あらすじ
第1巻
高校1年生の梅宮蘭は初めて来店した下着店で、同世代の少女の小阪ジェラルディーンと出会う。ジェラルディーンは大の下着マニアで、毎日この店に通っては下着のコレクションを増やしているのだという。一方の蘭は、これまで一人で下着店に来たこともなければ、下着に関する知識もまったくなかった。そんな蘭にジェラルディーンと店員の神鳥そららは、まずはバストサイズの測り方から丁寧に指導する。これがきっかけで蘭は、おしゃれの一つの要素として下着に関心を持つようになる。それからしばらくたったある日、蘭は神鳥家で行われるランジェリーパーティに誘われ、白滝陸と共に遊びに行くことにする。そこで蘭は、そららの妹の神鳥うみみと出会うが、うみみは下着は自分自身のおしゃれとして個人で楽しむもので、ランジェリーパーティのように派手な催しは理解できないという考えの持ち主だった。それでも、うみみが下着そのものを嫌っているわけではないと知った蘭は、あらためてうみみに声を掛けて互いの下着に関する考えを話し合う。これによって二人は考え方は違うが、お互いを尊重し合う仲となる。
第2巻
夏になり、梅宮蘭たちは臨海学校が始まった。蘭は学校が違うために小阪ジェラルディーンといっしょに過ごせないことを残念に思うが、そこにジェラルディーンそっくりの女性が現れ、蘭は幻覚を見ているのかと驚く。しかしこれは幻覚ではなく、ジェラルディーンと神鳥そらら、神鳥うみみの三人は蘭を驚かせるために、海に遊びに来ていたのである。こうして蘭たちは楽しい時間を過ごすが、夕方になって、白滝陸が下着を忘れてきたことに気づく。下着を買いに行ける状況ではないために陸は困り果てるが、そこでジェラルディーンたちが代わりに買いに行くと名乗りを上げる。そして三人は、以前採寸した記憶を頼りに新しい下着を購入し、こっそり陸に届けるのだった。そんな中、ジェラルディーンは蘭が何か隠し事をしているらしいことに不安を感じていた。そこで陸たちに相談すると、蘭が海外の学校に転校するかもしれないという噂を聞く。ショックを受けるジェラルディーンだったが、事の真相はそららの店でアルバイトを始めることだと知り、安堵する。
登場人物・キャラクター
梅宮 蘭 (うめみや らん)
高校1年生の女子で、神鳥そららの勤務する下着店でアルバイトするようになる。顎まで伸ばした茶色のボブヘアを、ヘアピンで留めてまとめている。華奢な体型で、胸のサイズはA65と小さめ。つねに一生懸命なまじめな性格で、恥ずかしがり屋な一面もある。下着に関しては周囲の女子に比べて子供っぽい下着を付けていることを自覚して以来、苦手意識を抱いていた。そんなある日、現状を変えるために初めて一人で下着店に行くことになる。そこで下着の選び方がまちがっていることを店員のそららに指摘され、まずは採寸してもらうことにする。その直後、小阪ジェラルディーンが誤って梅宮蘭の試着室に入ってしまったのがきっかけで、そららとジェラルディーンと親しくなった。それからは下着に関心を持つようになり、二人に教えてもらいながら、下着の知識を深めていく。しかし、学生であるためにあまり多くの下着は買えず、二人にプレゼントしてもらうことも多い。転勤族で、現在の地域に引っ越してくる前は2年ほど京都府に住んでおり、その前は宮城県に住んでいた。
小阪 ジェラルディーン (こさか じぇらるでぃーん)
雪ノ海女学院高校に通う1年生の女子。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばした金色のロングヘアを、二つに結んだツインテールの髪型にしている。平均的な身長ながら、胸のサイズはG75と非常に大きい。あだ名は「ジェリー」。日本人の父親とアメリカ人の母親のハーフで、生まれも育ちも日本。しかし語尾に少しなまりがある、片言の話し方をする。また、一人称は「小阪」。明るく人懐っこい性格で、一度関心を持った物事には深くのめり込むタイプ。特に下着全般が大好きで、神鳥そららの店に毎日通って下着のコレクションを増やし、学校では授業ごとに下着を変えるほどの下着マニアである。成績優秀且つスポーツ万能の優等生だが、以前は勉強もスポーツも苦手だった。しかし状況に合わせて下着を変え、下着をお守り代わりにすることで気分を高めて集中できるようになり、現在に至っている。ある日、いつものようにそららの店に行ったところ、誤って梅宮蘭が試着している部屋に入ってしまったことをきっかけに、蘭と親しくなる。以来、蘭のことを非常に気に入り、違う学校でありながら親友同士となる。下着に関しては、着用することや集めることが好きで、下着の歴史や下着の名称についてはあまり詳しくない。
白滝 陸 (しらたき りく)
梅宮蘭と同じ高校に通う1年生の女子で、蘭の友人。胸まである亜麻色のセミロングヘアを、二本の三つ編みにしてまとめている。太眉で、胸のサイズはD70。中国の歴史が大好きな「歴女」で、古風な口調で話す。蘭とは非常に仲がよく、歴史やゲームの話題にも付き合ってくれる彼女を、とても大切に思っている。ある日、蘭が小阪ジェラルディーンからセクハラを受けているとカンちがいし、一言文句を言ってやろうと会いに行く。これがきっかけで神鳥そららにバストサイズを採寸され、長いあいだ誤ったサイズのブラジャーを付けていたことを知る。さらにその直後、ジェラルディーンから下着が壊れていることを指摘され、下着に関心を持つようになる。以来、下着の歴史から知識を身につけ、ジェラルディーンやそららたちとも親しくなっていく。学校の成績は今一つだが、歴史や古文、漢文は得意。
東府 織子 (とうふ おりこ)
梅宮蘭と同じ高校に通う1年生の女子で、蘭の友人。前髪を真ん中で分けて額を見せ、肩まであるセミロングヘアにしている。バストサイズはD65で、これは丸茂梨乃のC70のブラジャーと互換性のあるサイズである。面倒見のよい落ち着いた性格で、同世代の女子よりも大人びている。学校では蘭、白滝陸、梨乃の四人で過ごしていることが多く、特に梨乃の世話を焼いている。ある日の夏、梨乃がブラジャーをすべて洗濯してしまい、つけるブラジャーがなくなってしまった時には自分のものを貸した。
丸茂 梨乃 (まるしげ りの)
梅宮蘭と同じ高校に通う1年生の女子で、蘭の友人。前髪を目の上で切り、顎の高さまであるボブヘアにしている。バストサイズはC70で、これは東府織子のD65のブラジャーと互換性のあるサイズである。おっとりとしたマイペースな性格で、語尾に「~なんだな」と付ける独特の話し方をする。あだ名は「がんも」。動画サイトを見ることが大好きで、特にゲームの実況や料理の制作風景、人気配信者の動画を見るのが好き。そのため、夏に蘭たちを巻き込んで本格的に動画配信しようと考えたが、友人をアクセス数稼ぎに使うのはまちがっていると気づいてすぐにやめた。勉強は苦手で、屁理屈を言っては何かと勉強を避けている。
神鳥 そらら (かんどり そらら)
神鳥うみみの姉で、女子大学生。年齢は20歳。前髪を目の上で切り、胸の下まで伸ばした藍色のストレートロングヘアで、前髪の左側に丸いバレッタをつけてまとめている。以前は京都府に住んでいたが、うみみと違って標準語でしゃべる。下着店でアルバイトをしており、一度でも客として接した相手には、プライベートで会ったときも敬語で話すことが多い。一見おっとりとした雰囲気を漂わせているが、非常に仕事熱心で下着が大好き。そのため、来店した梅宮蘭が、知識がないまま適当に下着を選んでいることを心配して、声を掛けた。この時にうみみの友人で、店の常連客である小阪ジェラルディーンもやって来たことで、いっしょにバストサイズの採寸をし、親しくなった。下着を着用することや集めること、下着の歴史について学ぶことも大好き。しかし、下着姿を見せびらかすようなことは好しとせず、大切な人にだけ見てもらいたいと考えている。誤ったサイズの下着を付けることで、体型が崩れてしまうことを心配し、初来店の客であっても、積極的に声を掛けて採寸をうながしている。口癖は「甘い考えです」で、下着に関する認識の甘い蘭や白滝陸には、よくこの言葉で叱責している。雪ノ海女学院高校の卒業生で、高校の校則に異常に詳しい。
神鳥 うみみ (かんどり うみみ)
雪ノ海女学院高校に通う1年生の女子。神鳥そららの妹で、小阪ジェラルディーンの友人。前髪を目の上で切りそろえ、藍色の前下がりのボブヘアを、前髪の右側に丸いバレッタをつけてまとめている。以前は京都府に住んでおり、京都弁で話す。まじめな性格のしっかり者だが、やや抜けているところがある。そのため、ふだんはジェラルディーンやそららのつっこみ役を務めているが、困ったことがあると周囲に助けてもらっている。そららの影響で、幼い頃から下着に関心を持っており、同世代よりも早く大人っぽい下着を身につけていたために、周囲の女子にからかわれてしまった経験がある。以来、下着はあえて見せるようなことはせず、見えないおしゃれとして、一人で楽しんでいる。そんなある日、自宅に遊びに来た梅宮蘭と意見が対立し、険悪な雰囲気になってしまう。しかし、蘭もまた以前下着で恥ずかしい思いをしたことがあると知り、親近感を抱く。それからは自分の考えは変えずに、下着を見せ合って楽しんでいる蘭やジェラルディーンのことも尊重するようになる。
書誌情報
真面目ガールと青春ランジェリー 全2巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉
第1巻
(2019-03-27発行、 978-4049124279)
第2巻
(2019-11-27発行、 978-4049128727)