超天才ニートが教師に就任
鑑純一郎は、わずか17歳にして権威ある科学雑誌に論文を発表するほどの天才的な頭脳の持ち主。しかし、やりたいことしかできない体質で、大学卒業後はさまざまな研究施設からのスカウトを断り、自宅でアニメ関連のブログを更新するだけのニート生活を送っていた。そんな中、兄の純一郎の自堕落な姿を見かねた鑑純音から、純一郎の母校「東神鳴高校」の非常勤講師を勧められる。嫌々ながらも講師を務めることになった純一郎は、自ら開発したアプリケーションを用いて生徒たちと交流を深め、瞬く間に人気を集める。やがて、正規採用の教員が着任したため高校を解雇されるものの、純一郎のユニークな教育指導に興味を持った柊学園の理事長、柊暦から銀杏学園高等部の教員としてスカウトされる。
名門校に変革を起こすYD教師
銀杏学園高等部の教師に着任した鑑純一郎は、校則を絶対視する生徒会長の桃園マキナや、父親を亡くしてから荒れてしまった七海征十郎、アニメ声にコンプレックスを抱いている千波花音など、問題を抱える生徒たちと真摯に向き合い、やがて信頼を勝ち取る。また、純一郎のひたむきな姿勢は生徒のみならず、妹の鑑純音や理事長の柊暦からも信望を集めるようになる。そんな中、純一郎はかつての恋人、久遠重音の妹である久遠那由他から命を懸けたゲームを挑まれる。難病に冒されていた重音は、純一郎と共に生きるために成功率の低い手術を受けたが、命を落としたという過去があった。純一郎を姉の仇(かたき)として憎んでいる那由他は、困難なゲームを通して純一郎の命を奪おうとするも、純一郎は生徒のサポートを得て見事にゲームをクリアする。さらに、純一郎が重音の遺言を那由他に告げたことで、彼女を改心させることに成功する。
新クラス「S学級」と天才留学生、ミーシカ
鑑純一郎は銀杏学園高等部の教え子が卒業したあと、一時的に教職を辞していたが、天才児童が集う銀杏学園初等部「S(シード)学級」の立ち上げに伴って教師として復帰する。S学級は新興宗教代表の娘、鍋墨綾子をはじめ、高等部以上の問題児ばかりで、純一郎は高等部と同様に彼らと真摯に向き合い、その心を開いていく。そんな中、ラシア連邦からの留学生、ミーシカことミハイル・バターピッチ・タテプキンがS学級に転入してくる。ミーシカはIQ500を誇り、純一郎すら上回るほどの知識を有していた。だがミーシカは感情に乏しく、文化の違いもあって一般常識にも疎かったが、純一郎の指導を受けてクラスメイトたちに歩み寄り、やがて名実共に「S学級」の一員として歓迎される。しかし高い知能がゆえに、やがてCIAやラシア連邦から身柄を狙われることになる。
登場人物・キャラクター
鑑 純一郎 (かがみ じゅんいちろう)
銀杏学園の教師を務める男性。担当科目は物理で、年齢は23歳。漫画やゲーム、アニメが大好きなオタクで、自らを「やりたいことしかできない」YD病と公言していることから、「YD教師」あるいは「オタ教師」と呼ばれている。17歳にして『ドラえもん』の秘密道具である「どこでもドア」を再現した装置の開発を志し、科学雑誌「サイエンス」「ネイチャー」に論文を発表したり、複数の言語を話せるなど、並外れた頭脳を持つ。大学時代は物理学に傾倒するものの結局装置の完成には至らず、大学卒業後は職にも就かずに自堕落な生活を送っており、家に引きこもってアニメブログの更新に精を出していた。そんな中、妹の鑑純音の勧めで母校「東神鳴高校」の教師を務めることになり、やがて柊学園の理事長を務める柊暦のスカウトを受けて銀杏学園に勤めるようになる。教師に就任した当初は、長い引きこもり生活から体力の低下が著しかったが、学園生活を続けるにつれて身体が鍛えられていく。
鑑 純音 (かがみ すずね)
鑑純一郎の妹で、銀杏学園高等部に通う女子。スポーツ特待生でソフトボール部に所属しており、日々特注品のバットで素振りを欠かさない。負けず嫌いな明るい性格で、学園でも中心的な存在。兄とは対照的にスポーツ万能で、男子にも引けを取らない腕力を誇る。また料理が得意で、留学生のミハイル・バターピッチ・タテプキンも絶賛している。いつもはだらしのない純一郎をぞんざいに扱っているが、彼がバカにされた時は怒りをあらわにしたり、命の危機にさらされた時は激しく動揺するなど、内心では大切に思っている。