煉獄デッドロール

煉獄デッドロール

吉村英明の代表作の一つ。原作は『賭ケグルイ』で知られる河村ほむらが手掛けている。舞台は、自殺者たちが囚われる死後の世界「煉獄」。巻き添えで落下死した男子高校生の境裕明が、デスゲームが行われる煉獄で、不思議な少女、鏡宮鑑とバディを組み、自らの命を駒のように扱いながら、煉獄の謎と秘密に挑む姿を描いたデスゲームサスペンス。KADOKAWA「月刊ドラゴンエイジ」2015年12月号から2017年10月号にかけて連載の作品。

正式名称
煉獄デッドロール
ふりがな
れんごくでっどろーる
原作者
河本 ほむら
作画
ジャンル
デスゲーム
レーベル
ドラゴンコミックスエイジ(KADOKAWA)
巻数
全6巻完結
関連商品
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自殺者が囚われる世界「煉獄」

ある日、裕明は女子生徒の自殺を阻止しようとするが、結果的に共に命を落としてしまう。目を覚ますと、そこは自殺者たちが永遠にデスゲームを強いられる死後の世界「煉獄」だった。煉獄では無数のデスゲームが行われており、参加者は週に一度、いずれかのゲームに参加することが義務付けられている。月曜日から金曜日までは好きな日時を選ぶことができるが、参加登録を怠ると、最も過酷とされる「土曜日のゲーム」に強制的に送られてしまう。この理不尽な世界には、一つの希望が示されていた。それは、累計で666人を殺すことで、どんな願いも一つだけ叶うというもの。デスゲームでは、参加者が全員死亡しない限り、何度でも蘇ることができる。終わりのない絶望の中で、裕明たち自殺者はそれぞれの願いを叶えるため、果てしない殺し合いに身を投じていく。

煉獄に君臨する謎の宗教団体

煉獄の中で、ひときわ異彩を放つ集団が存在する。それは、集団自殺によってこの世界にやってきた宗教団体「女神の恩寵」で、死後の世界「煉獄」においても信者を増やし、勢力を拡大し続けている。その求心力の源は、教主の輪廻が引き起こしたとされる「奇跡」である。彼は、誰もが逃れられないはずのデスゲームに、1年以上も参加せずに存在し続けているという。しかし、裕明はその奇跡に疑念を抱き、信者たちが盲目的に信じるその裏に隠されたトリックを暴くため、バディの鏡宮鑑と共に奔走する。

神の執着とデスゲームの謎

各デスゲームは、「ディーラー」と呼ばれる、仮面をかぶった者たちによって管理・運営されている。彼らは、煉獄を支配する謎の「神」から与えられたルールに基づいてゲームを進行させている。神は、髑髏(どくろ)にベルトを巻き付けたような不気味な仮面で顔を覆っており、その下はのっぺらぼうだとされている。絶対的な支配者であるはずの神が、なぜか裕明にだけ異常な執着を見せる。この神は一体何者で、なぜ裕明に固執するのかが、物語全体の最大の謎となっている。

登場人物・キャラクター

境 裕明 (さかい ひろあき)

とある高校に通う男子。高校生ながら司法試験に合格するほどの天才で、勉強や人間関係も順調そのもの。完璧な日常を送っていたが、心の奥底ではその退屈さに飽き飽きしていた。ある日、女子生徒の飛び降り自殺を止めようとした結果、共に落下し命を落としてしまう。目を覚ますと、自殺者たちが囚われる「煉獄」にいた。裕明の信条は「つねに勝つこと」。自らの思惑や計算が外れることを「負け」と捉えており、一度でも敗北を味わうと、その屈辱は運営や敵対者に対する剥き出しの反骨精神へと変わる。さらに、勝利のためには自らの死さえも厭(いと)わない。煉獄で出会った鑑とバディを組み、理不尽なデスゲームから生き残るために全力を尽くす。

鏡宮 鑑 (かがみや かがみ)

裕明が煉獄で出会った少女。長い金髪を縦巻きロールにしたツインテールが特徴。紅茶を淹れるのが得意で、料理の腕前も優れている。裕明に煉獄のルールを教えた人物でもあるが、過去には一度彼を騙して殺害した経験を持つ。その出来事以来、裕明は鑑に復讐心を抱きつつも、二人はバディを組んでデスゲームに挑むことになる。生き残るために全力で協力し合う関係でありながら、鑑は裕明に対して挑発的な態度を崩さず、その真意は謎に包まれたミステリアスな一面を見せる。

クレジット

書誌情報

煉獄デッドロール 全6巻 KADOKAWA〈ドラゴンコミックスエイジ〉

第1巻

(2016-06-09発行、978-4040708614)

第2巻

(2016-07-09発行、978-4040709567)

第3巻

(2017-02-22発行、978-4040721125)

第4巻

(2017-04-08発行、978-4040722443)

第5巻

(2017-08-08発行、978-4040723884)

第6巻

(2017-12-09発行、978-4040725321)

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