いけちゃんとぼく

いけちゃんとぼく

少年ヨシオが心の中の不思議な生き物いけちゃんと交流をしながら、成長し、大人になっていく姿を描く叙情メルヘン。絵本として出版された。

正式名称
いけちゃんとぼく
ふりがな
いけちゃんとぼく
作者
ジャンル
ファンタジー
レーベル
角川文庫(KADOKAWA)
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概要・あらすじ

ヨシオいけちゃんは、ある日突然出会った。嬉しいことがあると数が増えて、困ったら縮んで、不思議な意思表示をするいけちゃんは、いつもヨシオのそばにいる。ヨシオは日々起こる様々な出来事をいけちゃんに話し、つらいことや悲しいことをのりこえ成長していく。

登場人物・キャラクター

ヨシオ

感受性が強く、様々なことに思いをめぐらす。暗いところと幽霊が苦手。なんとなくそばにいる不思議な存在・いけちゃんと仲良しで、日々起こったこと、心の中に生じた悲しい気持ちややるせない思いなどをいつも語りかけている。大好きなものは「まんがのほん」、大嫌いなものは「海でおぼれること」。

いけちゃん

ヨシオにだけ見える不思議な生き物。色も形も大きさも変化する。神出鬼没で突然現れるが、いつもヨシオのことを見守り、その問いかけに優しく応えてくれる。うれしいと増え、悲しいと小さくなり、こたつに入って温かくなるとよくふくらむ。いけちゃんはずっとヨシオのそばにいたが、男の子の時期が終わるころからだんだん見えなくなっていく。

おばあちゃん

ヨシオの祖母。おばあちゃんの自慢は、女手ひとつで魚屋をやって、5人の男の子を育て、そのうちひとりを大学まで行かせたこと。ヨシオはおばあちゃんの次の自慢になりたいと心の中で思っている。

ヤス

ヨシオの同級生。漁師の子供。2学期の終業式、竹林からまわりこんでヨシオに石を投げ、頭に命中させた。ヨシオの頭には一生残るハゲができた。かなり頭の悪い子で、ヨシオの「バナナは皮が食べられて中身は食えない」という言葉にだまされ、バナナの皮だけを食べ続けたことがある。

たけし

ヨシオの同級生。漁師の子供。正月に親父の船の櫓でヨシオの頭を殴った。ヨシオの頭にはハゲができた。ヨシオが作った昆虫採集セットをたけしが買って、「死ぬ薬」と「元気になる薬」を間違えて弟とその友達に打ったことで村中を揺るがす大騒動を起こした。

きょうちゃん

ヨシオの同級生。うどん屋の息子。ヨシオはきょうちゃんに怪獣カードを無くされ、野球カードを盗まれた。ヨシオは「おかし」だと言って、きょうちゃんにナフタリンを食べさせようとしたが、きょうちゃんはヨシオのことが好きなので、泣きそうになりながらナフタリンを食べた。 きょうちゃんは家業のうどん屋がつぶれたことで、家族で夜逃げして村からいなくなった。

牛乳屋の清じじい (ぎゅうにゅうやのじじい)

一見穏和な老人だが、実は空手使い。牛乳店の裏で空ビンを割って遊んでいたヨシオの脳天に手刀をお見舞いした。

トモとマツ

ともにヨシオの同級生。ヨシオの大事な戦艦長門のプラモデルを壊したため、ヨシオから絶交を言い渡される。

みきちゃん

ヨシオの同級生。ヨシオのことが好きらしい女の子。どうしたらいいか、ヨシオはとまどっている。

お父さん (おとうさん)

ヨシオの父親。お父さんの葬儀に出たヨシオは、いけちゃんに「今の気持ちは百回ぐらい海でおぼれた感じ?」と聞かれ、「うん、100うみ」と答えた。

書誌情報

いけちゃんとぼく KADOKAWA〈角川文庫〉

(2011-11-25発行、 978-4041000021)

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