海咲ライラック

海咲ライラック

険持ちよの代表作の一つ。主人公は中学3年生の葉月海と、民宿を経営している井上風太。とある田舎の小島にある民宿「ライラック」を舞台に、15歳差の二人の恋模様を描いた歳の差ラブコメディ。優しいけど頼りない風太と、彼に思いを寄せている純朴な海の心の触れ合いが見どころとなっている。竹書房「まんがライフMOMO」2015年12月号から2018年11月号にかけて掲載の作品。

正式名称
海咲ライラック
ふりがな
うみさきらいらっく
作者
ジャンル
ラブコメ
 
経営
レーベル
バンブーコミックス(竹書房)
巻数
全4巻完結
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都会からやって来た「おじさん」

本作は、葉月海の住む小島に井上風太がやって来たところから物語が始まる。冴えない三十路男ながら無邪気で明るい性格の風太は、島の住人たちからすぐに受け入れられ、海景が大好きな風太もこの島を気に入る。そして、都会で暮らしている頃のしがらみがなくなり、何げない日常の中で喜びを感じるようになった風太は、当初は力を入れていなかった民宿の経営にもまじめに取り組むようになる。そんな中、15歳も年下の海から告白を受け、大いに戸惑っている。

純朴女子中学生が冴えない三十路男に恋をする

離島に暮らす女子中学生の海は都会からやって来た風太を、当初は仕事もせずにだらしない大人だと思っていた。だが、風太の人柄のよさに癒されて居心地のよさを感じ、やがて彼に思いを寄せるようになる。自分の気持ちを自覚した海は、思春期特有の思い込みから、すぐに風太に告白する。しかし、15歳も年上の風太は年齢差を気にして思いとどまるように説得する。それでも風太への気持ちを抑えることのできない海は、町の住人や民宿「ライラック」を訪れる客の後押しを受け、この恋を成就させるべく奔走する。

都会から離れた小島にある民宿「ライラック」

風太は島で民宿「やどや」を経営しているが、元来のやる気のなさからいつも閑古鳥が鳴いている状態だった。しかし、やどやを手伝うようになった海の活躍によって次第に知名度が上がり、風太の同僚だった香織や都会の恋愛に疲れた美咲がリフレッシュのために民宿にやって来た。一方の海や風太も、民宿を経営する中で精神的に成長していき、二人の距離も縮まっていく。また、風太は民宿の名前を「やどや」から「ライラック」に改めるが、これは海が咄嗟に口走った言葉を風太が採用したもの。海にとってライラックは、今は亡き母親との思い出を象徴する大切な花で、この名前が採用されたことで、さらに風太や民宿への思い入れを深めていく。

登場人物・キャラクター

葉月 海 (はづき うみ)

とある田舎の中学に通っている3年生の女子。年齢は15歳。掃除や洗濯、料理など家事一般が得意なしっかり者。明るく面倒見がいいため、島の住民からも人気を集めている。生真面目な性格で、井上風太の「海が好き」という言葉を「葉月海が好き」とカンちがいして赤面するなど、ウブな一面を持つ。15歳も年上ながらデリカシーがなく、頼りないことから、風太に対する第一印象は最悪だった。しかし、彼が時折見せる優しさに絆され、やがて思いを寄せるようになる。それからは風太の気を引くための行動を繰り返し、その一環として彼が経営する民宿の手伝いを買って出ている。

井上 風太 (いのうえ ふうた)

都会から島に引っ越してきた男性。年齢は30歳。島の住人たちからは「おじさん」と呼ばれている。明るく穏やかな性格で、島の住人たちからもすぐに受け入れられるなど、独特な雰囲気を漂わせた不思議な魅力を持つ。しかし、呑気でズボラすぎることから、島で始めた民宿の経営もうまくいっていなかったが、しっかり者の葉月海の手助けを受け、経営も軌道に乗り始める。都会に住んでいた頃は上昇志向が強く、勉強や仕事ばかりする人生を送ってきたが、そんな人生に疲れ果て、都会から田舎の小島にやって来た。15歳年下の海から思いを寄せられており、彼女に告白されるものの、彼女の幸せを思って二度にわたって突き放した。それでもアタックを繰り返してくる海と、どう接したらいいか思い悩むようになる。

書誌情報

海咲ライラック 全4巻 竹書房〈バンブーコミックス〉

第1巻

(2016-08-17発行、 978-4801956155)

第4巻

(2018-12-15発行、 978-4801965058)

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