概要・あらすじ
4月。大学に入学した桐谷余花は、新歓コンパで同級生から嫌われてしまう。以来2週間、友達ができない余花は、ある雨の日、大学近くの神社に向かう。そこは、大学受験の時に偶然見つけた場所で、不思議と落ち着く場所だった。「友だちができますように」と祈る余花の前に、白い髪と赤い目をしたイケメンが突然現れた。彼は鏡蛇という神様で、2か月間、余花を待っていたという。受験帰りに「もし受かってこっちに住むことになったら、また来ます」という余花の言葉を覚えていたというのだ。鏡蛇は、余花を花嫁にすると宣言する。余花は鏡蛇のことを、幻覚かちょっとおかしい人だと考え、適当にあしらって神社をあとにする。別れ際に鏡蛇は、余花が差していた傘を、命の次に大切にするようにと話して消えた。その折りたたみ傘は祖母の形見で、いつも大事に持ち歩いているものだった。翌日、大学の教室で、余花は傘を持ちながら鏡蛇の名を呼んでみた。すると急に風が巻き起こり、そこに鏡蛇が現れた。鏡蛇の姿も声も他の人には見えていないらしい。彼は本物の神様だった。祖母の形見の傘は、神と人間を繋ぐ依り代なのだそうだ。神様に見初められた女子大生は、鏡蛇のいいなずけとして、次第に彼に惹かれていくのだった。
登場人物・キャラクター
桐谷 余花 (きりたに よか)
大学1年生の女子。強気な性格が災いし、新歓コンパで同級生に嫌われてしまう。以来、クラスに馴染めず、友達ができないことに悩み、神社で願い事をする。そこは大学受験の時にも訪れていた神社で、神様の鏡蛇に見初められ、プロポーズされる。ストーカーのようにつきまとう鏡蛇に困惑していたが、やがて彼の優しさと自分への愛に気づき、惹かれていく。
鏡蛇 (かがち)
桐谷余花が通う大学の近くにある神社の神様。白い髪、真っ赤な眼、牙が特徴の和装イケメン。本体は白蛇。大学受験の帰りに神社に立ち寄った余花を見初める。2か月後、再び神社にやって来た余花にプロポーズする。数々の神通力を持つ。