亡してしまう。しかし、その直後に斗貴子から与えられた錬金術の合金「核鉄」が心臓の代替となり、突撃槍(ランス)の武装錬金「サンライト ハート」を得て生き返る。その後、斗貴子や防人衛から状況を聞いたり、蝶野攻爵との戦いを経て、みんなを守りたいと決意し、錬金戦団の戦士となる。ところがヴィクター=パワードとの戦闘で核鉄が破損後に黒い核鉄に変化すると、武藤カズキにも「ヴィクター化」と呼ばれる変化が生じ、人間でもホムンクルスでもない、存在するだけで近くにいる生命体のエネルギーを吸収し続ける第3の存在となってしまう。錬金戦団から死を選ぶように宣告されるが、斗貴子と共に最後まで諦める事なく、戦い続ける道を選ぶ。早坂桜花の武装錬金の自動人形(オートマトン)、御前様からは「カズキン」、ヴィクター化したあとは錬金戦団から「ヴィクターⅢ」と呼ばれる。
津村 斗貴子 (つむら ときこ)
錬金戦団に所属する少女。人間を襲う怪物、ホムンクルスと戦う戦士。年齢は17歳で、学校には通っていない。身長は154センチ、体重は39キロ。スリーサイズは上から78・55・79。8月7日生まれで、星座は獅子座、血液型はA型。好きなものはおにぎり、紫色、空に近い空間。嫌いなものはホムンクルスと無駄な犠牲。趣味はトレーニングをする事。9歳の時にホムンクルスに小学校を襲われたが、唯一の生存者として錬金戦団に救助される。しかし、治療中に脱走したホムンクルスに再度襲われ、顔に大きな傷を負いながらも治療に使われていた「核鉄」から処刑鎌(デスサイズ)の武装錬金「[[バルキリースカート](a43mwhifb)]」を生み出して倒す事に成功する。その後は錬金戦団の戦士となってホムンクルスを討伐して各地を回っている。ホムンクルスとそれらに組する人間に激しく敵意を抱き、「臓物をブチ撒けろ!」という口癖の通りに、ホムンクルスの身体をバラバラにしている。銀成市に潜伏するホムンクルス討伐任務中に、戦闘に乱入して来た武藤カズキをホムンクルスの犠牲にしてしまうが、自分を助けようとしたカズキに興味を示し、直前の任務で回収した核鉄を使って生き返らせる。その後、ホムンクルスと戦う意思を示したカズキといっしょに戦ううちにカズキに惹かれていく。自分が使った核鉄の影響で、カズキが人間でもホムンクルスでもない、存在するだけで近くにいる生命体のエネルギーを吸収し続ける第3の存在となってしまった事に責任を感じ、錬金戦団と敵対してでも彼と共にすべてがうまくいく方法を模索し、戦いぬく事を決意する。早坂桜花の武装錬金の自動人形(オートマトン)、御前様からは「ツムリン」と呼ばれる。
武藤 まひろ (むとう まひろ)
武藤カズキの妹。親元を離れて寄宿舎で生活しながら私立銀成学園高校に通う。年齢は15歳の高校1年生。身長は161センチ、体重は49キロ。スリーサイズは上から85・59・88。2月29日生まれで、星座は魚座、血液型はO型。好きなものは明太パスタ、アースカラー、若宮千里、河井沙織、津村斗貴子。嫌いなものは青汁とマラソン。趣味はお菓子の新製品チェック。河井からは「まっぴー」と呼ばれている。天真爛漫でやや天然ボケな性格で、人見知りせずに誰ともでもすぐになかよくなれる。斗貴子の事をカズキの彼女と思っており、カズキとなかよくする様子をとても喜んでいる。
蝶野 攻爵 (ちょうの こうしゃく)
私立銀成学園高校に通う少年。親元を離れて寄宿舎で生活している。年齢は19歳の高校3年生。身長は180センチ、体重は64キロ。6月26日生まれで、星座は蟹座、血液型はシスAB型。好きなものは自分、蝶、不可能を可能とする事。嫌いなものは自分と蝶以外のすべてと、不可能を可能にしようとする意欲の欠片もない人間。趣味は昆虫採集と錬金術の研究。IQ230の天才だが、入学後に、原因不明で治療方法もなく免疫力が低下していく病を発症し、入退院を繰り返しているため2回留年している。高祖父の蝶野爆爵のホムンクルス研究日誌を見つけて、独学でホムンクルス製造術を完成させる。さまざまな実験を経て自らを人間型ホムンクルスにしたあとは、蝶のマスクをつけ、「パピヨン」を名乗るようになる。武藤カズキとは敵ながらにお互いを認め合うライバルの関係で、自分の本来の名前も彼以外には呼ばせない。カズキに敗れて、爆爵の超常選民同盟に救助されたあとは超常選民同盟の一員として、傷を癒しつつ錬金術やホムンクルス、核鉄などの情報収集を行う。そして核鉄を強奪すると、黒色火薬(ブラックパウダー)の武装錬金「ニアデスハピネス」を使って爆爵に反旗を翻す。超常選民同盟が壊滅すると、カズキと決着を着ける事を目的に一人で自由に行動していく。
蝶野 爆爵 (ちょうの ばくしゃく)
蝶野攻爵の高祖父。超常選民同盟の盟主。身長は180センチ、体重は84キロ。6月28日生まれで、星座は蟹座、血液型はシスAB型。好きなものは自分、蝶、自分より優れていると認められる存在。嫌いなものは自分より劣ると認められる存在すべて。趣味はヒゲの手入れと錬金術の研究。100年前に、人間もホムンクルスも超えた存在であるヴィクター=パワードに出会って心酔し、いくら時間がかかろうと必ず彼をよみがえらせるために、自らを人間型ホムンクルス化した。ホムンクルスを生み出すため、錬金術の合金「核鉄」を集めて管理している。ヴィクターの復活が間近に迫ると、ヴィクターのエネルギー確保のために私立銀成学園高校に出向き、そこで攻爵に造反される。チャフの武装錬金「アリス・イン・ワンダーランド」で攻爵を粛清しようとするが、返り討ちに遭う。
防人 衛 (さきもり まもる)
錬金戦団に所属する男性。戦士長を務める。年齢は27歳。身長は185センチ、体重は75キロ。10月10日生まれで、星座は天秤座、血液型はAB型。好きなものは正義と笑顔。嫌いなものは悪徳と泣き顔。趣味は日曜大工、口癖はブラボー。「防人衛」という本名は隠しており、周囲には「キャプテン ブラボー」と名乗っている。私立銀成学園高校寄宿舎の管理人に着任し、極秘裏に超常選民同盟を壊滅させる任務を遂行しており、その戦力になる武藤カズキを錬金戦団の戦士としてスカウトする。信念を決して曲げずに貫く熱血漢で、正義のために戦うその姿はカズキに強く慕われており、戦い方の師匠になっている。あらゆる攻撃を防ぐ防護服(メタルジャケット)の武装錬金「シルバースキン」を着用し、鍛えあげた肉体で戦う。
中村 剛太 (なかむら ごうた)
錬金戦団に所属する少年。最近戦士となって任務を任されるようになった。年齢は17歳。身長は175センチ、体重は63キロ。4月19日生まれで、星座は牡羊座、血液型はAB型。好きなものは津村斗貴子、青緑、アロハシャツ。嫌いなものはジャンクフードと斗貴子の敵。趣味はマリンスポーツ全般。幼い頃から錬金戦団で育てられ、先輩である斗貴子に強い恋慕を抱いている。防人衛と共に「武藤カズキの再殺」の任務を受け、斗貴子の足止め役を担当。斗貴子が錬金戦団と敵対してでもカズキといっしょに行動する事を知って、斗貴子を守るために自分も二人に帯同する。火渡赤馬率いる再殺部隊に襲われると、戦輪(チャクラム)の武装錬金「モーターギア」の特性を活かして、戦士になったばかりとは思えない戦いをする。最初はカズキに敵対心を見せていたが、いっしょに行動していうちに「同じものを守りたい戦友」と思えるようになっていく。
早坂 桜花 (はやさか おうか)
私立銀成学園高校に通う少女。生徒会長を務める。年齢は18歳の高校3年生。身長は167センチ、体重は50キロ。スリーサイズは上から88・60・89。5月23日生まれで、星座は双子座、血液型はA型。好きなものは双子の弟の早坂秋水、エスプレッソコーヒー、パールピンク。嫌いなものは自分を取り巻く世界、社会、幸せそうな人。趣味は結婚式ごっこ。成績優秀、いつも笑顔で、生徒や教師からも信頼が厚く評判がいい。一方で裏で策を練る事に長けており、腹黒な一面もある。幼い頃に拉致・監禁され、両親からも拒絶された経験から、秋水と二人だけで永遠の命を得て生きていこうと決意。そのために人間型ホムンクルスになろうとして超常選民同盟に協力する信奉者となった。蝶野爆爵からの任務で私立銀成学園高校にいる錬金戦団の戦士を探し、それが武藤カズキと津村斗貴子だとわかると弓矢(アーチェリー)の武装錬金「エンゼル御前」を使って戦いを挑む。二人に敗れたあとは錬金戦団に匿われて傷を癒し、カズキが錬金戦団から命を狙われている事を知ると、蝶野攻爵と同盟を結んでカズキをサポートする。
早坂 秋水 (はやさか しゅうすい)
私立銀成学園高校に通う少年。生徒会の副会長を務めている。部活は剣道部に所属する。年齢は18歳の高校3年生。身長は181センチ、体重は70キロ。5月23日生まれで、星座は双子座、血液型はA型。好きなものは双子の姉の早坂桜花、渋茶、コバルトブルー。嫌いなものは自分を取り巻く世界、社会、幸せそうな人。趣味は結婚式ごっこ。つねに生まじめで冷静沈着な性格をしており、剣道の有段者。幼い頃に拉致・監禁され、両親からも拒絶された経験から、桜花と二人だけで永遠の命を得て生きていこうと決意。そのために人間型ホムンクルスになろうとして超常選民同盟に協力する信奉者となった。蝶野爆爵からの任務で私立銀成学園高校にいる錬金戦団の戦士を探し、それが武藤カズキと津村斗貴子だとわかると日本刀(ニホントウ)の武装錬金「ソードサムライX」を使って戦いを挑む。戦いを有利に進めるが、カズキの奇策により深手を負って敗北。その後は錬金戦団に保護されて、動けるくらいまで回復すると、未熟な自分を鍛えなおすために修行に出る。その後、錬金戦団の一員となり、ヴィクター=パワードとの決戦では坂口照星の武装錬金「バスターバロン」に乗り込む。
ヴィクター=パワード
錬金術の秘具「黒い核鉄」が埋め込まれた事で、人間でもホムンクルスでもない第3の存在となった男性。錬金戦団からは「裏切りの戦士」と呼ばれている。身長は250センチ、体重は200キロ。9月30日生まれで、星座は天秤座、血液型はA型。好きなものは妻のアレキサンドリア=パワード、娘のヴィクトリア=パワード、戦友。嫌いなものはすべての錬金術。趣味はなし(そういう類に興味がない)。100年前は錬金戦団に所属しており、最強の戦士としてホムンクルスと戦っていたが、ホムンクルスのボスとの戦闘で心臓を負傷し、治療のために黒い核鉄を埋め込まれた。その結果、外見が赤銅の肌に螢火の髪に変化し、存在するだけで近くにいる生命体のエネルギーを吸収し続ける身体になる。その後はホムンクルス以上の怪物となって錬金戦団に命を狙われるようになり、さらにヴィクトリアをホムンクルスにされた事で、錬金術にかかわるすべてを憎むようになる。錬金戦団に深手を負わされても、日本まで逃げたところで蝶野爆爵と出会い、100年後に爆爵の手によって復活を果たす。100年経っても錬金戦団が何も変わっていない事を確認すると、錬金術が生み出したすべてのものを始末するために行動を開始する。大戦斧(グレートアックス)の武装錬金「フェイタルアクション」を使って、怒りのままに戦い続ける。
坂口 照星 (さかぐち しょうせい)
錬金戦団に所属する男性。戦闘部門の最高責任者を務める。年齢は36歳。部下に名前で呼ばれると喜びを感じるが、任務中は「大戦士長」と呼ばせている。身長は186センチ、体重は80キロ。3月14日生まれで、星座は魚座、血液型はO型。好きなものは平和と伝統。嫌いなものは平和を乱す者と伝統を軽んじる者。趣味はサングラス収集と礼拝。リーダーとしてどうするべきかをつねに考えており、部下からの信頼も厚い。全身甲冑(フルプレートアーマー)の武装錬金「バスターバロン」に早坂秋水や火渡赤馬などの武装錬金の力を集結させて、ヴィクター=パワードとの決戦に挑む。
火渡 赤馬 (ひわたり せきま)
錬金戦団に所属する男性。再殺部隊を率いる戦士長を務める。年齢は27歳。身長は177センチ、体重は70キロ。8月6日生まれで、星座は獅子座、血液型はB型、好きなものは煙草、焼肉、不条理な行動。嫌いなものは偽善と不条理な世界。趣味は火遊び。手段のためには目的を選ばない攻撃的な性格。口が悪く、坂口照星に叱られる事が多い。しかし、仲間思いで面倒見のいい一面もある。防人衛と「照星部隊」でいっしょに活動していた事もあり、防人の本名を知っている数少ない一人。7年前に失敗した任務以来、「自分達は不条理の中で戦って生きている」と感じ、「不条理を不条理でねじふせる」をモットーとしている。防人が武藤カズキ側についたのを知って、焼夷弾(ナパーム)の武装錬金「ブレイズ オブ グローリー」でカズキ、津村斗貴子、中村剛太をまとめて葬ろうとする。
六舛 孝二 (ろくます こうじ)
私立銀成学園高校に通う少年で、親元を離れて寄宿舎で生活している。年齢は16歳の高校2年生。身長は162センチ、体重は51キロ。1月25日生まれで星座は水瓶座、血液型はAB型。好きなものはウインダーインゼリー、グレー、数学。嫌いなものは特になし。趣味はパソコン。武藤カズキの親友でクラスメイト。他人の声帯を真似られる特技を使ってカズキの代わりに返事をしたり、早坂秋水の逆胴を詳細に説明するなど謎が多い人物でもある。
岡倉 英之 (おかくら ひでゆき)
私立銀成学園高校に通う少年で、親元を離れて寄宿舎で生活している。年齢は16歳の高校2年生。身長は174センチ、体重は62キロ。8月8日生まれで星座は獅子座、血液型はB型。好きなものはラーメン、黒、バイク。嫌いなものは暴走族とタバコのポイ捨て。趣味は50ccのスクーターでのツーリング。武藤カズキの親友でクラスメイト。 トレードマークはリーゼント。歳相応に女性に興味があるがそれを隠そうとしないので周囲からは「エロスな人間」と思われている。友達思いな性格をしており、ホムンクルス調整体と戦うカズキの事を化け物扱いする周囲の人間を一喝し、カズキにエールを送る。
大浜 真史 (だいはま まさし)
私立銀成学園高校に通う少年で、親元を離れて寄宿舎で生活している。年齢は16歳の高校2年生。身長は183センチ、体重は85キロ。9月14日生まれで星座は乙女座、血液型はA型。好きなものはコーラ、白、ラジオの深夜番組。嫌いなものは焼き魚の目とスプラッター映画。趣味はラジオの深夜番組への投稿。武藤カズキの親友でクラスメイト。 いつもいっしょにいるカズキ、六舛孝二、岡倉英之の四人組の中では一番大柄の体格をしているが、性格は穏やか。カズキのボケや行動に振り回される事が多い。
若宮 千里 (わかみや ちさと)
私立銀成学園高校に通う少女で、親元を離れて寄宿舎で生活している。年齢は16歳の高校1年生。身長は158センチ、体重は44キロ。スリーサイズは上から83・57・85。4月28日生まれで星座は牡羊座、血液型はA型。好きなものは武藤まひろ、河井沙織、和菓子。嫌いなものはお化け、幽霊、妖怪。趣味はお菓子(特に和菓子)の新製品チェック。 まひろや河井からは「ちーちん」と呼ばれている。比較的優等生のしっかり者で、まひろや河井と比べると常識人。その分、非常識な事態には非常に弱い。ヘッドフォンで音楽を聴きながら勉強していたおかげで陣内の武装錬金「ノイズハーメルン」に洗脳されなかったが、部屋を出たところで負傷した陣内と鉢合わせして喰われそうになる。
河井 沙織 (かわい さおり)
私立銀成学園高校に通う少女で、親元を離れて寄宿舎で生活している。年齢は15歳の高校1年生。身長は152センチ、体重は39キロ。スリーサイズは上から75・54・79。1月13日生まれで星座は山羊座、血液型はB型。好きなものは武藤まひろ、若宮千里、洋菓子。嫌いなものは勉強全般。趣味はお菓子(主に和菓子)の新製品チェック。 まひろからは「ちーちん」と呼ばれている。まひろや若宮と比べると精神的に幼いが、漫画やフィクションめいた出来事に遭遇しても柔軟に対応できる。
巳田 (みた)
ニシキヘビのホムンクルス。元は私立銀成学園高校の教師だったが生徒には無関心で、蝶野攻爵に「面倒くさいからさっさと学校を辞めろ」と言った事で、攻爵の手によってホムンクルスにされた。ホムンクルスとしての完成度は高く、普段は人間の姿となって教師を続けている。津村斗貴子との戦闘に乱入した武藤カズキを殺したものの捕食しそこない、翌日生きているのを見かけて再び襲撃する。 しかし、カズキと斗貴子に返り討ちに遭う。
猿渡 (さるわたり)
マウンテンゴリラのホムンクルス。元は暴力団員で夜の街で蝶野攻爵から金をカツアゲしようとした事で、攻爵の手によってホムンクルスにされた。その時に舎弟や暴走族時代の後輩もまとめてサル、ヒヒ、チンパンジーなどのホムンクルスにさせられ、人間型ホムンクルスの実験素材となる。ホムンクルスのアジトで手下達は斗貴子に全滅させられ、猿渡は斗貴子を助けに来た武藤カズキに倒される。
蛙井 (かわずい)
コモリガエルのホムンクルス。元は蝶野攻爵のインターネットを通じたひきこもり同士の友達。ささいな事から攻爵と口論になり、いやがらせメールで攻撃した事で攻爵の手によってホムンクルスにされた。花房、鷲尾と共に攻爵の身辺を守っているが、攻爵への忠誠は皆無。攻爵の命令に背いて、弱っていく津村斗貴子を捕食しようと出向いたところ、武藤カズキに邪魔されて倒される。
花房 (はなぶさ)
バラのホムンクルス。元は蝶野攻爵の家庭教師で、蝶野家の財産目当てで攻爵を誘惑するものの下心を見抜かれて、攻爵の手によってホムンクルスにされた。攻爵が作った最初のホムンクルスでもある。蛙井、鷲尾と共に攻爵の身辺を守っており、蛙井が武藤カズキにやられたあと、攻爵に従わない蛙井にトドメを刺す。その直後、カズキを心配して追って来た津村斗貴子によって倒される。
鷲尾 (わしお)
オオワシのホムンクルス。元は自衛隊くずれの暴力団員で、蝶野家に出向していた時にひ弱な蝶野攻爵を心身とも鍛えるトレーナー役を請け負い、攻爵の逆恨みを買ってホムンクルスにされた。さらに誤射か密猟の銃弾を受けて死亡したところを攻爵によって生き返らしてもらったオオワシもベースとなっていて、オオワシの感謝の気持ちが強く出ているため攻爵に仇なす者には容赦はしない。 ホムンクルスとしての完成度もほかを凌駕しており、身体の一部のみを高速でホムンクルス化したり、翼を使った完璧な防御など戦闘力も高い。
蝶野 刺爵 (ちょうの ししゃく)
蝶野攻爵と蝶野次郎の父親で、蝶野家の現当主。実力主義の天才志向、要と不要をしっかりと区別する哲学の持ち主。子供への愛は深いが自分の哲学への愛の方が深く、幼い頃から英才教育を施した攻爵が原因不明で治療方法もない病にかかると、攻爵を見捨てて次郎に切り替える。
蝶野 次郎 (ちょうの じろう)
蝶野攻爵の1歳下の弟で、外見は攻爵と瓜二つ。次男というだけでずっと攻爵の予備扱いされており、その事で攻爵を憎んでいる。攻爵が発病したおかげで予備扱いされずにすんだのに、病気を克服されると元の扱いに戻ると思い、攻爵が作っていたものをよくわからないまま壊す。しかし、その直後に人間型ホムンクルスとなった攻爵に捕食されてしまう。
金城 (きんじょう)
超常選民同盟に所属する人間型ホムンクルスの男性。年齢は21歳。身長は177センチ、体重は85キロ。4月21日生まれで星座は牡牛座、血液型はB型。好きなものはヒャッホウ!な事とストリートファイト。嫌いなものは猫と細かい事を気にする奴。趣味はプロレス鑑賞。蝶野爆爵の命令で蝶野攻爵を尾行し、攻爵と会った武藤カズキ、津村斗貴子、防人衛を襲撃する。 右篭手(ライトガントレット)の武装錬金「ピーキーガリバー」の使い手で、ホムンクルスと武装錬金の力があれば人間には決して負けないと思っている。カズキには圧勝するが、防人には手も足も出ずに負ける。
陣内 (じんない)
超常選民同盟に所属する人間型ホムンクルスの男性。年齢は21歳。身長は177センチ、体重は65キロ。3月21日生まれで星座は牡羊座、血液型はA型。好きなものは1/fゆらぎで、嫌いなものは犬、大雑把なやつ、趣味は音楽鑑賞。防人衛に負けた金城を情報漏洩阻止のために殺し、さらに奪われた核鉄を取り戻すために核鉄を守る津村斗貴子を襲う。 鉄鞭(スチールウィップ)の武装錬金「ノイズハーメルン」で私立銀成学園高校寄宿舎にいる生徒を洗脳し襲わせて、ノイズハーメルンを地面に刺して伝わってくる音や振動で離れた位置からでも状況を把握していたが、戦士として戦う理由を再確認した斗貴子によって身体をバラバラにされる。
太 (たい)
超常選民同盟に所属する人間型ホムンクルスの男性。身長は220センチ、体重は350キロ。好きなものは太めの女性で、嫌いなものは細めの男性、趣味は麻雀。細といっしょに行動する事が多く、超常選民同盟一の巨漢コンビと認識されている。体躯を生かした重い一撃で敵を叩き潰す戦法を得意とする。組織で一番下っ端の早坂桜花と早坂秋水が、自分達より先に蝶野爆爵から核鉄を受け取った事を不満に思い、二人を殺して核鉄を奪おうとする。 学生に変装して私立銀成学園高校に潜入するものの、人間離れした外見だったためすぐに騒ぎとなり、駆けつけた武藤カズキと戦闘に入る。カズキが錬金戦団の戦士だとわかると標的を変更するが、隙を見せたところを秋水に倒される。
細 (しー)
超常選民同盟に所属する人間型ホムンクルスの男性。身長は265センチ、体重は113キロ。好きなものは細めの女性で、嫌いなものは太めの男性、趣味は麻雀。太といっしょに行動する事が多く、超常選民同盟一の巨漢コンビと認識されている。長いリーチを生かした素早い連撃で攻める戦法を得意とする。組織で一番下っ端の早坂桜花と早坂秋水が、自分達より先に蝶野爆爵から核鉄を受け取った事を不満に思い、二人を殺して核鉄を奪おうとする。 学生に変装して私立銀成学園高校に潜入するものの、人間離れした外見だったためすぐに騒ぎとなり、駆けつけた武藤カズキと戦闘に入る。カズキが錬金戦団の戦士だとわかると標的を変更するが、太が倒されたのを見て撤退。 それを追撃する津村斗貴子との戦闘中に桜花に不意打ちされて倒される。
鈴木 震洋 (すずき しんよう)
私立銀成学園高校に通う少年で、生徒会書記を務める。年齢は17歳の高校3年生。身長は174センチ、体重は66キロ、11月9日生まれで星座は蠍座、血液型はAB型。好きなものはえんぴつで、嫌いなものはシャープペンシル、趣味は犯罪関係の書物の読書。超常選民同盟に協力する信奉者という顔も持つ。武藤カズキと津村斗貴子がホムンクルス調整体と戦っているのを見て事態は把握できない生徒達に、カズキと斗貴子も化け物扱いとして拒絶するように校内放送で煽る。
ホムンクルス調整体 (ほむんくるすちょうせいたい)
蝶野爆爵が、核鉄がなくても錬金戦団の戦士を凌駕する肉体を目指して作ったホムンクルス。複数の動植物の混合で原型は不明。戦闘に特化しているが、その分知能は低くて爆爵が命ずるままに戦う。共食いすると巨大化した「蝶・生体」になれる。
ムーンフェイス
超常選民同盟に所属する人間型ホムンクルスの男性。年齢は35歳。人間型ホムンクルスになる前の名前は「ルナール=ニコラエフ」。身長は188センチ、体重は80キロ。2月2日生まれで星座は水瓶座、血液型はB型。好きなものは月と月見団子。嫌いなものは月にかかる雲と月食。趣味は月光浴と月の観測。普段は飄々とした性格でお茶目に振る舞っているが、任務に失敗した早坂桜花と早坂秋水を喰おうとするなど残忍な一面もある。 頭部が月の形になっている。蝶野爆爵の副官的存在で、武藤カズキ、津村斗貴子、防人衛がアジトに攻め込んで来た時には一人でアジトに残って足止め役を担う。カズキと斗貴子は取り逃がしてしまうが、防人とは月牙(ゲツガ)の武装錬金「サテライト30」で30人に増殖して死闘を繰り広げる。
犬飼 倫太郎 (いぬかい りんたろう)
錬金戦団に所属する男性で、火渡赤馬率いる再殺部隊の一人。年齢は20歳。身長は165センチ、体重は55キロ。3月7日生まれで星座は魚座、血液型はA型。好きなものは犬のぬいぐるみと犬の写真集。嫌いなものは本物の犬。趣味はドッグショー鑑賞。根来忍が回収した中村剛太の血が染み込んだハンカチを軍用犬(ミリタリードッグ)の武装錬金「キラーレイビーズ」に嗅がせて、匂いを探知して武藤カズキ、津村斗貴子、剛太を見つける。 そして三人が寝静まったタイミングで襲撃する。犬笛を使って自動人形(オートマトン)のキラーレイビーズをあやつるが、剛太に犬笛を奪われて逆にキラーレイビーズに攻撃されてしまう。
戦部 厳至 (いくさべ げんじ)
錬金戦団に所属する男性で、火渡赤馬率いる再殺部隊の一人。年齢は27歳。身長は193センチ、体重は120キロ。7月27日生まれで星座は獅子座、血液型はB型。好きなものは勝ち戦と負け戦。嫌いなものは安穏とした生活、不意打ち、騙まし討ち。趣味は戦史研究。防人衛や火渡を含む錬金戦団の現役戦士の中で、ホムンクルス撃破数で最多を誇る記録保持者。 十文字槍(クロススピアー)の武装錬金「激戦」の特性により身体がどれだけ負傷しても一瞬で修復できる。錬金戦の戦士になったばかりの時に、遥か昔の戦士にならってホムンクルスを喰ったところ力が増したため、ホムンクルスを敵ではなく食料として扱っている。実際はホムンクルスからエネルギーや栄養を摂取しているわけではなく、闘争本能を高めるための儀式の意味あいが強い。 武藤カズキが横浜にいる情報を得て向かったところ、蝶野攻爵と出会い戦闘を仕掛ける。戦闘狂だが戦闘に対しては美学を持っており、不意打ちをした根来忍の事を詫びたり、カズキや中村剛太の実力を素直に認める。
円山 円 (まるやま まどか)
錬金戦団に所属する男性で、火渡赤馬率いる再殺部隊の一人。年齢は23歳。身長は182センチ、体重は65キロ。4月4日生まれで星座は牡羊座、血液型はAB型。好きなものはエステ、化粧、男。嫌いなものは便所掃除、ゴミ出し、女。趣味は風船収集。外見は丸々と太った男性だがこれは着ぐるみで、中身は中性的な外見をして女性口調でしゃべるオカマ。 犬飼倫太郎のあとをつけて武藤カズキ、津村斗貴子、中村剛太を見つけると、風船爆弾(フローティングマイン)の武装錬金「バブルゲイジ」で斗貴子に襲いかかる。バブルゲイジの弱点を見破られて斗貴子に負傷させられるが、一矢報いて素早く撤退。その後、根来忍と共に再びカズキ達を襲撃するが、斗貴子の作戦によって敗れる。
根来 忍 (ねごろ しのぶ)
錬金戦団に所属する男性で、火渡赤馬率いる再殺部隊の一人。年齢は20歳。身長は168センチ、体重は55キロ。12月22日生まれで星座は山羊座、血液型はA型。好きなものは日陰と歴史上の忍者全般。嫌いなものは日なたとアメリカン忍者全般。趣味は忍者ものの時代小説の読書。任務達成、戦闘の勝利を最優先にしており、そのためなら手段を選ばずに卑怯な手も躊躇なく使う。 普段から姿をあまり見せず、戦闘でも忍者刀(ニンジャトウ)の武装錬金「シークレットトレイル」で作った自分以外不可侵の亜空間からを利用した不意打ちを得意とする。中村剛太との戦闘でも終始有利に進めるが、シークレットトレイルの特性を逆手に取った剛太により深手を負って敗れる。
楯山 千歳 (たてやま ちとせ)
錬金戦団に所属する女性で、火渡赤馬率いる再殺部隊の一人。年齢は26歳。身長は169センチ、体重は47キロ。スリーサイズは上から85・57・88。7月4日生まれで星座は蟹座、血液型はA型。好きなものは偵察と家事全般。嫌いなものは戦闘とギャンブル。趣味はコスプレ(本人は否定している)。防人衛と「照星部隊」でいっしょに活動していた事もあり、防人の本名を知っている数少ない一人。 武藤カズキ達の目的地を探っているうちにニュートンアップル女学院に着目し、カズキ達がニュートンアップル女学院を目指していると断定されると潜入調査に入る。しかし、調査中にルリヲヘッドによって身体を支配されてしまう。
毒島 華花 (ぶすじま はなか)
錬金戦団に所属する少女で、火渡赤馬率いる再殺部隊の一人。年齢は16歳。身長は145センチ、体重は32キロ。スリーサイズは上から70・54・73。8月28日生まれで星座は乙女座、血液型はAB型。好きなものは清浄な空気と静かな空間。嫌いなものは汚れた空気と人ごみ。趣味は森林浴とアロマテラピー。人見知りが激しく極度の恥ずかしがりやなため、つねにガスマスクの武装錬金「エアリアルオペレーター」をかぶっている。 戦闘より情報収集を得意としており、楯山千歳と協力して武藤カズキ達の目的地を探る。錬金戦団の活動が一時凍結して核鉄が回収されたあとは、錬金戦団の新方針に従って私立銀成学園高校に転校して寄宿舎で暮らす。
アレキサンドリア=パワード
ヴィクター=パワードの妻で、ヴィクトリア=パワードの母親。100年前までは錬金戦団に所属して賢者の石を精製する研究に従事し、賢者の石の試作品として黒い核鉄を作る。当時の仲間からは「アレク」と呼ばれていた。ホムンクルスのボスとの戦いで瀕死の重傷を負ったヴィクターに黒い核鉄を移植する。その結果、ヴィクターの暴走によって首から下の体機能を失う。 その後はヴィクターが消息を絶った日本にヴィクトリアとともに渡り、身体を捨てて脳細胞だけになり、さらに自分のクローン脳を増殖してつなげあわせて、ヴィクターを元の人間に戻す研究を始める。必要がある場合は兜(ヘルム)の武装錬金「ルリヲヘッド」で研究所のうえにあるニュートンアップル女学院の生徒の身体を借りながら100年研究を続けて、黒い核鉄を無効化できる白い核鉄を完成させる。
ヴィクトリア=パワード
ヴィクター=パワードとアレキサンドリア=パワードの娘。年齢は13歳。身長は150センチ、体重は37キロ。リーサイズは上から79・58・81。11月11日生まれで星座は蠍座、血液型はA型。好きなものはヴィクター、アレキサンドリア、ミートパイ。嫌いなものは錬金術と錬金戦団。趣味はミートパイ作り。100年前に人間でもホムンクルスでもない第三の存在となったヴィクターを討伐するために、当時の錬金戦団によって人間型ホムンクルスにされる。 ヴィクターが日本で消息を絶つとアレキサンドリアと共に日本に渡り、ニュートンアップル女学院の地下に避難壕(シェルター)の武装錬金「アンダーグラウンドサーチライト」で亜空間を作ってひっそりと暮らす。 元は歳相応に無邪気な性格だったが、悲惨な体験により大人びた皮肉や毒舌をはくリアリストになった。また元凶となった錬金術のすべてを嫌っている。
集団・組織
錬金戦団 (れんきんせんだん)
『武装錬金』に登場する組織。人を食らうホムンクルスを殲滅し、世界中にあるすべての錬金術の秘具「核鉄」を管理するのを目的とした集団。特にホムンクルスと戦うグループを「錬金の戦士」と呼んでいる。世界各地に支部が存在しており、津村斗貴子もその一員として戦っていた。
超常選民同盟 (ちょうじょうせんみんどうめい)
『武装錬金』に登場する組織。“the League of Extraordinary Elects”の略でLEXと呼ばれている。ホムンクルスとその信奉者によってできている集団で、錬金術の秘具「核鉄」をドクトル=バタフライが保持・貸出している。
その他キーワード
武装錬金 (ぶそうれんきん)
錬金術の合金「核鉄」が使用者の本能に応えて創造するものの総称。使用者の闘争本能や潜在意識によって形成されるため、武器、防具、粉末、風船、自動人形(オートマトン)、亜空間など多種多様。さらに現代科学では再現できない特性を備える。使用者の意思か武装錬金が完全に破壊されると元の核鉄に戻る。
サンライト ハート
武藤カズキが所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる、巨大な槍型の武器。闘争本能のエネルギーによって、飾り布がエネルギー化し、突進の推進力、発光による撹乱、直接破壊などに応用される。硬度が高く、多少のダメージでは完全破壊される事はないが、その大きさゆえに接近戦は苦手。また核鉄がカズキの心臓の代わりをしているため、サンライトハートが完全破壊されたり、長時間分離させていると、カズキは死亡してしまう。カズキが黒い核鉄により、人間でもホムンクルスでもない、存在するだけで近くにいる生命体のエネルギーを吸収し続ける第3の存在となると、小型化しつつ、所持者の意思によって槍が分解、自在に形状を変える事ができる「サンライト ハート改(プラス)」にパワーアップする。
バルキリースカート
津村斗貴子が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる、処刑鎌型の武器。両足の太ももから2本ずつ、計4本の可動肢を付けて、数多くの敵をまとめて切り払うほか、足代わりに使った一撃離脱のスピード戦法を得意とする。切り離した刃を、手に持って戦う事もある。可動肢への命令は神経を流れる生体電流によってダイレクトに行われる。斗貴子はより迅速に正確に命令を行うために、つねに素肌に直接装着している。接近戦、特に一対多数の戦闘で真価を発揮するが、パワー面に難があり、力押しで来るタフな敵とは相性が悪い。
核鉄 (かくがね)
錬金術によって生み出された六角形の合金で、戦闘本能に呼応して一定の形を持った武器「武装錬金」に変わる。また所持者の身体を治癒する事も可能。錬金術によって生み出された存在は、錬金術でなければ攻撃できないため、ホムンクルス退治には核鉄が必須。
シルバースキン
防人衛が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる防護服。テンガロンハットのような帽子、コート、手袋、スラックス、ブーツで全身を覆い、攻撃に対して瞬時に金属化して防ぐ。破損しても一瞬で再生するため全武装錬金の中でも屈指の防御力を誇る。また物理攻撃だけでなく、ABC兵器(核、生物、化学物質を応用した兵器)なども防ぎ、宇宙服の代わりにもなる。 さらに裏返すとシルバースキンリバースとなり、分解して射出し敵に纏わす事で攻撃行動を取らせない拘束服となる。優秀な防御性能に対して攻撃性能は皆無で、防人は鍛え上げた身体を使った徒手空拳で弱点を補っている。
ソードサムライX (そーどさむらいえっくす)
早坂秋水が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる日本刀型の武器。刀身からエネルギーを吸収して下げ緒を通して飾り輪から放出する事で、敵のエネルギー系の攻撃を完全に無効化できる。放出に時間差を作れば吸収したエネルギーを攻撃に利用できる。打撃や実弾などの攻撃は吸収できないので刀身で受けて防御する。
エンゼル御前 (えんぜるごぜん)
早坂桜花が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる弓型の武器。「御前様」と呼ばれる自動人形(オートマトン)による精密高速射撃を連続して行えて、右篭手から精製される鏑矢(ハートアロー)を射れば相手のダメージや疲労を自分の身体に移す事ができる。ただし病気や死、移す部位が欠損している場合は移せない。御前様は桜花のもう一人の人格ともいえる存在で、自在に動いて他人と会話、通信、映像送信などが行える。
サテライト30 (さてらいとさーてぃ)
ムーンフェイスが所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる月牙型の武器。ムーンフェイスを2~30人に分裂させる性能があり、分裂体は全て本体なため一人でも残っていればそこから再び分裂できる。ただし分裂にはエネルギーを多用するので再度の使用は人間型ホムンクルスでないと不可能。ムーンフェイスの分裂体は頭部が月齢のように30通りに変化したが、これはムーンフェイスのこだわりが影響したため。
ニアデスハピネス
蝶野攻爵が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる黒色火薬の武器。一つ一つは小さいものの同時に多数を放出させたり、攻爵の思い通りに動かして爆破できる。一部を燃焼させ続ける事も可能。遠隔操作可能な範囲は半径約50メートルで、有視界内でないと爆破は不可能。ちなみに蝶の形で運用しているのは攻爵の趣味で、ほかの形状でも性能に差はない。
アリス・イン・ワンダーランド (ありすいんわんだーらんど)
蝶野爆爵が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れるチャフ。拡散状態の有効範囲は半径約500メートルで、範囲内にいる人間の方向感覚や距離感覚を麻痺させて、電子機器を狂わせて内部と外部の往来と連絡を遮断できる。またあらかじめチャフに水滴を付着させておけば霧を作る事も可能。しかし、この状態では武装錬金に干渉するほどの性能は発揮できない。 密集状態ではチャフの乱反射を利用した光を使って視覚神経から人間の脳に強く作用し、幻覚を作り出して精神を破壊できる。幻覚は相手の記憶の中から忌み嫌う要素がランダムで選ばれるため、よほど強靭な精神の持ち主でないと対処は難しい。
モーターギア
中村剛太が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる戦輪型の武器。二つ出現し、神経を流れる生体電流を使って速度、角度、回転数をインプットしてから投擲したり、手足の先端に装着する。生体電流を動力しており、充電してから射出する。破壊力は全武装錬金の中でも最弱クラスだが、剛太は両拳に装着して打撃力アップ、足首に装着して機動力アップなど応用して使っている。
キラーレイビーズ
犬飼倫太郎が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる一対の軍用犬型自動人形(オートマトン)。知能は実際の犬と同等だが、嗅覚は2倍、運動能力は10倍あり、敵の匂いを嗅いで追跡して牙と爪で捕獲・殺傷する。レイビーズが意味する通り、狂犬状態が基本となっており、この状態だと制御できずに犬笛を持つ者以外を無差別に襲うキラーマシンとなってしまうため、普段は首輪の安全装置を付けて犬笛で制御されている。
激戦 (げきせん)
戦部厳至が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる十文字槍型の武器。槍本体および創造者が受けたダメージを瞬時に元通りに修復する。修復する体積や回数はエネルギー量によって決まり、戦部はホムンクルスを喰う儀式で闘争本能を高ぶらせて増量している。エネルギーがあれば全身が跡形なくなるほど吹き飛んでも瞬時に修復できるが、修復中に槍を手放すと槍本体が損傷を認識できなくなって修復が中断されるという弱点がある。
バブルゲイジ
円山円が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる風船爆弾。接触した敵の身長を15センチ縮める事ができ、14センチ以下の敵に当てれば消滅させられる。微速ながら動かせるので同時に複数出現させて陣形を組ませて敵を取り囲む事も可能。ただし、風船であるため風の影響を大きく受ける。
シークレットトレイル
根来忍が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる忍者刀型の武器。物体を切り開くと創造者のみが入れる亜空間への入り口を構成する特性があり、根来は亜空間を移動して敵の死角から攻撃したり、亜空間からシークレットトレイルを投げる戦法を取る。亜空間に入るためには創造者のDNAが必要となるため、根来は衣服に自分の髪の毛を編みこんでいる。
ブレイズ オブ グローリー
火渡赤馬が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる焼夷弾型の武器。周囲500メートル、瞬間最大温度5100度の火炎爆破を行ったり、火渡の身体を火炎と同化させて相手の物理攻撃を無効化できる。また周囲の炎とも同化すれば操作する事も可能で、燃えるほど力は強大となっていく。ただし、同化中にすべての炎が消えると創造者は死亡してしまう。
ルリヲヘッド
アレキサンドリア=パワードが所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる兜型の拘束具。取り憑いた者の支配して操作でき、脳波から思考と記憶を探る事も可能。操作との度合いは取り憑いた者とのシンクロ度合いと比例し、低い場合は操作はギクシャクし、取り憑いた者への負担も大きくなる。同姓のほうがシンクロしやすい。
アンダーグラウンドサーチライト
ヴィクトリア=パワードが所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる避難壕。避難壕は亜空間に存在し、入り口を閉じればほぼ発見されない。広さと内装は自由に変えられるが、広くなるほど、複雑化するほど創造者の負担は大きくなる。通常時は水は水道管、電気は配電線から拝借しており、非常時は自家用水、自家発電で最大1か月ほど賄える。
バスターバロン
坂口照星が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる全身甲冑の巨大ロボット。身長57メートル、体重550トンもあり、武装錬金、現行兵器を含めて地上最強だが、その大きさゆえに使いどころが難しい。腕や足の一部のみを形成する事も可能。また両肩のサブ・コクピットに搭乗している者の武装錬金を最大5種類まで同時に増幅して使えて、組み合わせ次第では圧倒的な性能を発揮できる。
エアリアルオペレーター
毒島華花が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れるガスマスク型の仮面。あらゆる気体の分子構造を操作して別の気体を作り出せる。酸素、有毒ガス、麻酔ガス、笑気ガスなど多くの気体を作る事ができるが、作り出した気体が一定濃度以下にならないと次の気体は作り出せない。チューブの一部は浄化空気噴出器になっており、創造者が作り出した気体の影響を受ける事はなく、ゴーグルには望遠鏡、顕微鏡、赤外線暗視などの機能がある。
ヘルメスドライブ
楯山千歳が所持する錬金術の合金「核鉄」から現れる六角形のレーダー。索敵と瞬間移動ができる。ただし、索敵は創造者が知っている対象のみで、瞬間移動できる質量は最大100キロ。また瞬間移動できる距離と回数は創造者の精神力、体力が大きく影響する。ヘルメスドライブ自体は非常に硬質なため、打撃武器や小型の楯としても使える。
フェイタルアクション
ヴィクター=パワードが所持する錬金術の合金「黒い核鉄」から現れる大戦斧型の武器。打撃衝突時に重力を方向と強弱を操作する事で威力を自在に変動できる。また重力の方向を中心にして、強弱を最大にするとブラックホールを瞬間的に発生させられる。中央から二つに分離させればダブルトマホークとしての運用も可能。
黒い核鉄 (くろいかくがね)
100年前に錬金戦団が、錬金術の集大成ともいえる賢者の石を作るために試作品として作り上げた合金。開発者はアレキサンドリア=パワード。シリアルナンバーⅠ~Ⅲの核鉄がベースとなっており全部で3個存在するが、精製技術は100年前に失われている。黒い核鉄を移植された人間は、外見が赤銅の肌に螢火の髪に変化し、存在するだけで近くにいる生命体のエネルギーを吸収し続ける身体になる。 今はⅠがヴィクター=パワード、Ⅲが武藤カズキの身体の中にあり、Ⅱは白い核鉄となっている。
白い核鉄 (しろいかくがね)
アレキサンドリア=パワードがシリアルナンバーⅡの黒い核鉄をベースに作り上げた合金。黒い核鉄の力をすべて無効化する性能があり、ヴィクター=パワードや武藤カズキを元の人間に戻す事ができる。
ホムンクルス
錬金術で人工生命を作り出そうとした研究の産物で生み出された人造生体。生物の細胞をベースに作り出された約3ミリの胎児型の本体が、人間の脳に寄生すると肉体を奪って全身をベースとなった生物を模した姿に変質させる。寄生された人間の精神は殺され、ベースとなった生物の本能と人間の知識を持った状態となる。錬金術の力以外では粉々になっても再生するため半不老不死。 主食は人間だが、ほかの物を食べる事も可能。章印と呼ばれるマークが弱点で、破壊される事で死亡する。
人間型ホムンクルス (にんげんがたほむんくるす)
自分の細胞をベースにして本体を作り、その本体でホムンクルスとなった存在。通常のホムンクルスは脳を寄生されると肉体を乗っ取られて精神もベースとなった生物と融合するが、人間型ホムンクルスはベースが自分のものなので精神は同化してそのままとなり、肉体だけホムンクルスとなる。本能が人間のままなため武装錬金も可能。弱点の章印は左胸にある。