清水玲子の今昔物語

清水玲子の今昔物語

清水玲子の初期の短編。平安時代の若様がタイムスリップ。現代日本の若者文化を体験し、平安の世に戻ってからも同じ文化を再現しようと奮闘する、どたばたコメデ。しかし、ラストは平安時代ゆえに想う相手と自由に結ばれないという、切ない展開になる。主人公の早太郎は、清水玲子のデビュー作・『フォクシー・フォックス』で主役だったキャラクター。また、清水玲子の初期の代表作・『ジャック&エレナ』シリーズなどで常連のキャラクター・天竜も、侍従として登場している。1982年(昭和57年)9月号の『LaLa』誌上に掲載された。

正式名称
清水玲子の今昔物語
ふりがな
しみずれいこのこんじゃくものがたり
作者
ジャンル
タイムトラベル
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概要・あらすじ

平安時代の日本。帝の第一皇子である早太郎は、蹴鞠の最中に鞠で頭を打って倒れ、現代日本にタイムスリップする。時代は1980年代。テレビでは松田聖子の歌声が流れ、人々はソウルオリンピックを待ちわび、ディスコには若い男女がたむろして自由な青春を謳歌していた。強く衝撃を受けた早太郎は、平安の世に戻ってからも自由な青春を送ろうとあがくが、周囲からは奇異の目で見られるばかり。

そんなとき、以前から好意を寄せていた少女が、側室として他の男のもとに嫁ぐという話を聞き、直接、愛を打ち明けに行く。

登場人物・キャラクター

早太郎 (はやたろう)

平安時代の帝の第一皇子。タイムスリップして、未来の若者たちの自由な生き方を見て、うらやましく思っている。ストレートの髪にパーマをかけてクリクリにしたり、蹴鞠をやめてサッカーを始めたりして、周囲からは頭がおかしくなったと思われている。

天竜 (てんりゅう)

早太郎の侍従。黒髪の美形。早太郎の奇行の連続にショックを受け、熱を出して寝込む。

川上の娘 (かわかみのむすめ)

平安時代の早太郎が想いを寄せる女の子。時折、早太郎の屋敷に薬草を届けにくるが、正式な名前もわからない。早太郎のことが好きだが、庶民の身分なので、はじめから諦めている。近いうちに別の貴人の側室になることが決まっている。

春乃 (はるの)

早太郎がタイムスリップした現代で出会う女の子。川上の娘と同じ顔をしているが、ショートカットで活発。しかし、付き合っていた次郎に二股をかけられていた事がわかり、泣き出して「死にたい」とつぶやき、早太郎を驚かせる。

次郎 (じろう)

早太郎がタイムスリップした現代日本の男の子。春乃とずっと付き合っていたが、仕事仲間の女性にも手を出していた事がばれて、春乃に殴られる。

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