奴隷商人しか選択肢がないですよ? ~ハーレム?なにそれおいしいの?~

奴隷商人しか選択肢がないですよ? ~ハーレム?なにそれおいしいの?~

カラユミの小説『奴隷商人しか選択肢がないですよ? ~ハーレム?なにそれおいしいの?~』のコミカライズ作品。規格外の力を持つものの自堕落な人生を送りたいゼオリスが、人助けをしながら無自覚に周囲の女性と親密になっていく姿を描いたハーレム冒険ファンタジー。「デンシバーズ」で39号(2018年7月)から配信の作品。

正式名称
奴隷商人しか選択肢がないですよ? ~ハーレム?なにそれおいしいの?~
ふりがな
どれいしょうにんしかせんたくしがないですよ はーれむ なにそれおいしいの
原作者
カラユミ
作画
ジャンル
ファンタジー
関連商品
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あらすじ

奴隷商人として生きていく

バルティオ王国のカダツ村で暮らすゼオリスは、将来に多大な影響を与える称号をもらい、称号に沿った勉強をするために王都ジルスにある職業学校へ向かう。ゼオリスは入学検査監査官であるニルス・グローリーから教わったとおりに進めていくと、頭の中に勇者、魔帝、大賢者、奴隷商人という四つの称号が浮かんできた。勇者は人族最高峰の称号、魔帝は魔族最強の称号、大賢者はエルフ族最強の称号とされている上に、歴史上一人ずつしか出ていない非常に強力な称号だった。四つのうちいずれかを筆頭称号として教員に申告し、他人からもわかるようにしないといけない決まりだが、静かで平凡に暮らしたいゼオリスにとって勇者、魔帝、大賢者を選んで周囲から騒がれて目立つのは絶対避けたいことだった。しかし奴隷商人は、ほとんどの人間から忌み嫌われるような称号で、ゼオリスはどれを選ぶか非常に苦悩していた。だが、近くにいたパラスティス・ムルディが奴隷商人を申告したのを見て、ゼオリスも奴隷商人を選ぶのだった。

幼馴染の襲来

ゼオリスパラスティス・ムルディ(パティ)と共に職業学校で奴隷商人として勉強しながら、生活費を稼ぐために冒険者としても活動していた。ゼオリスは殺人事件を解決する際に、被害者のメリナの魂をナーシャの体に移し、さらにナーシャの申し出を受け入れて自分の奴隷にする。ナーシャを奴隷にしたゼオリスは、パティやエレーナから誤解を受けるもののナーシャから説明してもらい、窮地を脱するのだった。いつもの日常が戻ったのもつかの間、今度は故郷のカダツ村から王都ジルスに遊びに来ていた幼なじみのリーゼファムに、ゼオリスの称号が奴隷商人であることや、ナーシャを奴隷にしていることを知られてしまう。事情を説明する間もなくリーゼとファムは怒ってどこかに行ってしまい、ゼオリスは二人を追いかける。その後、ゼオリスは食事処でリーゼとファムに似た少女たちが騒ぎを起こし、いい噂を聞かない仲介屋に連れていかれたという情報を得て、仲介屋の拠点へ向かう。

エルフ族奪還作戦

幼なじみのリーゼファムの王都ジルスでの滞在費を出したことで、ゼオリスの所持金は心もとなくなっていた。高報酬の依頼を求めて冒険者ギルドに向かったゼオリスは、受付のエレーナから条件に合った依頼を紹介してもらう。依頼主はパラスティス・ムルディ(パティ)で、その依頼内容は多くのエルフ族を奴隷にして隔離している人さらいや野盗、奴隷商人の一団を討伐するものだった。しかし、一団についての詳しい情報がまだ届いておらず、具体的な作戦を決められずにいた。そんな中、ゼオリスは以前知り合った義賊集団「紅き黒豹」なら情報を持っていると考え、義賊頭領のオルティナと接触する。紅き黒豹も同じ一団を襲撃する予定だったため、ゼオリスとパティはオルティナたちの作戦に参加することを決める。翌日、コルルム渓谷で一団を待ち構えていたが、ナーシャからエルフ族の子供の声が聞こえたという報告を受け、パティが作戦を無視して飛び出してしまうのだった。

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小説

本作『奴隷商人しか選択肢がないですよ? ~ハーレム?なにそれおいしいの?~』は、カラユミの小説『奴隷商人しか選択肢がないですよ? ~ハーレム?なにそれおいしいの?~』を原作としている。原作小説版は、カラユミが小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿していた同名小説で、オーバーラップノベルスから刊行された。イラストは、neropasoが担当している。

登場人物・キャラクター

ゼオリス

バルティオ王国の王都ジルスにある職業学校で、奴隷商人として勉強している人族の少年。年齢は15歳。幼い頃から身体能力が高く、剣術や魔術にも優れており、Sランク冒険者と1対2で戦っても圧倒できるほどの戦闘能力を誇る。面倒くさがりな性格な上に、目立たずに自堕落な生活を送りたいと思っているため、高い戦闘能力を持つものの英雄になろうとは思っていない。ただし正義感が強くお人好しなため、困っている人を見かけたり、誰かに頼まれたりすると断れずに手助けをしてしまう。職業学校入学時の将来就く職業に影響する称号判定では、勇者、魔帝、大賢者、奴隷商人の四つを獲得する。勇者、魔帝、大賢者は歴史上一人ずつしか得ていない非常に希少かつ強力なもので、奴隷商人は多くの人間から忌み嫌われている。目立ちたくないことを優先して奴隷商人を筆頭称号に選ぶが、同じ奴隷商人を選んだパラスティス・ムルディの行動を間近で見たことで奴隷職人としてのやりがいを見いだす。それは、人さらいなどによって理不尽に奴隷の身分にされた人間や亜人を奴隷オークションで落札し、故郷のカダツ村で5年ほど仕事させたあとに自由の身として解放するというものだった。これは奴隷にとっては破格な待遇のため、ゼオリスに落札された奴隷からは恩人に思われている。奴隷を落札するための資金を稼ぐために冒険者としても活動しているが、ランクが高くなると注目を浴びてしまうため、意図的にランクを上げないようにしている。

パラスティス・ムルディ

バルティオ王国の王都ジルスにある職業学校で、奴隷商人として勉強しているエルフ族の少女。周囲からは「パティ」と呼ばれている。ゼオリスとはクラスメイトで、学生寮ではとなりに住んでいる。正義感が強く、しっかりとした性格ながら、恋愛には疎くて女性扱いされると赤面してしまう。剣術の達人で、並みの冒険者では相手にならないほどの高い戦闘能力を誇る。職業学校入学時の将来就く職業に影響する称号判定では、貴族、騎士、魔術師という希少な称号を得ながらも、多くの人間から忌み嫌われる奴隷商人を筆頭称号に選ぶ。秘密裏にエルフ族の長老から、人さらいなどによって理不尽に奴隷の身分にされた同族を故郷に戻すという、使命を受けている。主に奴隷オークションで落札するという安全性の高い手段を講じているが、オークション前に襲撃するなど強引な一手に出ることもある。

ナーシャ

ゼオリスの奴隷になっている猫獣人の女性。金と血を好む悪名高いBランクの冒険者。大金を手に入れたメリナを殺害するが、ゼオリスによって肉体と魂を分離されられる。さらに死後間もないメリナの魂を肉体に定着されたため、元の魂は消滅した。その後、メリナはナーシャとして生きることになるが、ナーシャは各地で暴虐の限りを尽くし、多くの人間から命を狙われているため、ゼオリスの奴隷となって守ってもらうことを選ぶ。一生涯尽くす畢生(ひっせい)奴隷で契約しており、ゼオリスとはつねに行動を共にしている。

リーゼ

バルティオ王国のカダツ村で暮らす少女。年齢は14歳。幼なじみのゼオリスから魔術を教わっているため、強力な魔法が使える。明るい性格で行動力もあるが、考えるより先に行動するタイプのため、騒動を起こすことも多い。剣術や魔術に秀でているゼオリスを英雄視しており、ゼオリスが奴隷商人となっていることに最初は納得していなかったが、ゼオリスから説明を受けると、態度を一変させて積極的に手助けするようになる。

ファム

バルティオ王国のカダツ村で暮らす少女。年齢は13歳。幼なじみのゼオリスから剣術を教わっている。物静かで冷静な性格ながら、ゼオリスが絡むと剣を構えて対峙するなど違う一面を見せる。剣術や魔術に秀でているゼオリスを英雄視しており、ゼオリスが奴隷商人となったことを最初は納得していなかったが、ゼオリスから説明を受けると、態度を一変させて積極的に手助けするようになる。

ニルス・グローリー

バルティオ王国の王都ジルスにある職業学校で、教師を務める女性。希少な称号を持つ金獅子棟で、主に奴隷商人の教育を任されている。ゼオリスとパラスティス・ムルディに対し、奴隷商人としての倫理観の授業や奴隷オークションでの実地研修を行う。奴隷商人の称号を持ち、秘密の多い奴隷オークションにも頻繁に出入りしており、裏社会にも詳しい。マイペースな性格で、教師としては優秀だが私生活は非常にだらしない。

エレーナ

バルティオ王国の王都ジルスにある冒険者ギルドで、受付を担当している女性。生真面目でしっかりした性格だが、人間不信気味になっている。貧乏な家に生まれたため、10歳の時に5歳下の妹が奴隷商人に売られた過去があり、奴隷商人のことを嫌っている。ゼオリスのことも奴隷商人として不信感を抱いていたが、メリナの魂が入ったナーシャから事情を聞いたあとは、ほかの人たちと同様に接するようになる。

メリナ

バルティオ王国の王都ジルスで、冒険者として活動する女性。最近、冒険者ランクがEに上がって間もない新人ながら知識が豊富で、冒険者登録したばかりのゼオリスの指導員を務める。物おじせずに積極的な性格で、人間不信気味のエレーナとも仲がいい。ゼオリスと受けた依頼で、ゴブリンの群れを討伐した報酬で大金を手に入れるものの、その金を狙うナーシャの一味に襲われて命を落とす。その後、ゼオリスによって魂だけ呼び戻され、魂の抜けたナーシャの肉体に定着されたため、ナーシャとして生きることを決める。

オルティナ

義賊「紅き黒豹」を率いている女性。ニルス・グローリーから剣を教わっており、戦闘能力は非常に高い。冒険者として活動していた時に、山賊として略奪をしていた紅き黒豹に襲われ、返り討ちにする。山賊たちにその強さを見込まれ、いつの間にか頭領となる。生真面目で正義感が強い性格で、メンバーを更生させるために紅き黒豹を義賊に転向させた。民を苦しめる貴族や人さらいをはじめ、人権を踏みにじって私腹を肥やす奴隷商人を襲撃することを主な活動としており、ゼオリスのことも最初は悪徳奴隷商人だと思って刃を向けた。しかしゼオリスに圧倒され、ナーシャからゼオリスのことを聞いて誤解を解く。またゼオリスに刃を向けた時に、一方的にお尻を叩かれて痴態を晒したにもかかわらず、快感を得たことでマゾヒズムに目覚める。

セア・リピス

ゼオリスたちが助けた奴隷の少女。かつてはルーベンフィリオ帝国で、「恩愛のセア・リピス」と呼ばれていた聖女だったが、教会の活動中に捕らわれて奴隷となる。すでに死亡扱いとなっているために教会に戻ることはできず、周囲から懇願されたこともあって義賊「紅き黒豹」の導き手になる。穏やかな性格で、自愛に満ちている。ふだんは目を閉じ、人や物が発している魔力の強さだけで世界を認識している。

クレジット

原作

カラユミ

キャラクター原案

neropaso

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