男水!

男水!

弱小水泳部に所属する男子高校生の部活動ライフを描いた水泳漫画。Webサイト「花とゆめonline」に2012年7月27日より連載を開始、のちにリニューアルしたWebサイト「花LaLa online」に移行し、引き続き連載の作品。木内たつやの代表作であり、2017年には「男水!プロジェクト」が発足し、TVドラマ化と舞台化が発表されている。

正式名称
男水!
ふりがな
だんすい
作者
ジャンル
水泳・ウォータースポーツ
関連商品
Amazon 楽天

世界観

東ヶ丘高等学校男子水泳部の日常生活を描いている。作中における部活動、大会シーンなどは、作者の木内たつやの綿密な取材により描かれている。また、元五輪選手や、実際に水泳部のコーチをしている人物に、ネームの監修を依頼していることもあり、よりリアルな「部活モノ」としての側面が非常に強い。作中のテーマは友情で、特に主人公をはじめとする水泳に関わる人々の関係性を、水泳を通じて上手く表現している。また、過去に主人公と同じ志だったが、現在は道を違えている幼なじみの1人、藤川礼央との失われた友情の回帰も、大きなテーマの1つ。

あらすじ

先輩の卒業により、部員3人の弱小水泳部となった東ヶ丘高等学校男子水泳部は、同好会落ちの危機に瀕していた。新入生を対象とした部活動紹介の際、あまりにも普通に部活をアピールする新部長の榊秀平に、しびれを切らした篠塚大樹は、壇上に上がるなりマイクを奪い、「女子部員の水着姿を眺め放題」の謳い文句で、新入生に猛烈なアプローチをかける。更に、均整のとれた美しい体になれることをアピールするために、檀上で上半身裸になるという奇行に走る。こうして男子水泳部は、ある意味新入生の話題を集めて部活動紹介を終える。その後、このアピールを見た1年生の滝結太は、入部希望者として男子水泳部を訪れる。続けて祐太のクラスメイトである原田ダニエルも入部を決め、男子水泳部は何とか同好会落ちを免れることとなった。こうして、新生男子水泳部は、本格的に大会へ向けて始動するのであった。

メディアミックス

TVドラマ

2017年1月から松永洋一監督によるTVドラマ版が日本テレビ系列で放送された。脚本は吉田恵里香が担当している。主なキャストは榊秀平役を松田凌、篠塚大樹役を宮崎秋人、藤川礼央役を安西慎太郎がそれぞれ演じている。

舞台

TVドラマ版のクランクアップを待ち、2017年5月に本作『男水!』の舞台が上演される。主なキャストはTVドラマ版に準じており、榊秀平役を松田凌、篠塚大樹役を宮崎秋人、藤川礼央役を安西慎太郎がそれぞれ演じる。

登場人物・キャラクター

榊 秀平 (さかき しゅうへい)

東ヶ丘高等学校男子水泳部の部長を務める高校2年生の男子。超天然ながら、本人にはその自覚がない。弟妹がおり、とても面倒見が良く「お兄ちゃん属性」もある。しかし、それ以外は取り立てて特徴はなく、「フツー」と周りから言われてしまうほどに一般的な感性を持つ人物。肩の柔らかさと軸のぶれのなさには定評があり、得意種目の背泳ぎでは、篠塚大樹を相手にしても勝率100%を誇る。 趣味は料理で、大会になると、男子水泳部と女子水泳部の部員のために、お弁当を作って持ってくる。

篠塚 大樹 (しのづか だいき)

東ヶ丘高等学校男子水泳部に所属する高校2年生の男子。背が高く、ルックスも良く、声も渋い。そのため、女子からの人気が非常に高い。普段から何を考えているか、よくわからなく、つかみどころのない性格で、終始マイペース。それでも男子水泳部の中では最も身体能力の高いエース格で、今後の大会での活躍が期待されている。試合本番に強いタイプで、練習ではベストが出せないが、本番で結果を出す典型的な「レース野郎」。 得意種目はバタフライと自由形。趣味は読書と音楽鑑賞。

小金井 晴美 (こがねい はるよし)

東ヶ丘高等学校男子水泳部に所属する高校2年生の男子。愛称は「ハルミ」。しっかり者で人当たりも良いが、一人称が「アタシ」で、普段からオネエ言葉でしゃべっている。現在は選手ではなく、マネージャー兼コーチのような立場。コーチのいない時には、練習メニュー作りなどの業務を行っている。榊秀平がかなりのお気に入りで、秀平の言動にいつもドキドキしている。 趣味は筋トレメニューの考案。

滝 祐太 (たき ゆうた)

東ヶ丘高等学校男子水泳部に所属する高校1年生の男子。部活動紹介で、楽しそうな先輩たちの姿を見て入部を決めた。水泳経験はほとんどなく運動神経も悪いが、コツコツと努力を重ねる真面目なタイプ。性格は内向的だが、先輩への対応は丁寧。しかし、同期入部した原田ダニエルに対しては、対抗心を燃やしたり、感情的になるなど、意外な一面を見せることもある。 趣味はパズル。

原田 ダニエル (はらだ だにえる)

東ヶ丘高等学校男子水泳部に所属する高校1年生の男子。ハーフの美少年で、そのルックスに惹かれる女子生徒は多い。中学時代はバスケやサッカーなどを掛け持ちしつつも、かなり優秀な成績を収めており、運動神経は抜群。しかし、最初から上手かったわけではなく、しっかりと努力をしてきた結果である。性格はお調子者の自信家でナルシスト。 そのため鼻につく言動が多く、周りからも「これさえなければ」と思われている残念系イケメン。女子水泳部の倉田絵里奈に一目惚れしている。趣味は映画鑑賞。

川崎 亮也 (かわさき りょうや)

新波高等学校水泳部出身の20歳の男性。高校3年生の時に出場したインターハイでは、背泳ぎ100メートルと200メートルで優勝している元王者。その背泳ぎのタイムは、高校記録となっており、現在も破られていない。将来を嘱望されたスイマーだったが、身体が故障したせいで選手としては活動していない。そのため、羽生親一朗の口利きで、東ヶ丘高等学校の水泳部のコーチ候補として練習を見に来ている。 その練習は厳しいものだが、指導は的確で、「速くなる」ことや「勝つ」ことに重点を置いている。また、自分が故障をしたという経緯もあり、練習前のアップと練習後のダウンは入念にやらせている。性格は傍若無人で、周りから恐れられている。

長瀬 有希 (ながせ ゆき)

東ヶ丘高等学校女子水泳部の部長を務める高校3年生の女子。怒ると恐いタイプ。篠塚大樹を目当てに女子水泳部に入部してきた新1年生に対して、「ミーハーな子が多くて困る」と苦言を呈した。部員の前ではしっかりとリーダーシップを発揮し、時には男子水泳部ですらまとめてしまうこともある。得意種目は平泳ぎ。

倉田 絵里奈 (くらた えりな)

東ヶ丘高等学校女子水泳部に所属する高校2年生の女子。新入生を対象とした部活動紹介では、女子水泳部の代表を務めていた。部活動紹介の際に、壇上に上がっただけで男子生徒がざわつくほどの美人。部活動紹介では、特に部員同士の仲の良さをアピールしていた。得意種目は背泳ぎ。

菅谷 みちる (すがや みちる)

東ヶ丘高等学校の男子水泳部と女子水泳部の顧問を務める女性教師。女子水泳部の方が実績も部員数も多いので、どうしても女子水泳部の優先順位が高くなっている。基本的に水泳の指導はせず、見守るだけの存在となっている。

松田 (まつだ)

東ヶ丘高等学校の男性教師。とても明るく朗らかな性格で、教師陣の誰にでも気さくに話しかけている。最近は、特に男子水泳部に頑張って欲しいと思っており、前回大会で篠塚大樹がいい成績を収めていることも知っている。

羽生 親一朗 (はにゅう しんいちろう)

東ヶ丘高等学校の男性教師。松田同様、男子水泳部を気にかけている。スイミングクラブに通っている他校の有望選手も知っているなど、情報通な一面がある。また、菅谷みちるが風邪でダウンした時は、男子水泳部の顧問代理を務めたり、川崎亮也をコーチとして派遣したり、また大会中には顔を出すなど、水泳部に対してかなり協力的。 東ヶ丘高等学校に来る前は、新波高等学校で教鞭をとっていた。

レイコ

東ヶ丘高等学校女子水泳部のOB。榊秀平の2つ年上。かなり大人っぽい外見と性格で、卒業式で泣いて卒業を惜しむ後輩を気遣って、しっかりするように諭していた。

高木 (たかぎ)

東ヶ丘高等学校男子水泳部のOBで前部長。榊秀平の2つ年上。新部長に秀平を指名。他の部員である篠塚大樹と小金井晴美には、その適性がないことを秀平に知らしめ、新部長の自覚を芽生えさせていた。

渡辺 (わたなべ)

東ヶ丘高等学校男子水泳部のOB。榊秀平の2つ年上。卒業する際には、秀平たちに対し、「同好会落ちにするな」と釘を刺しており、自分が卒業後の男子水泳部のことを心配していた。川崎亮也の大ファン。

石田 (いしだ)

東ヶ丘高等学校男子水泳部のOB。榊秀平の2つ年上。秀平たちと過ごしていた日々を、楽しかったと振り返っている。他の卒業生同様、あまりの出番の少なさから、作中でも再登場を熱望している。篠塚大樹のボケに対応するなどツッコミ気質。

仁科 譽 (にしな ほまれ)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部主将を務める3年生の男子。専門は長距離で、昨年度インターハイ1500メートルで3位に入賞している。気さくな性格で、初対面にも関わらず、直ぐに人と打ち解ける人当たりの良さがある。基本的にゆるい雰囲気をまとっており、本人いわく「気合を入れ過ぎるとダメなタイプ」。スイミングクラブに所属していないのにも関わらず、部活一本で好タイムを出す榊秀平と篠塚大樹に興味を持っている。 また、男子校生なので女の子に対する執着心が強く、よく合コンをして付き合うこともあるが、いつも長続きしない。

神宮 一虎 (じんぐう いちとら)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部に所属する3年生の男子。観客席からレース前の仁科譽に向けて愛を叫ぶなど、馬鹿な行動が目につくため、「バカ虎」という愛称で呼ばれている。小学生の頃には「神童」と呼ばれるほどの実力を持つスイマーだった。しかし、中学時代には気性が荒く、コーチの話も聞かない扱いにくい選手となった。そのため、各方面から敬遠されて伸び悩んでいた。 しかし、桜下大付属龍峰高等学校に入学してからは再び才能を発揮し、去年のインターハイの個人メドレーでは決勝に駒を進めた。得意種目は個人メドレーだが、もともとは自由形が得意な選手だった。

村上 英輔 (むらかみ えいすけ)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部に所属する3年生の男子。丸坊主で黒縁メガネをかけている。通称「和尚」。仁科譽とは友人同士で、気兼ねなく話ができる関係にあり、「主将の癖にゆるい」などとキツい言葉をかけることもある。得意種目は平泳ぎ。

高浦 一郎 (たかうら いちろう)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部に所属する3年生の男子。高浦二郎は双子の弟にあたる。部長の仁科譽を信頼している。二郎との息はぴったりで、特に神宮一虎を馬鹿にする時は、意見が合致しハモることもある。得意種目は平泳ぎ。

高浦 二郎 (たかうら じろう)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部に所属する3年生の男子。高浦一郎は双子の兄にあたる。一郎との違いは髪色で、黒髪となっている。一郎との息はぴったりで、特に神宮一虎を馬鹿にする時は、意見が合致しハモることもある。得意種目は自由形。

藤川 礼央 (ふじかわ れお)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部に所属する高校2年生の男子。1年時で既にバタフライで、インターハイのファイナリストになっている期待の新星。過去に榊秀平と篠塚大樹と同じスイミングクラブに属していたが、のちに決別し、現在は別々の進学先を選択して疎遠になっている。性格はマイペースでストイック。部活に顔を出さないこともあるが、それでも普段の調整には余念がない。 特に同じ種目を得意としている大樹を相当意識しており、大会中に「ダラダラするな」と感情を高ぶらせる場面もある。水泳への意識は高く、部活のみで行う慣れ合いの水泳を嫌い、競技において真剣勝負や速く泳ぐことに、なにより重きを置いている。得意種目はバタフライと自由形。

平 光希 (たいら みつき)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部に所属する2年生の男子。女性に対する執着心の強い仁科譽のことを、「男子校の生徒であることをこじらせている」と語る。ところが、本人も共学の女子生徒を見てテンションが上がったりするなど、誉とは同じ穴のムジナ。大会中に榊秀平と話した時には、気軽に女子水泳部の部員と話している秀平を羨ましがっていた。 人見知りしない性格で人当たりは良いが、水泳のことになるとかなり好戦的。背泳ぎ高校記録保持者の川崎亮也に対しても、その記録を抜くと、本人の前で宣言した。得意種目は背泳ぎ。

市村 真幸 (いちむら まさき)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部に所属する2年生の男子。大会予選では磯村邦夫の出したアドバイス通りに泳ぎ切るなど能力は高い。桜下大付属龍峰高等学校の水泳部の他のメンバーに比べると口数は少ないが、決して無口ではない。レース後には友好的に藤川礼央に話しかけたりもしている。得意種目はバタフライ。

木下 浩 (きのした ひろし)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部のマネージャーを務める1年生の男子。大会中は顧問である磯村邦夫の隣で、競技に出場している選手の動向を話しあっている。自分の高校の選手の実力を信頼しているが、少々気が弱いところがある。他校の選手がリードしている時には、その不安を吐露することもある。

森 親太郎 (もり しんたろう)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部のマネージャーを務める2年生の男子。丸メガネがトレードマーク。マネージャーとして信頼されており、リレーオーダーの提出や試合前のテントの手配と設置まで行っている。また、ヨナサンで騒いでいる先輩たちに対して「龍峰水泳部の看板に傷を付けないでください」と一喝するなど、2年生ながら3年生にも臆することなく意見ができる。

矢垣 大成 (やがき たいせい)

神谷高等学校水泳部に所属する3年生の男子。東ヶ丘高等学校男子水泳部前部長の高木に雰囲気が似ているため、篠塚大樹には「和む」人物と評されている。ライバルである他校の大樹にも、気さくに声をかけるなど人当たりが良く、明るい性格の持ち主。得意種目はバタフライ。

犬井 志郎 (いぬい しろう)

神谷高等学校水泳部に所属する2年生の男子。榊秀平とも顔なじみで、大会で顔を合わせると、お互いハイタッチして盛り上がるなどかなり仲が良い。泳ぎに関してはそれほど秀でたものはなく、タイム自体も速くはない。得意種目は背泳ぎ。

久能 真一 (くの しんいち)

新波高等学校水泳部に所属する3年生の男子。矢垣大成とは他校ながら、大会などで何かと顔を合わせることが多く、よく知っている。篠塚大樹からは神経質そうと思われている。川崎亮也の後輩だけあってすぐに毒を吐き、人を卑下するなど、性格も似ているところがある。得意種目はバタフライ。

狭山 (さやま)

馬場実業高等学校の水泳部に所属する3年生の男子。2年次にはインターハイにも出場した全国レベルの選手。神宮一虎とも顔見知りで、試合前には言葉を交わすなど、フレンドリーに接してくる。一虎からは「やまちん」や「やまち○こ」などの愛称で呼ばれているが、本人としてはそれは不本意だと感じている。得意種目は個人メドレー。実は彼女がいる。

磯村 邦夫 (いそむら くにお)

桜下大付属龍峰高等学校の水泳部の顧問を務める男性。短距離が苦手な仁科譽を面と向かってこき下ろすなど、ハッキリとものを言う性格。譽の実力は買っているが、もっと太らせて筋肉をつけるべきだと思っている。また、大会には決まってサングラスをかけてくるため、他校の生徒からは「ヤクザ」呼ばわりされている。その指導力には定評があり、中学時代にコーチに見放されて腐りかけていた神宮一虎を、拾い上げた人物でもある。

狛城高等学校水泳部の顧問 (こましろこうとうがっこうすいえいぶのこもん)

狛城高等学校の水泳部の顧問を務める男性。磯村邦夫のいる桜下大付属龍峰高等学校を敵視しており、「私立は金をかけて選手をそろえている」と嫌味を言っている。ちなみに、邦夫とは普通の世間話をすることもあり、嫌味は実は親密さの裏返しでもある。

榊 陽 (さかき よう)

榊秀平と榊志帆の弟。食べ盛りの成長期で、最近は用意された食事では足りずに、家族の分まで勝手に食べている。寝る時は人形と一緒に寝るなど、まだまだ子どもらしい一面を残している。

榊 志帆 (さかき しほ)

榊秀平の妹。榊陽は弟にあたる。最近は食べ盛りで、成長期の陽に食事のおかずを取られている。からあげを取られた際には、本気で怒鳴ってケンカをしていた。秀平の大会の試合をいつも観に行きたがっているが、秀平が恥ずかしがっているため、その願いは未だに叶っていない。

篠塚大樹の姉 (しのづかだいきのあね)

篠塚大樹の姉。家では暴君として君臨しており、家庭内での権勢をほしいままにしている。そのため、大樹の録画していた水泳大会を勝手に消して、自分の好きな番組を録画したり、大樹の買ってきたアイスクリームを、悪びれた様子もなく食べてしまうなど、やりたい放題をしている。

吉田さん (よしださん)

東ヶ丘高等学校に忍び込んで盗みを働いた猫。エサを探して学校に侵入したところ、滝結太のカバンを発見し、偶然中に入っていた水着を、首輪に引っかけて持ち去ってしまった。また、教室内にあった「チーズたら」も勝手に食べていた。ふてぶてしい顔をしており、態度も横柄。しかし、女子に可愛がられている時だけは、いい子ちゃんぶるなど外面がいい。 唯一苦手な人物は、自分をプールに躊躇いもなく投げ込んだ川崎亮也で、彼にだけは決して逆らわない。

集団・組織

男子水泳部 (だんしすいえいぶ)

東ヶ丘高等学校の男子の水泳部。部員数も少ないため、部活から同好会落ちの危機に瀕していた。しかし、現在は新1年生の滝結太と原田ダニエルが入部したので、なんとか存続が決定している。

女子水泳部 (じょしすいえいぶ)

東ヶ丘高等学校の女子の水泳部。同好会落ちの危機に瀕している男子水泳部とは違い、部員は2年、3年合わせて12人も在籍している。昨年の活動の成果も目覚ましく、個人においても素晴らしい成績を残している。部としての最大の特長は「部員同士の仲の良さ」。

場所

東ヶ丘高等学校 (ひがしがおかこうとうがっこう)

榊秀平が通う東京の都立高校。男女ともに水泳部があり、プールは屋上に設置されている。また、学校指定のジャージがあまりにもダサいため、第一次芋ジャー戦争が起こったことがあり、各部に部活用ジャージが存在している。

狛城高等学校 (こましろこうとうがっこう)

東ヶ丘高等学校と同じ地区に属する高校。水泳部はその中でも、男女そろって毎年インターハイ出場選手を輩出している強豪校。部員数が50人を超える大所帯。50メートルの室内プールに、大会規定の飛び込み台を完備しているなど、都立ながら設備も申し分ない。

桜下大付属龍峰高等学校 (おうかだいふぞくりゅうほうこうとうがっこう)

東ヶ丘高等学校と同じ地区に属する私立高校。水泳部はインターハイ常連校で、毎年総合優勝争いに名を連ねるほどの名門男子校。また、学校自体が進学校かつスポーツの強豪校なので、近隣県からの入学者も多い。

監視室 (かんししつ)

東ヶ丘高等学校の屋上のプールに備え付けられている一室。中には拡声器やウォータージャグなど、さまざまな備品が取り揃えられている。高木前部長の代から男子水泳部のメンバーは、ここに水着を干して女子水泳部に怒られていた。現在はその伝統を篠塚大樹と原田ダニエルが受け継いでいる。

ヨナサン

全国チェーン展開されているファミリーレストラン。ファミリーレストランの中では高めの価格設定で、高校生が食事をするには少々厳しい。桜下大付属龍峰高等学校の水泳部のメンバーが訪れた時には神宮一虎、高浦一郎、高浦二郎がドリンクバーでジュースを混ぜていたところを、森親太郎に注意されていた。

イベント・出来事

第一次芋ジャー戦争 (だいいちじいもじゃーせんそう)

東ヶ丘高等学校で勃発した出来事。学校指定ジャージに対する反対意見が続出した。学校指定のジャージがあまりにもダサすぎるということで、そのジャージで遠征したくないという部が続出していた。これがきっかけで、のちに部活用のジャージが、部によって用意されるようになった。

正座タイム (せいざたいむ)

東ヶ丘高等学校男子水泳部名物の反省会。小金井晴美が行い、大会後に反省点があれば、晴美が榊秀平や篠塚大樹を呼びつけ、その反省点を指摘する。その際、晴美が正座をさせるので、この名が付いている。

その他キーワード

言葉の刃 (ことばのやいば)

榊秀平が無自覚天然で発する、相手を傷つける鋭い言葉。入部して間もない滝結太と原田ダニエルに、どっちの方が遊泳センスがあるかと聞かれた時には、「まだそんなことを判断するレベルにない」と切り捨てて2人を凍りつかせていた。

簡単水泳上達☆BOOK (かんたんすいえいじょうたつぶっく)

水泳の教本。水泳未経験の原田ダニエルが、男子水泳部活動日前に読み込んできた。ダニエルはこの本を読みこんでかなりの自信をつけており、いきなり泳いでも大丈夫、と息巻いていた。しかし、実際はまったく成果がなく、その場に沈んでカナヅチを晒してしまった。

ゴリゴリ君 (ごりごりくん)

リーズナブルな値段で売られている棒アイス。榊秀平と篠塚大樹は、ゴリゴリ君の別味である「ゴリゴリ君チョコリッチ」について、その存在を認めるべきか否かということで、一度喧嘩したことがある。また、大樹はこのアイスが好きで、家にも常備しているが、いつも篠塚大樹の姉に勝手に食べられている。

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