あらすじ
第1巻
教師の穂波は、新しく赴任した小学校でなぜか生徒の中に狐がいることに気づく。穂波は幼い頃から人外の存在を察知できる特技を持っており、このきつねが人間のふりをして学校に来ていることを知る。狐であっても自分の生徒に変わりはないと考えた穂波は、彼に勉強を教えようとするが、自分の正体に気づかれたことを知ったきつねは、穂波の前から姿を消してしまう。穂波は、きつねが住んでいる小学校の裏山を訪ね、そこに国語の教科書を置いていつでも学校に来ていいと告げる。穂波の思いが通じたきつねは、やがて学校に通ってくるようになり、こうして一人と一匹の奇妙な交流が始まるのだった。
登場人物・キャラクター
穂波 (ほなみ)
小学校の教師を務める男性。田舎の小学校に赴任してきた際に、生徒の中にきつねがいることに気づく。幼い頃から人外の存在を察知するという特技を持っており、基本的にはその存在に気づいても何もしないという方針だったが、きつねが学校に行きたいと思っていることを知り、勉強を教えることを決意する。その後は少しずつながら、きつねに勉強とともに人間社会での生き方を教えつつ、きつねからも自然のルールを学ぶようになる。
きつね
狐の少年。人間を化かして穂波が勤める小学校の生徒に混じって授業を受けている。当初、穂波のクラスでは、周囲の生徒たちからその姿は見えていなかったが、やがて打ち解け、受け入れられるようになる。小学校の裏山に住んでおり、穂波から勉強や人間社会での過ごし方など、さまざまなことを教えられて成長していく。
芹沢 (せりざわ)
穂波の同僚の女性。穂波がきつねと親しくしていることを知り、伝染病の蔓延を危惧して穂波に注意をうながす。穂波のわずかな服装の乱れを指摘するなど、やや融通のきかない性格の持ち主だが、根は生徒思いの優しい先生である。