概要・あらすじ
身長188センチ、筋力もあり、短髪で態度もデカい男みたいな大女で、ついたあだ名は魔王という姉・真央の弟である森山鉄二。ある日、すでに嫁いだ27歳の真央が理由も言わず「離婚する」と言って実家に帰ってきた。一方、鉄二は強豪校で野球をしていたが、暴力事件を起こして野球を辞め、今の高校に転入してきたもののイカつい見た目も相まって、ヤンキーという噂が広まり、クラスで孤立していた。そんな中、真央は鉄二が忘れた弁当を高校まで届ける。あの巨人は誰だとクラスメートたちがザワつき、これ以上目立ちたくない鉄二は慌てて姉のもとへ走る。しかし真央は「久しぶりの雰囲気じゃ」と、鉄二の制止を振り切り、学校内を見学し始めた。真央が鉄二のクラスの引き戸を開けると、一人だけ女子がいて、化学室に移動になったことを教えてくれた。彼女の名は住谷菜々子。きちんと礼を言わない鉄二に真央は「お前を待っていてくれたんじゃ。ちゃんとお礼を言え」と鉄二の頭を叩く。夕方、鉄二を連れて街を散策していた真央は菜々子を見かけ、駄菓子屋の中へ入っていく。店番をしていた菜々子が、万引きしようとした小学生に注意すると、子供たちは「やりまん~」と捨てセリフを吐いた。それを見た真央は子供たちの前に立ちはだかり「意味をわかって言ってるのか?お前の母ちゃんに同じセリフが言えるのか?」と子供たちを叱った。菜々子は母の再婚相手である父に襲われそうになり、駄菓子屋をしている祖母の家に引き取られていたが、否定しても変な噂を消すことはできず、諦めていたのだった。菜々子は店の奥にある金魚すくいをサービスするので一回やってみないかと真央に勧め、金魚すくいのポイをすぐに破いてしまう真央にすくい方のコツを教えてあげた。すると、金魚すくい大会の貼り紙を見つけた真央が、3人で大会に出て優勝しようと言い出す。自分の力ではどうにもならない問題を抱え、もやもやした気持ちを抱えた3人は、何か一つでもいいから勝ちたいと、新たな目標に向かって走り出すのだった。
登場人物・キャラクター
真央 (まお)
短髪で身長188センチ、がっちり体型の男のような大女である27歳の女性。あだ名は魔王。岡山弁で話し、喋り方にも迫力がある。頼りがいがあり、人を寄せ付ける魅力を持ち、礼儀正しく、しつけに厳しい。轟勇という小柄な男性と結婚していたが、ある理由によって彼から離婚を切り出されている。職業はトラック運転手で、フォークリフトの免許も持っている。
森山 鉄二 (もりやま てつじ)
強豪校で野球をしていた高校生の男の子。ある出来事をきっかけに暴力事件を起こし、野球部を退部させられる。その高校はスポーツ入学だったため、別の高校に転入した。身長183センチ、金髪の坊主でピアスをしている。イカつい見た目だが、姉・真央には逆らえない。転入した高校では腫れ物にさわるような扱いを受けている。恥ずかしがり屋で女子とあまり話したことがない。
住谷 菜々子 (すみたに ななこ)
森山鉄二のクラスメートの女子高生。鉄二より少し前に今の高校に転入してきて、一人でいることが多い。母の再婚相手に襲われそうになり、駄菓子屋を営む祖母の家に引き取られる。肩までの長さのボブカットで、華奢で目が大きい。金魚すくいが得意。東京の難関校を狙えるほど成績はよい。
クレジット
- 原作
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一穂 ミチ