砂とアイリス

砂とアイリス

発掘を愛する研究者の卵である長瀬なぎさは、彼氏のミズキと順調な交際を続けながら、母校の講師である梶谷とも微妙な関係にあった。キャリアも恋も定まらず、ふらりふらりと模索する長瀬の日々を描く。「Cocohana」2012年1月号から2014年8月号にかけて連載された作品。

正式名称
砂とアイリス
ふりがな
すなとあいりす
作者
ジャンル
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概要・あらすじ

漆の研究所で働く長瀬なぎさは、大学時代にお世話になった梶谷に呼ばれ、発掘現場を手伝うことになった。久しぶりに再会した梶谷と急接近する長瀬だったが、梶谷が妻帯者であることも知っているため、ギリギリ適正な距離を保っている。だがこの関係は、長瀬がバイク事故を起こしたことで徐々に変化していく。次々と巻き起こる問題に、長瀬の苦悩の日々は続く。

登場人物・キャラクター

長瀬 なぎさ (ながせ なぎさ)

古代ガラスが好きで考古学の道に踏み込み、在学中は目録作りと資料分類のスキルを磨き、卒業後は兄弟子の梶谷の計らいで漆の研究所に修行に出た。都会よりも、サラサラに乾いた土に囲まれた発掘現場を愛する女性。どこでも眠れて寝起きも良いのが特技。彼氏のミズキと安定した関係を築きつつ、最近は梶谷との距離を急速に縮めている。 愛車はスーパーカブ「THE ナガ号」。

梶谷 (かじたに)

長瀬なぎさが卒業した大学の講師。学生の指導に力を入れており、一人一人の適性に合わせた就職先を紹介するのがライフワーク。その人柄が評価され、准教授の候補に上がっている。立ち姿がりりしいからという理由で、長瀬のあだ名を「アイリス」にした。妻の梶谷沙羅とは院生時代に学生結婚している。子供の頃、年上のレトリーバーに面倒を見てもらっていた過去があり、大型犬を愛している。

梶谷 沙羅 (かじたに さら)

梶谷の妻。東南アジアの水上集落を研究しており、保護活動にも力を入れている。そのため、めったに日本には帰ってこない。たまに帰国した時には、寄付金を募るために着飾って社交界に参加している。ドレスアップするより、裸足で現場にいる方がご機嫌な、自由を愛するさすらいの女性。

ミズキ

長瀬なぎさの彼氏。長瀬との仲は安定期に入っている。長瀬の勤め先の研究所まで、深夜におやつ便を運んでくれる気配りの人。子供の頃に近所の古墳で遊んでいた経験があり、大人になって専門家の長瀬と出会えたのが新鮮な喜びだった。

藤本 (ふじもと)

長瀬なぎさの勤める漆研究所の上司。梶谷と青山憲章の友人でもある。ざっくばらんな性格で、仕事に関しても基本的には個人の裁量に任せている。長瀬が研究会でポスター発表をする時には、隠れてこっそり見守りに来るという、心配性で過保護な一面もある。

青山 憲章 (あおやま けんしょう)

長瀬なぎさの大学時代のチューター。梶谷の友人。フィールドワークが大好きでガンガン発掘するが、掘ったら掘りっぱなしで分析もチェックもせずに放置してしまう。春山でフィールドワーク中に梶谷と一緒に沢に落ち、教授の三木とガイドさんに救助されたことがある。

三木 (みき)

長瀬なぎさの大学時代の恩師。学生が気軽に立ち寄れるように、夏でも冬でも常に研究室のドアを開けているオープンな人柄。長瀬が3回生の時に作った土器レプリカ立体パズルを気に入っており、研究室にずっと置いている。かなりの愛妻家。

永野 (ながの)

長瀬なぎさの同級生で友人。大学時代は長瀬とよくつるんでおり、一緒に発掘合宿に参加していた。現在は建設会社に勤務している。さばさばした性格で、ズバッと切り口の鋭いコメントが得意。長瀬の愛車であるスーパーカブ「THE ナガ号」の共同購入者兼共同名義人でもある。

チコ

梶谷を育てたレトリーバー。母親が育児ノイローゼ気味だったため、見かねて子育てを手伝いだした。泣いている赤ん坊をなめたりあやしたり、添い寝をして世話をするなど育児上手。梶谷が幼稚園に通うようになってからは、朝起こして身支度させ、バスまでの送迎もしていた。梶谷に弟が生まれてからも同じように面倒を見て、兄弟が成長しても朝起こすことと見送り出迎えを続けた。

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