独身ゴシップライターの純愛ラブストーリー
芸能スキャンダルを扱うゴシップライターの山波遥は、仕事に追われて独身のまま30歳を迎えた誕生日に、小学生時代に好きになった少年・こうちゃんを思い出す。こうちゃんの顔は遥があこがれる人気俳優・SORAにそっくりで、こうちゃんと似たような顔が無意識に好みのタイプだったことに気づく。それ以来、遥は地元で山猫ワイナリーを営む幼なじみの猫作や同僚たちを巻き込んで、苗字と愛称しかわからないこうちゃんとの思い出を、時を超えてよみがえらせていく。少女時代と初恋の思い出を辿る純愛ラブストーリーがフルカラーで描かれる。
思い出の男の子と人気俳優の共通点
18年間止まったままの初恋が忘れられず、こうちゃんとの記憶がよみがえるたびに過去を後悔する山波遥だったが、仕事でSORAが出演する映画のインタビューに出向くことになる。インタビュー中も自分はSORAとかけ離れた存在だと思い知らされるが、彼とこうちゃんとの共通点を無視できなかった遥は、地元に戻って猫作に協力を求め、小学校時代のこうちゃんの写真を見せてもらうことになる。そんな中、遥がなくしたと思っていたこうちゃんからプレゼントされたスーパーボールが、猫作の机から見つかる。さらに、遥と猫作の結婚を願う彼女の両親が根回しのために奔走していた。
交ざり合う幼なじみ三人の思い
SORAがこうちゃんなのか真相がはっきりしないまま、山波遥はSORAとの関係を彼のマネージャーに警戒されるようになる。しかし、仮にSORAがこうちゃんだったとしても、ただの庶民でしかない自分がSORAとかかわるべきではないと葛藤を抱える。そんな中、SORAに新たなスキャンダルが浮上し、記者として彼のゴシップを追う遥は、その過程でSORAがこうちゃんだと知る。さらに猫作が遥に告白するために上京してきたことで、物語は大きく動き出す。両親を失い、兄と極貧生活を送っていたこうちゃんが、人気俳優になるまでの過程や交錯する幼なじみ三人の恋愛模様も見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
山波 遥 (やまなみ はるか)
芸能ニュースサイトのライターを務める女性。忙しい日々を送っている。仕事中は前髪が邪魔にならないよう、文房具クリップで髪を留めている。小学6年生の頃に小学3年生のこうちゃんを好きになるが、いじめられるのを恐れて彼の兄が好きになったとウソをついた過去を持つ。会社で30歳の誕生日を迎えた日、あこがれの俳優・SORAの熱愛報道をきっかけに、無自覚に少年ぽい顔の男性ばかり好きになってしまうことに気づき、一瞬に17年前の夏が蘇り、こうちゃんへの恋心を再熱させる。
こうちゃん
かつて山波遥と同じ小学校に通っていた少年。遥の初恋の相手でもある。当時は小学3年生で、遥の三つ年下。遥の家の近所に住んでおり、五つ上の兄がいる。遥の幼なじみで、現在は父親の跡を継いで山猫ワイナリーを経営する猫作とも仲がよく、三人で遊んだこともある。こうちゃん自身が引っ越しが決まって遥に別れを告げに来た際に、祭で取ったスーパーボールを彼女にプレゼントした。遥の推し俳優であるSORAと顔がよく似ている。
書誌情報
私のことを憶えていますか 14巻 文藝春秋
第1巻
(2020-12-08発行、 978-4160910096)
第10巻
(2022-08-04発行、 978-4160910188)
第11巻
(2022-11-04発行、 978-4160910195)
第12巻
(2023-02-08発行、 978-4160910201)
第13巻
(2023-05-10発行、 978-4160910218)
第14巻
(2023-08-09発行、 978-4160910225)