不可思議堂奇譚

夢や希望を失った人々を客として迎え入れ、彼らが本当に必要としている特別な品物を売る、不可思議堂という店を舞台にしたハートフルな物語。「週刊少年ジャンプ」1994年30号から39号にかけて掲載された。

正式名称
不可思議堂奇譚
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
全1巻
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概要・あらすじ

身寄りのない子供を引き取り、親代わりになって育てていた施設「あすなろの里」の職員である阿部川雄二は、目前に迫った施設閉鎖の危機に苦悩していた。そんな折、街角で見つけた不可思議堂という奇妙な店に立ち寄った雄二は、店員の不可思議無量不可思議穣に言われるがまま、藁をもすがる思いで、100万円もする「幸福の缶詰」を購入してしまう。

得体の知れない品になけなしのお金を投じてしまった雄二は、自身の判断が間違っていたのではないか、という思いにさいなまれつつ、施設の子供が見守る中で、その缶詰を開けるのだった。

登場人物・キャラクター

不可思議 穣 (ふかしぎ じょう)

不可思議堂で働いている女性。眼鏡が似合う知的な雰囲気をした美女。年齢は23歳。ぶっきらぼうで人を寄せ付けない態度と、辛らつな口調を特徴としている。金勘定に関しても厳しい。ただし、そのクールな態度は、あくまで表面的なもので、本当は困っている人を放っておけない優しい性格。店主の不可思議無量とともに、不可思議堂を訪れた人物が、最も必要としている特別な品物を、売ることを生業にしていた。 元々は不可思議堂の前に捨てられていた孤児。無量に拾われ、不可思議堂の後継者として育てられた。「ポチ」という名前の黒猫を飼っている。

不可思議 無量 (ふかしぎ むりょう)

不可思議堂の店主。食えない性格をした老婆。不可思議穣とともに、不可思議堂に迷い込んだ人物の相談に乗り、悩みを解決できる特別な品物を売っている。元々は不可思議堂の前に捨てられていた孤児で、先代の店主によって育てられた。店主が亡くなる時に、自ら店を引き継ぐことを約束。心が病んだ人々の役に立とうと、数十年にわたって店を維持していた。 ある日、店の前に捨てられていた赤子に昔の自分を重ね、「穣」と名づけて愛情深く育て上げる。

阿部川 雄二 (あべかわ ゆうじ)

身寄りのない子供を育てる施設「あすなろの里」の職員をしている男性。年齢は63歳で、実直で真面目な性格をしている。施設の後ろ盾だった細川財団の当主、「細川トシ」が危篤になり、施設閉鎖の危機に陥った。悩み続けていたある日、不可思議堂へと迷い込む。店員の不可思議無量と不可思議穣に薦められるまま、100万円もする「幸福の缶詰」を購入する。

飯島 歌奈 (いいじま かな)

とあるレストランで歌手をして糊口をしのいでいる女性。年齢は24歳。歌はうまいが、笑顔を作ることができず、結果として周囲の雰囲気を暗くしてしまう。そのため、店長からクビを言い渡されてしまった。自分の歌を褒めてくれた、画家を志す「恭二」に想いを寄せている。店で出会った不可思議穣から、どんな悲しい時でも笑顔になる「笑顔の仮面」を、自身の涙と引き換えにレンタルする。

梅屋 広 (うめや ひろし)

チンピラグループに所属している男子学生。年齢は16歳。父親である梅屋洋助によって、男手ひとつで育てられた。一年中働き尽くめの洋介から、月に10万円の小遣いをもらっているが、小さい頃からロクに相手をしてくれなかった洋助を軽蔑していた。入院した洋助の隠し事を探るために、不可思議無量から「聞かせて聴」という特別な聴診器を購入する。

梅屋 洋助 (うめや ようすけ)

梅屋広の父親。年齢は46歳。正業の他に、掛け持ちでアルバイトをしている。一日18時間という長時間の労働を、一年中続けている仕事の虫。睡眠時間を削って働いているため、いつも疲れきっている。幼い頃からずっと構ってあげられなかった広に引け目を感じており、月に10万円という大金を渡している。広からは敬われておらず、むしろ嫌われている。

江沢 卓也 (えざわ たくや)

野球部に所属している高校生の男子。中学の頃は全国大会での優勝経験もあり、打率7割を誇る天才バッターだった。高校生になってからは、練習に身を入れなかったこともあり、補欠の立場に甘んじている。不可思議堂で借りた、使えば必ずチャンスを活かせるという「チャンス・キャッチャー」を、効力を確かめるため、弟の「江沢正也」に渡す。

尾上 恒二 (おがみ つねじ)

とある会社の会長を務める中年男性。年齢は55歳。一代で大きな会社を築き、悠々自適の生活を送っている。無二の親友だった神埼伸輝に裏切られた経験があり、人を一切信用しない性格になった。伸輝が自分を裏切った理由を知るために、不可思議堂で「人探しダウジングセット」を購入する。

神埼 伸輝 (かんざき のぶてる)

尾上恒二の幼なじみで、親友だった男性。何をするにも一緒、というほど仲が良かったが、ある日、恒二の叔父の遺産である130万円を持ち逃げして姿を消した。5年後に突如として恒二に連絡を入れ、不可思議堂で購入した高価な品で、これまでの償いをすると告げる。

岸田 とおる (きしだ とおる)

さえない男子高校生。年齢は17歳。勉強もスポーツもまるでダメ。幼なじみの亜木里美に想いを寄せているが、本人には伝えることができない。格好いい人間に変身したいという願望をかなえるため、不可思議堂で「変身なまゆ」を購入する。

倉沢 選 (くらさわ すぐる)

体の弱い男子小学生。年齢は7歳。不可思議穣が飼っている「ポチ」を助けたことがきっかけとなり、寝ている間だけ、自由に世界を飛べる能力を与えられた。その際に、とある国で可愛い少女と出会う。

小宮 優己 (こみや ゆうき)

頭のよく、将棋が得意な男子小学生。年齢は12歳。プロ棋士を目指しており、すでに各種の大会でも優勝経験がある実力者。陰気な性格で、人の悪口ばかりをいっているため、周囲からは孤立している。階段でぶつかった相撲好きの少年・見城太に、怪我をさせられてしまい、「相撲なんかやめろ」と命令していた。

見城 太 (けんじょう ふとし)

相撲好きな、体格のいい男子小学生。年齢は7歳。相撲で日本一になるという夢を持つ。おとなしく優しい性格で、小宮優己から、相撲をやめるように命令されたときは、号泣していた。

場所

不可思議堂 (ふかしぎどう)

不可思議無量が店長を務めている店。夢をなくした人々が、必要とする特別な品々を提供する。置いてある品物はいずれもかなりの高額で、半生をかけて支払いをするケースもある。選ばれた人間のみに店が見えるため、普通の人々が迷い込むことはない。

書誌情報

不可思議堂奇譚 全1巻 〈ジャンプコミックス〉 完結

第1巻

(1995年3月発行、 978-4088716671)

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