生徒諸君! 最終章・旅立ち

生徒諸君! 最終章・旅立ち

庄司陽子の『生徒諸君! 教師編』の続編で、シリーズ第三部にあたる最終章。「真の教育」を模索する一人の女性が理想の学園を設立し、故郷を再生させるという破天荒な夢を実現させる中、自分の新たな「使命」に気づいていく。また、強い女性に見える主人公、北城尚子の、幼少期における根深い寂寥感、愛する人を失ったトラウマといった複雑な内面も描かれる。「BE・LOVE」2011年第8号から掲載の作品。

正式名称
生徒諸君! 最終章・旅立ち
ふりがな
せいとしょくん さいしゅうしょう たびだち
作者
ジャンル
教師
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あらすじ

第1巻

御園中学の教師を辞めた北城尚子(ナッキー)は、「悪たれ団」の仲間である田村舞田村僚一の結婚式のスピーチで、真の教育を学ぶため、日本を離れると発表する。一方的に別れを突き付けられた恋人、岩崎祝はショックを受けるが、ナッキーとの溝ができた原因を知り、「悪たれ団」の一員である沖田成利の墓参りにナッキーを誘い、自分もアメリカでNBAの専属トレーナーになる道に進むと告げる。御園中学時代の教え子達に送別会を開いてもらったナッキーは、母親、北城未知子と父親、北城誠士との過去のわだかまりを解くべく一夜を過ごし、旅立つ前に心の整理をつけるのだった。

第2巻

御園中学時代の教え子である青木公平を励ますためにスイスを訪れた北城尚子(ナッキー)は、次にフランスに向う。そこで、双子の姉、北城真理子の夫で、自身の初恋の人でもある飛島峻と再会。自分に別れを告げに来たと考えていた峻に、ナッキーは「新しい自分になって会いに来る」と約束するのだった。その後、フィンランドに移住したナッキーは、教師研修生として大学に通う。同じ頃、ナッキーの元恋人、岩崎祝は彼女への想いを断ち切り、アメリカへ旅立っていた。

第3巻

祖母の訃報を受けた北城尚子(ナッキー)は日本に帰国し、祖母が暮らしていた旧若幸田村へ向かう。ナッキーがが幼い頃に育ったその村は、市町村合併により中学校が廃校になっていた。ナッキーはその廃校を譲り受け、5年後に自分の学校を作ろうと決意。その後、ナッキーは御園中学時代の教え子、野口トビオと再会して彼から求愛されるが、今はお互いに目標に向かってまい進すべきだと、その気持ちに応えられない旨を告げるのだった。その後、フィンランドに戻ったナッキーは、問題児であったアルヴィ・トゥルネンの家庭問題を解決。その縁で、弁護士を務めるアルヴィの父親のマックス・トゥルネンから、日本での学校設立に関するアドバイスを受ける。

第4巻

北城尚子(ナッキー)はマックス・トゥルネンとオーロラを見に出かける。オーロラにかつて愛した沖田成利の姿を見たナッキーは、マックスからの愛に甘えながらも、彼を完全には受け入れられなかった。日本に帰国したナッキーは、父親、北城誠士の協力のもと、ナッキーが育った若幸田での学校設立に向けて、企業誘致をすべくプレゼンに奔走する。彼女は若幸田を日本の教育福祉のモデルケースにしたいと考えていた。フィンランドに戻ったナッキーのもとを、日本から野口トビオが訪ねてやって来る。彼はナッキーを「俺の女」扱いし、恋敵、マックスを焦らせるのだった。

第5巻

アメリカに渡った岩崎祝はNBAのトレーナーとして順調なスタートをきったが、北城尚子(ナッキー)を忘れられずにいた。日本に帰国し、若幸田を訪れたナッキーは市長、小津貴昭と、学校設立のプロジェクトの件で敵対する。彼はナッキーの幼なじみで、当時から人気者だった彼女を嫌っていたのだ。市議会で旧若幸田村再生のために、自然との共生と教育の一貫性についてプレゼンしたナッキーだったが、自分の畑から離れるのを嫌う老人達の失望を見て、現実の壁にぶつかる。失意のまま、フィンランドに戻ったナッキー。一方、アメリカの祝は、目を負傷して入院。彼は病院のナース、シェリル・アビーンから愛を告白される。

第6巻

5年間を過ごしたフィンランドで教師研修生としての卒業式を終えた北城尚子(ナッキー)。フランスに立ち寄ったナッキーは、飛島峻に自分の心のけじめとして、ピアスの穴をあけてほしいと頼む。その後、日本に帰国したナッキーは、パティシエとして成長した御園中学の教え子、青木公平と再会。既に若幸田には各企業が誘致され、北城誠士の家族向けホテルも建設中だった。そんな中、ナッキーは翌年の9月に開校する「北城学園」の初等部・中等部の準備に奔走することとなる。

第7巻

春から田村舞夫妻が旧若幸田村の診療所を引き受けると決定、英語教師としてフィンランドからヨアキムが来日したりと、北城尚子(ナッキー)の周辺は慌ただしい毎日になっていた。「北城学園」の開校式を無事終わらせたナッキーだったが、祖父、宮島徳一郎が脳出血で倒れてしまう。そんな中、岩崎祝は婚約者のシェリル・アビーンと帰国するが、ナッキーと祝を見守ってきた岩崎初音の心境は複雑だった。一方、若幸田を訪れた野口トビオは、ナッキーに「戦場カメラマンになる」と告げるのだった。

第8巻

戦場カメラマンになるという御園中学時代の教え子、野口トビオの姿が、かつて自分が愛した、今は亡き沖田成利と重なり、北城尚子(ナッキー)は動揺を隠せずにいた。だが一方で、自分の進むべき道を選択した元教え子の姿を誇りにも思い、北城学園の関係者を集めて、「愛ある教育は教育委員会と保護者のいいなりになってはいけない」という教育理念について熱く語る。ナッキーの父親、北城誠士の「ホテル若幸田」もオープンして、町が活気づいていく中、ナッキーは発達障害の疑いがある立川準という生徒を受け入れる。そして、彼には絶対音感と絶対聴覚が備わっていると判明する。一方、結婚して子供が生まれたというメールを岩崎祝から受け取ったナッキーは、彼の幸せを願い、伸ばしていた髪をバッサリ切るのだった。

第9巻

戦場から帰国した野口トビオの足のケガが悪化し、うろたえる北城尚子(ナッキー)。その姿を見た田村舞は、ナッキーのトビオに対する想いに気づく。そこへトビオの恋人だと名乗るマリナという女性が現れる。マリナは戦場で出会ったトビオを一途に想い、日本にやって来たのだ。彼女はナッキーと「北城学園」で行動を共にするうち、「勉強したい、教師になりたい」という気持ちが生まれる。ナッキーはマリナの力になるべく、彼女が日本で勉強できるよう、父親、北城誠士の力を借りる。一方、音楽の才能を発揮し出した立川準に、芸美大の梅原教授から、彼を引き取って育てたいというオファーが届く。

第10巻

芸美大の梅原教授のもとで音楽を学ぶようになった立川準を支えるため、「北城学園」の教師、瀬川真子は彼のマネージャーになるかどうかの選択を迫られる。北城尚子(ナッキー)の父親、北城誠士の尽力により、マリナに日本での就労ビザ取得の許可が下りる。そんな中、「北城保育園」の保育士として働く三宅静香に、保護者の芝崎と不倫の噂が持ち上がる。自分の御園中学時代の教え子、三宅を心配したナッキーは、今の芝崎を育てたのは彼の奥さんだと諭す。一方、若幸田で有機栽培を実践すべく、ナッキーの幼なじみが立ち上げた「若幸田ファームズ」も無事始動。「北城学園」は保護者会を開き、新設の学校への保護者の不安を払拭、すべては順調であるかのように見えた。

第11巻

北城尚子(ナッキー)の元教え子で保育士の三宅静香は、保護者の芝崎との不倫を精算。そんな中、ナッキーの母親、北城未知子が心労と過労で倒れ、生死の淵をさまよう。ナッキーは自分を責めるが、回復した未知子と父親、北城誠士は、幼少期のナッキーを手放した時の懺悔の気持ちを語り、ナッキーは自分が愛されていたと知る。そんな中、マリナが祖国で教師になるという意欲を胸に、若幸田に戻って来る。また、立川準がドイツのコンクールに出場することになり、ナッキーは教職に未練がある瀬川真子に、「心を優先しろ」とエールを送るのだった。

第12巻

教育委員会から呼び出しを受けた北城尚子(ナッキー)。中学生での留学制度の奨学金申請が批難を受け、来年の「全国一斉テスト」で100位以内に3名以上入ることを条件づけされる。また、ナッキーは立川準のマネージャーとしてドイツに旅立つ瀬川真子を見送る。年が明け、旧若幸田村村立中学の最後の卒業生が出席する成人式で、都会で傷ついた小森沙絵を、ナッキーは自分の生徒のよう暖かく包み込み、勇気づける。一方、立川準はコンクールで金賞以上の規格外という評価を受け、ウィーン音楽学校への留学が決まる。そんな中、マリナの後見人となった弓岡が、マリナにふられたとナッキーに泣きついてくる。

第13巻

教育者となり、いずれ祖国に帰るマリナは、弓岡康介の愛を頑なに拒んでいた。北城尚子(ナッキー)はそんなマリナを「自分の心を解放しろ」と諭し、マリナは弓岡と付き合うようになる。「全国一斉テスト」の結果が予想以上だったので、市長の小津貴昭は、中等部の留学資金を市が学資金として出す、とナッキーに告げる。そんな中、盲目の教師、真田譲を研修生として受け入れたナッキーは、彼の非凡な優秀さと誰とでも打ち解ける柔軟な態度に、即採用を決める。

第14巻

盲目の教師、真田譲と立川準のマネージャーとしてドイツへ飛ぶ瀬川真子の歓送迎会で、北城尚子(ナッキー)は泥酔。一方、ヨアキムは瀬川に告白する。真田とは、教育についての考えが似ていると思っていたナッキーだったが、「他人に助けられたことがない」という彼に違和感を覚える。「全国一斉テスト」の結果で全国的に有名になった「北城学園」には教師募集に応募が殺到し、多忙を極めたナッキーは過労で倒れる。そんな中、戦場から野口トビオが帰国。彼の熱い想いを受け、ナッキーは愛する人を失ってきた過去を告白する。

第15巻

野口トビオへの気持ちに気づいた北城尚子(ナッキー)。戦場カメラマンを止める訳にもいかない彼は、「愛する人をもう失いたくない」というナッキーと一旦距離を置く。一方で沖田成利への愛を忘れられないナッキーは、彼の形見を墓に埋めに行き、気持ちの整理をつける。仕事から離れ、体力回復に努めるナッキーだったが、突如トビオから呼び出される。自分の心に正直になったナッキーは、トビオとついに結ばれる。

第16巻

4月の「北城学園」準始業式で、ひと悶着起こした新入生の石塚蓮。周りに馴染めない彼を、北城尚子(ナッキー)がマンツーマンで指導。自立心が芽生えた蓮を心配する母親も説得し、一件落着。そして、ナッキーは戦場から戻ったトビオを北城未知子や祖父、宮島徳一郎にパートナーとして紹介する。子供を産んでほしいと願う未知子や祖父に、「子供を愛しすぎて、自分の道を捨ててしまう」と、子供を持たない理由を説明するナッキー。納得した未知子は、ナッキーとトビオのために自宅を増築する。そんな中、フランス語の発音が苦手な立野の留学をめぐり、真田譲とナッキーの意見が対立する。

第17巻

北城尚子(ナッキー)は、フランス語の発音に不安のある生徒、立野の課外授業を、真田譲に強引に引き受けさせる。生徒の心に寄り添う大切さを知り、心が変化した真田は、かつて愛した女性に連絡を取り、過去と決別する。一方、ナッキーと野口トビオの新居が完成し、新生活の準備にかかるナッキーのもとに、トビオの乗る予定だったヘリが墜落したとのニュースが入る。幸いトビオは無事だったが、ナッキーは自分の甘さに茫然とする。そしてトビオが新居に到着し、新婚生活を楽しむ中、マリナ弓岡康介が妊娠を報告するためにやって来る。

第18巻

東京に戦場写真展の打ち合わせに行った野口トビオは、週刊誌の女性編集長、皆川から、「自分を抱かないと展示会のブースをなくす」という逆セクハラを受ける。その後、トビオは北城誠士のもとへ行き、北城尚子(ナッキー)のパートナーになる承諾を得る。一方、戦場写真展でナッキーを値踏みする皆川だったが、彼女の人柄と仕事に対する考え方に触れ、清々しい敗北感を覚えるのだった。

第19巻

北城学園」の英語教師、ヨアキムは、立川準のマネージャーとなってウィーンに滞在する瀬川真子にプロポーズ、二人は婚約する。その頃、北城尚子(ナッキー)は生徒達とサマーキャンプ中、激しい雷雨に遭って下山、「ホテル若幸田」で過ごすことになる。マリナ弓岡康介は式の打ち合わせに、小津は国選に出馬し、皆川は退職してルポライターとして野口トビオの写真集を出版するなど、皆それぞれの道を歩む。そこへナッキーの祖父、宮島徳一郎が倒れ、ナッキーの腕の中で息を引き取るのだった。

第20巻

北城尚子(ナッキー)が祖父、宮島徳一郎の四十九日の法要を終えた頃、マリナの陣痛が始まり、助産婦、田宮舞が赤ちゃんを取り出すが、マリナは意識不明になる。くも膜下出血で左半身不随のマヒが残ると診断されたマリナは、リハビリに専念する。一方、野口トビオはマリナの現状を戦地の家族に伝えるべく旅立つ。

第21巻

北城学園」の終業式を終え、野口トビオの帰りを待つ北城尚子(ナッキー)は、校長、金田巌の妻、金田淑子に料理をはじめ、家事全般を叩きこまれる。留学から生徒達が帰国し、ナッキーは皆の成長を見て、留学制度は間違っていなかったと実感。そんな中、トビオも帰国するが、ある日、柴田駆の母親にトビオとの生活を「ふしだら」と言われ、トビオと共に二人の仲を納得するまで説明する。その後、東京に里帰りしたナッキーとトビオだったが、御園中学に行ってみると、そこにはかつての御園中学の教え子達がナッキーを待っていた。

第22巻

かつての御園中学の教え子達に再会し、皆の成長を目の当たりにする北城尚子(ナッキー)。同じ頃、岩崎初音の夫である小説家、岩崎守が権威のある十三川賞を受賞し、一躍時の人となる。若幸田に戻ったナッキーは、死刑囚の息子、柏ノ原涼介を「北城学園」で受け入れようと決める。絶望を誰よりも知る盲目の教師、真田譲と心を通わせる涼介だったが、彼の入学を快く思わない保護者が学園へ押し寄せる。ナッキーは保護者との話し合いの席に生徒を同席させ、涼介への厳しい批判に反発の意をあらわにした生徒の正義感により、難局を逃れる。

第23巻

9月の始業式前に、拘置所にいる死刑囚、柏ノ原涼介の父親に、柏ノ原涼介を会わせた真田譲。彼は涼介の父親に、涼介が成人したら養子にすると告げ、彼を託される。一方、退院したマリナに、「あなたは「北城学園」だけでおさまる人だとは思えない」という言葉を投げかけられた北城尚子(ナッキー)。一方、年が明けた頃、「悪たれ団」の同窓会をすると知らされたナッキーは、岩崎祝との再会を恐れ、激しく動揺する。

第24巻

悪たれ団」の同窓会の前日、岩崎祝と思い出の海で会うことになった北城尚子(ナッキー)。「自分とナッキーのあいだには男女の感情はなかった」と気づいた祝は、自分達は魂で愛し合っているとナッキーに告げる。そして二人はわだかまりなく「悪たれ団」の同窓会に出席。そんな中、故郷で教師になることを自分の使命とし、リハビリに励むマリナの姿を見て、ナッキーは教育について視野を拡げようとしている自分に気づいていた。だが、一方で自分の「使命」を受け入れることに怯えてもいた。ある日、ナッキーは「この学園を自身の足かせにしてはいけない」と真田譲に指摘される。またパートナーの野口トビオもナッキーの変化を察知していた。

登場人物・キャラクター

北城 尚子 (きたしろ なおこ)

初登場時20代後半の女性。通称は「ナッキー」。御園中学の教師を辞め、真の教育を学ぶべくフィンランドに移住し、教師研修生となった。父親は北城誠士、母親は北城未知子、双子の姉、北城真理子(マール)、祖父は宮島徳一郎、祖母は宮島里。何に対しても一途で、物事を中途半端にできない不器用な性格。出会った人間を惹きつけてやまない魅力の持ち主で、男女の区別なく好かれ、「人たらし」と評されることも多い。 語学能力が高いものの、家事が苦手。若幸田で祖父母に育てられていたが、双子の姉、マールが長く生きられないと判明し、中学時代に両親のもとに引き取られる。両親がマール中心の生活を送っていたため、北城家では自分を犠牲にすることが多く、それが自分の心の傷になっている。 中学時代に「悪たれ団」を結成し、彼らとの友情で家庭内における孤独から救われたため、今も彼らとの関係を自分の支えとしている。大学卒業後、御園中学の教師になったが、日本の教育に限界を感じ、恋人として付き合っていた岩崎祝に一方的に別れを告げ、フィンランドに留学。その後、自分のルーツである若幸田を再生し、自らの教育の理想を体現させた「北城学園」を開校させる。 実質上の学園の代表として学園全体をまとめながら、一介の教師として教壇に立つ。初恋の相手である画家の飛島峻が利き腕で絵筆を持てなくなり、愛していた沖田成利が山で死んでいる。そのため、自分の愛した人は不幸になるという思いが強く、人を愛することを恐れている。 だがのちに、生涯のパートナーとして、御園中学の教え子だった野口トビオと結ばれ、若幸田で新婚生活をスタートさせる。

岩崎 祝 (いわさき はじめ)

北城尚子(ナッキー)の恋人。ナッキーが中学時代に結成した「悪たれ団」の一員。ナッキーが教師として御園中学の生徒に必死で向き合っている期間、その存在が希薄になってしまう。ナッキーに田村舞の結婚式で一方的に別れをつきつけられ、絶望するが、NBAの専属トレーナーになるべくアメリカに経つ。16年思い続けたナッキーを忘れられず、その苦しみから救ってくれたシェリル・アビーンと結婚する。

田村 舞 (たむら まい)

田村僚一の妻。夫を支えながら、無医村で助産師や看護師として夫の医院で働いている。北城尚子が中学時代に結成した「悪たれ団」の一員。中学の時から僚一に片思いしており、彼と結婚するために、看護師・介護士・助産師の資格等を取得した努力家。助産師として島の子供を無事取り上げた直後、産気づき、自分の子を自分一人で取り上げた肝の座った性格でもある。 三人の子供の母親で、最初の子供に「尚子」と名付けた。のちに家族で若幸田に移住。旧姓は「五月野」。

田村 僚一 (たむら りょういち)

医師の男性で、妻は田村舞。北城尚子が中学時代に結成した「悪たれ団」の一員。無医村だった島に移住し、後継者を育てたあと、若幸田に家族で移住、旧若幸田の診療所を引き受ける。中学時代はガリ勉だった。

沖田 成利 (おきた なるとし)

北城尚子(ナッキー)が中学時代に結成した「悪たれ団」の一員。独特の大阪弁で話すのが特徴だった。大学生の時、冬山で命を落とす。ナッキーの愛した人物であり、その死が、ナッキーが人を愛するのを恐れる要因となった。ナッキーの双子の姉、北城真理子が亡くなった時、ナッキーの父親、北城誠士を責めたことがあり、いつも外側からナッキーを守っていた。

岩崎 初音 (いわさき はつね)

小説家、岩崎守の妻。コンビニエンスストアの店長として家計を助けている女性。北城尚子(ナッキー)が中学時代に結成した「悪たれ団」の一員。のちに北城邸の跡地に建ったマンション内のスーパーマーケットの経営者になる。中学時代は岩崎祝の事が好きだったが、その後はナッキーと祝の関係をずっと見守って来た。高校時代に強姦されて大きな心傷を負うが、ナッキーに背中を押された格好で被害届を出す。 その時の心無い噂から守ってくれた守と結ばれ、彼を献身的に支える良妻となる。守が十三川賞を受賞したあとは、スーパーの経営を人に任せ、彼の秘書となる。

岩崎 守 (いわさき まもる)

小説家の男性で、妻は岩崎初音、弟は岩崎祝。実力はあるが、「無冠の帝王」と呼ばれるほど、賞には縁のない純文学の作家。北城尚子(ナッキー)が御園中学の教師時代に、生徒に昼夜問わず向き合っていたのを知っていた。そのため、一方的に別れを告げられた弟、岩崎祝に、「ナッキーは既に自分の道を進んでいる」と諭し前を向かせた人物。 のちに、権威のある十三川賞を受賞し、一躍脚光を浴びるが、小説以外のことで頭を悩ませるのが苦痛であり、妻、初音が秘書を引き受けるようになる。

野口 トビオ (のぐち とびお)

北城尚子(ナッキー)の教え子。御園中学3年3組だった男子生徒。父親が戦場カメラマンで爆死したため、中学の時に叔母を頼って上京してきた。自分と似た目をしているナッキーに好意を持ち、11歳の年の差をものともせず、卒業後度々、ナッキーに求愛するが、やんわり断られ続けていた。写真専門学校を卒業したあと、戦場カメラマンとなる。 戦場から帰国した時は、若幸田のナッキーの家に居候するなど、徐々にナッキーとの距離を縮めていった。ナッキーには出会った当時から、魂の結びつきを感じており、10年以上の年月を経て結ばれる。積極的で打たれ強い性格であり、野口トビオ自身も孤独な環境で育ったため、ナッキーの弱さを理解する包容力がある。

北城 誠士 (きたしろ せいじ)

北城尚子(ナッキー)の父親で、妻は北城未知子。ホテル・ユニオンの社長で、世界中にホテルロイヤルチェーンを持つ北城財閥を築いたやり手の人物。ナッキーの双子の姉、病弱な北城真理子を優先させた子育てをしたため、ナッキーに寂しい思いをさせたのを悔いている。ナッキーへの懺悔の気持ちから、彼女が理想とする「北城学園」の設立と若幸田再生のため、自分の人脈と北城家の財力をバックに全面協力を惜しまない。 若幸田の再生をビジネスチャンスと捉え、北城誠士自身も「ホテル若幸田」を設立。建前上、「北城学園」の創立者で理事長でもある。

北城 未知子 (きたしろ みちこ)

北城尚子(ナッキー)の母親で、夫は北城誠士。ナッキーの双子の姉、北城真理子(マール)が病弱だったため、幼少期のナッキーを14歳まで若幸田に預け、つらい思いをさせたと後悔している。溺愛していたマールの死後、精神が壊れてナッキーをマールと思い込み、さらにナッキーを傷つけた過去がある。現在は少しでもナッキーの力になろうと努力し、父親、宮島徳一郎が倒れてからは多忙なナッキーを気遣い、若幸田で父親の世話をする。 ところが、徳一郎から「親が子を選んではいけない」と諫められ、心労と過労で倒れてしまう。入院中、ナッキーと誠士との時間を持って親子のわだかまりを解き、真の親子になったと実感するに至る。見た目が昔とほとんど変わらない美しい女性であり、ナッキーから「お化け」と評されることがある。

北城 真理子 (きたしろ まりこ)

北城尚子(ナッキー)の双子の姉。愛称は「マール」。生まれつき病弱で、長く生きられないと判明したため、ナッキーが若幸田から北城家に呼び寄せられた。飛島峻が北城家に住む形で婚約、死の直前に飛島と結婚した。飛島やナッキーにとって、純粋無垢で天使のような存在だった。

飛島 峻 (とびしま しゅん)

北城尚子(ナッキー)の初恋の人。ナッキーの姉、北城真理子(マール)の夫。フランスで絵を描いているロングヘアでエレガントな男性。利き腕を負傷したため絵が描けなくなるが、マールとの交流で左手でも絵が描けるようになる。北城家に住む形でマールと婚約、マールの死の直前に結婚する。ナッキーがフランスに立ち寄って再会するが、自分に別れを告げに来たと見抜いていた。 マールに出会う前は、ナッキーを思っており、現在も彼女に対して愛に似た複雑な感情を抱いている。

宮島 徳一郎 (みやじま とくいちろう)

北城尚子(ナッキー)の祖父で、北城未知子の父親。妻は宮島里。旧若幸田村で、妻と共に親代わりになってナッキーを育てた。「北城学園」の開校式が終わった頃、脳出血で倒れ、娘の未知子が身の回りの世話をするようになる。未知子や北城誠士が、北城真理子(マール)のためにナッキーを引き取り、その後もマール中心の生活でナッキーを傷つけたと知り、「親が子供を選んではいけない」と未知子を諫めた。 ナッキーを気遣い、いつも見守っていた存在だが、ナッキーの腕の中で眠るように亡くなる。

金田 巌 (かねだ いわお)

北城尚子(ナッキー)の中学時代の恩師の男性。ナッキーが当時家庭科教師であった妻、金田淑子との関係を取り持った。息子は金田発、娘は金田美姫。ナッキーに「北城学園」の校長として迎えられ、家族で若幸田に移住する。ナッキーのよき理解者であり、のちにナッキーが野口トビオと事実婚に至った時も、いち早く気づいていた。

金田 淑子 (かねだ としこ)

金田巌の妻で、息子は金田発、娘は金田美姫。北城尚子の中学時代の家庭科の教師であり、北城尚子(ナッキー)が夫との関係を取り持った。北城学園では給食センター長になり、食の面から生徒や保護者の力になる。のちに野口トビオと事実婚に至ったナッキーに、家事全般を教え込む等、頼りがいのある女性。

金田 発 (かねだ あきら)

金田巌と金田淑子の息子。妹は金田美姫。父親が「北城学園」の校長に就任し、高校生の時に、家族で若幸田に移住する。エンジニアになりたいという目標を持ち、北城尚子と真田譲の高度な授業を消化し、希望大学に一発合格する。

金田 美姫 (かねだ みき)

金田巌と金田淑子の娘。兄は金田発。父親が「北城学園」の校長に就任し、中学生の時に、家族で若幸田に移住する。難病で苦しむ人々を救いたいと、研究者になることを目標にカリフォルニアの医大で医学博士になる道を選択する。

青木 公平 (あおき こうへい)

北城尚子(ナッキー)のかつての教え子。当時御園中学3年3組に所属していた男性。現在はスイスでパティシエになる修行をしている、芯の強い性格の持ち主。同じクラスだった樹里亜という恋人の死に関して、自分の代わりに樹里亜の側に寄り添ってくれたナッキーに感謝の気持ちを抱いている。のちに、コンクールで優勝し、「ジュリア」という店を日本にオープンする。 今も樹里亜を思い続けている一途なところがある。

ヨアキム

北城尚子(ナッキー)がフィンランドで知り合った男性教師。親切で人懐っこい性格であり、語学が堪能で、アーチェリーはオリンピックレベルの腕前を持つ。朗らかで優しかった亡き母に似ているナッキーに好意を寄せており、ナッキーを頼って来日、「北城学園」の英語教師になり、若幸田でナッキー宅に居候するようになる。 ウィーンに渡る瀬川真子にドイツ語を教えた時から真子に惹かれ出し、のちに結婚を申し込む。彼女との距離を縮めるため、フィンランドで教師になる道を選択し、帰国する。

アルヴィ・トゥルネン (あるゔぃとぅるねん)

フィンランドで北城尚子(ナッキー)が研修生として通う学校の男子生徒。両親が離婚してから、テストを白紙で出したり、授業を聞かなくなった問題児。将来有望なスイマーであり、水泳の競争でナッキーに完敗したため、ナッキーに心を開いていく。

マックス・トゥルネン (まっくすとぅるねん)

アルヴィ・トゥルネンの父親で、弁護士。両親の離婚に傷ついたアルヴィに、妻にほかに好きな男性ができたという事実を話せず、仕事に逃げていた。父子の仲を修復した北城尚子(ナッキー)に好意を寄せ、弁護士という職業柄、ナッキーが抱える学校設立の問題の相談役として協力する。

高遠 (たかとお)

30代前半の弁護士の男性。北城誠士が北城尚子(ナッキー)の学校設立のために紹介した。弓岡康介とは中学・高校・大学が同じラグビー部で、現在は誠士の顧問弁護士。ナッキーがフィンランドに滞在中は、若幸田の再生と北城学園設立に向けて弓岡康介と共に奔走。当初はナッキーに好意を寄せていた。 のちに北城誠士の「ホテル若幸田」の支配人となって活躍。高遠自身のホテルで結婚式を挙げる。

弓岡 康介 (ゆみおか こうすけ)

30代前半のプランナーの男性。北城誠士が北城尚子(ナッキー)の学校設立のために紹介した。高遠とは中学・高校・大学が同じラグビー部で、現在は誠士の傘下で働いている。ナッキーがフィンランドに滞在中は、若幸田の再生と「北城学園」設立に向けて高遠と共に奔走。当初はナッキーに好意を寄せていた。 のちに若幸田の都市開発プランナーとなる。マリナの後見人を引き受け、マリナと結婚。故郷に帰り教師になる夢を追うマリナを応援するため、日本で子供を一人で育てる覚悟を持っている。

マリナ

野口トビオを追いかけて若幸田にやって来た若い女性。戦場でトビオと肉体関係を持ったことがある。北城尚子(ナッキー)と行動を共にするうち、勉強して故郷の子供達の教師になりたいという夢を持つと同時に、トビオから誠実に謝罪され、彼への思いも諦める。北城誠士の尽力で日本での就労ビザ取得の許可が下り、後見人となった弓岡康介と交際。 妊娠を機に、弓岡と結婚するが、出産時にくも膜下出血で左半身がマヒしてしまう。だが、自分の故郷で教師になるという使命感にかられ、必死のリハビリで、日常生活ができるほど回復。その一途でひたむきな姿が、ナッキーに影響を与えることになる。

真田 譲 (さなだ ゆずる)

中学と高校の教職免許を持つ「北城学園」の盲目の男性教師。マサチューセッツ工科大学の大学院卒業後、同大学で講師を務める。子供の伸びしろを活かせない日本の教育を憂い、帰国する。しかし、眼病が悪化し、盲目となって教職を失い、絶望していた。生物、化学、物理、地学、果ては宇宙理論から考古学まで教えられる非凡な頭脳の持ち主。 赤ん坊の頃に捨てられて天涯孤独の身の上であり、静謐な雰囲気を持つ人物。教師は知識を与えることがすべてという考え方から、北城尚子と対立するが、生徒の心に寄り添う喜びを知り、生き方を変える。のちに死刑囚の子供である柏ノ原涼介と心を通い合わせ、彼を養子にしようと決める。のちに「北城学園」の教頭に就任する。

瀬川 真子 (せがわ まこ)

北城尚子が御園中学の教師をしていた時の教え子。「北城学園」の教師となった真面目でひたむきな女性。発達障害の疑いがある立川準にピアノを教えたため、世界に羽ばたくであろう彼のマネージャーになり、ウィーンに滞在するようになる。ドイツ語を習った縁で仲よくなったヨアキムと、のちに婚約。ヨアキムには「マコサン」と呼ばれている。

三宅 静香 (みやけ しずか)

北城尚子(ナッキー)が御園中学の教師をしていた時の教え子。「北城学園」の保育士となった女性。保護者・芝崎と不倫の関係になり、純粋故に彼との愛を貫き通そうとする頑なさがあった。しかし、ナッキーに「今の彼を育てたのは彼の奥さんだ」と諭され、不倫を精算する。のちに学園の体育教師、内海に結婚を前提とした交際を申し込まれ、友達から交際をスタートする。

小津 貴昭 (おづ たかあき)

北城尚子(ナッキー)と同じ若幸田村立中学で同学年だった男性。現在は若幸田市の市長を務めている。仲間を作り、授業をさぼっていたのに、何をやらせてもいつも一番である人気者のナッキーを当時から嫌っていた。ナッキーの若幸田での学校設立の件を、夢物語だと一蹴するが、ナッキーの本気の取り組みに、嫌味を並べながらも協力するようになっていく。 実は昔からナッキーが好きだったが、それを自覚していない鈍感な面もある。のちに国政に出馬する。

シェリル・アビーン (しぇりるあびーん)

アメリカに渡った岩崎祝が入院した病院の看護師の女性。祝を好きになり、彼が北城尚子を忘れられずに苦しんでいることを受け入れ、大きな愛で包む強く優しい女性。両親はサウスダコタで農園をしている。のちに祝と結婚し、子供をもうける。愛称は「シェリー」。

立川 隼 (たちかわ じゅん)

「北城学園」に入学した男子。年齢は9歳。発達障害の疑いがあり、落ち着きがなく、時々叫び出したが、絶対音感と絶対聴覚が備わっていると判明する。北城尚子の指導のもと、瀬川真子がピアノを教え、音楽の才能を開花させる。その後、芸美大の梅原教授から彼を引き取って育てることになり、コンクールで金賞以上の規格外だと評され、ウィーン音楽学校で学ぶようになる。

小森 沙絵 (こもり さえ)

旧若幸田村村立中学校の卒業生。北城尚子(ナッキー)の後輩にあたる女性で、年齢は20歳。田舎で何もない若幸田が嫌いで、高校卒業後すぐに上京。キャバ嬢になって男に騙された自分を自嘲するが、ナッキーに「いつでも側にいる」と励まされ、若幸田で祖母の古代型染の工場を継ごうと考えるようになる。

石塚 蓮 (いしづか れん)

「北城学園」に入学した小学1年生の男の子。準始業式で他の生徒を馬鹿にし、北城尚子に「ひっぱたくよ」と叱責されたため、母親の石塚琴美も交えての騒動となる。仲間を作れず孤立していたが、ナッキーとの野外の課外授業で仲間の大切さを教えられ、明るく活発な少年に変わっていく。

石塚 琴美 (いしづか ことみ)

石塚蓮の母親。「北城学園」に蓮を通わせるようにした女性。準始業式で北城尚子(ナッキー)に、次に生まれる子供に意識が行きすぎていると指摘され、蓮のこともしっかり見てあげるよう諭される。子供を自分のおもちゃのように扱っていることに気づいておらず、母親としての自立心に欠ける頼りないところがある。

立野 (たちの)

「北城学園」中等部の女子生徒。フランス留学を控え、発音に問題があるので留学への自信をなくしていた。北城尚子の計らいで、真田譲からフランス語の課外授業を受けるが、容赦しない真田にくらいついていく強さを持ち合わせている。フランス留学後は、芸術作品に寄り添いたいと思い、学芸員になりたいという目標を持つ。

皆川 (みながわ)

出版社「講文社」の週刊誌「ボーダー」の女性編集長。女性の本気を見せるべく、仕事に励んできたキャリアウーマン。気が強くプライドが高い。野口トビオが、年上のパートナー、北城尚子(ナッキー)のことを臆面もなくのろけるのを聞いて嫉妬心が燃え上がり、「私を抱かなければ、戦場写真展のブースはなくなる」とトビオを脅す。後日、ナッキーの仕事に対する考え方に感銘を受け、自分も「幸せを感じる仕事」を模索し、退職してルポライターになる道を選ぶ。

柴田駆の母親 (しばたかけるのははおや)

「北城学園」に通う柴田駆の母親。息子が「転校したくない」と、北城尚子(ナッキー)の家の前で泣いていたため、ナッキーとそのパートナーの野口トビオと話し合う。結婚していないのに同じ敷地に住む二人の関係を「ふしだら」だと決めつける頭の固い女性。だが、最終的には二人のなれそめや現在の関係性の説明を受けて、考えを改める。

柏ノ原 涼介 (かしのはら りょうすけ)

児童養護施設から「北城学園」に通うようになった小学2年生の男の子。柏ノ原涼介の父は強盗殺人を犯した死刑囚で、父親と離婚後に別の男性と再婚した母親からは、引き取りを拒否された。そのため、本来は素直で賢い子供だが、「僕なんか死んだ方がいい」と半ば捨て鉢になっていた。真田譲から、「求めれば助けてくれる人が現れる」と教わり、彼と心を通わせ、生きる希望を見出す。

柏ノ原涼介の父 (かしはらりょうすけのちち)

強盗殺人の罪で死刑囚となった男性。柏ノ原涼介の父親。大学を出て企業に就職するがリストラされ、再就職のあてもないまま離婚した。以降、世間を憎むようになり、息子の柏ノ原涼介にクリスマスケーキも買ってやれないので、強盗殺人という罪を犯してしまった。涼介を一人にしてしまった自分の愚かさを、心から悔やんでいる。

集団・組織

悪たれ団 (あくたれだん)

北城尚子(ナッキー)が中学時代に結成した仲よし六人組。メンバーはナッキー、岩崎祝、岩崎初音、田村舞子、田村僚一、沖田成利。沖田は大学時代に雪山で亡くなった。皆が自分達の原点だとし、現在でも個別に連絡を取り合っている。祝の帰国に合わせて同窓会を開き、ナッキーと祝が別れるようになった舞と僚一の結婚式以降、初めて五人そろっての再会を果たす。

場所

若幸田 (わかこうた)

北城尚子(ナッキー)が、祖父母に14歳まで育てられた土地。ナッキーのルーツであるかつての若幸田村と、現在の若幸田市の双方を指す。もともと、旧若幸田村が合併により若幸田市になったものの、過疎化がさらに進み、ナッキーが通った中学校が閉鎖された。これを機に、ナッキーが父親、北城誠士の全面的な協力のもと、「若幸田の復興」を掲げて、自分の理想の学校を設立しようと奔走するようになった。 自然豊かな環境が教育に適していると考えたナッキーは、若幸田を日本の教育福祉のモデルケースにしたいと、私立北城学園の初等部と中等部を開校。さらに企業も誘致し、誠士は「ホテル若幸田」を建設。こうして若幸田は、雇用も生み出す活気あふれる町になっていく。

北城学園 (きたしろがくえん)

北城尚子(ナッキー)がフィンランドから帰国後、若幸田に建てた私立の学校。創立者および理事長は、名目上はナッキーの父親、北城誠士だが、実質的な代表はナッキーである。校長は金田巌で、のちに真田譲が教頭となる。最初に初等部と中等部を開設し、のちに保育園も併設した。一期生達が中等部を卒業する前に、専門高校と実技大学も作る構想となっている。 高校は、やりたい仕事のための専門校とし、大学は、卒業したら即戦力になるための授業を行う場所としている。資金は北城家をマンションにして誠士が工面、若幸田にナッキーが誘致した企業がスポンサーになり、学費は無料。「全国一斉テスト」で優秀な成績を上げてから全国的に注目されるようになり、市長、小津貴昭の尽力もあって、中学生で留学する制度に市から学資金が下りるようになった。

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