独裁者グラナダ

独裁者グラナダ

才能豊かですべてを持ち合わせた若者と、かつて自分も創作の道を目指しながらも挫折した人間。彼らの対比、そして確執を描いたヒューマンドラマ。

正式名称
独裁者グラナダ
ふりがな
どくさいしゃぐらなだ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

20代の鳴瀬邦彦が制作したクレイアニメ映画の「独裁者グラナダ」を見た編集者の中田和樹は、ドロドロに殺し合う内容にもかかわらず、なぜか美しいという感想を抱く。その帰り道、自分の作品を酷評した評論家に暴力を振るい、脅迫まがいの台詞を吐く鳴瀬の姿を目撃した中田は、そんな鳴瀬に恐怖心を覚えるのだった。のちに発行誌で鳴瀬の取材を任されるも、鳴瀬が評価をする人間に対しては容赦がないことを知っている中田は、あまり乗り気がしない。

だが、身構えた状態で取材に赴いた中田を迎えたのは、暴力を振るっていた姿からは想像もできない愛想のいい好青年であった。

登場人物・キャラクター

鳴瀬 邦彦 (なるせ くにひこ)

クレイアニメーション「独裁者グラナダ」で、制作者兼監督をこなす若手有望株。笑顔で取材に応じる好青年だが、自分の作品が酷評されることを異常に嫌っており、掲載された雑誌にひとつでも自分に不利益な言葉があれば、そのライターに殴る蹴るの暴力を振るい脅迫とも取れる暴言を吐く。学生時代は空手をやっており、その時に篠崎愛と出会っている。 中田和樹が驚くほどの豪邸に住んでいるが、その家は新宿や六本木、青山の高級マンションを設計した建築家の父親の所有物である。

篠崎 愛 (しのざき あい)

鳴瀬邦彦のマネージャーを務めながら、彼が制作するクレイアニメのアシスタントとしてミニチュアを担当している。中田和樹が驚くほどの美人であり、3ヵ国語を操るトライリンガルで、海外の交渉なども任されている。大学の寮が鳴瀬が所属する空手部のマラソンコースだったことから鳴瀬と話すようになり、そこから2人の仲が深まったという。 かつて自傷行為をしていたことがあり、左腕には無数のリストカット跡がある。

中田 和樹 (なかた かずき)

婦人ファッション系雑誌「ピクシレーション」の記者。創刊一周年記念に映像メディアにおいて話題の人物を取り扱うということで、鳴瀬邦彦のインタビューを任された。鳴瀬が制作するクレイアニメ「独裁者グラナダ」の美しさと、鳴瀬の内に秘めるドス黒さに触れたことで彼に不思議な感情を抱くようになる。以前は小説家としての夢を持っており、制作者として成功している鳴瀬に憧れを抱きながらも、なぜそこまで酷評を嫌うのか興味を示す。

東 麗子 (あずま れいこ)

中田和樹の元彼女で、婦人ファッション系雑誌「ピクシレーション」の記者。中田とは別れた後も彼女と同僚の中間的な立ち位置でよく話をする仲になっている。鳴瀬邦彦のような、自分の作品に過剰に没頭する人間をあまり快く思っていない。鳴瀬の記事に妙に入れ込む中田にちょっとした恐怖を覚えながらも、ひとつのことに対して打ち込む彼の姿に改めて心惹かれていく。

室井 等 (むろい ひとし)

映画評論雑誌「ジャンクムービーズ」の編集長を務める男性。中田和樹とは直接接点はないものの、婦人ファッション系雑誌「ピクシレーション」にレビューを掲載しているため顔見知り。鳴瀬邦彦のクレイアニメ「独裁者グラナダ」を酷評したことでひどい暴行を受け、脅迫される。謝罪文をサイトに載せることで一応の許しを得るも、その後子供と妻が交通事故で入院することとなってしまう。

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