神々の悪魔

発端

JR京埼線の車内で無差別殺傷事件が発生し、16人もの犠牲者が出る。フード付きの黒い服を着た20代前半の容疑者は逃走していた。事件から1週間後、新宿歌舞伎町で風俗嬢として働くトリ子と結婚を考えていた無職の雨宮蓮次は、店でのプレイ中、トリ子に性器を嚙まれてしまう。トリ子のおかしな様子を心配した蓮次が、後日トリ子のマンションを訪ねると、悪魔のような形相で猫を踏みつぶすトリ子の姿を目撃する。恐怖のあまりその場を立ち去る蓮次だったが、そこに現れた謎の老神父、御田蔵は、十字架を取り出して詠唱をしながら蓮次に聖水を振りかける。蓮次の背後に、悪魔に取り憑かれたトリ子がいたのだ。聖水を浴びたトリ子は絶叫しながら逃げ出す。トリ子を攻撃したことを責める蓮次に、御田蔵神父は悪魔を見つけ、悪魔を祓（はら）う「エクソシスト」だと名乗る。そんな中、蓮次は御田蔵と共にトリ子のマンションへ向かうと、そこにはいつもと変わらないトリ子の姿があった。トリ子に婚約指輪を見せる蓮次だったが、御田蔵の気配を察知したトリ子が豹変。悪魔に体を乗っ取られたトリ子は、蓮次に襲いかかる。蓮次の首を締めながらも、かすかに残ったトリ子の意識は蓮次に助けを求める。蓮次の聖水と御田蔵の詠唱を受けたトリ子は、窓ガラスを突き破って暗闇の中に姿を消してしまう。そして行き場を失くしたトリ子は、逃亡した先でフード付きの黒い服を着た無差別殺傷事件の容疑者と出会う。

エクソシスト

JR京埼線無差別殺傷事件以後、東京では不可解な事件が続き、刑事の水嶋は調査を進めていた。一方、姿を消したトリ子を捜していた雨宮蓮次は、トリ子を助けるために神父の御田蔵にエクソシストとしての弟子入りを頼み込む。しかし、危険すぎることを理由に蓮次を教会に残し、御田蔵は野崎アミという少女の悪魔祓いに向かう。だが、蓮次は独断で御田蔵のあとをつけ、アミの悪魔祓いに無理やり参加する。ベッドにロープで四肢を縛り付けられていたアミだったが、魔王サタンの臣従ウァラクに体を乗っ取られると天井に飛びつき、狂暴な本性を露（あら）わにして襲い掛かる。言葉巧みに蓮次を籠絡しようとするウァラクだったが、御田蔵と蓮次の協力によってなんとか祓われるのだった。

団地

女子高校生の草野真帆は、住んでいる団地住人の不可解な自殺が相次ぎ、次は自分の番だと恐れていた。そんな真帆の様子を見た雨宮蓮次は、悪魔の存在を感じ取る。偶然出くわした刑事の水嶋と共に真帆の住む団地に向かうと、そこは異様な雰囲気に包まれており、三人は悪魔に取り憑かれた住人たちに取り囲まれてしまう。水嶋に助けられながら住人から逃げる蓮次たちは、同じ団地に住む真帆の幼なじみの神澤淳が悪魔を召喚していることを知る。団地の屋上で神澤を見つけた蓮次は必死に悪魔祓いを行い、神澤は最後に正気を取り戻すものの、空中で体が粉々に砕け散ってしまう。そして上空には、巨大な悪魔、七王の一人であるパイモンが姿を現すのだった。