男と女に捧げるコメディ

男と女に捧げるコメディ

樹なつみの初単行本のタイトル作品。1979年、「LaLa」4月号に掲載された『めぐみちゃんに捧げるコメディ』が作者のデビュー作品。その後、『サッカーマンに捧げるコメディ』(1979年5月増刊号)、『男と女に捧げるコメディ』(1979年11月号)、『ミス霧子に捧げるコメディ』(1980年1月号)、『林檎館に捧げるコメディ』(1980年2月増刊号)と、「LaLa」誌上でシリーズ5作品が発表された。当時の少女マンガとしては珍しく動きと勢いがある画風で、同年にデビューした正反対の画風であるひかわきょうこと、しばらくの間、新人作家の2トップとして「LaLa」誌上で競っていた。

正式名称
男と女に捧げるコメディ
ふりがな
おとことおんなにささげるこめでぃ
作者
ジャンル
学園
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概要・あらすじ

高校2年生の柳生政典(十兵衛)はナイフ投げの達人。隣に住む幼なじみの横森かおる、親友の鎌井一郎(カマ)といつも一緒にいる。不良ではないがまじめな高校生でもない十兵衛は目立つ存在で、面倒見がいいために、常にトラブルに巻き込まれている。廃部寸前のサッカー部を救うため、不良グループに試合に出てもらってめちゃくちゃにしたり、鬼のような女教師の自宅に忍び込んだあげく、コソ泥のような真似をしたり、つぶれかけたペンションを助けるために、大道芸でナイフ投げを披露して投げ銭を集めたり。

そのたびに親友のカマはとばっちりをくうが、それが十兵衛のいいところなのだともいう。

登場人物・キャラクター

柳生 政典 (やぎゅう まさのり)

高校2年生の男子。ナイフ投げの達人。運動神経はバツグンだが、常識は人並み以下。幼なじみの横森かおるにいつも振り回されている。女子からは非常に人気がある。面倒見がよく、自分から火中の栗を拾いに行くタイプで、しばしばトラブルに巻き込まれる。

横森 かおる (よこもり かおる)

柳生政典(十兵衛)の幼なじみの女子高生。明るく元気で気が強い女の子。高校のサッカー部のコーチをつとめている。いつも十兵衛と鎌井一郎(カマ)の3人でつるんでいる。外見はかわいいが凶暴で、十兵衛とカマはしょっちゅう殴られている。

鎌井 一郎 (かまい いちろう)

柳生政典(十兵衛)の親友。クルクル巻き毛にたれ目が特徴的な男子高校生。運動神経はイマイチで、どんなにまっすぐ蹴ったつもりのボールでも横に飛んでしまう。女言葉を使うため、ゲイと間違われやすいが、本人は「女の子が好き」と公言している。ただし理想は高い。久米砂貴子に一目ぼれして、ふられる。

熊取谷 あやめ (くまとりだに あやめ)

柳生政典(十兵衛)のライバル。「番長連合」のボスで、木刀を持たせたらかなう者はいないと評判の不良高校生。ボサボサの黒い長髪で、見るからにバンカラだが、実は上流家庭の育ちで、母親から「あやめちゃん」と呼ばれている。「めぐみちゃん」と名づけた汚い人形を、18年間、かたときも離さずに持ち歩いている。

生徒会長 (せいとかいちょう)

柳生政典(十兵衛)の高校の生徒会長。名前は出てこない。サラサラのストレートな長髪に、メガネがトレードマークの男子。常に理性的で、傍観者的な立ち位置から出ない。いつまでも勝てないサッカー部を廃部にしようとしたことがある。

久米 砂貴子 (くめ さきこ)

静女子学園の生徒会長。17歳の女子高生。女優のような美人で、趣味は読書と茶道。理想の男性像は高倉健。硬派な男性が好き。強力なファンクラブがついていて、 綾口建之介が会長をつとめている。人の話を聞かず、思い込みが強い性格。

綾口 建之介 (あやぐち けんのすけ)

熊取谷あやめが総番長をつとめる「番長連合」の対立団体である、「番長連盟」の総番長。久米砂貴子が好きで、ファンクラブの会長をつとめる。手下を使い、24時間体制で砂貴子の警護をしている。ナルシストで、自分の髪が乱れると半狂乱になる。

小山 霧子 (こやま きりこ)

柳生政典(十兵衛)の高校に転任してきた数学教師。W大卒の23歳。ものすごい美人だが、きわめてまじめで正義感が強く、軟弱な男子生徒には次々と強烈なビンタをみまう。学生時代から有名な男ぎらい。

河井 雪 (かわい ゆき)

柳生政典(十兵衛)と鎌井一郎(カマ)がアルバイトに向かったスキー場のペンション「林檎館」の娘。高校1年生の女の子。父親をなくしてから、金銭感覚のないお嬢様育ちの母親にかわりペンションを切り盛りするしっかり者。心配してあれこれ世話を焼いてくれる十兵衛のことを好きになる。

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