概要・あらすじ
北海道で会社員として働く桜庭陽真は、幼なじみの犬飼秀司にコンプレックスを抱いていた。容姿端麗で勉強もスポーツもできる秀司と比べられ続けた陽真は、小学校から高校までずっと秀司の陰で生きてきたのだ。それは秀司と会わなくなった今も変わらず、陽真の心に暗い影を落としていた。そんなある日、陽真は同級生の犬飼麗香と久しぶりに再会する。麗香は高校時代の同級生であり、陽真の憧れであった。しかし彼女は高校時代から秀司と付き合い始め、今は結婚して二人で東京にいるはずである。「秀司も北海道に戻っているのか」と陽真が聞くと、麗香は突然表情を失った。「秀司は来ていない」と答えた彼女は、体調が悪くなったとその場を去ろうとする。その様子に、放っておけない雰囲気を感じた陽真は、麗香を引き止めて自分のマンションに泊めた。その夜、寂しげな目をしながら今にも崩れそうな麗香を、陽真はそっと抱きしめる。「彼女のため、秀司に早く迎えに来てほしい」と考える陽真。しかし、秀司は少し前に亡くなっていた。陽真の記憶からは、秀司が死んだ事実だけがすっぽりと抜け落ちていたのだ。
実写ドラマ
登場人物・キャラクター
桜庭 陽真 (さくらば はるま)
20代半ばの冴えない会社員で、メガネが特徴の男性。北海道在住。隣家に住んでいた犬飼秀司とは、小学校から高校まで一緒だった幼なじみ。勉強、スポーツ、容姿などあらゆる点で自分より上の存在である秀司に、コンプレックスを抱く。高校の同級生である鷲見麗香に憧れ続けるが、彼女は秀司と付き合い始め、大学卒業後に結婚する。その後、秀司は事故死しており、陽真もそのことを知っているはずだが、秀司の死だけが記憶から抜け落ちている。そのため、麗香が一人で地元の北海道に戻ったことを心配し、彼女のために転職、引っ越しを決意。麗香と同居して彼女を支える。
犬飼 麗香 (いぬかい れいか)
桜庭陽真の高校時代の同級生で誰もが認める美女。北海道出身。高校時代から犬飼秀司と付き合い始め、二人で東京の大学に進学。その後結婚する。旧姓は「鷲見」。秀司が事故死したあと、北海道に戻り、桜庭陽真と再会する。陽真の記憶から「秀司の死」が抜け落ちてしまっているため、秀司とは離婚したと説明している。お腹に赤ちゃんがいるが、秀司の子供ではないらしい。陽真の好意に頼り、彼と同居することになる。
犬飼 秀司 (いぬかい しゅうじ)
桜庭陽真の幼なじみの男性。陽真とは、小学校から高校まで一緒だった。容姿、成績、スポーツ、人望など、どれをとってもトップクラスのイケメンだが浮気性。高校時代から鷲見麗香と付き合い始め、二人で東京の大学に進学。大学は主席で卒業し、倍率100倍超えの大手企業に就職。その後麗香と結婚する。ある夜、酔って転倒して亡くなったとされるが詳細は不明。
白兎 未夢 (しらと みむ)
犬飼秀司、鷲見麗香の高校時代の後輩。糸魚川海とは幼なじみで、ツインテールが特徴の女性。高校時代、秀司と麗香を理想のカップルとして尊敬していた。麗香に対しては今でも好意を寄せているため、麗香の同居人、桜庭陽真に手厳しい。
糸魚川 海 (いといがわ かい)
犬飼秀司、鷲見麗香の高校時代の後輩。関西弁が特徴の男性。白兎未夢とは幼なじみで、親が転勤で引っ越してきてからいつも一緒にいる。
鴨下 善子 (かもした よしこ)
桜庭陽真が転職した先のOL。ボブヘアが特徴。有名大学を卒業しており、仕事もできる。そのために周囲の女性からいじめに遭い、孤独な生活を送っていた。そんな時、犬飼秀司と出会い、不倫相手となる。秀司の死後も彼に執着し、犬飼麗香のおなかの子供を奪おうと考える。
書誌情報
犬と屑 5巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2021-10-06発行、 978-4065249895)
第2巻
(2022-01-06発行、 978-4065264805)
第3巻
(2022-04-06発行、 978-4065276341)
第4巻
(2022-07-06発行、 978-4065284094)
第5巻
(2022-08-05発行、 978-4065288092)