概要・あらすじ
部活動でチームメイトにけがをさせてしまい、居場所をなくしてしまった安海琉花は、汐留の海で不思議な少年・海に出会う。父の勤める江ノ倉水族館で、海との再会を果たした琉花は、夏休みを海と、海の双子の兄、空と共に過ごすこととなる。海と空はジュゴンに育てられていたと思われ、海中に体が適応しており、長時間陸上に居られないという不思議な体質の持ち主だった。
琉花はふたりとともにいることで、不思議な体験をする。また、時を同じくして、巨大隕石の落下、各地の水族館で魚がこつ然と消える等の事件も発生していた。その原因、そしてふたりの正体を確かめるべく、琉花は双子を研究していたアングラードや海と共にヨットで大海原に漕ぎ出す。
登場人物・キャラクター
安海 琉花 (あずみ るか)
女子中学生。コミュニケーションがあまり上手くなく、口より先に手が出てしまう性格。ハンドボール部に所属していたが、琉花の悪口を言ったチームメイトにけがをさせてしまい、部活に出る事を禁止されてしまった。母との折り合いも悪く、行き場をなくし、東京の海を見に来たところ汐留で海と出会う。 その後、父・安海正明の務める江ノ倉で海と再会。海と空から「同じ匂いがする」と思われており、行動を共にすることを許される。水中視力が高い。
海 (うみ)
10年前、フィリピンの沖合でジュゴンと共にいるところを発見、保護された少年。空とともにジュゴンに育てられたと考えられている。海中で育ったためか、乾燥に弱く、長時間陸上にいると、陸に揚げたイルカのように火傷を負ったような状態になってしまう。空の双子の弟ということになっているが、血のつながりはなく、アジア系の血を引くと思われる。 現在はジム・キューザックが保護者となっている。汐留で安海琉花と出会い、江ノ倉水族館で再開した。
空 (そら)
10年前、フィリピンの沖合でジュゴンと共にいるところを発見、保護された少年。海とともにジュゴンに育てられたと考えられている。空の双子の弟ということになっているが、血のつながりはなく、アジア系の血を引くと思われる。現在はジム・キューザックが保護者となっている。 海中で育ったためか、乾燥に弱く、長時間陸上にいると、陸に揚げたイルカのように火傷を負ったような状態になってしまう。特に空はその症状がひどく、陸上に適応できていない。幼い頃、ジム・キューザックに自分たちが何者か調べてほしいと依頼をし、以降、行動を共にしている。
ジム・キューザック
海洋科学者の男性。海、および空の保護者。上半身に滞在した土地の伝統的なタトゥーを入れている。空から自分たちが何者か調べてほしいと持ちかけられ、以降、空と海の研究を行っている。安海琉花の父が務める江ノ倉水族館に仕事に来たことから、琉花と知り合う。
アングラード
海洋科学者の男性。整った容姿をしており、髪を長くのばしている。ジム・キューザックとともに海や空に関する研究をしていたが、袂を分かち、現在は財団の資金提供を受け活動をしている。6歳までは話が出来なかったが、言葉を覚えて以降は天才的な能力の伸びをみせ、幼くしてケンブリッジ大学から声がかかるほどとなる。
安海 正明 (あづみ まさあき)
安海琉花の父。江ノ倉水族館に務めている。妻の安海可奈子とは別居中で、話し合いを面倒に感じており、逃げがち。部活で問題を起こし、居場所のなくなった琉花に江ノ倉に来て海と過ごすよう命じる。また、ジム・キューザックの研究の手伝いもしている。
安海 可奈子 (あづみ かなこ)
安海琉花の母。元は夫である安海正明と同じく江ノ倉水族館に務めていた。夫とは別居中。娘である琉花の考えている事がわからず、今ひとつ折り合いが良くない。九浦の大海女の家系に産まれており、跡を継ぐはずだったが、実家との折り合いが悪く、縁を切っている。昼間からビールを飲んでいることが多い。
ジャン・ルイ
ジム・キューザックの共同研究者。初老の男性。アングラードとも旧知の仲と思われる。海や空の過去や、ジムがふたりの研究を始めた理由等を知る人物。
オリガ
医師にして呪術師、占い師にして航海士の老婆。ゴンドワナ大陸に関して調査している。ジム・キューザックとは既知の仲で、伝統的航海術の師である。パートナーのグレゴリー博士は数学者。
書誌情報
海獣の子供 5巻 小学館〈IKKI COMIX〉
第1巻
(2007-07-30発行、 978-4091883681)
第2巻
(2007-07-30発行、 978-4091883698)
第3巻
(2008-07-30発行、 978-4091884220)
第4巻
(2009-07-30発行、 978-4091884701)
第5巻
(2012-07-30発行、 978-4091885906)