砂の都

砂の都

町田洋の初連載作品で、9年ぶりに発売された単行本。舞台は不思議な砂漠の孤島。人の記憶が建物になる町で暮らす18歳の青年と小説家志望の少女を軸にした、「記憶」と「建物」を巡るファンタジー。講談社「月刊モーニングtwo」2018年11月号から2019年1月号、3月号、5月号、同誌がWEBに移行した「モーニングtwo」2023年3月号から5月号に掲載。宝島社「このマンガがすごい! 2024」オトコ編第9位に選出された。

正式名称
砂の都
ふりがな
すなのみやこ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
モーニング KC(講談社)
関連商品
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人々の記憶が建物になる不思議な町

本作の舞台は、砂漠をゆっくりと移動している不思議な孤島。文化的にはごく普通の現代日本と変わらないが、建物は砂でできており、人の記憶が建物になるのが最大の特徴である。建物は、人が住んでいる間は崩れないが、空き家になるとやがて崩壊してしまう。また、生きている人間の記憶が建物になることが多いが例外もある。青年の隣人だった老人が亡くなった際は、地鳴りとともに、かつて首都にあった野外コンサートホールが出現。老人は楽団員だったようで、弔問に訪れた大勢の楽団員は、完全に再現されたホールに驚き、昔を懐かしんで演奏を開始した。

未知の体験を躊躇する青年×小説家志望の少女

本作の主人公は、町の修理屋で雑用係をしている18歳の青年。未知の世界に飛び込むことを躊躇するところがあり、かつて、友人の結婚式の二次会で行われたダンスに参加しなかったことを後悔している。一方、少女は小説家になって町を出た姉に憧れており、自分もこの町を舞台にした小説を書いている。建物ができるたびに見に来る少女のことが気になっていた青年は、町にできた新しいバス停で少女に声をかけ、知り合いになる。2年ぶりに町がオアシスのそばを通ることになったある日、人々は次々とオアシスの湖に飛び込むが、青年は湖のふちで眺めているだけだった。それを見た少女は、青年を湖に突き落として自分も飛び込む。「何をするんだ」という青年の問いに対する少女の答えは「泳ぎたそうだったから」という簡潔なものだった。

登場人物・キャラクター

青年 (せいねん)

町の修理屋で雑用係をしている18歳の青年。両親から税理士の叔父夫婦に預けられて育ち、現在は一人暮らしをしている。未知の体験に躊躇してしまうところがある。新しい建物ができるたびに見に来る少女のことが気になり、あることをきっかけに親交を持つようになる。建築についての勉強がしたいと考えている。

少女 (しょうじょ)

16歳ぐらいの少女。5年前に新人賞を受賞して町を出ていった小説家の姉に憧れを持つ。自分の町を舞台にした小説を書いており、新しい建物ができるたびに見学に訪れている。新しくできたバス停で出会った青年と親交を持つようになる。

書誌情報

砂の都 講談社〈モーニング KC〉

(2023-05-23発行、 978-4065317372)

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