火線上のハテルマ

火線上のハテルマ

「バンビ~ノ!」シリーズで知られる、せきやてつじの連載作品。ロサンゼルス他、現代の世界各地が舞台。失態を犯してロサンゼルスにやってきた元警察官の梶恭司が主人公。エルサルバドルのギャングのトラブルに巻き込まれた梶は、謎の日本人青年、波照間猛に助けられる。波照間との出会いをきっかけに、最強のボディガードチーム「エンパイア・スクワッド」に入隊した梶の成長を描いたハードボイルド・アクション漫画。小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」2013年36・37合併号から2016年9号まで連載。

正式名称
火線上のハテルマ
ふりがな
かせんじょうのはてるま
作者
ジャンル
アクション
 
裏社会・アングラ
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
全8巻完結
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吉祥寺通り魔事件

本作の主人公は、梶という23歳の青年。警察官だった梶は、吉祥寺で包丁を持った通り魔に遭遇するが、恐怖から何もできずに腹部を刺される。その後犯人は次々と人を刺し、八人が死亡19人が重体という大惨事となった。この「吉祥寺通り魔事件」で世間は梶を叩き、梶もまた被害者を守れなかったことを後悔していた。退院後、警察を辞職した梶は、警察庁のキャリアである父と兄に促され、ロサンゼルスで日本食店を営む叔父の世話になることに。こうして厄介払いのような形でロスにやってきた梶は、未だに人を救えなかった悔恨に苛まれながら暮らしていた。

エンパイア・スクワッドとは

生きる意味を見失っていた梶は、スラムで偶然出会った謎の日本人男性、波照間により、最強のボディガードチーム「エンパイア・スクワッド」の存在を知る。「自分も誰かを守れるようになりたい」という梶は、エンパイア・スクワッドへの入隊を希望し、波照間のアシスタントという立場での参加を許された。エンパイア・スクワッドのボスは、巨大グループ企業の創業者の孫娘で、人権運動家のスーパー女子高生、アンジー。彼女を頂点に、テコンドーの達人のメキシコ人、システマの遣い手のロシア人、銃職人でスナイパーのイタリア人など、多様で凄腕の六人の男女から構成されている。

世界各地で展開されるミッション

「いつでもどこでも、人種国籍を問わず、誰でも守る」というのがエンパイア・スクワッドのモットーであり、その言葉通りチームの活動は世界各地に及ぶ。ロスではエルサルバドルのギャングと戦い、パリでは、裏社会の人身売買を追う女性ジャーナリストの警護の任務についた。また、中東のシリアではハーグの化学兵器禁止機関の依頼を受け、毒ガス攻撃の生存者のシリア国外脱出を遂行する。アメリカで増え続ける不法移民問題をはじめ、欧州の人身売買市場を牛耳るアルバニア・マフィア、シリア内戦における化学兵器の使用といった、国際的な社会問題を題材にしている点が、本作の大きな特徴である。

登場人物・キャラクター

梶 恭司 (かじ きょうじ)

23歳の青年。父と兄は警察庁のキャリア。警察官になるが、吉祥寺の通り魔事件で無差別殺人を止められずに辞職。その後、父の計らいでロサンゼルスに住む叔父を訪ねる。自分のせいで多くの命が失われたことを悔やんでおり、強くなりたいという思いから、ボディガードチーム「エンパイア・スクワッド」に参加。チームのスニーキング(隠密行動)担当の波照間に鍛えられ、成長していく。

波照間 猛 (はてるま たける)

梶がロサンゼルスのスラムで出会った謎の日本人青年。「エンパイア・スクワッド」というボディガードチームのメンバーで、スニーキング(隠密行動)を担当している。高い戦闘能力と運動能力で、チームの仲間からも一目置かれる存在。梶の並外れたエンパシー(共感)能力を認めており、梶のハンドラー(調教師)を買って出る。

書誌情報

火線上のハテルマ 全8巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2013-12-27発行、978-4091857040)

第8巻

(2016-02-29発行、978-4091874726)

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