概要・あらすじ
男子高校生の天川蒼生人は、高校の陸上部に所属し、長距離走をしている。読書家な彼は、図書館で本を借りていたが、貸し出し用の図書カードには必ず野々宮浅葱の名前があった。不思議な縁からふたりは知り合い、蒼生人は浅葱に惹かれてゆく。だが、浅葱には鷺洲冬城という思い人がいた。浅葱に誘われ、画家の卵である冬城が絵を描くアトリエに顔を出すうち、3人はお互いを快く思うようになってゆく。
3人、それぞれの感情を思春期の悩みや感情、学生ならではのエピソードを絡め、繊細な筆致で描く。
登場人物・キャラクター
天川 蒼生人 (てんかわ たみと)
男子高校生。陸上部に所属している長距離走のランナー。インターハイ県予選5000メートルで優勝するほどの実力を持つ。読書家で、図書館の本をよく借りるが、その図書カードから野々宮浅葱の名を知り、興味をもつようになった。浅葱と知り合ってからは、恋愛感情を抱く。また、浅葱を通じ、鷺巣冬城と知り合う。
野々宮 浅葱 (ののみや あさぎ)
天川蒼生人と同じ高校に通う女子高生。生物部所属。しばしば蒼生人と同じ本を借りていたことが縁で知り合う。利かん気の強い女性。鷺巣冬城に思いを寄せているが、告白はしていない。
山科 士郎 (やましな しろう)
天川蒼生人と同じ高校に通う男子高校生。蒼生人と同じ学年。野球部に所属しており、トップバッターを務め、1年生ながらチームを甲子園へと導く原動力となった。部活の練習中、蒼生人が追いかけていた蝶を捕まえたことから、お互いに意識をするようになる。
鷺巣 冬城 (さぎす ふゆき)
画家を志す男性。バイク事故を起こしたことをきっかけに、野々宮浅葱と知り合う。また、野々宮浅葱を通じて天川蒼生人とも顔見知りとなる。元々は天川蒼生人と同じ高校に通っており、蒼生人の兄と同級だったが、バイク事故により留年。絵画に向かう姿勢は純粋で真剣。人間嫌いな一面がある。