白聖女と黒牧師

白聖女と黒牧師

和武はざのの代表作。架空の世界の小さな町を舞台にしている。だらけ癖のある聖女のセシリアと、生活を共にする牧師のローレンスの、もどかしくもあたたかい日常を主に4コマ漫画で描いた、無自覚いちゃラブ・コメディ。ローレンスへの思いが強すぎるあまり空回りしがちなセシリアと、鈍感すぎて彼女の思いに気づかないローレンスの、どこかかみ合わないコミカルなやり取りが大きな魅力となっている。講談社「少年マガジンR」2017年3月号から2023年2月号にかけて掲載されたのち、講談社「月マガ基地」で2023年2月17日から配信の作品。2023年7月にテレビアニメ化。ローレンスを石川界人、セシリアを澤田姫が演じている。

正式名称
白聖女と黒牧師
ふりがな
しろせいじょとくろぼくし
作者
ジャンル
ファンタジー
 
ラブコメ
レーベル
講談社コミックス月刊マガジン(講談社)
巻数
既刊13巻
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生真面目な聖女と過保護な牧師のもどかしい恋物語

民衆から慕われている牧師・ローレンスは、みんなに分け隔てなく優しいが、自らに向けられる好意には非常に鈍感。そんなローレンスと共に暮らす聖女・セシリアは、人々を守り導く象徴として特別視される聖女でありながら、民衆との距離感も近く、親しみやすい女性だった。セシリアは一人の女性として、ローレンスに対してストレートにわかりやすく好意を示すものの、肝心のローレンスにはなかなかその思いが届かない。何げないやり取りやトラブルに胸をときめかすセシリアと、彼女の気持ちにはまったく気づく様子も見せず、ただただ過保護なローレンス、そしてなかなか進展しない二人の関係をあたたかく見守る人々の様子がコミカルに描かれる。

無自覚いちゃラブコメディ

いつもの日常であっても、ローレンスの何げない一言がきっかけで、セシリアにとって特別なイベントと化すこともある。ローレンスへの好意があふれ出ているセシリアと、その好意にまったく気づかずに、それでいて世話を焼き続けるローレンスの様子は、結果的にイチャイチャしているように見え、ほっこりした気持ちになる。恋の進展スピードはスローペースながら、名前を呼ぶ、髪に触れる、手をつなぐなど、何げない日常がローレンスの意識に変化を与え、二人の関係は少しずつ変わっていく。

ローレンスの自覚

ローレンスはセシリアがどこからともなく現れた日以来、彼女を聖女として大切に扱っている。それゆえに、セシリアが自分に好意を抱くことなど考えもせず、尊敬する聖女に何かあっては大変とばかりに、過保護なほどに牧師として仕え続けており、どんなにわかりやすくセシリアから好意を寄せられてもそれが恋愛感情であると疑うこともない。それが二人の恋愛を進展させない原因だが、のちにセシリアへの思いが特別なものであると自覚しても、恋愛に不慣れな二人の関係は簡単に進展しないため、結局周囲をやきもきさせ続けることになる。

登場人物・キャラクター

ローレンス

牧師を務める男性。ある日突然、身一つで現れた聖女のセシリアを保護して以来、暮らしを共にしている。牧師という立場上、セシリアを聖女として敬っているが、何をさせても頼りない彼女を放っておけず、ついつい過保護になりがち。優しい性格で人当たりもいいが、極端に鈍感なところがあり、セシリアから寄せられているわかりやすい好意にすら気づいていない。時として意図せずにセシリアを動揺させるような甘い言葉を口にすることもあるが、これもまったく意識していない。実は天使や悪魔、妖精のような目に見えないものに好かれやすい特殊な体質で、さまざまなものに好かれるあまり、自分の体につねに負担がかかる状態にあるが、鈍感さからまったく自覚していない。学生時代はその事実を知る友人のアベルにそれとなく守ってもらっていたが、現在はセシリアの力によってがっちりと守られている。食事の支度や掃除など日常生活の家事全般はローレンス自身が行っているため、お菓子作りも得意。動物好きながら、近づこうとするだけで逃げられてしまうため、いつも触ることができない。苦手なものは貝類。セシリアやアベルからは「ローレン」と呼ばれている。

セシリア

神の天啓を受けた聖女。一見ふつうの少女ながら不思議な力を持っており、民衆からは癒しや導きを求められる特別な存在で、周囲からは「聖女様」と呼ばれている。現在暮らしている町には、ある日突然ふらっとやって来た。身一つで路頭に迷っていたところを牧師のローレンスに保護されて以来、彼といっしょに暮らしている。少々儚(はかな)げで頼りないところがある。また不器用でよく転ぶため、ローレンスからは日常的に心配され、過保護に扱われている。だらけ癖があり、ことあるごとに人目がないのを見計らって休んだり眠ったりしている。また、ローレンスの手作りの菓子を食べることが生きがい。ローレンスに密かな思いを寄せており、自分の好意をわかりやすく表現しているつもりだが、肝心のローレンスが鈍感すぎるため、まったく伝わっていない。見えないものに好かれやすい体質のローレンスを守るために、毎日こっそり加護を与えている。

書誌情報

白聖女と黒牧師 13巻 講談社〈講談社コミックス月刊マガジン〉

第1巻

(2017-12-15発行、 978-4065105986)

第2巻

(2018-06-15発行、 978-4065115985)

第3巻

(2018-12-17発行、 978-4065138274)

第4巻

(2019-06-17発行、 978-4065159484)

第5巻

(2019-12-17発行、 978-4065180297)

第6巻

(2020-06-17発行、 978-4065199800)

第7巻

(2020-12-17発行、 978-4065217856)

第8巻

(2021-06-17発行、 978-4065232262)

第9巻

(2021-12-16発行、 978-4065257951)

第10巻

(2022-06-16発行、 978-4065277737)

第11巻

(2022-12-15発行、 978-4065297476)

第12巻

(2023-05-17発行、 978-4065313916)

第13巻

(2024-02-16発行、 978-4065334171)

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