概要・あらすじ
夏休み。文字嫌いの高校生・佐久良空太は、ハワイ旅行にでかけた祖父の代理として図書館館長を務めていた。じいちゃん孝行だという空太だが、同級生の相持心結は、空太がお金で引き受けたのだと見抜いていた。彼のポケットから一万円札がはみ出していたからだ。せっかくだから、宿題である読書感想文を、この図書館で済ませてしまおうという心結だが、文字嫌いの空太は読書に拒否反応を起こす。
そこで心結は、二人で物語を作って、その感想文を出そうと提案する。そんなわけで、心結が二人で考えた物語をまとめ、空太がその感想文を書いた。宿題を一つ済ませ、図書館の戸締まりをしていた空太は、離れの見慣れない部屋を見つける。中に入ってみると、空っぽの部屋だったが、床に本が一冊落ちていた。
それは絵本で、内容は空太と心結が創作した物語とそっくりだった。そこは、空想が現実の絵本として生まれる不思議な部屋だったのだ。