概要・あらすじ
小学校教師の清水佐和子が亡くなった事件の潜入捜査をするため、刑事の遠山公平は風花小学校5年2組の担任教師になった。着任早々、清水も悩んでいたという宮原誠のいじめ問題に直面した遠山は、宮原に虚言癖があるという話を聞き、それがいじめの原因になっているらしいことを知る。いじめた犯人を直接締め上げると意気込む遠山を、養護教諭の成田玲子は「いじめはデリケートな問題だから」と諭すが、それでも遠山は「実際に傷ついている被害者をオレは守る」と強い口調で返すのだった。
この言葉を偶然聞いた宮原は遠山を信頼し、自分には人が人間じゃないモノに見えるという秘密を打ち明ける。
登場人物・キャラクター
遠山 公平 (とおやま こうへい)
山之内署捜査課で刑事を務める若い男性。潜入捜査のため、風花小学校5年2組の担任となった。身長が高く図体がデカいので、生徒たちからは「デカキョー」と呼ばれている。子供を守りたい気持ちが強い熱血漢で、「サイコロ」が見える宮原誠の協力のもと、前担任である清水佐和子の事件の真相に迫る。
宮原 誠 (みやはら まこと)
風花小学校5年2組の男子生徒。虚言癖があるといじめの対象になっていたが、自分を守ると言い切ってくれた遠山公平を信頼するようになる。遠山が刑事だと知る唯一の生徒。「サイコロ」が見え、人が人間ではないモノに見える能力を活かして遠山の捜査に協力する。祖母の宮原クルミに育てられている。
清水 佐和子 (しみず さわこ)
風花小学校5年2組が4年2組だった時の担任で若い女性教師。新学期前に自宅マンションから飛び降りて亡くなったが、他殺か自殺かの真相を探るべく遠山公平が潜入捜査にあたることになった。遠山と宮原誠による捜査で、生徒想いの教師であったことが浮き彫りにされていく。
成田 玲子 (なりた れいこ)
風花小学校の若い女性養護教諭。「教師の仕事は子供を信じること」を信条とし、手荒な対処の仕方を好まない。実は秋田の元ヤンキーで、警察が苦手で怒ると方言が出てしまう。遠山公平に協力的でいつも遠山のクラスを気にかけている。
真中 通 (まなか とおる)
風花小学校6年2組の男子生徒。大人びたミステリアスな少年。清水佐和子を慕っており、当初は清水を自殺に追いやったのは5年2組の生徒だと思い憎んでいた。宮原誠と同じく「サイコロ」を見ることが可能で、サイコロを操ることもできる。
宮原 クルミ (みやはら くるみ)
宮原誠の祖母で昔は女優だった。心優しく、子供たちには信頼できる大人がそばについていることが必要だと考えており、偶然出会った孤独な少年・根岸竜太郎を気に掛けるようになる。誠のことを「マコトさん」と呼んでおり、誠の能力では、宮原クルミが若い女性に見えている。
遠山公平の母 (とおやまこうへいのはは)
遠山公平の母親。警察官だった夫とは、彼が子供を守って殉職した際に死に別れている。明るくひょうきんな中年女性であり、変装が得意でケンカも強い。「トイレをきれいにすると心もきれいになる」という持論から、息子には家の便所掃除を担当させてきた。
芹沢 信行 (せりざわ のぶゆき)
風花小学校の男性教師で6年2組の担任。合理主義で冷たい印象だが、面倒を見てもらった生徒は成績が上がると父兄からの評判はいい。優秀な生徒には秘かに私立小学校への転入を勧めている。実は「サイコロ」を見ることが可能で、サイコロを操る能力を持っている。
内海 (うつみ)
警視庁の捜査課長を務める中年男性で、遠山公平の上司。子供をかばって殉職した遠山の父親と親しかったことから、遠山を気に掛けている。政治的圧力がかかったにも関わらず、謹慎中の遠山に暗黙の了解で捜査を続行させるなど、タヌキ親父的な老獪さを持つ。
木村 直樹 (きむら なおき)
第1話に登場する。風花小学校5年2組の男子生徒。いじめのターゲットにされることを極度に恐れるあまり、宮原誠をいじめる気の弱い少年。自分がいじめの対象になったと誤解し、宮原がこれまでの仕返しに自分の靴を取ったと決めつけて異常なキレ方をするが、遠山公平が本気で怒ったことで、我に返る。
高橋 真奈美 (たかはし まなみ)
第2話に登場する。風花小学校5年2組の女子生徒。身長が高いことをクラスの男子にからかわれており、自分でも気にしている。スタイルが良く女子からは羨ましがられるものの、自身は可愛く見られたい願望が強い。自分と同じく身長の高い遠山公平に好感を持っている。
渡辺 和也 (わたなべ かずや)
第3話に登場する。風花小学校5年2組の男子生徒。漫画本を沢山持っているので、クラスメイトから人気がある。宮原誠は彼の持っていた漫画本から「サイコロ」が見えたため、不審に思って後をつけたところ、渡辺和也の万引き現場を目撃してしまう。
平井 綾 (ひらい あや)
第4話に登場する。風花小学校5年2組の女子生徒。水泳が得意で成績が良く、おとなしいいい子だと思われている。しかし、リストカットの跡を成田玲子が見つけたことから、何かしらストレスを抱えていることが判明する。
北里 勇治 (きたざと ゆうじ)
第5話に登場する。風花小学校5年2組の男子生徒。肝試しをしようと、夜の風花小学校に忍び込むことを提案したクラスのトラブルメーカー的存在。4年生の頃、清水佐和子の授業を一度も真面目に受けなかったことを後悔している。
根岸 竜太郎 (ねぎし りゅうたろう)
第6話に登場する。風花小学校5年2組の男子生徒。両親はギャンブル好きで根岸竜太郎に興味がなく、貧乏な家庭環境で育った。これが原因で4年生の時に盗難事件を起こしたことがあり、この話を蒸し返されたことから、「サイコロ」が現れる。自分を気にかけてくれる宮原クルミを次第に慕うようになる。
東田 秋恵 (ひがしだ あきえ)
第7話に登場する。風花小学校5年2組の女子生徒。運動が苦手で、運動会前日には逆さテルテル坊主を作るほどプレッシャーを感じてしまう気の弱い少女。真中通に自身の「サイコロ」を操られている現場を、宮原誠に目撃される。
楽谷 栄一 (らくたに えいいち)
第9話に登場する。風花小学校5年2組の男子生徒。医大教授の息子で私立の小学校への転入試験を控えており、放課後に芹沢信行に勉強を教わっている。塾では公立小学校の生徒はレベルが低いとバカにされており、大きなストレスとなっている。
望月 千鶴 (もちづき ちづる)
第10話に登場する。風花小学校5年2組の女子生徒。クラスの友達に自分のメール好きがうざがられていることを知り、急激にへこんでしまう情緒不安定なところがある。殺し屋と女子高生が織りなすドラマにハマっており、風花小学校の体育用具室に潜伏していた逃走中の井上敏生との出会いを美化してしまう。
井上 敏生 (いのうえ としお)
第10話に登場する。同居する女性に暴力を振るっているとの通報で駆けつけてきた警官を切りつけ、拳銃を奪って逃走した執行猶予中の28歳の男性。風花小学校の体育用具室に逃げ込んだところで望月千鶴と出会い、ケガの手当てを受ける。
その他キーワード
サイコロ
宮原誠が見ることができる、他人の心的ストレスの映像。宮原はこの能力のせいで、人が人間ではないものに見えてしまうため、クラスメイトなどからは、妄想癖・虚言癖があるといじめられていた。誰かの心的ストレスが見えることを遠山公平と宮原の間では「サイコロ」の隠語で呼び、清水佐和子の事件の真相に近づくためにも、宮原は誰かの「サイコロ」が見えるたびに遠山に報告している。 実は真中通と芹沢信行にも「サイコロ」を見ることが可能で、彼らはそれを操ることもできる。