放課後の賢者

放課後の賢者

新任英語教師の水嶋葉子が、配属先の市立緑沢高等学校で生物教師、邑崎青磁と出会い、彼に惹かれながら、教師として一人前になっていく姿を描いた学園恋愛ストーリー。「月刊プチコミック」2014年2月号から2014年9月号にかけて連載された。

正式名称
放課後の賢者
ふりがな
ほうかごのけんじゃ
作者
ジャンル
教師
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概要・あらすじ

夢に挫折し、英語教師として市立緑沢高等学校に配属された水嶋葉子は、生徒に教師扱いしてもらえずに悩んでいた。そんな時、「緑の賢者」と呼ばれている生物教師、邑崎青磁に呼び出され、彼が顧問を務める生物部の男子、松永幸が、上級生の女子を好きになったという話を聞かされる。恋に疎い青磁は、葉子に「好きとは性交したいということか」と問い、さらにはいきなり「彼と面談しては?」と言われる。

しかし葉子は、生徒の恋愛に関わることには同意できないと断る。すると青磁は、葉子を協力者として選んだ理由を語り出す。それは葉子の体型や服装が、異性に対してアピールしている証拠だという失礼極まりないものだった。葉子は腹を立て、部屋を飛び出すが、青磁は職員室まで追って来て、どうしても葉子の協力が必要なのだと語る。

仕方なく生物室へ戻った葉子は、告白に向けて一生懸命な幸の姿を見て、協力することを決意。また、青磁も不器用で方向性はずれているものの、真摯に生徒に向き合っている葉子のことを理解する。そして葉子は、青磁と一緒に過ごしていくうちに彼に惹かれ、教師という仕事に対して前向きになっていく。

登場人物・キャラクター

水嶋 葉子 (みずしま ようこ)

市立緑沢高等学校の新任の女性教師。年齢は24歳で、担当は英語。ふんわりとしたセミロングの髪型で、素直な性格をしている。学生時代、受験に失敗したため通訳になる夢を諦め、教師になった。明るく話しやすいこと、そして年齢が近いということもあり、生徒たちからは友人のような対応をされており、完全に甘く見られていることが悩みの種。 料理があまり得意ではなく、昼は同僚と一緒に注文した弁当を食べている。

邑崎 青磁 (むらさき せいじ)

市立緑沢高等学校の男性教師。担当は生物で、生物部の顧問も務めている。アメリカの大学を卒業しており、多数の著書を執筆している。授業も立ち見が出るほど面白く、市立緑沢高等学校始まって以来の天才教師と評されている。他の教師たちに尊敬されている一方で、何もかもを研究対象として見てしまうところがあり、人付き合いは苦手。 職員室が嫌いで第2生物準備室にこもっていることが多い。緑が多い生物準備室にこもる天才という意味で「緑の賢者」というあだ名が付いている。真面目で真摯な性格だが、人の心や一般常識に疎く、客にビーカーでコーヒーを出すような個性的な人物。

松永 幸 (まつなが ゆき)

市立緑沢高等学校に通う2年生の男子。生物部に所属している。3年に進級してからは、生物部の部長を務めるようになる。眼鏡をかけた、小柄でおとなしい人物で、少々泣き虫でもある。2年生の時、自分の研究を褒めてくれた3年生の女子に片想いをしていた。学年トップの成績を収めており、将来は国立大理学部に進学して、研究者になるという目標を持っている。

八戸 竜 (はちのへ りゅう)

市立緑沢高等学校に通う1年生の男子。のちに2年に進級する。生物部に所属している。言葉遣いも態度も悪いため敵が多いが、実際はまっすぐな心優しい性格の持ち主。成績も学年で一、二を争うほどのレベル。邑崎青磁を敬愛しており、彼に迷惑をかけることを極端に嫌っている。そのため、青磁を叱りつけたりする水嶋葉子とは折り合いが悪い。 両親は共働きで忙しいため、1人で家にいることが多い。

(せき)

市立緑沢高等学校に通う1年生の男子。のちに2年に進級する。天然パーマの短髪で、明るく元気な、わかりやすい性格の持ち主。短気でかっとしやすい八戸竜のストッパー役を担うことも多い。成績は普通だが、どんな動物にも好かれるという長所がある。

神前 (こうさき)

市立緑沢高等学校に通う1年生の男子。のちに2年に進級する。前髪は目が隠れるほどに長く、頬にはそばかすがある。非常におとなしい性格で、実は作中で一度もしゃべっていない。成績は優秀で、常に八戸竜と学年トップの座を競っている。

天間 (てんま)

市立緑沢高等学校の女性教師。担当教科は不明。水嶋葉子が副担任をしているクラスの担任を務めている。かつて邑崎青磁が高校生だった時代には、彼の担任を務めていた。現在はショートカットの髪型で小太りの体型をしている。新任の葉子の行動を厳しく注意する反面、青磁とは距離を置いた付き合いをしている。優秀な青磁が教師という職に就いたのは、自分のアドバイスのせいだと思って後悔している。 しかし青磁本人には素直に伝えられず、教師になったことを責めるような態度をとってしまっている。

宮内 (みやうち)

市立緑沢高等学校の男性教師。担当は英語。外はねヘアと緩めのネクタイ、さらに自信過剰な発言から、周囲に軽い印象を与えている。年齢が近いという理由で、水嶋葉子が毎日一緒に昼食を食べている仲間の1人。出張土産として、葉子に「恋が実るまんじゅう」を買ってくる。

集団・組織

生物部 (せいぶつぶ)

市立緑沢高等学校の部活動の1つ。邑崎青磁が顧問を務めている。べっ甲飴を作ったり、川にフィールドワークに出かけたりと活動内容は多彩で、夏休みには学校の合宿所で一泊の合宿をすることもある。また生物準備室では、ウミウシやハムスターなどの生き物を飼育している。顧問の青磁の人気により入部説明会には多くの女子が集まり、日常的にも部室に見学に来る女子は多いが、実際に入部する者は少ない。

場所

市立緑沢高等学校 (しりつみどりさわこうとうがっこう)

水嶋葉子が教鞭を執る、ごく一般的な公立高校。だが、文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール」として認定されている。その理由は明らかにされていないが、校長は、生物の研究で成果を上げている邑崎青磁の力によるものが大きいと考えている。

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