獄炎堂

獄炎堂

作りあげた者が謎の死を遂げたといわれる魔性像。この像が置かれている獄炎堂へと次第に誘導されていく女子大学生と、その友人の恐怖体験を描く。「ウィングス」第23号から24号にかけて掲載された作品。コミックスの巻頭4ページには、描き下ろしのカラーイラストが収録されている。

正式名称
獄炎堂
ふりがな
ごくえんどう
作者
ジャンル
ホラー
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概要・あらすじ

女子大学生のゆなは「何か」の視線に怯える、不安な日々を送っていた。さらに、部屋の人形が、手も触れていないのに次々と棚から落下して砕け散ったり、学食の机が勝手に猛スピードでゆなのもとへ滑って来たりと、気の休まる暇もない。そんな不安を恋人のに打ち明けるものの、まともに取り合ってもらえず喧嘩ばかりしていた。ついにゆなは、明と交際する前に振ってしまった森脇に、最近悩まされている怪現象のことを相談する。

その瞬間、2人は林の中にあるお堂からの声を聞く。声はお堂に納められた魔性像から発せられており、「獄炎堂で待っている」との言葉を残し、魔性像は姿を消すのだった。

登場人物・キャラクター

ゆな

黒髪ロングヘアの女子大学生。やや自己中心的で甘えたがりな性格。大人で落ち着いた雰囲気の明と付き合っている。喧嘩ばかりしていた森脇から告白を受けているものの、その申し出は断っている。最近、人間ではない存在からの視線を感じたり、部屋の人形が勝手に落下してきたりと、身の周りで起きる怪現象に悩まされている。そのせいでイライラしがちで、食の好みも変わり、明からは妊娠したのかと心配されている。 怪現象のことを明に相談したが、悩みの本質を理解してもらえなかったので少し心が離れてしまい、森脇を頼るようになる。

(あきら)

ゆなと同じ大学に通う青年。ゆなの恋人でもある。明るい髪色の短髪の髪型で、前髪を左に流している。大人っぽくスマートな振る舞いをするが、実際は度量が狭いところがある。ゆなが怪現象に悩まされ、落ち着きを失っているのを「ただの事故だろう」の一言で片付け、詳細に内容を聞こうともしなかった。

森脇 (もりわき)

ゆなと同じ大学に通う青年。ゆなと同じ講義も受けている。黒い短髪の髪型をしている。かつてゆなに告白したが振られている。ゆなと共通の知人からは「良い人」と見られていたが、ゆな本人には、喧嘩ばかりしてしまう、いけ好かない相手としか認識されていない。誠実で常識的な見識の持ち主であり、恋人がいるゆなを心配しつつも、一線を引いて接していた。 しかし怪現象にひどく悩み、助けを求めて来たゆなに力を貸すことになる。

魔性像 (ましょうぞう)

仏像に似た外観の立像。謎のお堂「獄炎堂」の中に安置されていた。魔性像の制作者が謎の死を遂げたとのいわれがある。ゆなのもとに現れ、彼女に危害を加えて脅かしながら「獄炎堂」へと導いた。実は魂と引き換えに願いを聞き届ける存在。かつて「獄炎堂」で焼き殺された雑兵たちの無念を晴らすため、敵の大将の魂を奪うことを引き受けた。 現在では敵の大将はすでに亡く、その生まれ変わった魂を狙っている。

場所

獄炎堂 (ごくえんどう)

ゆなの命を脅かす魔性像が安置されているお堂。「獄炎堂」自体は現在、通常の時空間とは切り離された場所にある。かつてあった場所は言い伝えに残されており、姿を消したゆなを探していた森脇ら捜索隊が探し当てることに成功。その際、3つの棺がその跡地から発掘された。

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