薫る花は凛と咲く

薫る花は凛と咲く

三香見サカの初連載作品。底辺男子校の千鳥高校と名門お嬢様校の桔梗女子高校という、隣接する対照的な学校を舞台に、千鳥高校の生徒である凛太郎と桔梗女子高校の生徒である薫子を軸にした物語。凛太郎の実家のケーキ屋「Patisserie Plain」での偶然の出会いをきっかけに、強面で不良に見られがちな凛太郎と見た目で人を判断しない薫子の交流が始まる。二人の関係は、翔平や朔、絢斗、昴といった友人たちを巻き込みながら、学校間の対立や固定観念を取り除いていく。本作は、学校生活の日常描写と恋愛要素を組み合わせた青春学園ラブコメディである。千鳥高校を嫌う桔梗女子高校の校舎が、常にカーテンが閉まっていて教室が見えないことから、「カーテンの向こう側」という言葉で、隔てられた世界と心理的距離感を表現。近くて遠い二人の仲が、徐々に接近していく過程が丁寧に描かれる。講談社「マガジンポケット」2021年10月21日より連載。2022年に、第6回「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」第2位、「次にくるマンガ大賞2022」Webマンガ部門第6位に選ばれた。2023年には「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」で第7位、「三洋堂書店コミックアワード『#でらコミ!4』」で準大賞を受賞。2025年7月からはテレビアニメが放送。

正式名称
薫る花は凛と咲く
ふりがな
かおるはなはりんとさく
作者
ジャンル
恋愛
 
青春
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
既刊20巻
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作品の概要

基本情報

三香見サカの初連載作品。

要旨と舞台設定

底辺男子校の千鳥高校と名門お嬢様校の桔梗女子高校という対照的な2校がある町が舞台。千鳥高校の生徒である紬凛太郎と桔梗女子高校の生徒である和栗薫子を中心に、固定観念や偏見を超えた交流が描かれる。

ストーリー展開

物語は、凛太郎の実家のケーキ屋「Patisserie Plain」での偶然の出会いから始まる。強面(こわもて)で不良に見られがちな凛太郎と、見た目で人を判断しない薫子の間に生まれる関係性は、宇佐美翔平や夏沢朔、依田絢斗、保科昴といった友人たちを巻き込みながら発展していく。両校の生徒間の交流は、周囲の反発を招きつつも、互いを理解し偏見を乗り越えていくことになる。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、学校生活を軸にした日常描写と恋愛要素を組み合わせた青春学園ラブコメディである。特に隣接する男子校と女子校という設定を活かした「近くて遠い関係」をテーマとしており、学校間の対立や個人の成長過程が描かれる。

作品固有の表現技法と特徴

千鳥高校を嫌う桔梗女子高校の校舎は、常にカーテンが閉まっていて教室が見えない。作中では「カーテンの向こう側」という象徴的な言葉が繰り返し使われ、隔てられた世界と心理的距離感が視覚的に表現されている。

連載状況

講談社「マガジンポケット」2021年10月21日より連載。

受賞歴

2022年第6回「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」第2位。

2022年「次にくるマンガ大賞2022」Webマンガ部門第6位。

2023年「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」第7位。

2023年「三洋堂書店コミックアワード『#でらコミ!4』」準大賞。

メディアミックス情報

テレビアニメ

2025年7月からTOKYO MXほかにて放送。アニメーション制作はCloverWorks。キャストは紬凛太郎を中山祥徳、和栗薫子を井上ほの花が演じる。

学校間の対立も気にしない、芯の強い女の子

千鳥高校に通う、強面でいつも人に怖がられてきた紬凛太郎と、お嬢様校・桔梗学園に通う、人を見た目で判断しない和栗薫子との青春学園ストーリー。凛太郎は怖いとレッテルを貼られ続けてきたため、相手に心を開けず、諦めることに慣れていた。そんな凛太郎の前に現れた薫子は、噂に惑わされず自分が見てきたことだけを信じる、意志の強い女の子。桔梗学園と千鳥高校がいがみ合っていることも気にしていなかった。薫子は出会った時から凛太郎に好意を寄せているが、自己評価の低い凛太郎はその好意にすぐには気がつかず、二人の甘酸っぱい関係は少しずつ進展していく。

小柄でよく食べる癒し系

和栗薫子は、小柄だが食べることが大好き。ごはんをおいしそうに食べるので、周りを癒し、幸せな気分にさせる。喜怒哀楽がはっきりしており、赤くなって照れる、驚く、弾けるように笑うなど、表情の豊かさも魅力。また「ありがとう」と「ごめんなさい」が自然に言える素直な女性。噂や外見で人を判断しない、しっかりした考えの持ち主でもある。不良に腕をつかまれ、紬凛太郎のことを悪く言われた時も「噂だけで決めつけて、相手を知ろうともしないのに、好き勝手言うのはやめてください。不愉快です」と物おじせずに自分の意見をハッキリ伝える。

登場人物・キャラクター

紬 凛太郎 (つむぎ りんたろう)

高校2年生の16歳の男の子。偏差値が低く、底辺といわれる男子校・千鳥高校に通う。190センチと背が高く、金髪でピアスをしている。目つきが悪く強面で、初対面の相手は凛太郎を見て勝手にビビり、なぜかケンカを売ってくる。本当は優しくて素直な性格をしているが、いままで見た目で勝手な判断をされてきたことから、諦めが早く、自己評価も低い。また、自分の内面を伝えるのも下手で、友達との間にも壁をつくってしまう。勉強は苦手で赤点の常連だが、運動は得意。親はケーキ屋を営んでおり、よく手伝いをさせられる。

和栗 薫子 (わぐり かおるこ)

高校2年生の16歳の女の子。名門お嬢様女子校・桔梗学園に通う。身長148センチと小柄で目が大きく、腰までの長い髪が特徴。お嬢様ではなく一般家庭で育ち、特待生で桔梗学園に入学し、成績一位をキープしている。高飛車なところはなく、人を見た目で判断しない。また、表情豊かで花が咲くように明るく笑い、素直で友達思いなうえ芯も強い。食べることが大好きで、紬凛太郎の親が営むケーキ屋の常連。食堂でバイトをしたお金を貯金して、月に1~2回、ケーキを買いに行く。

保科 昴 (ほしな すばる)

和栗薫子の幼なじみで親友。薫子と同じ名門お嬢様女子校・桔梗学園に通う、高校2年生の16歳の女の子。身長172センチと長身で、銀髪のスレンダー美人。千鳥高校の生徒を冷たい目で睨むなど、キツイ印象を与えるが、実は幼い頃、髪の色で男子からいじめられてきたため、男が苦手。本当は泣き虫で友達思いな面があり、桔梗学園で薫子の立場が悪くなるからと、紬凛太郎から薫子を遠ざけようとした。

夏沢 朔 (なつさわ さく)

紬凛太郎の友達でクラスメート。千鳥高校2年1組の16歳の男の子。凛太郎、依田絢斗、宇佐美翔平といつもつるんでいる。頭が良くて成績優秀なため、赤点常連の凛太郎と翔平に勉強を教えることもある。イケメンで、女子からモテる。よく毒を吐き、ドライに見えるが、友達のささいな変化には敏感。あまり自分を見せようとしない凛太郎を歯痒く感じており、もっと自分たちを信頼してほしいと思っている。

宇佐美 翔平 (うさみ しょうへい)

紬凛太郎の友達でクラスメート。千鳥高校2年1組の17歳の男の子。凛太郎、依田絢斗、夏沢朔といつもつるんでいる。明るいムードメーカーで、人懐っこい。成績は悪く、凛太郎と同じ赤点の常連。すぐ頭に血がのぼるタイプだが、自分が悪いと思ったときにはすぐに謝る素直さがある。

依田 絢斗 (よりた あやと)

紬凛太郎の友達でクラスメート。千鳥高校2年1組の16歳の男の子。凛太郎、夏沢朔、宇佐美翔平といつもつるんでいる。しっかり者で4人グループの調整役。身長163センチと小柄でかわいらしい顔をしている。平和主義者だが、友達を傷つけられたら黙ってはいない。ケンカが強く、相手が大勢でも一人で簡単に倒してしまう。

書誌情報

薫る花は凛と咲く 20巻 講談社〈講談社コミックス〉

第1巻

(2022-03-09発行、978-4065266090)

第2巻

(2022-05-09発行、978-4065278512)

第3巻

(2022-07-08発行、978-4065283868)

第4巻

(2022-09-09発行、978-4065291443)

第5巻

(2022-11-09発行、978-4065296417)

第6巻

(2023-01-06発行、978-4065303344)

第7巻

(2023-03-09発行、978-4065309599)

第8巻

(2023-05-09発行、978-4065316016)

第9巻

(2023-08-08発行、978-4065326077)

第10巻

(2023-11-09発行、978-4065335086)

第11巻

(2024-01-09発行、978-4065341681)

第12巻

(2024-04-09発行、978-4065351567)

第13巻

(2024-07-09発行、978-4065361207)

第14巻

(2024-10-08発行、978-4065370445)

第15巻

(2025-01-08発行、978-4065380536)

第16巻

(2025-04-09発行、978-4065390405)

第17巻

(2025-06-09発行、978-4065397459)

第18巻

(2025-08-07発行、978-4065403563)

第19巻

(2025-09-09発行、978-4065408131)

第20巻

(2025-10-09発行、978-4065408148)

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