海の王子

海の王子

無敵の愛機、はやぶさ号に乗って、海に陸に空にそして宇宙に、世界の平和を乱す悪の組織に敢然と立ち向う、若き兄妹の活躍を描く少年向けSFアクション。エピソードごとにさまざまな新型兵器が登場し、派手な戦闘シーンが満載のストーリーが速いテンポで展開する。「週刊少年サンデー」1959年1号から1964年21号、「別冊少年サンデー」1960年春季号から1964年夏休み号にかけて、不定期に掲載された。なお、原案者の高垣葵の名はコミックス第1巻のみの表記となっている。コミックス各巻末には各話に登場した主要な武器や兵器、戦闘機、ロボットなどの解説が記載されている。

正式名称
海の王子
ふりがな
うみのおうじ
作者
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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あらすじ

第1巻

海の王子に野望をことごとく妨害されて来た黒いおおかみは、自らが率いる海のギャング、ブラック・シャーク団を利用して、キーン司令官が指揮するアメリカの原子力潜水艦、サーチライト号を襲撃。これにより、キーン司令官と世界的科学者のチエノ博士は捕虜となった。二人は黒いおおかみから新しい潜水戦闘機製造への協力を強要され、金属を溶かすチエノ光線銃を搭載したZ2号を完成させてしまう。そして黒いおおかみは、このZ2号で海の王子と妹のチマの駆るはやぶさ号に攻撃を仕掛ける。ピンチに陥りながらも、はやぶさ号の捨て身の体当たりでZ2号を撃退した海の王子は、そのまま海底に逃げる黒いおおかみを追跡し、ついに彼を捕らえる事に成功。だがその後、故障したはやぶさ号が酸素不足に陥った事により、海の王子とチマは意識を失ってしまう。そんな彼らを救ったのは、深海のカイン王国の部隊であった。海の王子とチマは父親のカイン王との再会を喜ぶが、その時、カイン王国は魚雷による攻撃を受ける。(第1話「黒いおおかみの挑戦」)

魚雷攻撃をした敵に反撃するため、カイン王国の潜水艦隊が出撃するが、敵艦隊からの攻撃で壊滅。そこにはやぶさ号が現れ、新兵器の針ねずみ砲で敵を蹴散らす。その時、海底から海ヘビ大帝が乗った海龍戦艦が出現し、はやぶさ号に立ち向かうが、海の王子は氷結弾で敵艦を氷漬けにする。はやぶさ号がカイン王国に戻ると、王国の基地は全滅し、カイン王の姿は消えていた。その頃、東京湾に海龍戦艦が現れて船舶を撃沈する。海の王子ははやぶさ号で海龍戦艦を破壊し、海ヘビ大帝は戦艦を脱出。海の王子はカイン王救出のため、敵に海底要塞へ侵入。そして、カイン王とザイル博士を救出して要塞を脱出。数日後、国連軍が敵の反撃で苦戦しているところに、はやぶさ号が救援に駆けつけ、新型水雷で敵を蹴散らす。そこへ再び海龍戦艦が現れ、はやぶさ号との激戦の末、海龍戦艦は破壊され憎むべき海ヘビ大帝は滅び、カイン王国は再建された。(第2話「海ヘビ大帝の猛襲」)

宇宙人の赤いサソリが操縦するサソリタンクが北極に出現。その後、サソリ艦隊は南下して日本に上陸。一機がチエノ研究所を襲撃するが、海の王子がはやぶさロケットで撃退。残りのサソリタンクも一機を残して壊滅。その頃、東京はサソリ艦隊の大軍の猛攻撃を受けていた。海の王子ははやぶさ号で敵軍と空中戦を展開するが苦戦する。その時、キーン司令官のジェット機編隊が援軍に駆けつけ、海の王子は反撃に転じる。最後の一機となった大型のサソリタンクがはやぶさ号に向けて麻酔電波を発射し、はやぶさ号を機体ごと押しつぶそうとする。しかし、はやぶさ号は針ねずみ砲によって大型サソリタンクを爆破し、サソリ艦隊は宇宙の彼方へ退却する。(第3話「赤いサソリの恐怖」)

第2巻

南太平洋で、鉄の獅子があやつる巨大なライオン溶鉱炉に船舶が襲撃される。出撃した海の王子はやぶさ号は空中戦でライオン溶鉱炉を破壊。日本の海上警察はライオン島攻撃に出動するが、敵の総反撃に遭って全滅。鉄の獅子は、ロボット兵器、ゴルゴンを繰り出すが、海の王子によって破壊される。チエノ博士は、ライオン島の上空から食鉄虫を振り撒き、敵の戦艦やロボットを鉄粉にする。すると鉄の獅子はロボット艦隊を出動させて反撃を開始。米軍航空母群は強力なDZ爆弾を降らせて応戦する。しかし、ロボット艦隊はミサイル魚雷を発射して空母群に猛攻撃を行う。そこにはやぶさ号も参戦し、激しい戦闘が続く。ライオン戦艦で米軍航空母群を壊滅させた鉄の獅子は、はやぶさ号に向かって原子破壊砲を発射しようとするが、はやぶさ号が船底に突撃してライオン戦艦は大破。鉄の獅子と共に海中に消えていく。(第4話「鉄の獅子の襲来」)

恐龍出現の調査でアフリカに向かったハナさんは、途中で化石光線を発射するロボット恐龍に遭遇。海の王子もはやぶさ号で現地に飛び、国連の探検隊やスカンレーと合流し、アフリカに到着したとたん、プテラノドンの大軍に襲撃される。海の王子は氷結弾を発射してプテラノドンを氷漬けにする。しかし、恐龍の化石光線を浴びて探検隊の5名が化石となる。その後、ハナさんとスカンレーが捕虜となり、恐龍帝国の基地に連行される。海の王子は基地に潜入し、敵のロボット恐龍に襲われるが、危機一髪でハナさんとスカンレーを救出して脱出に成功。しかし、化石光線を搭載したプテラノドンの攻撃で、海の王子ははやぶさ号ごと化石になってしまい、墜落する。放射線石で化石状態から快復した海の王子は、はやぶさ号で反撃に転じて激戦の末、最強のロボット恐龍を破壊し、恐龍帝国も残党一味が自爆して壊滅する。(第5話「恐龍帝国の決戦」)

二人の脱獄囚が子供を人質にして逃走する事件が発生。脱獄囚はチエノ研究所からはやぶさ号を奪い、自動操縦によって飛び去る。鋼鉄の1000倍の硬度を持つはやぶさ号の機体は山脈を削り、次第に高度を下げながら地球を周回する。操縦法を知らない二人の脱獄囚は1個のパラシュートを奪い合って仲間割れする。パラシュートで脱獄囚一人だけが降下するが、はやぶさ号にはまだ二人が残っているため撃墜ができず、海の王子は超音速ジェット、イカルスの試作機に乗ってはやぶさ号を追跡する。しかし、はやぶさ号に追い付く寸前で試作機は空中分解を始める。海の王子は機体が爆発する寸前、危機一髪ではやぶさ号に飛び移り、事件は無事解決する。(番外編「はやぶさ号を撃墜せよ」)

富士山の麓で、アメリカの白鯨号機長のエイハブやソ連の赤熊号機長のラスプーチンなど、世界各国から選りすぐりの名パイロットが集合し、ロケット・オリンピックが開催される。日本からははやぶさ号の海の王子が参加するが、スケルトン帝国黒豹号の機長、ジャガーは海の王子を子供扱いして挑発し、ハナさんを激怒させる。競技は世界中にばらまかれた10個の電波球を、最も早く集めたロケットが優勝というルール。卑怯な黒豹号の策略にもめげず、見事すべての球を取ったはやぶさ号は、ゴールに向けてラストスパートする。しかし、そこに黒豹号が現れ、はやぶさ号に攻撃を仕掛けて来る。危機一髪のところで赤熊号の援護を受けたはやぶさ号は、ついに優勝のゴールインを果たすのだった。(番外編「ロケット・オリンピック」)

第3巻

海の王子は深海探査中に海底人の少年、アポロを救出する。アポロは数千年前に海底に沈んだアトランチスの王子で、ゴリアス率いる反乱軍に命を狙われていた。後日アポロは日本で反乱軍の一味に襲われ、再び捕らわれの身となる。海の王子ははやぶさ号で反乱軍と戦い、苦戦しながらもアポロを救出する。そして、海の王子はアトランチス奪還のためにアポロの海底要塞に向か途中、巨大ロボットの海神ポセイドンに襲われながらも危機一髪で要塞に到着。ゴリアスはアポロの海底要塞めがけて総攻撃を開始。海の王子ははやぶさ号で迎撃し、敵艦隊を全滅させる。しかし、海神ポセイドンを相手にはまったく歯が立たず、一時退却する。そして、海神ポセイドンの弱点を見抜いたチエノ博士が発明した新型ロケット弾によって、海神ポセイドンはついに消滅する。敗北を悟ったゴリアスは自決し、アトランチスに平和が訪れるのだった。(第6話「海神ポセイドンの謎」)

チエノ博士を隊長とする海の王子を含む月面探検隊は、月面で奇怪な昆虫人に襲撃される。ロケットを破壊された探検隊は、地球へ帰るすべを失ってしまう。月の裏側には昆虫人の月面基地があり、そこでは彼らが超大型昆虫ロボットのサタンを崇拝して地球征服を企んでいた。昆虫ロボットによって探検隊は危機に陥るが、海の王子の活躍で昆虫軍団は全滅。その後、地球から応援ロケット隊が月に飛来するが、突如サタンが出現し、ロケット隊が全滅させられてしまう。はやぶさ号の必死の攻撃も、サタンにはまるで通用しない。そこへ昆虫の仮面をかぶったラゾ王が現れ、探検隊に打倒昆虫人の作戦を提案する。さまざまな危機を乗り越えて、海の王子はロケット弾でサタンを爆破し、昆虫人軍団の地球侵略阻止に成功する。(第7話「怪虫サタン」)

第4巻

スター連邦に近い大砂漠に、ベガトン爆弾の設計図を手に入れて世界征服を目論むピラニア国が出現する。海の王子はスター連邦の戦車隊と共にはやぶさ号でピラニア国の戦車群と激しい戦いを繰り広げる。そして、ピラニア砂漠基地に潜入した海の王子はベガトン爆弾の設計図を奪い返すが、敵の罠にはまって捕虜となってしまう。マリン少尉の手助けで脱出した海の王子の前に、砂漠の大戦艦、シーラカンスが出現し、スター連邦軍の大部隊を壊滅に追い込む。海の王子ははやぶさ号でシーラカンスの弱点を攻撃し、見事に破壊。ピラニア国は最後の手段としてスター連邦に向けてベガトン爆弾を発射。しかし、海の王子ははやぶさ号から強力な磁力線を発して、ベガトン爆弾を宇宙空間に誘導する事に成功。敗北したピラニア総統は自決し、世界に平和が訪れる。(第8話「砂漠の戦艦シーラカンス」)

四次元世界に移動する次元転移機を発明した日輪博士が、カメレオン4Dを首領とする第四次元人に誘拐される。カメレオン4Dは次元転移機を用いて三次元世界の征服を企て、カメレオン戦闘機を出撃させる。アメリカの全空軍が迎撃するが、あえなく撃墜され、第四次元人は三次元世界へ総攻撃を開始する。海の王子は、はやぶさ号でカメレオン戦闘機を迎え撃ち、一進一退の戦闘を繰り広げる。戦闘中にカメレオン4Dは、チエノ研究所にある次元転移機の破壊を目論むが、日輪博士が次元転移機を0次元に設定し、第四次元人ら全員は一瞬で消滅する。事件は解決したが、海の王子とチエノ博士は科学が進歩する事の恐ろしさを嚙みしめるのだった。(第9話「カメレオン4D」)

サハラ砂漠に、砂漠の鷹を首領とする一味があらわれ、旋風爆弾を使って世界制覇を謀る。現地に向かった海の王子のはやぶさ号と、砂漠の鷹が繰り出すファルコン編隊との空中戦が開始される。ファルコン編隊はロケット砲を発射するが、はやぶさ号は機体の周りを磁力網で囲み、ロケット弾を自爆させる。その時、地底城では捕縛されていたハナさんが暴れ回り、旋風爆弾の起動スイッチが入り、地上では激しい砂嵐と猛烈な竜巻が起きる。はやぶさ号は竜巻に巻き込まれるが、旋風の目に入り込み、地中を進んで地底城に達する。ハナさんを救出した海の王子ははやぶさ号で地上に上昇。そして、はやぶさ号と砂漠の鷹が操縦する戦闘機との一騎討ちとなり、海の王子は敵機を見事に撃墜して勝利する。(番外編「砂漠の鷹」)

日本近海で海賊が出没し、貨物船が襲われて高価な品々が強奪され、沈められるという事件が相次ぐ。海上保安庁からの依頼を受けて海の王子とチマははやぶさ号で事件解決に乗り出す。海賊が乗っていたヨットには船底に鉄のフタをした大きな穴があり、海賊はここから脱出したと推測された。チマは海賊の首領が仕掛けたワナに気づき、海の王子はハナさんを船長に仕立てて、おとりの漁船を出航させる。策略どおり海賊ヨットが現れると、海上保安庁のフリゲート艦が接近する。海賊達はヨットの船底から海中に忍ばせた潜水艦に移動する。そこに海中に潜んでいた海の王子とチマが操縦するはやぶさ号が潜水艦に突撃する。潜水艦は水中ミサイルを発射するが、はやぶさ号も針ねずみ砲を発射して応戦。水中に閃光が走り、はやぶさ号の攻撃が一瞬早く、海賊の潜水艦は爆破され、事件は解決する。(番外編「深海魚作戦」)

第5巻

日本の湾岸都市が大洪水で水没して消失するという怪事件が相次ぐ。海の王子はやぶさ号で海中を捜索し、巨大なプロトンの海底都市を発見する。プロトンには、日本の湾岸都市を次々に強奪し、ニュー・アトランチス大陸を誕生させるという壮大な野望があった。海の王子は海底都市に潜入し、内部に時限爆弾をセットする。ところが、脱出直前に海の王子は捕縛されてしまう。時限爆弾の爆発前にプロトン軍は全員海底都市を離れ、海の王子だけが取り残される。しかし、間一髪で海の王子はチマに救出され、直後に海底都市は爆破されて消滅する。海の王子は逃走するプロトン軍団を追尾する。そして、はやぶさ号で氷結弾で魚雷を凍結させ、磁気機雷によってプロトン軍団を全滅させて勝利する。(第10話「プロトンの海底都市」)

イラブ共和国で、4000年前のスフィンクスが動き出すという怪事件が発生し、海の王子は調査に出動する。そして海の王子は事件の背景に同国の国家転覆の陰謀がからんでいる事を察知する。その後も怪現象は続き、同国の警備官達が突如狂い出す事件が起きる。犯人は精神動力(テレパシー)を使う超能力者であると推定され、海の王子は超能力者の脳波をキャッチする機械を作動させ、大ピラミッドにたどり着く。そして、ピラミッドの内部でカフテップ王の墓を発見。そのとき王の棺が開き、中から古代の王の装束をまとったイラブ共和国のアーマス大佐が現れる。古代、カフテップ王は神官に人工冬眠装置を作らせていた。4000年の長い眠りから覚めたカフテップ王は自分の国を取り戻すために軍隊に入り、機会をうかがっていたのだった。カフテップ王は海の王子を殺害しようとするが、逆に銃弾に倒れ、絶命して事件は解決する。(第11話「動くスフィンクス」)

厚い雲の中に巨大なナマズ型戦闘機が出現する。激しい雷雨の中、日本の戦闘機が出撃するが、敵の電撃光線で全滅してしまう。そこにはやぶさ号が駆けつけ、ナマズ部隊の1機に体当たりして撃墜する。日本征服を企むナマズの首領は、はやぶさ号を破壊して海の王子を倒すために130万ボルトもの強力な放電装置を開発し、首領の命令一下、電気ナマズ軍団は日本総攻撃を開始する。海の王子はやぶさ号で迎撃に出動するが、そこにナマズの首領が乗った戦闘潜水母艦が出現し、はやぶさ号に放電装置を発射。はやぶさ号は機体爆発の危機に陥る。その時、ヘリコプターに乗ったチエノ博士が現れ、敵の戦闘潜水母艦に新兵器を投下。地上100メートル以上の上空にある高電圧層の電気を流して戦闘潜水母艦を大破させ、事件は解決する。(第12話「空飛ぶナマズ」)

世界の王となる男を自称するデビルは、不敵にも西海市の原子力研究所にあるネオ・ウランを、巨大ロボットを使って強奪する事を宣言する。政府は現地の周囲に厳重な防衛線を敷く。はやぶさ号で現地に飛んだ海の王子の前に、ガスタンクに偽装していた巨大ロボットが出現する。デビルが操縦する巨大ロボットは、はやぶさ号をわしづかみにして握りつぶそうとする。はやぶさ号は放熱スクリーンを放射して破壊を免れる。巨大ロボットは原子力研究所に向かい、ネオ・ウランを強奪しようとするが、そこにはやぶさ号が飛来し、巨大ロボットに向けて全銃座の連射攻撃を加える。最期ははやぶさ号の銃座が焼け付くか、巨大ロボットの装甲が壊れるかの闘いとなり、ついに巨大ロボットは大音響と共に爆破破壊される。(第13話「巨大ロボット・デビル」)

はやぶさ号に乗った海の王子は、日本アルプス上空で最新鋭のジェット機、流星号から高速飛行の勝負を挑まれるが、流星号は敗れて空中分解し墜落する。翌日、チエノ博士らが誘拐され、海の王子は白魔ヶ岳山中のX国の秘密基地白魔ヶ岳に向かう。X国の特務機関員のシュミット大佐には、はやぶさ号を奪取して本国に持ち帰る計略があった。兄と自分がX国に利用されていた事を知ったつばくろ飛夫の弟は、チエノ博士らと共に流星2号に飛び乗って基地を脱出する。そしてつばくろ飛夫の弟は流星2号にて海の王子のはやぶさ号と空中戦で対決し、絶命する。流星2号の操縦桿はチマが握り、海の王子が操縦するはやぶさ号本機と共に2機は日本アルプスを跡にする。こうして、X国の野望は打ち砕かれたのだった。(第14話「まぼろしの流星」)

海難事故の調査に向かった海の王子は、海中から出現した巨大ロボットのハイドラに襲われるが、反撃して破壊する。ハイドラを作ったノア博士は、ノアの海底要塞で戦闘ロボットを大量生産していた。ノア博士は、再生したハイドラを出撃させ、日本の都市を破壊し始める。海の王子はハイドラを撃破するが、バラバラになったハイドラは難なく破片を結合し、再生して逃走する。海の王子は、新エンジンを搭載したはやぶさ号でノアの海底要塞に出撃する。これに対し、ノア博士は原子分解光線を発射して海と空からの攻撃隊を壊滅状態に追い込む。激しい戦闘の末、すべての銃弾を撃ち尽くした海の王子は、はやぶさ号でハイドラを体当たりで破壊したのち、地中深く突撃する。海の王子の作戦は成功し、海底火山の大爆発が起きてノアの海底要塞は壊滅。ノア博士の野望は海のもくずと消え去るのだった。(第15話「不死身のハイドラ」)

登場人物・キャラクター

海の王子 (うみのおうじ)

カイン王の息子で、カイン王国の王子。本名は不明。正義感が強く勇敢な性格で、愛機のはやぶさ号を巧みに操縦し、世界平和のために悪の組織と戦う少年戦士。戦闘中に余計な事を口走って妹のチマに注意されるなど、無邪気な一面もある。

チマ

カイン王の娘で、海の王子の妹。兄と共にはやぶさ号に乗り、敵と戦う勇敢な少女戦士。戦闘では海の王子の優秀な助手となり、たびたび兄の危機を救う活躍を見せる。敵の人質となって脅されても、決してひるまないという強気な性格。普段ははやぶさ号の練習機で操縦の訓練をしている。

カイン王 (かいんおう)

カイン王国の国王。海の王子とチマの父親であり、王国の軍隊を指揮する総司令官でもある。白髪で白髭を生やし、マントを身につけた威厳ある風貌の中年男性。地球人と共存共栄するというスタンスを貫いており、地球の平和を守るために、地上に海の王子を派遣している。

チエノ博士 (ちえのはかせ)

日本が誇る世界的な初老の科学者の男性。チエノ研究所を主宰している。天才的な発明家でもあり、たびたび新兵器を製造して海の王子の危機を救う活躍をみせる。時には海の王子と共にはやぶさ号に搭乗し、悪の組織と戦う勇敢さを持つ。

ハナさん

新聞社の事件記者を務める男性。海の王子に協力してさまざまな事件で活躍する。本名は「獅子花夫」だが、普段はあだ名の「ハナさん」と呼ばれる事が多い。特ダネを追って事件現場にたびたび顔を出すなど、好奇心が非常に強い。巨体で柔道五段の力持ちだが、すぐに腹が減る、大食いの食いしん坊。

ザイル博士 (ざいるはかせ)

カイン王国のエンジニアの中年男性。はやぶさ号を設計した優秀な科学者。くせ毛でメガネをかけている。カイン王の忠実な部下でもあり、海の王子のために、はやぶさ号に新しく発明した新兵器を搭載する卓越した技術力を持つ。

黒いおおかみ (くろいおおかみ)

ブラック・シャーク団の首領を務める男性。ブラック・シャーク団は、日本列島の近海に位置するおおかみ島を拠点とし、死海に大規模な基地を有する。軍隊以上の戦闘装備を有するZ1号とZ2号を駆使し、海洋上て数々の強奪行為を働き、海の王子と戦う。全身を黒マントと黒服で覆い、黒い覆面をして素顔を隠している。

キーン司令 (きーんしれい)

アメリカ海軍の司令官の中年男性。口ひげをたくわえた、恰幅のいい軍人。米海軍の虎の子である原子力潜水艦サーチライト号を自慢にしている。チエノ博士とは親しい間柄で、悪の組織による日本の危機の際には、たびたび援軍を派遣する好漢。

海へび大帝 (うみへびたいてい)

悪の組織の首領を務める男性。カイン王と海の王子に異常なほどの敵対心を燃やし、カイン王国を滅ぼして日本侵略を目論む。海龍戦艦や巨大ロボットR1号を駆使して海の王子のはやぶさ号と対決する。いつも鋼鉄製の仮面と鎧で身を包んでいる。

赤いサソリ (あかいさそり)

地球侵略のために遠い星から飛来して来た宇宙人軍団の首領。北極に基地を建設し、次第に南下し、無数のサソリタンクからなるサソリ艦隊を指揮して日本を総攻撃する。触覚のある昆虫のような姿形をしており、赤いマントを羽織った宇宙服を着用している。

鉄の獅子 (てつのしし)

ロボット艦隊を率いて世界征服を目論む鉄の獅子軍団の首領。巨大要塞、ライオン島からライオン戦艦を出撃させ、世界征服を目論んでいる。はやぶさ号をはじめアメリカの航空母艦とも互角以上に戦う戦力を持つ。全身を鉄の鎧で覆い、ライオンの兜を被って顔を隠している正体不明の人物。

スカンレー

イギリス人探検家の中年男性。ロンドンのおんぼろアパートに住む。アフリカで恐龍を発見し、不思議な鉱石を持ち帰る。海の王子に協力して恐龍帝国に戦いを挑む。人相が悪く、ハナさんからは不審がられるが、実際は正義感が強く、勇気がある。

恐龍王 (きょうりゅうおう)

ロボット製の恐龍軍団を率いて、世界征服を目論む恐龍帝国の首領。アフリカ大陸のトンカ火山火口を本拠地として数多くの恐龍ロボットを製造しており、人を化石にしてしまう恐ろしい化石光線を使って海の王子達と戦いを繰り広げる。仮面で顔を隠している正体不明の人物。

シラ・ベール (しらべーる)

国連調査団長を務める白人中年男性。アフリカ大陸で頻発する怪事件の調査を担当しているリーダー。アデン国際ホテルでの対策会議で本格的な捜索隊を組織する事を決議し、海の王子に協力を依頼する事となる。

ジャガー

スケルトン帝国でパイロットを務める男性。ロボット・オリンピックに参加するため来日し、愛機の黒豹号の機長として優勝を目指す。黒ずくめのレーサーコスチュームに身をまとい、はやぶさ号を露骨に敵視する。母国の総統の命令に従い、勝つためには手段を選ばないという卑劣漢。

エイハブ

アメリカの名パイロットの白人男性。ロボット・オリンピックに参加するため来日し、白鯨号の機長として優勝を目指す。スラリとした体型の紳士で、はやぶさ号とは正々堂々と競争に挑む、礼節のある好人物。アメリカの小説『白鯨』の主人公、エイハブ船長がモデル。

ラスプーチン

ソビエト連邦の名パイロットの男性。ロボット・オリンピックに参加するため来日し、赤熊号の機長として優勝を目指す。顔面がヒゲで覆われている巨漢。正義感が強く、はやぶさ号とは正々堂々と競争に挑む。旧帝政ロシアに実在した人物、グリゴリー・ラスプーチンがモデル。

福山博士 (ふくやまはかせ)

海洋学博士の中年男性。太平洋のX地点で海の王子の歴史的深海探検に同行する。チエノ博士とは親しい間柄で、海の王子がゴリアスと戦う際にもはやぶさ号に同乗して危険な戦闘に参加するなど、冒険心にあふれた勇敢な人物。

アポロ

海底王国、アトランチスの王子。海の王子と似た境遇だが、胸にエラがあり、水中でも呼吸ができるように進化した海底人の少年。海の王子の協力を得て、反乱を起こしてアトランチスを乗っ取ろうとするゴリアスと戦う勇気ある戦士。

ゴリアス

海底王国、アトランチスの軍人の男性。海軍大臣を務める。アトランチスを乗っ取ろうと反乱を起こし、アポロの暗殺を画策する。さらに、メルス艦隊を指揮して魔神ポセイドンをあやつり、アポロに味方する海の王子と対決する。醜い野望に憑かれた卑劣な人物。鉄兜で顔を隠している。

ダムソン

海底王国、アトランチスで、アポロに仕える忠実な男性兵士。持ち前の怪力でアポロの危機をたびたび救う一方で、ハナさんとはしばしば対立する。普段はギリシャ神話の人物に似た服を着用している。戦いの功績を認められ、のちに大臣となる。

大空 光一 (おおぞら こういち)

月世界探検の男性隊員。月面に到着後に行方不明となる。怪虫サタンの攻撃を受け、全滅した隊員の最後の生き残り。通信筒ロケットを使って地球にいる娘の大空洋子に手紙を送り、海の王子達による捜索隊結成のきっかけを作る。

大空 洋子 (おおぞら ようこ)

大空光一の娘。月世界探検に行ったまま行方不明となった父親のために、チエノ博士と海の王子に捜索と救出を依頼する。また、自身も捜索隊のメンバーとなり、月面に降り立つ。芯の強さを持ち、危機にも動じない勇敢な美少女。

三重尾 春男 (みえお はるお)

東京で開業医を務める中年男性。好奇心が強く、ハナさんの治療をしたのが縁で、月面探検隊のメンバーに加わる。月面ではハナさんと行動を共にし、たびたび危険な目に遭うが、見かけによらず度胸があり、死力を尽くして敵と戦う勇気を持つ。

ラゾ王 (らぞおう)

月面で昆虫人軍団一味と戦う謎の男性。昆虫型の酸素マスクをかぶり、顔と正体を隠している。月面のカッシニ火山にあるガウスのふもとの洞窟を本拠地とし、窮地に陥った捜索隊をたびたび救う活躍をみせる。

昆虫人の首領 (こんちゅうじんのしゅりょう)

昆虫人軍団の首領。地球征服を目論む昆虫型宇宙人。昆虫人の月面基地を設営し、超巨大な怪虫サタンを宗教団体の御本尊のように信仰させ、自身はまるで教祖のように振る舞う。部下の昆虫人達を意のままに操る凶悪な異星人。

マリン少尉 (まりんしょうい)

ピラニア総統に忠誠を誓う少尉。少年ながらピラニア国の砂漠艦隊の優秀な軍人。同世代の海の王子に強いライバル心を抱いており、彼との一騎討ちを望んでいる。敵方ではあるが、卑怯な行為が嫌いな真っ直ぐな性格。

ピラニア総統 (ぴらにあそうとう)

ピラニア国で絶対的権力を握る独裁者の男性。スター連邦の近くの広大な砂漠地帯に軍事独裁帝国を築き、世界征服を目論む一大野心家。強力な砂漠艦隊と巨大戦艦、シーラカンスを擁し、さらにベガトン爆弾を入手して海の王子に最終決戦を挑む。

サラダン

スター連邦の連邦警察官を務める男性。いつも黒い服に黒いソフト帽という黒ずくめのいでたちで、人相が悪く、頰にバツ印の傷があるため、ハナさんから殺し屋に間違われている。相棒のハムの兄貴分的存在。海の王子達をピラニア国のスパイと疑い、彼らの行動を常に監視する陰険な性格。

ハム

スター連邦の連邦警察官を務める男性。黒い服に黒いソフト帽という、黒ずくめの出で立ちで、つねにサラダンに従って行動する弟分的存在。ニキビ面の小太りで背が低く、気が弱い性格のため、いつもサラダンから怒鳴られている。

スネーク大佐 (すねーくたいさ)

ピラニア国の男性軍人。大佐としてピラニア総統に仕える忠実な副官でもある。右目に眼帯、頰にバツ印の傷がある。海の王子に強い敵愾心を持ち、世界征服実現のためには手段を選ばない。卑劣なやり方で海の王子を倒そうと画策する。

ドラキュラ博士 (どらきゅらはかせ)

ピラニア国の科学者の男性。ピラニア総統の信頼が最も厚く、同国一の優秀な科学者。スパイが盗んできた設計図をもとに、ベガトン爆弾を完成させ、ピラニア総統の世界征服の野望を実現しようとする悪徳科学者。

バルボ

ピラニア国の砂漠で行方不明となっていた男性。砂漠艦隊に捕縛されて捕虜となり、奴隷労働を強いられる。すきを見て脱出し、仲間と共に基地内部の地下道に潜み、レジスタンス活動を行う。海の王子達と連帯してピラニア国軍と戦う。あごひげを生やしている。

日輪博士 (ひのわはかせ)

チエノ博士の旧友の中年男性。頭髪とあごひげがつながっており、まるでヒマワリのような特異な形相をしている。世間からは「あの世を研究する変人学者」と揶揄されている。実は4次元世界の研究をした結果、次元転移機を完成させた優秀な科学者。

カメレオン4D

四次元人の男性。次元戦隊を指揮して三次元世界を征服し、二つの世界を束ねる皇帝になる事を目論んでいる。日輪博士を誘拐し、次元転移機を使って次元の壁を越え、対抗する海の王子に戦いを挑む、人類にとって最大最悪の強敵。

砂漠の鷹 (さばくのたか)

世界の王になるという野望を持つ男性。サハラ砂漠の地中に地底城を築き、ファルコン編隊を率いる。最大の武器である旋風爆弾を用いて、海の王子が操縦するはやぶさ号と激戦を繰り広げる。いつも猛禽類の仮面をかぶって正体を隠している。

海賊の首領 (かいぞくのしゅりょう)

海賊のボスを務める男性。深海魚型の潜水艦を用いて貨物船などを急襲し、積荷や金塊などを強奪している。ドクロマークの船長帽をかぶり、つねに覆面で正体を隠している。海賊行為を阻止しようと立ちはだかる海の王子のはやぶさ号と対決する。

プロトン

海底都市の総帥を務める男性。皇帝を自称している。目つきが悪く、特異な形状のフルフェイスヘルメットをかぶっている。日本の湾岸都市を地面からまるごと剝ぎ取り、パズルのようにつなぎ合わせて広大な海底都市、ニュー・アトランチス大陸を創造して世界制覇を目論んでいる。

カセル首相 (かせるしゅしょう)

イラブ共和国の首相を務める中年男性。国内で起きた奇怪な事件の解決を海の王子に依頼する。その後、内乱が起きてはやぶさ号の助けを借りる事となる。口ひげを生やし、いつもダブルのスーツを着用した清潔感のある出で立ちの紳士。

アーメス大佐 (あーめすたいさ)

イラブ共和国の軍人の男性。大佐として軍隊を指揮する立場だが、猜疑心が強く、海の王子達をスパイ扱いして何かと反発する。その正体は古代人のカフテップ王で、ピラミッドの底で人工冬眠し、4000年後の現代に甦った。超能力を用いて国を乗っ取ろうとする。

ナマズの首領 (なまずのしゅりょう)

超高圧の放電装置を武器に、ナマズ型の戦闘機を駆使して日本征服を目論む男性。ナマズのような覆面をかぶり、白く長いマントを羽織っている。海上に浮かぶ巨大なナマズ型母船から指揮を執り、はやぶさ号と熾烈な戦いを繰り広げる。

デビル

邪悪な組織の頭目の男性。悪魔のような覆面で正体を隠している。西海市に保管されているネオ・ウランを強奪し、巨大ロボットをあやつって日本の都市を襲うなど、世界を大混乱に陥れようと画策している。犯行を予告し、海の王子に決闘を申し入れる。

シュミット大佐 (しゅみっとたいさ)

表向きはX国軍隊の大佐を務める男性で、正体は特務機関員。日本アルプスのX国の秘密基地でつばくろ飛夫に流星号を製作させ、彼をパイロットに仕立ててはやぶさ号を攻撃する。目的遂行のためには手段を選ばない邪悪な性格。

つばくろ飛夫 (つばくろとびお)

「航空機エンジン製作の天才」と呼ばれたほどの優秀な技術者の男性。はやぶさ号に対して強い敵愾心を燃やし、X国の支援を受けて2機の流星号を完成させる。自らが流星号1号のパイロットとなり、海の王子のはやぶさ号と一対一で高速飛行対決をする。

つばくろ飛夫の弟 (つばくろとびおのおとうと)

つばくろ飛夫の実弟。X国の支援を受けて、尊敬する兄と共に航空機エンジンの開発に執念を燃やす。はやぶさ号に敗れた兄の仇を討つため、海の王子と対決する。エンジニアとしての誇りと自負心を持った少年。

ノア博士 (のあはかせ)

優秀ながら邪悪な科学者の男性。巨大な海底基地でロボットを量産し、巨大ロボットのハイドラを操って人類の破滅を目論む。地上に新たなロボット帝国を建設し、自身が神の代わりとなって地球の支配者となる野望を抱く。黒ずくめの服に、サングラスで顔を隠した不気味な容姿。

加葉山長官 (かばやまちょうかん)

日本のジェット機隊や海洋艦隊を統括する最高指揮官。口ひげを生やした中年男性。正体不明の怪物を苦手としており、しばしば海の王子の応援を仰ぐ。たまに独断で作戦を敢行し、失敗して海の王子に助けを求める事も多い。

ゴルゴン

鉄の獅子が製造した陸海兼用の巨大な戦闘ロボット。ゾウとタコを組み合わせたような形状をしており、数本の曲がる脚部を振り回して敵をなぎ倒す。口から熱線を放射し、ハサミが付いた2本の腕で戦車をも簡単につかみ上げて破壊する。

海神ポセイドン (かいじんぽせいどん)

アトランチスの守り神として作られた巨大ロボット。ゴリアスが率いる反乱軍に奪取され、アトランチスを攻撃する最大の強敵となる。蜃気楼の原理によって自身の姿を実際とは離れた場所に映し出して敵を撹乱し、敵がひるんだスキをついて攻撃する。

怪虫サタン (かいちゅうさたん)

昆虫型宇宙人が神として崇拝する巨大な昆虫型ロボット。地中から空中まで戦闘可能な万能兵器であり、昆虫型戦闘ロボットを収納する航空母艦でもある。攻撃を受けても自動的に修復される仕様。口から発射する光線は金属を溶解する能力を持つ。

集団・組織

ブラック・シャーク団 (ぶらっくしゃーくだん)

黒いおおかみを首領とする海のギャング団。一国の軍隊並みの軍事組織を有する悪の組織。日本列島の近海に浮かぶおおかみ島に要塞基地があり、死海の島に大工場を有する。潜水戦闘機、Z1号とその後継機、Z2号を駆使して海の王子のはやぶさ号と対決する。

場所

チエノ研究所 (ちえのけんきゅうじょ)

チエノ博士が数々の研究や発明または新兵器開発、製造、修理を行う施設。海の王子とチマが来日した際に宿泊するので、兄妹の第2の故郷ともなっている。また、敵と戦う際の作戦会議にも利用される。地下50メートルには、原爆にも耐えるドアが付いた研究室がある。

カイン王国 (かいんおうこく)

カイン王が治める、海底に建設された王国。海の王子とチマの故郷。正義を身上とする平和的な国家で、地球の平和を守るために悪の組織を壊滅させるべく、地上に海の王子を派遣している。高い科学力を持ち、潜水艦隊などの強力な軍事組織も有する。

死海基地 (しかいきち)

ブラック・シャーク団が有する広大な敷地の軍事基地。紅海から海底トンネルを抜けた死海にある。戦闘兵器を量産するための大規模工場を兼ねており、近くに古城を改造した人質の牢獄がある。黒いおおかみは誘拐したチエノ博士を脅し、工場でZ2号を製造させる。

ライオン島 (らいおんじま)

巨大な要塞を兼ねる鉄の獅子軍団の本拠地。遠景ではまるで孤島のように見える。数多くの大砲を備えており、空からの攻撃には鉄の獅子の命令一下、防弾の一斉射撃で対抗する。防弾をくぐり抜けた敵機には、機体を貫くヤリ状のサーベル弾を発射して迎撃破壊する。

恐龍帝国 (きょうりゅうていこく)

恐龍王が支配する本拠地。アフリカ大陸にあるトンカ火山の噴火口の底に設営されている。プテラノドン部隊や恐龍戦車部隊が多数格納されている秘密の軍事基地でもある。上部が活火山であるため、常に立ち上る噴煙が格好の隠れ蓑となっている。

アトランチス

大西洋の深海にある海底都市。数千年前までは大陸であったが、大規模な地震と津波で海底に沈む。しかし、大災害を予見した防水建築によって人々は生き残り、数千年ものあいだに発達と進化を遂げ、人々は水中呼吸を会得している。現在は反乱軍との内戦状態にある。

アポロの要塞 (あぽろのようさい)

海底の地峡エリアにつくられた軍事基地。反乱軍を倒すためにアポロ王子が指揮して建設。敵の侵入を防ぐため、地形を利用して地峡の狭い裂け目が入口となっている。前線基地の一帯にはコバルト爆雷が埋め込まれており、警戒を怠らぬように監視所も設けられている。

昆虫人の月面基地

昆虫型宇宙人達が月面に建設した軍事基地。地球侵略のための前線基地となっている。月面の裏側のクレーターの地下にあるため、地球からは天体望遠鏡でも発見できない。基地内部には、怪中サタンをはじめとする昆虫人達の戦闘機部隊が出撃を待って待機している。

ピラニア砂漠基地 (ぴらにあさばくきち)

ピラニア国の軍事基地。スター連邦の近くの砂漠地帯にあり、普段は人工的に起こされた砂嵐がバリアーとなって接近不能となっている。シーラカンス号など戦闘兵器の基地であると同時に、ベガトン爆弾の実験場も兼ねている。

X国の秘密基地 (えっくすこくのひみつきち)

X国が秘密裏に建設した軍事基地。日本アルプスの白魔ヶ岳のふもとにある。X国から派遣された特務機関員のシュミット大佐が指揮官。日本征服のためにつばくろ飛夫兄弟に資金援助をして、最新鋭の戦闘機を製造し、飛行実験を繰り返している。

ノアの海底要塞 (のあのかいていようさい)

ノア博士が深海に建設した巨大な軍事要塞。無数の戦闘ロボットを量産する巨大なロボット工場でもある。原子分解光線を発射して敵艦を破壊する。ノア博士がそう呼ぶ「神殿」には、戦闘ロボットを遠隔操作するハイドラの電子頭脳が置かれている。

その他キーワード

はやぶさ号 (はやぶさごう)

ザイル博士設計による海の王子の愛機。陸海空、そして地中や宇宙にも対応可能な万能戦闘機。機体は鋼鉄の数百倍もの特殊金属製で、1万度の高熱にも耐える。動力は原子炉で50年間連続飛行が可能。針ねずみ砲やうずまき魚雷、氷結弾などの最新兵器を駆使して悪に立ち向かう。

マジックスキン

はやぶさ号に搭載された画期的な秘密兵器。チエノ博士の発明により、いろいろな物に変化するプラスチックの一種でできた流動物。ピンチの際に、はやぶさ号をほかのものに変身させて敵の目くらましとする「かくれみの」的な便利なアイテム。

針ねずみ砲 (はりねずみほう)

ザイル博士によってはやぶさ号に取り付けられた最新兵器。機体全体からニョキニョキと小さめの砲身が伸びて、全方位に砲弾を発射するタイプと、両翼の前後から発射するタイプがある。海へび大帝の海龍底戦艦や恐龍王のロボット恐龍の撃退に使用された。

うずまき魚雷 (うずまきぎょらい)

はやぶさ号に備えられている最新兵器。後尾から発射され、海中に凄まじいうずまきを巻き起こして敵艦の操縦を不可能とする。あまりの衝撃により、はやぶさ号自体もうずまきに巻き込まれ、機体に水漏れを起こして分解してしまう怖れがある危険な武器。サソリ艦隊に対して用いられた。

はやぶさロケット

チエノ博士によって新開発された小型ロケット。どんな砲撃も跳ね返す特殊な放射能バリアの膜で覆われたサソリ艦隊に対抗するために製造。はやぶさ号の技術が応用されており、はやぶさ号のミニチュア型の外観。光速で進み、放射能バリアをものともせずに敵機を破壊する。

サーチライト号 (さーちらいとごう)

アメリカ海軍が誇る巨大な原子力潜水艦。キーン司令官の指揮により、日本で試験航海が実施された。すばらしい乗り心地で、まったく振動せず、潜航すると5000ノットを超えるスピードであっという間に深度2000メートルに達する。航海中に黒いおおかみから攻撃を受ける。

Z1号 (ぜっといちごう)

ブラック・シャーク団が保有し、黒いおおかみが指揮する飛行可能な初代の潜水戦闘機。アメリカ海軍のサーチライト号を海中から攻撃し、体当たりの一撃で破壊するほどの戦闘能力を持つ。敵艦を追尾して爆破する誘導機雷が装備されている。

Z2号 (ぜっとにごう)

死海基地の工場で製造された潜水戦闘機。はやぶさ号によって破壊されたZ1号の後継機として、黒いおおかみに脅迫されたチエノ博士の協力を得て製造。前世紀の怪物のような外観。チエノ博士の発明による、鋼鉄を溶かすチエノ光線銃が装備されている。

海龍戦艦 (しーどらごん)

海へび大帝が乗る潜水軍艦。へびのように艦体をくねらせ、標的に巻き付いて破壊する能力があり、魚雷を回避する防弾膜を備えている。海中海上だけでなく、飛行して空中戦も可能な万能型軍艦。機体を破壊されても後部の尻尾部分を切り離しての脱出が可能。

R1号 (あーるわんごう)

海へび大帝が製造した巨大な戦闘ロボット。カニのような形状をしており、2対の腕に装備された左右4本の巨大なハサミが最大の武器で、ハサミで敵機を機体ごともぎとるという攻撃をみせる。水陸両用で、背中にジェット噴射ロケットが装着されている。

サソリタンク

空陸対応のサソリ型ロボット戦闘機。赤いサソリが操り、1機の大型機を先頭にして、無数の小型機と編隊を組んで標的を攻撃する。機体にはサソリのような1対のハサミと4対の脚が付いており、このハサミで敵機を捕捉して破壊する。

くもの巣弾 (くものすだん)

サソリタンクに備えられた兵器。赤いサソリの命令により、サソリタンクの口部分から発射された弾丸が、後尾から出す数十本の糸で敵機の周りぐるぐる巻きにして身動きを取れなくする。地球人にはとても発想できない、宇宙人ならではの特殊な兵器でもある。

食鉄虫 (しょくてつちゅう)

不思議な黒い粉。チエノ博士が、鉄の獅子軍団に対する攻撃用新兵器として開発。鉄を食べる細菌で、どんな鋼鉄でもまたたく間に鉄粉にしてしまう。はやぶさ号に似せた自動操縦の複数の戦闘機から散布される強力な生物兵器。

ライオン溶鉱炉 (らいおんようこうろ)

鉄の獅子軍団のシンボル的な兵器。巨大なライオンの頭部の形をした、戦闘機を兼ねた空飛ぶ溶鉱炉。1万度もの高温に耐える構造となっており、内部に入ったはやぶさ号の機体でさえ溶解し始めるという高熱を発する炉心を有する。

ライオン戦艦 (らいおんせんかん)

鉄の獅子軍団が総力を傾注して建造した最強の巨大戦艦。はやぶさ号よりも堅い外装で覆われ、アメリカ軍の航空母艦でさえ体当たりの一撃で破壊するほどの攻撃能力を有する。原子破壊砲が装備されており、はやぶさ号との最終決戦に挑む。

ロボット艦隊 (ろぼっとかんたい)

海中と海上で敵を攻撃する鉄の獅子軍団のロボット戦艦部隊。通常は潜水戦艦仕様だが、伸縮する両翼を伸ばして飛び上がり、戦闘機として空中戦も可能という万能戦艦。編隊を組み、ミサイル魚雷やサーベル弾を発射して敵の戦艦や戦闘機を攻撃する。

ミサイル魚雷 (みさいるぎょらい)

鉄の獅子軍団のロボット艦隊に備わっている新型魚雷。水深1万メートルの深海から発射され、上空を飛行する戦闘機を撃墜するという超強力な飛行をする魚雷。主翼と尾翼が付いた小型ロケットの形状をしており、一撃で戦闘機を破壊できる破壊力を有する。

サーベル弾 (さーべるだん)

鉄の獅子軍団のロボット艦隊に備えられた爆弾。弓矢のような形状をしており、敵機の装甲を貫いて撃墜するという超強力な新型兵器。はやぶさ号に対して発射されるが、事前に二重装甲加工を施されていたはやぶさ号には無力化されてしまう。

ロボット恐龍 (ろぼっときょうりゅう)

恐龍王によって製造された恐竜型のロボット。大群となって人類を攻撃する。古生代に生息していた肉食龍、草食龍、双翼龍などあらゆる種類の恐龍のタイプがそろっており、最強のプテラノドンタイプは腕から砲弾を発射し、頭部から化石光線を発射する。

化石光線

恐龍王によって製造されたロボット恐龍が発射する最大最強の兵器。頭部から発射するまばゆいばかりの光線で、命中したものは人でも物でもすべて化石にしてしまうという恐ろしい武器。ただし、トンカ火山のふもとにある放射線石で無力化する事ができる。

ゴムロボット

ゴリアス率いる反乱軍が、アポロの要塞に潜入させた変身ロボット。伸縮変形自在なゴム状のロボットで、どのような姿にも変身できる特性がある。変身すると本物と瓜二つとなるので、相手には正体がバレないという便利なアイテム。

透明鉱 (とうめいこう)

月面のカッシニ火山ふもとの洞窟にある特殊な鉱物。ごく低い温度で溶解し、塗られた物を透明化するという不思議な作用がある。その透明効果は2、3時間持続する。海の王子ら月面探検隊は、自身の身体に塗って透明人間となり、昆虫人軍団との戦闘に利用する。

シーラカンス

ピラニア国が有する空陸両用の戦闘兵器。全長150メートルという巨大な戦艦で、普段は人工砂嵐をカバーとして秘匿されている。敵の攻撃を無力化するエネルギー0装置で艦体が保護されており、空中からマグナ磁力線を発射し、地上の戦車を引き上げて破壊する。

ベガトン爆弾 (べがとんばくだん)

スター連邦が開発した超強力な爆弾。原爆の5万倍という威力があり、入手すれば世界を征服する事ができるといわれるほどの兵器となる。設計図がピラニア国のスパイによって盗み出され、実験も成功させてしまった事で、人類滅亡の危機に陥る。

次元転移機 (じげんてんいき)

日輪博士が発明し製造した、三次元と四次元との往来を可能にした機械。カメレオン4Dが率いる四次元人に奪われ、四次元人による三次元世界征服のための道具として利用される。設計図をもとにチエノ博士が、多数の人間が利用できるより巨大な機械を完成させる。

カメレオン戦闘機 (かめれおんせんとうき)

カメレオン4Dが指揮するカメレオン部隊の先頭を切って出撃する戦闘機部隊。無数の編隊を組んで四次元から出撃し、三次元の世界を攻撃する。カメレオンのような形状をしており、敵の銃弾も歯が立たず、建物をすり抜ける能力がある。

旋風爆弾 (せんぷうばくだん)

砂漠の鷹が用いる強力な戦闘兵器。砂漠で強烈な砂嵐と竜巻を人工的に起こし、敵の戦車や戦闘機を破壊する。周辺に甚大な被害をもたらすが、一般には自然災害が起きたように勘違いさせるという効果がある。

流星号 (りゅうせいごう)

つばくろ飛夫博士の製作による高性能な戦闘機。1号機はつばくろ飛夫自身が操縦し、2号機はつばくろ飛夫の弟が操縦してはやぶさ号と対決する。普段はカプローニ型旧式爆撃機にカムフラージュされている。あまりにも高速で飛行するため「まぼろしの流星」と呼ばれている。

ハイドラ

ノア博士が製造した、水陸空どこでも動ける最強の万能型巨大ロボット。破壊されバラバラにされても部品が自動でくっつき、元通りになるという不死身の身体を持つ。ノアの海底要塞の奥深くに設置された大型の電子頭脳が本体で、ロボットはその分身的存在。

雪ロボット (ゆきろぼっと)

ノア博士が製造した、世界征服を実現するためのロボット。全世界に銀色の雪のように見える金属の粉を降らせ、それらが次第にくっつき固まって雪だるま状のロボットに成長。雪だるまとなったロボットが人類を襲う作戦において用いられる。

爆弾ロボット (ばくだんろぼっと)

ノア博士が製造した、世界征服を実現するためのロボット。両手両足があり、普通のロボットのように歩行が可能。ノア博士の命令によってどこにでも飛んでいって爆発する、命中率100%を誇る戦略的爆弾。

クレジット

原案

高垣 葵

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