Goldrush!

Goldrush!

水泳に適した特異体質を持つ少年徳丸金太が、天才スイマーであるウルトラを始めとした強豪スイマーたちと共に、水泳界の頂点を目指す水泳漫画。「週刊少年マガジン」誌上で、2003年に連載された。

正式名称
Goldrush!
ふりがな
ごーるどらっしゅ
作者
ジャンル
水泳・ウォータースポーツ
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概要・あらすじ

イアン・ソープに憧れる水泳少年・徳丸金太。彼は名門であった落合高校水泳部に入部するため、高校から一人暮らしを始める。しかし水泳部に向かう途中、ウルトラの破天荒な振る舞いに巻き込まれ、さらに水泳部は練習すらしてない、という衝撃の事実を知る。業を煮やした金太は、共に練習をするためとしてウルトラに勝負を挑むが、彼の天才的スイミングによって敗れ去ってしまう。

途方にくれる金太。しかし、水泳部は、実際は活動を停止させられていただけで、部員は皆、水泳に対する強い情熱を持っていることを知り、大きな希望を抱く。その矢先、金太の資質を見抜いていたウルトラから、「一緒にオリンピックに行こう」という途方もない誘いを受けたのだった。

登場人物・キャラクター

徳丸 金太 (とくまる きんた)

落合高校水泳部に新たに入部した1年生の少年。イアン・ソープに強いあこがれを抱いており、彼のような水泳選手になりたいという夢を持っている。水泳歴は1年半と短いが、中学時代には県大会3位という成績を残している。身長は160センチと小柄な方だが、逆ヒザ、およびラバージョイントと呼ばれる特異体質で、自分より体格が上の選手とも互角以上に渡り合うことができる。 夢の中で、ちょくちょく水泳の神様と邂逅しており、彼の助言を得て、時折大胆な提案を行うことがある。

ウルトラ

落合高校水泳部に所属する2年生の少年。身長199センチ、体重99キロの巨漢。常にサングラスをかけており、顔が「ウルトラマン」に似ていることから「ウルトラ」と呼ばれている。大らかだが加減を知らない性格で、じゃれているつもりが相手を怪我させてしまうこともある。ある意味では危険な人物。水泳部の事情から万年金欠で、「何でも屋」と称して、学内でバイトまがいの活動をしている。 その過程で住処を追い出されており、紆余曲折を経て徳丸金太の部屋に居候をすることとなる。気まぐれな性格が災いして本気になることがあまりないが、全国の中でもトップクラスの実力を持つ天才スイマー。妻吹夏子に「日本を変えるほどの逸材」とまで言わしめている。 ウルトラ本人も、驕ってこそいないものの自身の才能には自信を持っており、水面下で努力を続けている。人を見る目も確かで、金太を一目見た時から、彼の持つ体質やポテンシャルを見抜き、自分に迫る選手になると、強い期待を寄せるようになる。そのため、水泳部に入部した金太に対し「自分と2人で日本代表となり、オリンピックに出場する」と唐突に宣言をしている。 なお、本名は作中では明かされていない。

江口 沙織 (えぐち さおり)

落合高校水泳部に新たに入部した1年生の少女。徳丸金太と同じクラスで、水泳の経験は金太より長い。当初はウルトラの強烈なキャラクターに気圧されて逃げ出してしまう。しかし、誤解が解けると改めて入部を果たし、月島玲奈の口利きでラッコスイミングスクールに通うようになる。明るく心優しい性格で、スイミングスクールの子供たちにも慕われている。

長須 和義 (ながす かずよし)

落合高校水泳部に所属する3年生の少年。端正な顔立ちで、非常に口数が少ないが、たまに口を開く時は、水泳に対する並ならぬ想いが告げられる。得意種目は背泳ぎで、日本選手権出場を目標としている。また、漫画執筆の才能もあり、「百合丘薫」というペンネームで、漫画賞で過去3回の佳作賞を受賞している。賞金はすべて水泳部の活動費に回している水泳バカである。

月島 玲奈 (つきしま れいな)

落合高校水泳部に所属する2年生の少女。強気で男勝りながら見栄えがいいため、モデルのバイトをしている。それは他の部員同様、水泳部における活動費の捻出のためである。部員の中では若干シビアな性格だが、協調性は高い。父親のコネを使い、ラッコスイミングスクールにて練習を重ねており、のちに江口沙織や徳丸金太も案内している。 得意種目はバタフライとメドレーリレー。

権藤 健一郎 (ごんどう けんいちろう)

落合高校水泳部に所属する3年生の少年。「ビリケン」のあだ名で通っており、本名で呼ばれることはほぼない。穏やかな性格で、水泳の知識も非常に豊富。しかし理論を先行させるため、当初は徳丸金太の身体に秘められた秘密に気づけなかった。普段は細目だが、気が昂った時は大きく目を見開き、本気のスイミングを見せる。実家は八百屋を営んでいるが、自身は内職で水泳部の活動費捻出の手助けをしている。 得意種目は平泳ぎ。

水泳の神様 (すいえいのかみさま)

徳丸金太の夢の中にしばしば現れる謎の生物。料理上手な奥さんがいる。翼の生えたテルテル坊主のような外見をしており、頭には水泳帽を被っている。金太の夢の中に出てきては助言を繰り返すが、過程のほとんどをすっ飛ばして、ほぼ結果だけを告げてしまっている。しかし、その助言はすべて金太の現状打破に繋がっている。

妻吹 夏子 (つまぶき なつこ)

落合高校水泳部の監督を務める女性。26歳。かつて落合高校水泳部に所属していた。落合大学を卒業後、アメリカのハーバード大学で2年間コーチを研修してきた。誰よりもウルトラの資質に目をかけており、彼が引くほどの執着を見せる。「ウルトラが本気を出せば日本水泳界がひっくり返る」と豪語している。逆に徳丸金太に関しては、当初は体型から水泳には向いてないと、手厳しい評価を下していた。 のちに彼の資質にも興味を抱くようになり、なかでもラバージョイントと呼ばれる特異体質に大きく注目する。

根木 (ねぎ)

ラッコスイミングスクールの運営責任者。過去の因縁によって落合高校水泳部を嫌っており、落ちこぼれと侮蔑している。女子を優先して練習させるというスケベな中年男性だが、水泳に関する知識は非常に豊富。最初は徳丸金太が練習することに難色を示していたが、彼が逆ヒザと呼ばれる特異体質の持ち主だとわかると、前言を撤回。 強い興味を持ち、逆に歓迎することとなる。

岸田 信也 (きしだ しんや)

東ノ宮高校水泳部(狂泳会)のレギュラー選手。徳丸金太とは中学時代のチームメイトで、ラッコスイミングスクールでの練習中に偶然再会する。かつては水泳を愛する努力家で、金太も彼の泳ぎに憧れていた。しかし現在は、狂泳会の度を越したスパルタ教育と、誰よりも速く泳げるという慢心、そして誰よりも速く泳げなければならないという焦りなどが重なり、性格が大きく歪んでしまっている。 ついには、進路を妨害したという理由で、子供をプールの中に引き下ろすという暴挙に出た。そのため、金太の怒りを買い、落合大学の記録会において勝負を挑まれる。

ブラウン博士 (ぶらうんはかせ)

スポーツ学の博士。妻吹夏子と親しい。ヒゲ面の巨漢で、夏子に色目を使うなど、俗っぽい面を見せることもある。しかし学者としての知識は本物で、近年、ラバージョイントに関する論文を発表し、脚光を浴びている。なお、この論文は、自分でも満足のいくものだったと告白している。

熊仲 (くまなか)

落合大学の水泳部監督を務める中年男性。妻吹夏子とは知己の間柄。記録会の解説として呼ばれた。ウルトラの日本記録を塗り替える瞬間と、徳丸金太の成長性を同時に目撃し、大きな衝撃を受ける。後に双方を日本代表候補に推薦し、2人のオリンピック出場の第一歩を後押ししている。

集団・組織

落合高校水泳部 (おちあいこうこうすいえいぶ)

徳丸金太が入部した部活。ある事件によって1年間の活動停止処分を言い渡されていた。部費も出ないため、部員たちが得意とする分野を生かして、練習のための費用を捻出していた。それが災いしてか、部員数は金太と江口沙織が入部するまではたったの4人だった。どの部員も全国レベルの実力と、水泳に対する強い愛情を持つ。なかでもウルトラは高校の日本記録すら塗り替えるほどの資質を秘めており、彼の縦横無尽の活躍と金太の成長を皮切りに、日本の水泳界を革命するとまで言われるようになる。

東ノ宮高校水泳部 (ひがしのみやこうこうすいえいぶ)

県内有数の強豪水泳部。落合高校水泳部をはるかに上回る規模と部員数を誇っている。指導は超スパルタで、結果が出せるまで練習を続けさせるというもので、時には体罰なども見られる。エリートとしての矜持か、他高校の選手を見下す傾向があり、特に岸田信也はその欠点が顕著となってしまっている。

場所

ラッコスイミングスクール

月島玲奈と江口沙織が練習のために利用しているスイミングスクール。経営会社の社長が玲奈の父親と親しいため、その縁故によって活用している。子供から大人まで自由に使えるのが魅力で、プールの規模も非常に大きい。徳丸金太はこのスクールで練習を重ね、記録をぐんぐんと縮めていく。

落合大学 (おちあいだいがく)

スポーツにおける名門大学のひとつ。特に水泳に関しては全国区レベル。妻吹夏子の母校であり、彼女の友人である熊仲が水泳部の監督を務めている。特筆すべきは施設の規模で、プールは周囲の高校が記録会に用いることが多く、その度に選手やギャラリーを集めている。

その他キーワード

逆ヒザ (ぎゃくひざ)

徳丸金太の身体に備わっている、恐ろしく柔らかい膝。かつて1972年のミュンヘンオリンピックの自由形、バタフライリレーで7冠を達成したマーク・スピッツが所持していたことで、水泳界では話題となっている。この膝を持つ選手は、バタ足の可動域が広く、より強力な推進力を得ることができる。そのため、競泳においては大きなアドバンテージとなる。 金太の泳ぎを見ていた根木が偶然発見し、大きな興味を抱かせる結果となった。

ラバージョイント

徳丸金太の身体に備わっている、ゴムのような柔軟性と伸縮性を持つ間接。この体質によって金太は腕を大きく伸ばすことができ、水をかく距離も増加。推進力のみならず浮力も上昇させている。このメカニズムにより、身長が160センチの金太は、190センチの身長を持つ選手と同等の泳ぎを見せることが可能である。ウルトラは初対面の時からこの間接を見抜いており、「金太君は翼を持っている」と評している。

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