概要・あらすじ
人間がほぼ食い尽くされ、食糧危機に陥ったゾンビ社会。人間だった頃、バカにされて見下されていた航(ワタル)は、なぜか一人だけ、人間の知性と感情を残したままゾンビになっていた。飢餓に陥ったゾンビたちのために、ワタルが思いついたのは「人類養殖計画」。人間の男女を交配させて「エサ」を作り、ゾンビの食糧危機を救うシステムを構築することだった。この世界の神になれることに「生きがい」を感じ、興奮していたワタルは、計画のために倉庫で男を一人飼っていた。彼の名はカズ。元引きこもりで、性欲と食欲まみれのクズのような男だった。カズのために、お菓子やエロマンガを調達しながら、人間の女性を探す毎日を送るワタル。そんなある日、ワタルはとうとう人間の女性を見つける。それはなんと、ワタルの元カノの立花ユカだった。ゾンビであるにもかかわらず、人間のように話して行動するワタルにとまどうユカ。しかし、ほかのゾンビたちを蹴散らし、自分を助けてくれたワタルにユカは心を許す。ワタルは、人間を匿っている安全な場所があることを告げてユカを誘うと、一人で不安だったユカはワタルに同行する。クズのような男とユカを交配させることに、良心を痛めるワタルだったが、大いなる計画のために彼は心を鬼にするのだった。
登場人物・キャラクター
航 (わたる)
人間の知性と感情を残したままゾンビ化した青年。モヒカン頭が特徴。母子家庭に育ち、貧乏を経験。人に見下される人生を送ってきたが、ほぼ全員がゾンビ化した社会で立場が逆転。最も頭のいいゾンビとなる。食糧危機に瀕するゾンビ社会のために、人間の男女を交配させる「人類養殖計画」を思いつく。
立花 ユカ (たちばな ゆか)
航(ワタル)の元カノ。ゾンビが蔓延する中、ワタルがかつて秘密基地として使っていた、森の中の小屋を拠点に生き残っていた。交通事故で右足を失い、義足を使っている。ワタルに騙され、彼の「人類養殖計画」のために、キモオタであるカズとセックスさせられそうになる。
カズ
元引きこもりの男性。太っており、無精髭とメガネが特徴のキモオタ。「人類養殖計画」のために、航(ワタル)に飼われている。ワタルが自分に手を出せないのをいいことに、上から目線で横柄な態度を取る。性欲と食欲が強い。
書誌情報
空腹なぼくら 3巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2019-12-26発行、 978-4098604630)
第2巻
(2020-06-30発行、 978-4098606696)
第3巻
(2021-01-29発行、 978-4098608850)