宝石商リチャード氏の謎鑑定

宝石商リチャード氏の謎鑑定

絶世の美貌を誇る宝石商のリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンとの出会いを機に、ごくふつうの男子大学生の中田正義は、宝石にまつわるトラブルに巻き込まれていく。宝石を介してさまざまな人と出会い、成長していく正義の姿を描いたヒューマン・ミステリー。「コミックZERO-SUM」2020年1月号から掲載の作品。

正式名称
宝石商リチャード氏の謎鑑定
ふりがな
ほうせきしょうりちゃーどしのなぞかんてい
原作者
辻村 七子
漫画
ジャンル
推理・ミステリー
 
服飾・ファッション
レーベル
ZERO-SUMコミックス(一迅社)
巻数
既刊6巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

ピンク・サファイアの正義

テレビ局の夜勤守衛のアルバイトを終えて帰る道すがら、男子大学生の中田正義は、酔っ払いに絡まれている宝石商のリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンを助ける。後日リチャードと改めて対面した正義は、祖母の叶ハツが持っていたピンク・サファイアの指輪を鑑別して欲しいと依頼する。2週間後、この指輪が盗品だった可能性が高いことを言い当てたリチャードに、正義はハツがかつて凄腕(すごうで)のスリだったことや、指輪の来歴を話し始める。そしてハツが、生涯この指輪を盗んだことを後悔し続けており、どうにか元の持ち主に返したいと願っていたことを語る。その言葉を聞いたリチャードは、「神戸に会わせたい人がいる」と正義に告げる。

ルビーの真実

中田正義は、リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンが週末にだけオープンする宝石店「ジュエリー・エトランジェ」のアルバイトとして雇われる。そんな中、ルビーのブローチの鑑別依頼に来店した「明石真美」と名乗る女性と出会う。ピジョン・ブラッドのルビーが、ヒートかノンヒートかを気にする真美の様子から、宝石の加工に疑問を持った正義は、同じ大学に通う谷本晶子からも、いかにピジョン・ブラッドのルビーが貴重なものであるかを熱弁されることになる。そんな正義は大学からの帰路、真美の婚約者を名乗る穂村貴志から引き止められ、真美がなにを目的にジュエリー・エトランジェへ来店したのかと問い詰められる。さらにジュエリー・エトランジェに出勤すると、そこにはリチャードを真美の間男だとカンちがいして食ってかかる女性、明石たつきの姿があった。

アメシストの加護

ある日、中田正義が宝石店「ジュエリー・エトランジェ」のアルバイトにやって来ると、ホスト風の見た目の高槻さとしが、客との会話が弾みそうな宝石を求めて来店していた。正義は、さとしがリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンに対して何度もホストへの転職を勧める様子に違和感を覚えるが、さとしは、リチャードが提案したアメシストが「酒に酔わせない」という意味があることを聞いて様子を一変させる。さとしがアメシストのペンダントを購入して帰宅したその夜、飲み会帰りの正義は繁華街のゴミ置き場に倒れ込んでいるさとしを発見し、病院に付き添うことになる。正義は目が覚めたさとしから、ホストではなくバーテンダーであることや、恋人の神崎望がホステスをしていることから、大量に飲酒するのをなんとか止めたいと思っていることを聞く。

追憶のダイヤモンド

中田正義はこれまでの数々のトラブルから、「宝石の価値を決めるものとはなにか」の疑問を持つようになっていた。そんな正義の姿に谷本晶子は、ミネラルショーでの岩石標本の値段を例に挙げつつ、ダイヤモンドを勉強することを勧める。そんな中、半分黒く汚れてしまったダイヤモンドのエンゲージリングを持った小野寺昌弘が、宝石店「ジュエリー・エトランジェ」に来店する。指輪の金属も含めてリフォームしたいとの依頼に、リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンは笑顔で応じるが、正義は、簡単に落とせるはずのダイヤモンドの汚れをずっと落としていない昌弘に疑問を抱いていた。しかも、リフォームするに当たってダイヤモンドのリカットと汚れの洗浄を勧めると、昌弘はキャンセルを申し出て退店してしまう。彼の様子にただならぬものを感じた正義は、あとを追って話を聞くことにする。

キャッツアイの慧眼

ある日、幼い少年、八坂はじめが宝石店「ジュエリー・エトランジェ」を訪れる。はじめはハチミツ色をしたクリソベリル・キャッツアイのルースを取り出し、これと同じものをもう一つ売って欲しいと依頼。リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンがどこかへ電話をしているあいだ、中田正義は頑(かたく)なに素性を語ろうとしないはじめを観察しつつ、はじめの行動のすべてが、飼っている猫のミルクに関係しているのではないかと考えていた。世間話と共に事情を聞き出すと、このクリソベリル・キャッツアイのルースは、はじめの父親がお守りとして買ってくれたものだが、その代わりに父親はミルクをどこかに連れていき、さらに母親が入院してしまったという。父親からお守りとしてもらった宝石ではなく、自分が家族を守るためにクリソベリル・キャッツアイを買いたいのだと訴えるはじめに、リチャードは優しい言葉をかける。

戦うガーネット

山本美人は婚約指輪に使用するガーネットを見つけるため、宝石店「ジュエリー・エトランジェ」に何度も来店していた。しかし、婚約指輪用の宝石を選ぶにしては幸せそうではなく、言葉の端々にコンプレックスや自信のなさをうかがわせながら、容姿端麗なリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンに嫉妬に近い怒りを見せる様子に、中田正義は戸惑いを覚えていた。そんな中、リチャードが美人の素性を言い当てたことで、実は美人には婚約者などおらず、長年付き合っていた恋人をほかの女性に奪われたことで人生を諦観して、自分用の指輪を買うつもりだったと話し始める。そんな美人に対し、リチャードはガーネットの宝石言葉である「努力」と「忍耐」を引き合いに出し、古代ローマでガーネットがどのように愛されていたかを語り始める。

エメラルドは踊る

中田正義谷本晶子とランチを楽しんでいる最中、晶子と小学校から友人だというバレリーナの女性、新海亜貴と知り合う。ちょうどその頃、宝石店「ジュエリー・エトランジェ」には、亜貴が所属する片浦バレエ団で芸術監督を務める片浦綾子が、エメラルドのネックレスにまつわる怪奇事件の相談のために訪れていた。宝石そのものの話ではないため、その申し出を断っていたリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンだったが、正義が団員と知人だと言うことで渋々、エメラルドのネックレスが保管されている劇場まで足を運ぶこととなる。そこで正義とリチャードが聞かされたのは、エメラルドのネックレスがたびたび怪奇現象を起こしているとのことだった。そして、その現象は演目『ジュエルズ』において、第一幕・エメラルドで主演を演じるはずだった女性、片浦美奈子の怨念によって引き起こされているのではないかという噂(うわさ)話だった。

巡りあうオパール

かつて通っていた空手道場の試合で審判に駆り出された中田正義は、自分の試合でいつも勇気づけてくれた先輩の羽瀬啓吾に思いを馳(は)せていた。するとその夜、正義は駅前で啓吾と再会を果たし、二人で食事に行くことになる。そこでピンク・サファイアの指輪を巡る叶ハツ宮下妙の過去について話した正義は、啓吾がしっかりとした鑑定眼を持っている店員がいる宝石店を探していることを知り、「ジュエリー・エトランジェ」をはじめ複数の宝石店を紹介する。そんな中、ジュエリー・エトランジェを来店した啓吾は、ファイアオパールの鑑別を依頼しつつ、取得した経緯として、まさにハツと妙の話をそのまま引用した物語を語り始める。

関連作品

本作『宝石商リチャード氏の謎鑑定』は、辻村七子の小説『宝石商リチャード氏の謎鑑定』を原作としている。原作小説版は集英社「オレンジ文庫」から刊行され、カバーイラストを雪広うたこが担当している。本作は原作小説と同じ順で事件が展開される。

メディア化

テレビアニメ

2021年7月から、本作『宝石商リチャード氏の謎鑑定』の原作である辻村七子の小説『宝石商リチャード氏の謎鑑定』のテレビアニメ版『宝石商リチャード氏の謎鑑定』が、TOKYO MXほかで放送された。監督は岩崎太郎、キャラクターデザインは近藤奈都子が務めている。キャストは、中田正義を内田雄馬、リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンを櫻井孝宏、谷本晶子を花澤香菜が演じている。

登場人物・キャラクター

中田 正義 (なかた せいぎ)

笠場大学の経済学部に在籍する男子大学生。黒髪をベリーショートヘアにしている。強い正義感の持ち主で、酔っ払いに絡まれていたリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンを助け、交番で調書を書き終わるまで付き合った。祖母の叶ハツの遺品であるピンク・サファイアの指輪に関する事件をきっかけに、宝石店「ジュエリー・エトランジェ」でアルバイトをすることになった。素直な性格で何事にも誠実に向き合っているが、褒め言葉をストレートに口にしてしまうことがあるため、たびたびリチャードを赤面させている。かつて空手道場に通っており、有段者でもある。谷本晶子に好意を寄せているが、なかなか告白できずにいる。

リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアン

宝石商をしているイギリス人の男性。波打つ金髪をミディアムショートヘアにしている。道行く女性が全員振り返ってしまうほどの美貌の持ち主で、中田正義はリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンのことを「生きた宝石」と評している。一度宝石を購入した客の顔と名前、さらに購入された宝石の特徴に至るまですべてを記憶している。宝石に造詣が深く、つねに冷静沈着で客を最優先にした仕事ぶりを見せる。また極度の甘党で、おいしいと評判のお菓子に目がない。ポーカーフェイスに振る舞っているが、意外と照れ屋な一面を持つ。

谷本 晶子 (たにもと しょうこ)

笠場大学の教育学部に在籍する女子大学生。中田正義と同学年。ウェーブがかった黒髪をショートボブヘアにしている。困っている人を見ると放っておけない正義感を持つものの、優しさに付け込む悪人に対しても警戒心がないため、だまされやすい。岩石全般に対して造詣が深く、その話になると止まらなくなる。またその際には声色が低く、表情が険しく変化するため、高校時代は「ゴルゴ谷本」と呼ばれていた。

叶 ハツ (かのう はつ)

中田正義の祖母で中田ひろみの母親。故人。戦後の東京でスリをして生計を立てており、その卓越した技術により、警察関係者からは「抜きのハツ」という二つ名を付けられていた。裕福な男性しか狙わず、盗むのは時計と現金のみと決めており、困っている人たちに稼ぎを分け与える情に厚い一面がある。しかし駅のホームで魔が差し、見るからに令嬢然とした宮下妙からピンク・サファイアの指輪を盗んだことで、妙が自殺を図ってしまう。それを知って指輪を返そうとしたものの、道中で警察に捕まって服役することとなった。

中田 ひろみ (なかた ひろみ)

中田正義の母親で、叶ハツの娘。茶髪をショートヘアにしている。母親のハツがスリの常習犯として服役したことから、小学校時代は「極道」というあだ名で呼ばれていた。また、ハツの服役中にひろみの面倒を見てくれた人たちも、全員犯罪者だということが地域一帯に知られたため、ハツのことを憎んでいる。

宮下 妙 (みやした たえ)

大富豪の老婦人。白髪をショートヘアにしている。自宅の中でも車椅子で過ごしている。リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンの取引相手で、懇意にしている。かつて父親の会社が買収の危機にさらされ、一家心中かという窮状に陥った際、敵対企業の買収を受ける代わりに相手社長と結婚することになっていた。叶ハツにピンク・サファイアの指輪を盗まれたことで、自殺を図った過去がある。

砂州 真美 (さす まみ)

OLの女性。痩身の体型で、黒髪をロングヘアにしている。宝石店「ジュエリー・エトランジェ」にピジョン・ブラッドのルビーのブローチを持ち込み、加熱処理のされているルビーかどうかの鑑別を依頼した。リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンと対峙(たいじ)しても顔色一つ変えなかったことから、中田正義に感心されていた。穂村貴志の婚約者で、明石たつきの元恋人でもある。また、ジュエリー・エトランジェに来店した際は偽名として「明石真美」を名乗っていた。

穂村 貴志 (ほむら たかし)

砂州真美の婚約者の男性。黒髪を七三分けにしている。真美と同じ会社に勤めており、穂村商事という企業の社長令息の真美とは、すでに両親への婚前挨拶も済ませている。しかし、いざ結婚という段になって気が乗らない態度の真美に不安を抱き、探偵に依頼して真美の身辺調査を行なった。そして真美が、宝石店「ジュエリー・エトランジェ」を利用したことを知り、中田正義に事情を聞こうと声をかけた。

明石 たつき (あかし たつき)

スタジオミュージシャンの女性。長い金髪をうなじでまとめている。砂州真美の元恋人で、7年間付き合っていた。2年前までは同棲をしていたが、突然真美が姿を消したことで、必死に行方を探していた。仕事仲間から、真美が宝石店「ジュエリー・エトランジェ」に入店する姿を見たと聞き、リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンが間男なのではないかと疑って店に怒鳴り込んだ。

高槻 さとし (たかつき さとし)

バーテンダーを務める男性。金髪をショートヘアにしている。客との会話が弾みそうな宝石を探すため、宝石店「ジュエリー・エトランジェ」に来店した。恋人の神崎望がホストに入れ込んでいることに嫉妬し、ホストクラブを経営しようと考えている。そんな中、リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンと出会い、その容姿や語り口調、客をつねに否定しない態度を見込んで、ホストへの転職や兼業を勧めている。

神崎 望 (かんざき のぞみ)

神崎望の恋人で、ホステスの女性。肩下までの金髪にパーマをかけている。源氏名は「華咲ノゾミ」。サービス精神が旺盛で、盛り上がった雰囲気で酒を勧められると拒絶することができず、酩酊(めいてい)してしまう。ホストクラブに通い始め、ホストに貢いでいる。

小野寺 昌弘 (おのでら まさひろ)

機械製造の企業で社長を務める老齢の男性。宝石店「ジュエリー・エトランジェ」ができる前に、この場所にあったコーヒー店の常連で、その時のオーナーをよく知っている。ジュエリー・エトランジェに妻の遺品であるエンゲージリングを持ち込み、リフォームを依頼した。

八坂 はじめ (やさか はじめ)

小学生の男子。茶髪をおかっぱにしている。頭脳明晰で言葉遣いも丁寧ながら、大人と対等な立場で話そうとする一面がある。危機察知能力を持つ飼い猫のミルクを父親が連れて行った直後に母親が入院となり、さらに父親がミルクの行方を誤魔化し続けていることで、父親に不信感を抱いている。すでに持っているハチミツ色のクリソベリル・キャッツアイのルースを購入しようと、一人で宝石店「ジュエリー・エトランジェ」に来店した。

ミルク

八坂はじめが飼っている毛足の長い白猫。ハチミツのような金色の目を持っている。元野良猫で、ボス猫然とした貫禄を漂わせている。勘が非常に鋭く、家族を守るような行動を取ることから、はじめからは「家族のおまもり」として大切に扱われている。しかし、妊娠中のはじめの母親が入院する直前、はじめの父親によってどこかに連れて行かれ、現在は行方がわからなくなっている。

山本 美人 (やまもと みと)

フラワーショップに勤めている女性。黒髪ロングヘアをうなじでまとめ、眼鏡をかけている。宝石店「ジュエリー・エトランジェ」を来店した際、外資系企業の内勤で婚約指輪に使用するガーネットを探していると話していた。しかしすべてがウソで、長年交際していた恋人に振られた憂さ晴らしに指輪を購入するつもりだった。自分の名前と容姿のギャップに強いコンプレックスを抱いており、美しい女性は自分よりも得な人生を歩んでいるはずだと思い込んでいる。

新海 亜貴 (しんかい あき)

片浦バレエ団に所属するバレリーナの女性。黒髪をセミロングヘアにしている。谷本晶子の友人で、晶子とは小学校と中学校が同じ。晶子が設立した鉱物岩石同好会のメンバーだった。当時の好きな岩石標本はフローライトで、ペンタゴン石の標本が欲しいと話していた。片浦美奈子を尊敬しており、公演予定のプロットレス・バレエ『ジュエルズ』では、美奈子の代わりに第一幕・エメラルドの主演を演じることになっている。

片浦 綾子 (かたうら あやこ)

片浦バレエ団で芸術監督を務めている中年の女性。黒髪をオールバックにしており、うなじでシニヨンにまとめている。公演間近の演目『ジュエルズ』のため、アメリカのバレエ団からレンタルしたエメラルドのネックレスを中心に怪現象が頻発し、困り果ててリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンのもとへ相談に訪れる。

片浦 美奈子 (かたうら みなこ)

片浦綾子の娘で、故人。片浦バレエ団に所属していたバレリーナで、実力派として知られていたが、骨肉腫を患って33歳で亡くなる。宝石をモチーフにした演目『ジュエルズ』において、第一幕・エメラルドで主演を演じるはずだった。そのため、エメラルドのネックレスを中心に怪現象が頻発したことで、片浦美奈子の呪いではないかとも噂(うわさ)されている。

吉田照秋 (よしだ てるあき)

片浦バレエ団で裏方を務めている老齢の男性。白髪を短髪にしている。孫も裏方としていっしょに働いていることから、団員たちからは「吉田老人」と呼ばれている。小道具や大道具の管理責任者を任されている。

羽瀬 啓吾 (はせ けいご)

会社員の男性。茶髪をツーブロックヘアにしている。中田正義の中学時代の先輩で、かつて正義が通っていた空手道場で、正義を指導していた。偶然街中で正義と再会した際、正義からピンク・サファイアの指輪を巡る叶ハツと宮下妙の過去について聞かされ、それをきっかけに複数の宝石店を紹介された。宝石店「ジュエリー・エトランジェ」にファイアオパールの鑑別と買い取り依頼で来店したが、その際にファイアオパールを取得した経緯について、正義が語った出来事を参考にしたとしか思えない来歴を語っている。介護施設のマネージャーをしており、施設に通って来る菅野ヒサから非常にかわいがられている。ヒサからは「うさぎさん」と呼ばれている。

菅野 ヒサ (すがの ひさ)

デイケア施設に通っている老齢の女性。車椅子に乗っている。ウェーブがかった白髪をショートヘアにしている。軽度の認知症を患っており、気難しく人見知りのため、基本的に世話は羽瀬啓吾が行っている。以前施設の裏でボヤ騒ぎがあった際、啓吾が自分を背負って逃げてくれたことに恩を感じており、啓吾にファイアオパールを譲り渡した。実家は岩手県にあり、夫を亡くしてからは独居生活を送っている。

畠 敏子 (はた としこ)

菅野ヒサの姪にあたる中年女性。ウェーブがかった黒髪をミディアムヘアにしている。旧名は「菅野敏子」。羽瀬啓吾がヒサのファイアオパールを盗んだと疑っており、啓吾が宝石店「ジュエリー・エトランジェ」に2度目の来店をしたタイミングで乗り込んできた。

集団・組織

片浦バレエ団 (かたうらばれえだん)

日本で有数の歴史あるバレエ団。片浦綾子が芸術監督を務めている。戦後すぐに発足し、以前は海外公演も積極的に行っていた。しかし不景気の影響もあり、現在は篤志家の援助で小規模に活動を行なっている。私立片浦バレエ学校も運営しており、バレエ団の練習拠点と財団法人としての事務所を兼ねている。

場所

ジュエリー・エトランジェ

リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンが銀座にオープンした宝石店。土日だけの開店で、中田正義がアルバイトとして雑用をこなしている。かつてはコーヒー店だったため、コーヒー店の馴染(なじ)み客だった小野寺昌弘も来店することがある。

クレジット

原作

辻村 七子

キャラクター原案

書誌情報

宝石商リチャード氏の謎鑑定 6巻 一迅社〈ZERO-SUMコミックス〉

第6巻

(2024-03-29発行、 978-4758084918)

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