B.B.フィッシュ

B.B.フィッシュ

スポーツ万能だが、泳ぐことだけができない高校生の葉山潮は、幼いころに出会った神無月沙羅との再会をきっかけに、子どものころに使えた水を操る不思議な力と泳ぐことへの渇望を思い出す。自分が何者なのかという葛藤や、沙羅と、恋人である柴田加也との間で揺れる恋愛感情やセックスといった青春時代の苦悩が淡く、さわやかなタッチで描かれる。物語の序盤はスポーツ少年のラブストーリーという形式だが、徐々に潮の不思議な力とそのルーツおよび自然と人間の関係といった要素に焦点が当たっていく。

正式名称
B.B.フィッシュ
作者
ジャンル
ラブコメ
 
水泳・ウォータースポーツ
 
恋愛
レーベル
集英社文庫 コミック版(集英社)
巻数
全9巻
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概要・あらすじ

高校生の葉山潮はスポーツ万能で女子にももて、悪友とともに青春を謳歌していた。しかし彼の前に、8年前にふとした偶然で出会った神無月沙羅が現れる。かつての彼の泳ぎに惹かれていた沙羅は、再びその泳ぎを見たい、そして圧倒的エースである兄神無月達也のライバルになってほしいと思い、潮を水泳部に誘うが、彼はある事件がきっかけで泳げなくなっていた。

しかし、沙羅と触れ合うことで一時的にかつての泳ぎを取り戻した潮は、泳ぐことへの情熱を取り戻し水泳部に入部する。そのなかで潮と沙羅は少しずつ惹かれあっていくが、彼にはすでに恋人の柴田加也がおり、潮の心は2人の間で揺れ動く。その後、旅行で沖縄を訪れた潮は、その自然の雄大さに感動、自らのルーツがここにあると確信しダイビングへの挑戦を決意、現地で出会った国光浩らとともにフリーダイビングの大会に出場することとなる。

登場人物・キャラクター

葉山 潮 (ハヤマ ウシオ)

水を操り、魚を呼び寄せることのできる不思議な力を持った高校生の少年。ある時の事故でその力を失い、また水恐怖症で泳ぐことができなくなっていたが、幼いころに出会っていた神無月沙羅と再会し、彼女の助けによって力と泳力を少しずつ取り戻していく。なお、力が発現する際は右目が瑠璃色に変化する。 長身でスポーツ万能、気さくな性格もあって沙羅をはじめ、中学時代からの付き合いである柴田加也、後に血がつながっていないことが判明する妹、新人教師などさまざまな女性から好意を寄せられ、かつ本人が精力旺盛なため、それがトラブルを引き起こすこともある。作中で訪れた沖縄にて、自らの泳ぐことや海を愛する心のルーツを見つけダイビングに挑戦するようになる。 初出場したダイビング大会で、海との一体化を果たした彼は海深くに消える。その際、彼に宿っていた不思議な力は海面上昇で陸地がなくなったあとの地球で生き残る新人類のサンプルとしてB.B.フィッシュという魚のような存在によって与えられていたことが判明する。

神無月 沙羅 (カンナヅキ サラ)

『B.B.フィッシュ』の登場人物で、メインヒロインの1人。幼いころに、海で帽子が沖に流されてしまった際、素晴らしい泳ぎでそれを拾ってきてくれた葉山潮に惹かれていた少女で、高校にて彼と再会する。アメリカ人とのハーフで、沙羅という名前は女優“サラ・ベルナール”から名づけられた。ライバルがいないことで悩む兄神無月達也のため、潮を水泳部に入部させようとする。 魚のように泳げる潮の不思議な力を暗示によって覚醒させることができるが、その代償に激しく消耗してしまう。柴田加也とともに潮にとって大きなウェイトをしめる女性となるが、彼を常に精神的に支え続け、最終的に結ばれ、彼が海に消えたのちに1人の子を産んでいる。

柴田 加也 (シバタ カヤ)

『B.B.フィッシュ』の登場人物で、メインヒロインの1人。中学時代から葉山潮と付き合っている恋人の少女。当時はやや荒れた生活を送っていたが、彼と付き合うようになって更生しており、そのせいで潮への依存度がやや高い。明るい性格だったが神無月沙羅の登場後、煮え切らない態度を見せる潮にも怒ることなどはせず、ただ身を引く健気な部分も見せるようになる。 最終的に“自分を愛されたいから人を愛する”という気持ちをわがままなものとして、潮と別れる。

神無月 達也 (カンナヅキ タツヤ)

神無月沙羅の兄。水泳部の圧倒的エースで、自身に並ぶライバルがいないことに不満を持っている。沙羅の手引きで入部してきた葉山潮を嫌悪していたが、大会にて彼が一瞬見せた泳ぎに戦慄する。水泳以外にも非凡な才能を見せ、沖縄でのダイビング大会に潮が出場することを知ると自身も参加。 ヨガを取り入れた呼吸法で、新人としては驚異的な記録をたたき出した。

B.B.フィッシュ (ブルー・バタフライ・フィッシュ)

『B.B.フィッシュ』に登場する架空の魚。美しい幻の魚として多くの人を惹きつけており、物語の中盤から国光浩や北条繁といった、これを純粋に追い求める、あるいはその魔力に狂うものなどが登場、また葉山潮の力の源になっていることも判明し、物語のキーとなる。環境破壊による水位上昇で陸地が消滅したあと、人間は“水棲人間”になるべきと考えており、潮らに力を与えて水棲人間を育てていた。 ダイビング大会にて、海中深くへと潜った潮の前に現れて事実を明かし、彼を海中にて眠りにつかせる。

国光 浩 (クニミツ ヒロシ)

浅黒く焼けた肌をした、体格のいいフリーカメラマン。幻の魚とされるB.B.フィッシュを追って沖縄に住んでいる。旅行に来た葉山潮と神無月沙羅が迷子になったところに現れ、彼らと知り合う。自然を深く愛しており、一見美しく見える沖縄でも環境破壊が進んでいることを潮に見せたことで、自身のルーツを探していた彼の心を大きく震わせる。 潮がダイビングを志してからは、その道の先輩として彼を指導する。

美保子 (ミホコ)

葉山潮の生みの親。潮と同じように水を操り、魚を呼び寄せる不思議な力を持っていた女性。作中ではすでに死亡している。彼女や潮を愛しつつも、その不思議な力を恐れていた父親は、美保子の死を契機に、潮も母のことを含めた力にまつわる記憶を失ったことから、真実を隠していた。海そのものに宿っているような描写があり神無月沙羅が海難事故にあったさい、彼女を助けたいと強く願った潮の呼びかけに応えるようなかたちで沙羅を救う。

北条 繁 (ホウジョウ シゲル)

資産家の男性。かつて美保子と付き合っていたが、家の事情でやむなく別れた過去を持つ。美保子がつかまえたB.B.フィッシュを今でも飼育している。死病に犯されており、美保子の血を自分の子孫に宿らせたいという妄執にとりつかれている。教師である娘の北条佐久美が務める高校に葉山潮がいることを知ると、彼を家に招いて佐久美とセックスさせようと策略をめぐらせる。 父の狂気に気づいた佐久美がB.B.フィッシュの水槽を破壊したことで憑き物が落ちたようになり、永眠する。

北条 佐久美 (ホウジョウ サクミ)

葉山潮の通う高校の若き女性教師。ややうぶで、奥手なところがあり、思春期の生徒たちによるセクハラ発言に悩まされているが、酒豪かつ酒乱で、酔うととたんに大胆な性格に変貌する。ふとした偶然から父北条繁が潮の存在を知ったことで、彼と強引に肉体関係を結ばされそうになる。父の狂気が、彼の飼育しているB.B.フィッシュにあると考え、水槽を破壊することで繁の妄執を解き、安らかに眠りにつかせた。

国光 麻衣子 (クニミツ マイコ)

国光浩の妹。兄同様、焼けた肌をした美しい女性。セックスを純粋な娯楽のようにとらえており、SMのようなアブノーマルなものも好み、男性だけでなく女性相手も受け入れてしまうなど、性に奔放な性格をしている。深い関係になることはなかったが、その堂々とした姿勢はまだ肉体的にも精神的にも若い葉山潮にとって、ゆるぎない年上の女性として映った。

金城 哲 (キンジョウ テツ)

葉山潮が沖縄で出会った少年。出自は不明だが潮と同じ力を持っており、それを見た彼を驚かせた。神無月沙羅に惹かれ、その恋人である潮に敵愾心を燃やして泳ぎの勝負をしかけるが、その最中に力を失って溺れ、逆に彼に助けられる。その後は潮と友人となりダイビング大会などにも共に出場する。 病気の母を助けるため、力を使って深い海まで素潜りをし、貴重なサンゴなどを獲って生計を立てていた。

村岡 (ムラオカ)

名前は明らかになっていない。葉山潮の友人で、潮に輪をかけて女好きであり、美人と見るとすぐに行動を起こす。バスケットボール部所属で179センチの身長を自慢しては、そこまで大きくないと潮に突っ込まれている。普段は軽薄だが、思い詰めて視野が狭くなることもある潮にとっては、ふさぎ込んでいる気持ちを明るくしてくれるありがたい存在。

熊谷 元 (クマガイ ゲン)

レスリング部の主将で、優れた身体能力を持つ葉山潮を勧誘しにくる。“脳みそも筋肉”な単純な性格をしており、また年齢相応に女性に興味を持っているがあまりもててはおらず、潮をうらやましく思っている。しかし正義感は強く、沙羅が学内で悪者に仕立て上げられそうになった時は、潮の頼みを聞いて無罪の証拠を集めてきた。 沖縄で国光麻衣子に出会って童貞を喪失する。

葉山 奈緒美 (ハヤマ ナオミ)

葉山潮の妹だが、後に潮の父が再婚した女性の連れ子であり、血がつながっていないことが判明する。彼女自身はそのことを知っており、潮に対しては兄として慕う以上の感情を持っており、自身のプロポーションについてなど、潮の発言に一喜一憂する場面が多く見られる。

書誌情報

B.B.フィッシュ 全9巻 〈集英社文庫 コミック版〉 完結

第1巻

(2005年10月発行、 978-4086183819)

第2巻

(2005年10月発行、 978-4086183826)

第3巻

(2005年12月発行、 978-4086183833)

第4巻

(2005年12月発行、 978-4086183840)

第5巻

(2006年1月発行、 978-4086183857)

第6巻

(2006年1月発行、 978-4086183864)

第7巻

(2006年2月発行、 978-4086183871)

第8巻

(2006年2月発行、 978-4086183888)

第9巻

(2006年3月発行、 978-4086183895)

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