ずっと独身でいるつもり?

ずっと独身でいるつもり?

3人の30代独身女性が、孤独や周囲からの重圧に悩み傷つきながらも、自分らしい生き方を模索していく。「フィール・ヤング」2014年5月から2015年11月号にかけて、不定期に連載された。2013年10月に刊行された雨宮まみの同名エッセイ作品を原案としている。

正式名称
ずっと独身でいるつもり?
ふりがな
ずっとどくしんでいるつもり
作者
ジャンル
キャリアウーマン
 
エッセイ
 
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世界観

独身女性の悩みをテーマにした作品。性格の違う3人の女性の仕事観・恋愛観を描くことで、さまざまなタイプの女性読者への共感を呼ぶ内容となっている。

作品誕生のいきさつ

単行本の巻末対談で、作者のおかざき真里は「2本の長期連載を終えた後、次回作はこれまで挑戦したことのない分野の作品を描きたいと思った」と語っている。その際、新作が自分の手癖に基づいたものにならないよう「信頼できる作家の作品を原作に選ぼう」と考え、本作『ずっと独身でいるつもり?』の執筆がスタートした。

作品構成

本作『ずっと独身でいるつもり?』はまみ由紀乃シミズの3人の物語が、順に展開されるオムニバス形式をとっている。友人同士である3人が時に相談しあったり助け合ったりと、お互いに影響しあいながらそれぞれの人生を歩んでいく姿を描いている。

あらすじ

36歳のまみは、大祖母の葬式のため故郷に戻った際、叔父の士郎に再会する。独身であることに対する負い目や周囲の視線に苦しんでいたまみだったが、自由奔放な士郎の姿から、新たに「なりたい将来像」を見出すのだった。

表現上の特徴

「歩いている場所が砂漠に見える」「意中の相手が食べ物に見える」など、主人公の心情に即したイメージが、あたかも現実世界に反映されているかのように見せる、特徴的な作画表現が用いられている。あくまでもイメージ図であり、実際の光景が変わっているわけではないが、昔の恋人を「鮭」、それを捕食したいと思う自分を「熊」と捉えるなどの比喩が、言葉だけではなく絵でも表現されることで、読み手に効果的なインパクトを与えている。

タイアップ

2015年12月、単行本の発売を祝して、パルコブックセンター吉祥寺店で複製原画展が開催された。展示は、12月末頃まで行われた。

メディアミックス

原案となったエッセイ集『ずっと独身でいるつもり?』はベストセラーズより2013年10月に発売された。webサイト「マイナビニュース」で連載されたエッセイに加筆修正を行い、書き下ろしの章を加えて再編した一冊である。

著名人との関わり

単行本の帯に、ミュージシャンのmiwaが推薦コメントを寄せている。元々おかざき真里作品のファンであるmiwaは、本人の公式ブログでも帯コメントを担当したことへの喜びを綴っている。

登場人物・キャラクター

まみ

ライターとして在宅で働く36歳の独身女性。前髪を真ん中で分け、肩より下あたりの長さの髪の毛を一つに結んでいる。ライターになることが昔からの夢で、日々熱心に働き、先日2冊目の本を出版したばかり。幼い頃の夢は「象さんになること」。運転免許は持っているが、車の運転は非常に苦手。地方の出身だが大学入学を機に上京したため、東京での生活の方が長くなりつつある。

由紀乃 (ゆきの)

まみの友人。36歳の独身女性で、フリーで働いている。前髪を斜めに分けて胸のあたりまで伸ばした黒髪ストレートロングヘアで、眼鏡をかけた女性。仕草に少しオタクっぽいところがある。恋人と別れたばかりで、深い孤独と将来が見えない不安に苛まれている。恋人と行く予定だったドバイ旅行をキャンセルできずにいたところ、昔の恋人の小向日遼太郎と再会し、気持ちが揺れる。 ナッツ類に少しアレルギーがある。

シミズ

まみの友人。36歳の独身女性で、サトウデザイン事務所に勤めている。ふんわりしたショートカットの、明るく仕事熱心な人物。チェック柄の服を着ていることが多い。自分のこだわりを重視して働く一方で、そのことに何の意味があるのかと悩み始めている。お洒落なカフェで出される料理より、カツ丼など庶民的な食べ物のほうが好き。バンド「ホーランズ」のファン。

士郎 (しろう)

まみが大祖母の葬式で再会した、まみの叔父にあたる初老の男性。バツイチで現在は独身。マイペースでやや非常識だが人を惹き付ける魅力があり、異性にも親戚一同にも好かれている。まみには「いつも好きな服装をして好きな車に乗り、大きな犬を愛し、毎日楽しそうに生きている」存在と認識されており、最初はあまりいい印象を抱かれていなかった。

小向日 遼太郎 (おびなた りょうたろう)

由紀乃が大学生時代に交際していた男性。まみたちの同級生で、前髪を斜めに分け、眼鏡をかけている。同窓会で由紀乃と再会し、一緒に食事することになる。無意識に相手を傷つけるような毒のある発言が多く、交際当時から由紀乃によく不快な思いをさせていた。

由紀乃の元恋人 (ゆきののもとこいびと)

由紀乃が先日まで交際していた若い男性。がっしりした体型と太い眉が特徴の、優しい雰囲気の人物。由紀乃とは交際中、一緒に温泉や海を訪れ、仲睦まじい様子の写真をSNSに多数投稿していた。由紀乃とはドバイ旅行も計画していたが、彼女が自分のことをあまり好きではないと察し別れた。

和彦 (かずひこ)

シミズの恋人。シミズと関係は持っているものの、彼女には「薄く付き合っている」程度の人という認識を持たれている。あまり頻繁に会ってはおらず、シミズは久しぶりに会った際にも途中で眠ってしまったことを申し訳なく思っていた。

シミズの同僚 (しみずのどうりょう)

シミズと同じサトウデザイン事務所で働く若い男性。パーマをかけた長い前髪が特徴の人物。バンド「ホーランズ」が好きで、週末開催のコンサートのために食事時間も惜しんで働いている。しかし突発の仕事が入り諦めかけていたところをシミズに鼓舞され、ある行動に出る。恋人がいる。

まみの母親 (まみのははおや)

地方に住むまみの母親。30代半ばで独身のまみのことを「かわいそう」と捉えており、無意識にまみを傷つける。タケシと結婚することになったまみに式を挙げる費用があることを伝えるが、本当にまみはタケシのことが好きなのか、という点については不安に思っている。

タケシ

まみの恋人。交際を始めて間もないまみに、軽い雰囲気で結婚を申し込む。しかし結婚が決まった途端「貯金はない」「ブライダルチェックは受けない」など、まみの稼ぎや努力に依存した無責任な発言を繰り返す。まみに早く子供を産んでほしいと考えている。

クレジット

原案

雨宮まみ

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