私の町の千葉くんは。

私の町の千葉くんは。

かつての母校で教師を務める小野寺マチは、初恋の人そっくりな転入生の千葉悠人と二度目ともいえる初恋をしてしまう。それもそのはず、悠人はマチの初恋の相手、千葉悠一の弟だったのだ。悠人を見るたびに当時の気持ちを思い出し、ときめくマチだったが、そんな彼女の前に悠一本人が姿を現す。初恋の相手と、その弟のあいだでゆれ動く高校教師の姿を描いた、サンドイッチラブコメディ。「ハツキス」2018年1月号、5月号、およびデジタル雑誌としてリニューアルされた「ハツキス」1号から掲載の作品。さらにコミックス第2巻には、「Kiss」2019年1月号に掲載された番外編エピソードも収録されている。

正式名称
私の町の千葉くんは。
ふりがな
わたしのまちのちばくんは
作者
ジャンル
教師
 
恋愛
レーベル
KC KISS(講談社)
巻数
既刊9巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

27歳の小野寺マチは、自分の出身高校で教師を務めている。週末になると合コンに参加する日々を送っているが、最近は心をときめかすような恋愛をしておらず、何も考えずにスコーン、と恋に落ちた頃が懐かしいと、高校時代の初恋に思いを馳せていた。そんなある日、マチのクラスにやって来たイケメン転入生の千葉悠人は、なんとマチの初恋の相手、千葉悠一の弟だった。高校時代の思い人と瓜二つの悠人を前に、マチの心はすっかり女子高生時代に戻ってしまう。内心動揺しつつも、それを隠しながら悠人と接するマチだったが、抵抗空しく、マチは10歳下の彼に二度目の恋に落ちてしまう。そんなある日、マチは合コンで悠一と衝撃の再会を果たす。高校時代のイメージのまま、エリートサラリーマンになっていた悠一との再会で、二人は急接近する。

第2巻

小野寺マチは、初恋の相手である千葉悠一とまさかの再会を果たす。その合コンでは泥酔して、絶望的な状況になったにもかかわらず、マチは悠一からの誘いを受け、デートを重ねることとなる。悠一はマチに好感を抱いてストレートにその思いを伝え、マチはそんな悠一と再び恋に落ちるのに時間はかからなかった。一方、マチの職場である学校では、体育祭を目前に控えて学校全体がその準備に忙しく、マチは悠一そっくりの弟の千葉悠人が視界に入るたび、ときめきを感じることに罪悪感を抱いていた。そんな中、マチは体育祭準備に必要なインクを買いに悠人と二人で出かけることになる。この時をチャンスとばかりに、悠人は大胆にマチにせまる。マチはすべてを拒みきれない自分自身に危機感を抱きながらも、ときめきを止められないまま、体育祭本番を迎えることになる。

第3巻

小野寺マチは、高校時代の初恋相手の千葉悠一と、10年の時を経てようやく結ばれた。幸せに浸るマチだったが、ある日、悠一から会社の先輩に紹介したいと言われて向かった先で、以前合コンで知り合って、一夜を共にしたことがある長谷川と顔を合わせる。マチは動揺しつつも、悠一が席を外したタイミングを見計らい、慎重に言葉を発する。長谷川に自分たちの過去のことを言わないように念押しすると、長谷川は「オッケー」と軽い言葉を返してくる。あまりに重みのない言葉に、このまま長谷川に秘密を委ねることへの危機感を感じたマチは、悠一と二人で乗った帰りのタクシーの中で、過去に長谷川と一夜を共にしたことを正直に打ち明ける。マチの告白にショックを受けた悠一は、その後1週間音信不通となり、破局のピンチにマチの精神状態は限界に達しようとしていた。そしてマチは、坂下みどりと飲んだ帰り道、人恋しさに入った牛丼店で、偶然にも悠一と遭遇。食事をしながら、互いの気持ちをぶつけ合うことで、マチは悠一の気持ちを知り、二人は無事に仲直りするのだった。そんなある日、学校にはかわいい系の女子大学生の和田朝子が、教育実習生としてやって来る。

登場人物・キャラクター

小野寺 マチ (おのでら まち)

母校の私立青沼高校で教師を務める女性で、年齢は27歳。最近、心をゆり動かされるような恋愛をしていないと、恋に飢える日々を送っている。そんな折、転校してきた千葉悠人が、学生時代に同じクラスだった初恋の人、千葉悠一の弟であることを知って動揺する。当時の悠一と外見がそっくりな悠人に「二度目の初恋」をし、教師としての立場に悩みながらも心はすっかり高校時代の自分に戻ってしまう。そんな矢先、合コンで悠人の兄の悠一と再会。再会時には最悪のトラブルに見舞われるものの、その後は個人的に連絡を取ることになり、初恋の人と、まさかの交際をスタートさせることになる。しかし、あこがれ続けた悠一と交際する中、学校では毎日顔を合わせる悠人の存在が無視できず、悠一と悠人のあいだで板挟み状態になっている。お酒は大好きで、合コンにもよく参加しており、三枚目のムードメーカーとして盛り上げ役になることが多い。その割に酒に弱く、酔うとすぐに吐くため、酒による失敗も少なくない。思ったことがすぐ顔に出るため、わかりやすい性格をしている。職場である学校では、スクールカウンセラーを務める親友の坂下みどりに愚痴ったり、恋の悩みを打ち明けたり、話を聞いてもらうことが心の支えとなっている。

千葉 悠人 (ちば ゆうと)

私立青沼高校に転入してきた2年生の男子高校生。かつて兄の千葉悠一の同級生だった、小野寺マチが担任のクラスに在籍することとなった。外見は高校時代の悠一とそっくりだが、まじめな兄とは違い、つかみどころのない性格をしている。友達とじゃれ合ったり、制服をきちんと着ていなかったりと、ふざけた行動を取ることが多い。中学生の頃は、突然金髪にしたこともある。そのため、兄の悠一とは気が合わず、兄弟の関係はあまりよくない。実は幼い頃、まだ高校生だったマチと会ったことがあり、それが初恋となった。教師と生徒という関係にもかかわらず、マチに積極的にアプローチを繰り返すが、持ち前のいたずら好きが仇となり、なかなか本気にしてもらえない。おじが経営する定食屋「くじらや」でアルバイトをしている。実は初恋の相手が青沼高校に通っていることを知り、そのためだけに転校したが、その事実を知っているのはおじだけ。

千葉 悠一 (ちば ゆういち)

千葉悠人の兄で、私立青沼高校出身。年齢は27歳。高校2年生の時に、小野寺マチと同じクラスだった。学生時代は学業もスポーツもともに優秀で、生徒会とバスケットボール部に所属していた。そのため、女子生徒からかなり人気があったが、当時は付き合っている彼女がいたため、女子生徒たちは誰も言い寄れなかった。現在は大手のT商社に勤めるエリートサラリーマンで、2年ほど前に結婚した。しかし、互いに思ったことを言えず、ケンカもしないままに昨年の秋に離婚した。その後、友人に誘われた合コンに参加し、マチと再会を果たした。そして、いっしょに食事をしたことで意気投合。彼女のわかりやすい性格と、いっしょにいて楽なところが気に入り、二人での食事を何度か重ねたあとに交際をスタートさせた。飾らない性格のスタイリッシュなイケメンながら、実は彼女の言動は気にするタイプで、嫉妬心や束縛願望も人並みにある。

坂下 みどり (さかした みどり)

私立青沼高校で、スクールカウンセラーを務める女性。同じ職場の親友の小野寺マチからは、よく恋愛相談に乗っていたため、マチが自分の教え子である千葉悠人に心がゆれていることを知っており、ふつうなら止める立場にもかかわらず、マチの恋路を応援している。契約雇用という状況と、自分は教師ではないという理由で、割と無責任な発言が多いが、そのざっくばらんで裏表のない性格が、マチの心のよりどころにもなっている。

長谷川 (はせがわ)

大手のT商社に勤めるエリートサラリーマンの男性。合コンで小野寺マチと知り合い、連絡を取り合うようになった。優しい性格で、清潔感を漂わせている。ネクタイはいつもハイブランドのものを愛用しているが、食事にはお金をかけないタイプで、マチを食事に誘った際もチェーン居酒屋を利用した。マチとの食事では、彼女の初恋話に付き合っていたが、下心があってのことで、その後ホテルで一晩を共にした。実は千葉悠一の先輩にあたり、のちに悠一とマチが付き合うことになった際、悠一から食事の席を設けられ、彼女として紹介された。その際、マチから互いの関係を秘密にしてほしいと頼まれて快諾するものの、女の子二人と3Pがしたいと自分の願望を伝えた。

三船 (みふね)

私立青沼高校の教師を務める中年女性。小野寺マチの在学中から教師を務めており、千葉悠一のことも知っている。少々固い考え方の持ち主で、教師は異性の生徒の体に触れるべきではないと考え、最近女子生徒から人気の教師の山内に対して、気安く女子生徒とスキンシップを取っていることに危機感を抱いている。

山内 (やまうち)

私立青沼高校の教師を務める男性。小野寺マチの在学中から教師を務めており、当時は「ヒョロ内」と呼ばれ、冴えない印象だった。しかしその後、結婚した妻に服装やヘアスタイルのアドバイスを受け、垢抜けた容姿に変身した。マチが同僚として再会する頃には昔の印象を刷新し、女子生徒から非常に人気のある先生として、遅めの春を楽しんでいる。そのためか、女子生徒とは気軽にスキンシップを図ることに躊躇がない。

松島 由美 (まつしま ゆみ)

私立青沼高校に通う2年生の女子高校生。同じクラスに転入してきた千葉悠人とグループでいっしょにいることが多く、仲がよかった。しばらくして悠人に思いを告白するものの、好きな女性がいるからという理由で断られてしまう。その後、あからさまに悠人のいるグループを避け、インスタグラムのフォローをはずすなど、明らかに態度を変えてしまう。

田中 (たなか)

千葉悠一の学生時代からの友人で、私立青沼高校出身。現在も付き合っている彼女のミキも交えて会うことが多い。高校時代は小野寺マチとはクラスが違っていたため、直接のかかわりはなかった。しかし、バスケットボール部の副キャプテンを務めていたこともあり、女子生徒からはそこそこ人気のある有名な存在だったため、マチにもその存在は認知されていた。

田代 (たしろ)

私立青沼高校で教師を務める男性。がっしりした大柄な体型で、声が非常に大きい。胸の大きな女性が好きだったり、小野寺マチの肩に両手を置いたりと、セクハラすれすれの言動が目につく。新しくやって来た教育実習生の和田朝子がかわいいことから、彼女のことを意識するようになる。朝子がマチから嫌われているかもしれないと悩みを相談され、そのことを直接マチ本人に話したうえで、朝子は繊細な子だからと、きちんと対応するように念を押した。

和田 朝子 (わだ あさこ)

私立青沼高校に教育実習生としてやって来た女子大学生。小野寺マチを担当指導教官として、実習を受けることになった。かわいらしい容姿ながら裏表のある性格で、相手によって態度を一変させる。担当クラスの千葉悠人に目をつけ、手を替え品を替え接近を試み、最終的には家まで送ることと、食事をおごることを条件に色よい返事をもらうのに成功する。しかしマチから、特定の生徒と距離が近すぎだと注意されたため、彼女に対して静かな敵意を抱くようになる。日々「弱々しい女」を演じており、マチから嫌われているかもしれないと周囲に吹聴して回わることで、水面下で味方を増やし、同時にマチの敵を増やそうと画策する。しかし、悠人との関係が思ったようにスムーズにいかないことに業を煮やし、次第になりふり構わなくなっていく。

書誌情報

私の町の千葉くんは。 9巻 講談社〈KC KISS〉

第9巻

(2021-10-13発行、 978-4065257548)

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