概要・あらすじ
再び故郷に戻って来ることになった高校2年生の朝倉駿は、転入先の高校で幼い頃からずっと思いを寄せていた若槻紗奈と再会する。駿は今まで伝えられないままでいた自分の気持ちを今度こそ紗奈に伝えようと決心するが、彼女の側には、自分と瓜二つの容姿を持つ藤崎歩がいた。駿は学園生活を送るなかで、素直でいつも屈託のない笑顔をクラスメイトたちに振りまく歩の姿こそが、「理想の自分」そのものであることに気付く。
そんなある日、駿は歩に、互いに入れ替わってみないかと相談を持ちかけられる。それ以降彼らは誰にも見つからないように時々入れ替わっては、学校生活を送るようになっていくのだった。
登場人物・キャラクター
朝倉 駿 (あさくら しゅん)
高校2年生の男子。黒髪で眼鏡をかけ、学校指定の制服を着用している。親の仕事で離れていた故郷に7年ぶりに戻って来ることになり、転入先の高校で幼稚園の頃からの幼なじみの若槻紗奈と再会を果たす。紗奈に対しては幼い頃から特別な想いを抱いていたが、自分の気持ちを人に伝えるのが苦手なため、今まで告白をすることができないでいた。 そんな性格から、人に見られるのがあまり好きではなく、コンタクトではなく眼鏡にこだわり続けている。本当は自分の気持ちを素直に相手に伝えられるようになりたいと思っており、誰にでも明るく接することができる、自分と瓜二つの容姿を持つクラスメイトである藤崎歩に対してコンプレックスを抱いている。
若槻 紗奈 (わかつき さな)
高校2年生の女子。茶髪の長い髪で、学校指定の制服の上から黄色いカーディガンを着用している。クラスメイトの朝倉駿とは幼稚園の頃からの幼なじみで、7年ぶりに再会を果たす。昔から周囲に目を配り、些細な変化も見逃さない気遣いの持ち主。明るくて誰からも好かれる性格ながら、少々おっちょこちょいな一面もある。駿と、瓜二つの容姿を持つ1年の頃に同じクラスとなった藤崎歩のことは大事な友達だと思っており、駿と歩の2人とも同じくらい好き。 最近は昔の友達とあまり会う機会が少なくなり、昔を懐かしむことが多くなった。苦手な科目は英語。
藤崎 歩 (ふじさき あゆむ)
高校2年生の男子。学校指定の制服を着用している。クラスメイトの若槻紗奈とは1年の頃に仲良くなり、現在も友人として良好な関係を続けている。転入生の朝倉駿とは眼鏡をかけていないことを除けば瓜二つの容姿で、そんなことは滅多にないことだからと、駿と巡り会えたことに喜びを感じている。眼鏡をかけたら駿に見えるかと試した結果、誰にも気づかれることなく駿に成りすますことに成功した。 それをきっかけに、時々入れ替わって生活してみないかと駿に提案を持ちかけた。成績優秀で、1年の時の成績表では5段階評価でほとんどの科目が5で、特に得意な科目は英語。明るくていつも笑顔を絶やさず、伝えたいことを素直に相手に伝えることができる、誰からも好かれる性格の持ち主。
茜屋 康平 (あかねや こうへい)
高校2年生の男子。背が高く、茶髪の短髪で学校指定の制服の上からカーディガンを着用している。クラスメイトの朝倉駿と若槻紗奈とはクラスは違うが、幼稚園の頃からの幼なじみ。小さい頃は足がとても速く、女子からとても人気があったが、今では運動部にも所属しておらず走ることを辞めてしまった。昔から人をいじってからかうのが好きで、以前紗奈をいじった時に駿が明らかに嫌そうな顔をしたことに気づき、それ以来駿が紗奈に対して特別な感情を抱いていることを知っている。 7年ぶりに再会した駿と紗奈、そして藤崎歩の関係が今後どうなっていくかを気にかけている。
柿原 千尋 (かきはら ちひろ)
高校2年生の女子。肩までの長さの癖っ毛の茶色い髪で、学校指定のセーラー服を着用している。菜島美雪とは同じ大学附属の女子校のクラスメイトで、同じテニス部にマネージャーとして所属している。若槻紗奈と茜屋康平、空井優とは高校に入学するまでは同じ中学校に通っており、朝倉駿とは小学校までクラスメイトだった。 大人しくてあまり人と話すことが得意ではなく、動きの鈍さから周囲に迷惑をかけていたが、駿だけはいつも千尋のペースに合わせてくれていたこともあり、駿に対して特別な感情を抱いている。現在も駿に対しての想いは変わっておらず、いつか駿としっかり向き合って話せるようになりたいと考えている。
菜嶋 美雪 (なしま みゆき)
高校2年生の少女。茶髪の長い髪を後頭部で1つに束ね、ポニーテールにしており、学校指定のセーラー服を着用している。柿原千尋とは同じ大学附属の女子校のクラスメイトで、同じテニス部に選手として所属している。運動神経が良く、テニス部では次期部長候補と目されている。若槻紗奈、茜屋康平、空井優とは高校に入学するまでは同じ中学校に通っており、朝倉駿とは小学校までクラスメイトだった。 去年の文化祭で演劇を行い、王子様役をやって以来、学内の女子からの人気が高く、ファンの女子生徒からは「王子様」の愛称で呼ばれている。
空井 優 (そらい ゆう)
高校2年生の少年。茶髪の短髪で、学校指定の制服の上からパーカーを羽織っている。小柄で背が低く、若槻紗奈とほぼ同じ身長で、朝倉駿のジャージを着ると大きすぎてぶかぶかになってしまう。紗奈と茜屋康平、柿原千尋、菜島美雪とは同じ中学校で、駿とも小学校ではクラスメイトだったが、高校は異なる。藤崎歩とは家が近所で知り合いではあるが、あまり親しくはなく、7年ぶりに故郷に戻って来た駿に会うために、学内へ不法侵入した。 そこで歩と出会うことになり、怪訝な表情を見せていた。明るくて無邪気な性格で、後先の事を考えずに行動してしまうことがある。
松本さん (まつもとさん)
高校2年生の少女。茶髪の長い髪で、前髪を目の上で切りそろえており、学校指定の制服の上から黒いカーディガンを着用している。朝倉駿、若槻紗奈、藤崎歩のクラスメイトで、在庫が切れていた教科書が届いたから職員室に取りに来るように担任の先生から言伝を頼まれ、駿にその旨を伝えた。その時、まだ転入して間もないのにも関わらず、駿が自分の名前を覚えてくれていることに驚いていた。
橋本さん (はしもとさん)
高校2年生の少女。黒くて長い髪を左右に分けて三つ編みにしており、学校指定の制服の上から黒いカーディガンを着用している。朝倉駿、若槻紗奈、藤崎歩のクラスメイトで、図書委員を務めている。新しい本が入荷したので、早く図書室に運びたいと思い、何冊も重たい本を抱えて廊下を歩いていたところを駿に手伝ってもらった。 このことがきっかけで、駿に対し「すごくいい人」という印象を持つようになる。
担任の先生 (たんにんのせんせい)
朝倉駿が通う高校の男性教師。茶髪の短髪で、前髪を左に流している。駿のクラスの担任をしており、優しく教育熱心で、科目によって前の学校と進行速度が違っていないかなど、色々と転入して来たばかりの駿を気遣う。